1.杖のしくみ
杖の構成要素
杖はまず、握りと柄とゴム先から構成されています。
杖選びの基本
握り
杖の中で一番大事なのは握りです。福祉用具に共通して言えることですが、福祉用具は、人の体に接するところが一番大事です。杖でいうと握りということになります。
手の大きさは、人によって異なるので力を入れやすい適当な太さのものを選ぶことが必要です。
握ったときに、親指と人差し指が第一関節あたりで重なるものが力を入れやすく握りやすい太さです。また、柄との角度も大切で、小指側のほうがやや高くなっているものが、自然に足より前方につくことができます。その角度は、厳密には、身体や歩幅などにより異なります。
柄
柄はまっすぐなもので適当な重さがある方がつくときにも安定します。一本のものや松葉杖のように二本に別れているものもあります。写真のように柄の長さの調整ができるものや、折りたためるタイプのものもあります。
ゴム先
特にすべりにくいことが大切です。様々な形状のものがあります。摩耗すると滑りやすくなるので滑り止めの溝がなくなったり片方が磨り減ったら早めに交換して下さい。
杖は斜めにつくため片方だけが減ります(片べり)。片方だけが減った状態で斜めに杖をつくと、水に濡れたところなどでは、滑りやすくなります。意外に、ゴム先の片べりは、見過ごされることが多く、私の経験でもこれがもとで骨折しているようなケースもあります。使用前によく点検することが大切です。
杖やゴム先の径は製造メーカーによってまちまちです。メーカーが違うとゴム先があわない場合があります。杖の購入と同時にゴム先もいくつか購入しておくことをお勧めします。