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介護施設のICT化とロボットの活用で介護はどう変わるか

第1回(前半)介護ロボット導入が施設運営に及ぼす効果等について

1.はじめに

 施設における介護ロボットの導入の仕方には、施設の課題を抽出しその解決手段として導入する方法(課題解決型)と、機器の機能に着目し施設の新たな強みとして取り入れるやり方(機能融合型)があります。前者はスタンダードな導入の進め方で、マニュアルとして標準ステップも整理されており、初めて介護ロボットを導入する施設にも適しています。後者は課題の優先順位に左右されることなく介護ロボットの魅力的な側面と向き合えるメリットがありますが、これから解説する “組織的な改善活動” を身に付けた施設による発展型の導入の進め方です。
 いずれの場合も施設における介護ロボットの導入は、介護ロボットを活用した新しい介護スタイルを既存の業務プロセスの一部に代替するか、その一部に融合させることから始まります。そして、導入した機器を効果的に活用するためには、PDCAサイクルを回して “使い方のルール” を継続的に更新していく “組織的な改善活動” が必要になります。 この活動の積み重ねが、既存の業務プロセスそのものをより生産的なスタイルに変え “介護現場改革” として発展させることになるのです。 この継続的な “組織的な改善活動” こそが、介護ロボット導入の本質的活動であり “介護現場改革” の原動力なのです。
 本稿では、介護ロボットの導入に伴う “組織的な改善活動” の実際と、それにより介護ロボット導入が施設運営に及ぼす効果について解説します。