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可愛い薬屋さんごっこ

 ある朝、知人の家で思いがけない経験をしました。
 知人とそのお孫さん達、5歳(姉)、3歳(妹)、2歳(弟)が庭で遊んでいる時、姉がオシロイ花の種を採り「これパパのお薬みたい」と言って庭の向日葵、数珠玉、朝顔の種も採り、「これ匂わないよ」「シマシマだ」と1つ1つの種の違いに気づき、兄弟で会話も弾んでいます。
 薬屋さんごっこオシロイ花の種がきっかけで、集めた種は意外にも、あれこれとイメージが膨らんで、いつの間にか『薬屋さんごっこ』に発展しました。
 姉がレジャーシートの上に集めた種を並べると、妹が「おばあちゃん、コツソチョウショウ(骨粗しょう症)だからどうぞ」と、種を葉っぱに包んで渡しています。弟も真似して「どうじょ」と・・・。
 姉は、見ていた私にも「花粉症ですか?」と声をかけてくれて、「ママもなんです。お大事に!」と言って種を綺麗な葉っぱに包んでくれたのです。
 また、「パパのケツアツ(血圧)にはどれがいいかな?」と3人で考え込む姿は真剣です。
 私は、1粒の種が薬に、そしてごっこ遊びに発展するとは思いもしませんでした。

 この3人兄弟の薬屋さんごっこのように、ごっこ遊びは身近な大人の会話や様子に興味を持ち、模倣したり日常の些細な事をごっこ遊びに取り入れて子供なりに表現して楽しんでいくのです。
 子供の成長過程では欠くことができません。私がこの遊びに参加して子供の頃を思い出したように、大人に「子供の頃にどんな遊びをしましたか?」と尋ねたら、「〇〇ごっこ」と答える人が多いのではないでしょうか。それほどごっこ遊びは普遍的な遊びなのです。 子供を見守る親

 親なら、誰もが子供の成長を望みます。「見守る」「参加」どちらも大事ですが、親が子供と楽しい時間を共有することは子供にとっても喜びであり、子育てにおいて最も必要なことだと思います。幼児期ならではの子供が設定したごっこ遊びに、大人も積極的に参加してみてはいかがでしょうか?

福祉保健局 少子社会対策部 保育支援課 石塚君代

※ 当コラムは保育園勤務経験者などの方々に、子育てのヒントとなる小話などをいただいて掲載しています。