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介護保険法の改正後の動向について 第1回 24年度改正は「なぜ、地域包括ケアシステムなのか」

4 おわりに

 地域包括ケアシステムの実現のためには、保険者や地域包括支援センターのバックアップ体制はもちろん必要です。同時に、個々のサービス事業者もその観点からサービス提供を考える必要があり、 何よりも実際にサービスをコーディネートするケアマネジャーがその認識の下に、地域の社会資源に目を配り、一人ひとりの利用者の個性・環境に合わせ、社会資源を活用し、本人の潜在(残存)能力を引き出し、生きる力へとつなげる「ケアマネジメント」を行う必要があります。
 現在、ケアマネジメントのあり方等の検討が進められているようですが、制度が転換した後に、制度に関わる議論が行われているのは、 腑に落ちないことと思います。新たな仕組みにふさわしい「ケアマネジメントの方法」が提示されないまま、新たな制度を古い仕組みのまま継続することは、改革の意味を失わせかねません。事業者が法令遵守に努めるように、速やかな仕組みの整備を行うことが求められています。

地域包括ケアシステムのイメージ
     
  【地域包括ケアの5つの視点による取組み】
地域包括ケアを実現するためには、次の5つの視点での取組みが包括的(利用者ニーズに応じた1〜5の適切な組み合わせによるサービス提供)、継続的(入院、退院、在宅復帰を通じて切れ目のないサービス提供)に行われることが必須です。
  1. 医療との連携強化
    • 24時間対応の在宅医療、訪問看護やリハビリテーションの充実強化
    • 介護職員によるたんの吸引などの医療行為の実施
  2. 介護サービスの充実強化
    • 特養などの介護拠点の緊急整備(平成21年度補正予算:3年間で16万人分確保)
    • 24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創設など在宅サービスの強化
  3. 予防の推進
    • できる限り要介護状態とならないための予防の取組や自立支援型の介護の推進
  4. 見守り、配食、買い物など、多様な生活支援サービスの確保や権利擁護など
    • 一人暮らし、高齢者夫婦のみの世帯の増加、認知症の増加を踏まえ、様々な生活援助(見守り、配食などの生活支援や財産管理などの権利擁護サービス)サービスを推進
  5. 高齢期になっても住み続けることのできる高齢者住まいの整備(国土交通省との連携)
    • 一定の基準を満たした有料老人ホームと高専貸を、サービス付高齢者住宅として高齢者住まい法に位置づけ
 
     

(参考)社会保障・税一体改革検討会資料、その他