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自分に合った靴の選び方

8.足にかかわる障がいや病気、症状に応じた靴選びのポイント(2)

足にかかわる障害

図5 装具の靴(前方に大きく開く)

図6 足首まわりの関節の変形

図7 足首まわりの関節を安定させる靴をはく

 


脳血管障害による片半身麻痺

脳卒中の後遺症により半身に麻痺があると、麻痺側の足先が下垂(かすい)しやすくなることで、つま先から転びやすくなります。それを防ぐために短下肢装具をつける場合がありますが、そのことで装具側の足が靴に入りにくくなること、左右の足長サイズが違ってくること、左右の高さのバランスが悪くなることが起こります。そのために左右のサイズを違えて購入できる靴もあります。また、前方に大きく開く靴が履きやすいでしょう(図5)。さらに左右の高さのバランス調整をします。一般には装具側の中敷きをはずしたり、健足側に中敷きを敷くことで調整します。なるべくかかとが高い靴は避けます。必ず専門家に高さ補正の確認してもらい、調整するようにしましょう。 また、装具をつけていないことで図6のような内反尖足(ないはんせんそく)といった足首まわりの関節の変形が起こりやすくなります。装具をつけていない場合には、変形を予防するためにも、できるだけ靴底が車いすのフットサポートに着地するような靴をしっかり履くことが、歩行する場合はもちろん、車いすでの座位姿勢にもとても大切なことです(図7)。  そのためにはかかと芯と靴底がしっかり固定されたねじれにくい靴を選ぶようにします(前頁図2)。

 

関節リウマチ

全身の関節の疾患で、とくに手足のゆびに痛みや変形を伴います。足に合わせた中敷き(足底板)を利用している場合は、それが入る靴を選びます。 室内で過ごすことが多い方は、中敷きが入る室内履きが安心です(前頁図5)。 多くの場合、股関節や膝の疾患も伴うため、着脱が楽なことも大切な条件となります。できるだけ足の変形や痛みをおこさないようにするためには、その対策をできるだけ早めから行うように心がけ、足を大切に守るようにしましょう。

 

変形性関節症

膝関節や股関節に多くみられる痛みや変形がおこる疾患です。その際、靴の選び方がとても大切になります。靴底にはかかとの衝撃を和らげるようなクッション性のよいもの、足首まわりの関節に負担がかからないように、しっかりサポートするために靴のかかとに芯が入っているものを選びます。歩行時の左右の脚(二本の足)の長さの確認も忘れないようにしましょう。左右に差がある場合には、靴底の高さ調整が可能な靴を選びましょう。

 

糖尿病

糖尿病の合併症で足に感覚麻痺が起こり、足が傷ついていてもわかりにくいことがあります。そのような場合は、歩いた後、どこかに傷ができていないかなど、いつも足の趾や爪、かかと、足裏などをていねいに確認するようにしましょう(専用のミラーもあります)。傷ができやすい人は、あらかじめ靴の中で足に当たりそうなところにはクッション性が良い素材が使用されたものを選ぶようにします。 また、靴のフィッティングだけでなく、靴に砂や小石が入っていないか、また冷えるからといって使い捨てカイロを靴の中に入れることによる低温やけどにも気をつけてください。また、靴だけでなく靴下の縫い目やゴムにも注意しましょう。

 

靴についての相談

最近は、シューフィッターと呼ばれる足や歩行のトラブル予防の観点から足に適した靴選びの専門家がいる靴専門店が多くなりました。わからないことがあれば、必ず相談して納得がいくように答えてもらいましょう。 また、障がいによって靴が合わずに、治療や矯正が必要と医師に認められた場合については、補装具として靴型装具をつくることができる制度があります。補装具の交付については、東京都心身障害者福祉センターでの判定が必要になります。自分の足を守るためにもまずは近くの区市町村の障がい福祉所管課の窓口に直接相談してみましょう。

 

 区市町村の補装具相談窓口東京都心身障害者福祉センターのページより)