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介護保険法の改正後の動向について 第2回 24年度介護保険法改正を介護報酬から読む

   8.サービスの種類別の比較

 次にいくつかのサービスを比較して、介護報酬を相対化してみてみます。どうしても関係するサービスにのみ目が行きがちで、比較するという作業はあまり行われていないことと思いますが、 全体のバランスを考える上では必要と思われます。次のように比較をしてみると、この差は妥当か妥当でないか等、考える際の多様な視点につながると思われます。

  1. 通所介護比較(一般と認知症対応5-7時間)
  2. 表15
      通常型 A 認知症対応 B B/A割合
    要介護1  602単位  904単位 1.502
    要介護2  708 1,001 1.414
    要介護3  814 1,097 1.348
    要介護4  920 1,194 1.298
    要介護5 1,026 1,291 1.258

     上表のように、すべての要介護度にわたって認知症対応型通所介護が高い報酬となっています。しかも要介護1では50%、それ以外でも25~40%設定されています。この差の根拠は何によるのでしょうか。認知症対応型の収支が赤字基調ではあるのですが…。

  3. 介護老人福祉施設(多床型)と通所介護の比較(7-9時間未満)
  4. 表16
      多床型
    通所介護
    一般 B
    割合
    B/A
    認知症通所
    介護 C
    割合
    C/A
    要介護1 651単位  690単位 1.095 1,030単位 1.635
    要介護2 699  811 1.160 1,141 1.632
    要介護3 770  937 1.217 1,253 1.627
    要介護4 839 1,063 1.267 1,365 1.627
    要介護5 907 1,188 1.310 1,477 1.628

     老人福祉施設(特養ホーム)と通所介護の比較では、通所介護の方が10~30%程度高く設定されています。認知症通所対応型介護と老人福祉施設では、認知症通所対応型介護が約60%高く設定されています。
     24時間施設の方が介護報酬の額が低い。当然自己負担分としての徴収額そのものは居住費や食費その他を徴収する老人福祉施設の方が高いとはいえ、このことは新鮮な驚きでした。

  5. グループホーム(2ユニット)と認知症対応型通所介護(7-9時間未満)の比較
  6. 表17
      グループホーム A 認知症通所介護 B B/A割合
    要介護1 789単位 1,030単位 1.305
    要介護2 827 1,141 1.380
    要介護3 852 1,253 1.471
    要介護4 869 1,365 1.571
    要介護5 886 1,477 1.667

     予想されたことですが、ここでも認知症対応型通所介護の方が、30~70%近く高い設定になっています。しかし、実際の運用実態で計算すると、以下のようになります。

     
 
例えば、要介護5で収支計算をしてみると

GH (886×10×30.5)×0.9+(886×10×30.5)×0.1+自己負担16万円
          =430,230円

デイ (1,477×10×22)×0.9+(1,477×10×22)×0.1+@500×22  
          =335,940円

*デイを週休2日として、食事代を500円/日として算定 差額は約10万円。

 
     

   次に介護報酬の、本体(加算を除く)について見てみましょう。