2 現状のケアプランの実態について
今後実態把握が行われるとのことなので、そこで詳細は明らかになると思われますが、現状として、一般的には次のようなことが言えるのではないでしょうか。
1.アセスメント
- アセスメントが行われていない事例もある
- アセスメント、居宅サービス計画書の第2表、第3表に連続性がない事例も多い
2.サービス担当者会議
- 情報を共有し合い、よりよい利用者の生活実現のための会議というよりも、ケアマネジャーが作成したプラン原案の説明会となっている場合が多いのではないか
- サービス担当者会議の形骸化が進んでいる
3.ケアプランに利用者の生活全般を支えるための社会資源が積極的に活用されているか
- プランに位置づけられている割合は低い
4.IADLの改善等自立支援を意識したケアプランとなっているか
- 具体的な目標が必ずしも設定されてはいない
5.実施状況の把握と評価
- 各サービス事業者の個別のサービスの実施状況の把握は必ずしも行われておらず、評価も評価軸が曖昧?
また、全体としては、居宅介護支援の運営基準の第13条に示されたケアマネジメントのプロセスどおりきちんと実施されているかという点ですが、これは相当形骸化していて給付管理に傾斜したものとなっているのではないかと感じています。 第13条に示されたケアマネジメントプロセスが行われているという前提で議論が行われてしまうと現状と乖離した議論になりかねません。現状をきちんと把握することが必要です。実態を無視した「理想が実現されている」という前提でケアマネジメントを巡る議論が行われることも多いかと思いますが、そのような議論には違和感を覚えます。 仮に前述のような傾向にあるとすれば、これは「給付管理業務」のレベルといえると思います。崇高なケアマネジメント論との乖離についての現状認識、乖離の要因について分析し、課題を抽出し、対応策を考えることが、痛みを伴うことだとしても大切なことだと思います。