2 加算の改正等
今回の特徴も、本体の介護報酬に加え、加算による改正が総収入の中で無視できない大きさだということです。特に在宅系では顕著です。加算の特徴をみてみると、単価の引き上げの側面、政策誘導の側面がありますが、今回は在宅重視を一層強化する方向が認められます。
1.制度改正の実現に向けた加算の見直しや新規創設
- 自立支援型加算
- 生活機能向上連携加算(訪問介護・新規)100単位/月(3か月まで)
- 訪問介護事業所との連携加算(訪問リハ・新規)300単位/回分
- 個別機能訓練加算(Ⅱ)(通所介護・変更新規) 50単位/日
- 訪問リハビリの加算要件の緩和等
- 在宅復帰・在宅療養支援機能加算(老健・新規) 21単位/日
- 入所前後訪問指導加算(老健・新規) 460単位/回
- 医療と介護との連携
- 入院時情報連携加算の見直しと単価の改定
- 退院・退所加算の要件の見直し等
- 緊急時等居宅カンファレンス加算(居宅介護支援・新規)200単位/回
- 退院時共同指導加算(定期巡回・随時訪問介護看護、複合サービス・新規)600単位/回
- 看取り介護加算
- 緊急時のショートステイ受入
- 緊急短期入所体制確保加算(短期入所生活介護・新規) 40単位/日
- 緊急短期入所受入加算(短期入所生活介護・新規) 60単位/日
- 緊急短期入所受入加算(短期入所療養介護・新規) 90単位/日
- 認知症行動・心理症状緊急対応加算(新規) 200単位/日
- 介護職員処遇改善加算(新規)
(IADLの改善等を目指して、積極的に機能改善に取り組むよう)
(施設から在宅への流れを誘導)
積極的に退院を支援する観点から、医療が必要な高齢者へ対応できるよう加算を整理
高度経済成長期以降、死は病院等の専門の場所において迎えるようになっていましたが、高齢者の多死時代を迎えて、「在宅死」もテーマに上がりつつあります。グループホームでの看取りや在宅での看取りも徐々に増加する傾向にあるようです。加算でも看取り介護加算が今回拡大されています。
表18
死亡日以前 4-30日 |
死亡前日、 前々日 |
死亡日 |
||
---|---|---|---|---|
訪問看護 (ターミナルケア加算) |
2,000単位/死亡月 |
|||
認知症対応型共同生活介護 | 80単位/日 | 680単位/日 | 1,280単位/日 | |
特定施設入居者生活介護 | 80 | 680 | 1,280 | 新 |
介護老人福祉施設 | 80 | 680 | 1,280 | |
介護老人保健施設 (ターミナルケア加算) |
160 |
820 |
1,650 |
|
特定施設入居者生活介護 (ターミナルケア加算) |
160 |
850 |
1,700 |
2.居宅介護支援関係
居宅介護支援の介護報酬は据え置きとなり、以下のような形になりました。
表19
名称 | 単位 | 備考 | |
---|---|---|---|
1 | 特定事業所加算 | 300-500単位/月 | |
2 | 入院時情報連携加算 | 100-200単位/月 | 変更(医療連携加算) |
3 | 退院・退所加算 | 300単位/回 | 変更 |
4 | 緊急時等居宅カンファレンス加算 | 200単位/回 | 新規 |
5 | 複合型サービス事業所連携加算 | 300単位/回 | 新規 |
6 | 認知症加算 | 150単位/月 | |
7 | 独居高齢者加算 | 150単位/月 | |
8 | 小規模多機能事業所連携加算 | 300単位/月 | |
9 | 初回加算 | 300単位/月 | |
10 | 地域加算(三種類) | ー |
創設された加算は、緊急時等居宅カンファレンス加算と、新サービスの複合型との連携加算です。加算の変更として、医療との連携に関わるものです。居宅サービスの核となる居宅介護支援に、在宅の重度者や医療を必要とする者との連携に関わる加算を厚くつけています。地域包括ケアシステムの中での医療対応の重要性を表現したものと思われます。