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「とうきょうの地域包括ケアを考える」第2回:おおた高齢者見守りネットワーク「みまーも」

2 会の活動の3本柱は、「地域づくりセミナー」・「SOSみま〜もキーホルダー登録システム」・「みま〜もステーション」

1.地域づくりセミナー (平成20年5月から毎月開催)

 毎月第三土曜日、ダイシン百貨店にて、「地域づくりセミナー」を開催しています。

 地域づくりセミナーは、地域住民が、地域の医療・福祉の専門家や、警察・消防などから、地域全体での見守りの重要性について、また「気づき」の視点について学ぶことを最大の目的としています。

 継続は力です。今までの参加者は、延べ3,500名を超えています。昨年度の参加者は、月平均 93.6名。

 アンケート集計で見ると、参加者の年齢分布は70歳代と80歳代で63.1%を占め、年齢的には見守られる立場の方々も、「互いに見守る」という意識の高さや、学習意欲の高さが感じられます。参加者からの感想としては、「とても良かった」、「良かった」という答えが74.2%となっています。

 リピーター率が高いことからも、満足度は推測できます。また、地域づくりセミナーの効果として、住民と地域の専門職とが、顔の見える関係を築くことができ、元気なうちから地域包括支援センターや専門職の存在を知っておくことで、いざという時、相談しやすい環境をつくることにもつながっています。

地域づくりセミナーの様子

地域づくりセミナーの様子1 地域づくりセミナーの様子2 地域づくりセミナーの様子3

 

2.SOSみま〜もキーホルダー登録システム
(大森地域は平成21年8月より申請開始。 六郷地域は平成22年6月より、田園調布地域は平成22年12月よりそれぞれ申請開始)

 前述の地域づくりセミナーをきっかけに、地域の医療機関の医療ソーシャルワーカーと意見交換をする機会がありました。その中で医療ソーシャルワーカーより、「外出先で突然倒れて救急搬送されてきても、身分を証明するものを何も持っていない。身元を特定するものを探すために、荷物を隅々まで探すような事が珍しくない。」という話がでました。これがきっかけで生まれたのが、「SOSみま〜もキーホルダー登録システム」(以下「SOSみま〜もキーホルダー」とする。)です。

 SOSみま〜もキーホルダーは、事前に地域包括支援センターに情報を登録し、個人番号の入ったキーホルダーを携帯することで、もしも高齢者本人が外出先で突然倒れ、救急搬送された場合など、迅速に、住所・氏名等の確認が行えるようにするためのものです。また、認知症の方の徘徊などで、保護された場合にも同様に役立つものになります。キーホルダーが目印になり、搬送先の医療機関や警察などが、地域包括支援センターへ連絡し、対象者の登録状況を確認することができます。

 また一般の方からの連絡に対しても、地域包括支援センターが対応することができます。

SOSみまーもキーホルダー(表)
(表)
SOSみまーもキーホルダー SOSみまーもキーホルダー(裏)
(裏)
外出先ではキーホルダーが目印になります!キーホルダーが目印になり、搬送先病院や警察などが、さわやかサポートへ連絡し、登録状況を確認することができます。
SOS見マーもキーホルダー情報カード
マグネットになっていて、冷蔵庫に貼っておけます。
自宅での急変時には、この情報カードが目印!救急隊が、このカードをもとに、地域包括支援センターへ連絡。かかりつけ医や主疾患等、必要な情報をいち早く確認することができます。

 平成21年6月の地域づくりセミナーで、原案を提示し、参加者の意見も取り入れることで、対象者が本当の意味で利用したいと思えるシステムを目指しました。そして、医療機関、警察、消防、行政など関連機関との調整を経て、平成21年8月1日から、見守りネットワークに関わる地域周辺の6ヶ所の地域包括支援センターでスタートすることが出来ました。

 その後、22年6月から六郷地域で申請を開始。22年12月には田園調布地域でもスタートしました。

 23年6月現在、登録者は、3,500名と大きく広がり、来年度からは大田区全域で取り組めるよう自治体と検討を進めています。

 システムの開始にあたっては、地域づくりセミナーでの通知や、民生委員の方々の協力により、独り暮らしの高齢者宅へ個別訪問によるご案内(合計 約600件)、町会や自治会での通知、ケアマネジャーをはじめ、サービス事業者の方々からの利用者への情報提供、区報への掲載等、各方面の皆様の理解と協力により、多くの高齢者に、このシステムを知って頂くことが出来ました。意外にも「高齢者同士の口コミ」で登録に来られた方も相当数いらっしゃいます。「先に登録してきた友人に勧められて」や「散歩中に公園のベンチで偶然隣に座った人が持っていて」など、高齢者同士の情報交換の活発さに驚かされました。

