3.着替えをらくにするために 〜とくに上衣の場合〜
				今朝、あなたは服をどのような手順で着替えましたか?
				「手→頭→手」の順番でしょうか? それとも「頭→手→手」? はたまた「手→手→頭」の順でしょうか?
				また、その服はかぶり式でしたか? それとも、前あき式でしたか?
				袖入れは左右どちらの手から通しましたか?
				前あき式の服の場合、ボタン穴はたて穴でしたか? それともよこ穴?
				ズボンの上げ下げはきつくなかったでしょうか?
				
				
 もしあなたの身体の動きに問題がなければ、このようなことは日々まったく無意識に行っていることと思います。(図1)
				
				 しかし、突然のケガや病気などで手足が不自由になると、とたんに朝晩の着替えに戸惑うことになるでしょう。
				
 たとえば五十肩で痛みが激しいとき、痛い側の腕から先にゆっくり袖を通していっても、ちょっと引っ張りすぎただけで激痛に襲われてしまいます。たとえ人に手伝ってもらっても、引っ張り加減によっては肩を痛めることもあります。(図2)
				
				 このように着脱がつらくなると、どんなに着たい服であっても、次第にそのこだわりは薄れていきます。そして、気がついてみると、身の回りにある服は身体より大きいサイズや伸びる素材のものばかりになってしまいがちです。
				
				 服の理想は、体にピッタリ合ったサイズで、らくに着替えができるようになっていることです。
				
				 そのためには、まず服の着衣、脱衣における手順や服の着やすさの条件を知り、そのことを各服で検討しながら、リフォームやオーダーする際のヒントにしていくことです。
				
これから、そのためのポイントとリフォーム事例をご紹介しましょう。

