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高齢者の入浴

1.自分に合った靴選びの大切さについて (1)

図1 草履と下駄

図2 デンマークのデイケアに通う高齢の女性

図3 ドイツの靴と日本のファスナー開き短ブーツ

日本文化では、60年ほど前までは、室内は畳に素足で、履物は外出するときだけのものでした。しかも、下駄やゾウリのように基本は鼻緒に足の趾(ゆび)を通して固定する簡単に着脱ができるものでした。それは、暮らしの中で履いたり脱いだりが多かった生活の知恵だったのでしょう。(図1

その後、急速に欧米の文化が取り入れられ、今では洋服に合わせて履物も靴にすっかり変わりました。ところが、欧米では、朝から寝るまで外も家の中でも一日中靴をはいていることから、簡単に着脱できることが靴の条件にはならず、むしろ歩くために足はもちろん身体全体をしっかり守ってくれる靴が求められるのです。(図2

それに比べて日本は土足厳禁の習慣ですから、簡単に着脱できる条件は今でも求められています。それは、紐をしっかり締めなかったり、踵を踏みつぶしたり...というよく見かける情景が物語っています。ここになぜ紐があるのか、なぜ踵がしっかりしていることが大切なのかを知ることで、きっと今までのはき方を反省する人もいるのではないでしょうか。(図3

また、靴は下駄やゾウリのように常に足が解放されているものではありませんので、サイズや足にあった補正など正しい靴選びを知らないと、足は窮屈な靴の中で悲鳴を上げてしまいます。そして知らないうちに足の関節を変形させてしまいます。ましてや知覚神経が麻痺している場合はその痛みに気がつかず、足を見て初めて大変な状況になっていることを知るのです。