 また、これまでに、実際にキーホルダーを見ての通報が60件ありました。

 認知症があり、自宅に帰ることができなくなっていた高齢者を、通りがかりの方が保護し、杖に付けていたキーホルダーを見て、地域包括支援センターに連絡して下さった事例。熱中症で路上に倒れていた人を発見した住民が救急車を要請。救急隊が意識不明の本人が身に付けていたキーホルダーを発見し、地域包括支援センターに身元確認依頼を行なった事例。病院に入院した患者が、緊急連絡先を覚えておらず、キーホルダーを看護師が発見し、問い合わせがあった事例など、まさに、地域全体での見守り、そして、住民と専門職、専門機関が、このシステムを通して連携が実現できた結果だと言えるでしょう。

 もうひとつの大きな効果として、この取り組みは地域に暮らす65歳以上の方すべてを対象としているため、「現在は介護保険サービスを受ける必要がない」、「現在は、医療・介護の専門職とのかかわりが必要ない」といった方々が地域包括支援センターに登録のため訪れています。このシステムを通して、まだ、介護が必要のない段階から、私たち専門職が関わることができ、地域包括支援センターの存在を、早期から地域に暮らす皆さんに知ってもらうことが可能となったのです。

 登録情報の更新については、キーホルダーを通して地域包括支援センターとつながった 『 つながりの更新 』も含めて、年1回、本人の誕生月に、管轄の地域包括支援センターに来てもらうことを基本としました。

 

3.みま〜もステーション (平成23年4月から取り組み開始)

 誰でもいつでも来れる場所・・・、自分がやりたいことを見つけられる場所、自分が役割を持って何かしらをできる場所、そして、自分を待っていてくれる仲間がいる場所・・・。

 「そんなサロンをこの地域につくりたい!つくる過程も、地域に暮らす人たちといっしょに・・・。」そんな思いで、今年度から始めた事業がみま〜もステーションです。

 池上通り沿いにある商店街組合との話し合いを重ね、空き店舗を、このみま〜もステーションの拠点として貸してもらえることになりました。

 この空き店舗のすぐ裏には公園があります。地域の人も、人通りがなく、足を踏み入れたことのない公園・・・、地域の人に忘れ去られた公園・・・、十何年も、何十年も、放置されたまま、時だけが無常に過ぎていった公園・・・。この公園の管理運営を、「みま〜も」で行えるよう、区の事業に申請をして許可を得ました。「拠点」と、自由に使える「公園」を手に入れたみま〜もステーション・・・。

 次に私たちは、このステーションの取り組みを通して一緒に町づくりに参加・協力していただける、みま〜もの応援団!「みま〜もサポーター」を呼びかけました!

 主体的に関わるために、活動にかかる費用を出し合ってもらうことにしました(前期・後期ともに2,000円 年間4,000円)。サポーターになっていただいた方は、ステーションで取り組むさまざまな講座に、優先的に参加できます。現在みま〜もサポーターは50名を越え、サポーターになった方が友人に声をかけたりと、着実に広がっています。 

 ステーションで取り組んでいる各種講座も、パソコン教室・公園体操・染め物教室・写経の会・レストラン・絵本読み聞かせ講座など、楽しみな催しが盛りだくさんです!

 地域から忘れ去られていた公園を、花でいっぱいの公園に!だれもが安心してこられる公園に!この公園の遊具や、場所を使って、来たいときに来て、気軽に運動やリハビリができる公園に!そして、いつでも来たいときに来れる楽しみな場。そんなコミュニティの場を、みま〜もステーションを通して築いていきます。

みま〜もステーションの活動(公園の花壇づくり、収穫した野菜を使って食事会、草木染めに挑戦)

みまーもステーションの活動(公園の花壇づくり、収穫した野菜を使って食事会、草木染めに挑戦)1 みまーもステーションの活動(公園の花壇づくり、収穫した野菜を使って食事会、草木染めに挑戦)2 みまーもステーションの活動(公園の花壇づくり、収穫した野菜を使って食事会、草木染めに挑戦)3