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  3. 介護ロボット導入が施設運営に及ぼす効果等について
  4. 負担軽減だけでなくサービスの質の向上の視点を忘れないこと

介護施設のICT化とロボットの活用で介護はどう変わるか

第2回(後半)介護ロボット導入において施設運営で考慮すべき点について

 本稿では、介護ロボット導入において施設運営で考慮すべき点について、要点を整理したいと思います。とは言え、私が勝手に師と仰いでおります関口史郎先生(株式会社とげぬき代表取締役)が令和元年度の福ナビ特集記事「介護に関するロボットやICTの活用について」の中で述べられていることと重なる部分もございますので、バックナンバーをご一読いただくことをお勧めするとともに、いくつかのポイントに絞って解説いたします。

1.負担軽減だけでなくサービスの質の向上の視点を忘れないこと

 厚生労働省は、介護ロボットについて「ロボット技術が応用され利用者の自立支援や介護者の負担の軽減に役立つ介護機器」と定義しています。職員の負担軽減だけでなく、自立支援に依拠したサービスの質の向上も評価することを見据えて機器の導入を考えることが肝要です。例えば、見守り支援ロボットは、利用者の安全が離れていても確認できると言う点において画期的な機器ですが、利便性に目が奪われて介護者本位のケアに傾く懸念もあります。導入によってどれだけ事故が防止できているのかを定期的に評価することや、得られたデータをケアプランに反映しその人らしいケアにつなげるといったサービスの質の向上を含めた活用をデザインしていくことが求められることになります。