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第4回 「認知症デイサービスセンター活用モデル事業(認知症デイサービス施設を利用した短期宿泊)」

5.その後「ナイトホーム」へ

 2011年3月にはモデル事業が終了することになっていました。それに先立ち年輪デイホームの利用者アンケートを行いました。その結果、夜間延長、宿泊サービスの継続を求める声が多いことを受けて、何とかモデル事業と同等のサービスを継続する方法を探りました。
 モデル事業の開始当時から毎月東京都と西東京市と打ち合わせをしてきたことで、認知症の人と家族の在宅生活の継続の一助になることを西東京市の担当職員が実感できていました。
 その結果、地域支援事業「西東京の地域ケアを推進する試行事業」として位置づけられました。

  2011年4月からはこの事業を「ナイトホーム」と呼び、早朝、夜間延長、宿泊サービスを提供しています。日曜日の休日サービスは介護保険の対象として実施しています。
 仕組みは東京都のモデル事業と殆んど同じ方法をとっていますが、モデル事業では対応していなかった送迎サービスを実施しています。宿泊の限度は月6回までを限度としています。あくまでも認知症の人の在宅生活の支援ということを原則にしています。

<資料:「サポートハウス年輪のデイサービス《ナイトホームスタート》」利用者向けパンフレットより>

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 ナイトホームが始まって半年になります。認知症と診断される高齢者は増えています。夜間の延長や短期の宿泊サービスがあることで介護者の安心感に繋がっていきます。

モデル:夜間風景

本人の声は・・・

「あんたも泊まるの?ここで泊まるの?」とスタッフの顔とデイホームの場所を確認。
「ここに泊まっているのよ」翌日デイサービスで一緒の利用者への言葉。

家族の声は・・・

「今は宿泊サービスを利用していないけど、介護している自分にもしものことがあったら年輪さんに頼めると思うと安心です」
「急な用事ができた時に、泊めてもらい本当に助かりました。日頃利用している年輪さんに泊まることができるというのは、本人にとっても家族にとっても安心です」

 認知症高齢者と家族の生活の継続を支援する「ナイトホーム」が今後さまざまな形で広がり、認知症状のある人と家族が安心して暮らせる地域を創り上げていくことを願っています。

参考資料
認知症の基礎知識 認知症ナビ(東京都公式HP)