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平成27年度介護保険法改正に向けて 第2回 医療と介護サービスの連携の推進について

5 おわりに

  •  今回の介護保険制度改正は、平成18年の制度改正(介護予防、地域密着型サービス、地域包括支援センター創設)を上回る、大きな改正です。
  •  今回は、2025年に 団塊世代が後期高齢者になるという将来を踏まえ、後期高齢者が増加する中、医療・介護等ニーズ増加への対応として、介護保険制度・医療保険制度の改革が進められました。
  •  地域包括ケアシステムの構築や医療介護の連携は、平成24年度の介護保険制度改正時にも行われてきたことです。その意味で今回の改正と同じともいえますが、今回の改正の特徴は、地域包括ケアシステムを実体化させるため、関連する法律を改正し、制度を変え、あるいは創設し実現を図っていることです。
  •  後期高齢者の増加は、要介護認定率を引き上げ、認知症高齢者を増加させます。また、人口減少と高齢化及び景気低迷下、税収ののびが期待しにくい中、社会保障費の抑制等の観点からの、サービスの絞り込みが行われました。退院退所の促進、軽度者の介護保険本体給付からの除外、施設利用者を中重度者に制限等です。特に入院や介護老人保健施設利用者を地域に戻すしくみが制度化されつつあります。
  •  公的なサービスから外れる人や、不足する公的なサービスの補完として、元気な高齢者や自治会等の住民による地域での支え合い活動も、新しい地域包括ケアシステムでは重要な役割を持って位置づけられています。
    退院・退所直後の高齢者の増加、医療を必要とする高齢者の増加、在宅での看取り、一人暮らし高齢者の増加等への対応が必要になります。
  •  サービスの提供の考え方が、「施設完結型」から「地域完結型」に転換する中で、地域で様々なサービスや住民が参加して、地域全体でサービスを完結させるためのしくみづくりを行う必要があります。地域住民の支え合い分野への参加を基礎として、そのうえに公的なサービスとして医療と介護の連携や、公的サービスの重点化・効率化を実現し、重度者等の受け皿として機能する地域の構築が求められています。
  •  特に、これまでなかなか実現できなかった在宅医療・介護連携のモデル事業を行い、新たな相談機関(在宅医療・介護連携支援センター(仮称))を位置づけ、地域で「リハビリ専門職」が活動する事業を創設し、地域の社会資源等の活用とマッチングを行う「生活支援コーディネーター」の配置等が、27年度改正において位置づけられています。
  •  このような「新しいしくみ」を組み立て・機能させる役割が、市区町村に求められています。自治体によっては新たな組織や庁内横断のプロジェクトを立ち上げて対応しているところもあります。 新たなしくみとして、在宅医療・介護連携を機能させることは、市区町村にとり、とても重要な課題です。

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