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ベッドの選び方・使い方

4.基本的な起居動作について

基本的な起居動作と移乗動作について説明します。
これらの動作をしやすくするために、ベッドと周辺機器を選んで活用していきましょう。

起居動作について

1.寝返り

身体を丸くすることで、寝返りがしやすくなります。

背中が丸くなるように両肩を前に出すと、マットレスと接している肩がずらしやすくなります。

マットレスと接している肩を後ろに引くことで、最初の位置と変わらずに寝返りができます。

 

2.起きあがりの動作


まず、横向きの姿勢(側臥位)になり、身体の下になった側の肘を折り曲げた後、頭をお辞儀をするようにして手がベッドにつくようにします。

背中が丸くなるように両肩を前に出すとマットレスと接している肩がずらしやすくなります。

 

3.安定した端座位

端座位は座位の保持やベッドからの移乗など、活動的な行動に向けた姿勢です。

安定した端座位のとき 座面が低いとき 座面が高いとき
安定した端座位のとき 座面が低いとき 座面が高いとき

安定した端座位には、座面(マットレス面)の高さが膝下から足底の長さとあっていることが必要です。座面が高かったり、低かったりすると身体が不安定になります。立ち上がりの際は、やや座面が高いと立ち上がりやすくなります。

 

4.ギャッチアップ座位

ギャッチアップ座位は、ベッドの背もたれを立てて、上半身を起こしている姿勢です。

● 問題点
この姿勢では、骨盤まで起きていないため、ギャッチアップ角度が45度を境に身体がずり落ちてしまいます。ずり落ちを防ぐためにベッドの膝上げの機能を使っても、マットが縮むために腰や腹部に強い圧迫を感じるようになります。これはベッドの最大の欠点とも言えます。

*圧迫対策
介助者が本人を前傾させ、背中を骨盤のあたりまでベッドの背から離すようにすることで骨盤の後傾を防ぎ、圧迫感もなくなります。

*ずれ対策
脚側にずり落ちてしまった身体の位置をもどすには、スライディングシートが便利です。
横向きの姿勢(側臥位)にして、シートの輪になっている口の部分を少し折り曲げるようにして身体の下に差し込みます。

本人を反対側向きにして、シートの折れ曲がった部分を引き出し、シートを身体の肩から腰の下に敷き込むようにします。

膝を立て、介助者は足部を抑えます。

本人が曲げた膝を伸ばすことで、身体がベッドの上方にあがります。その際、両手を組んでおくと摩擦が小さくなります。

 

◆ ワンポイントアドバイス ◆

スライディングシートとは?

ベッド上の移動や体位変換に使います。柔らかな筒型のシートで、内側が滑りやすい特殊な布でできています。介護保険の福祉用具貸与の対象用具です。