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  3. 福祉サービス事業所の働きやすい職場宣言実現について -第2回-
  4. 1.職員の声が届く環境づくりの取組み(人事・労務制度の整備)

福祉サービス事業所の働きやすい職場宣言実現について

福祉サービス事業所の働きやすい職場宣言実現について -第2回-

1.職員の声が届く環境づくりの取組み (人事・労務制度の整備)

ライフイベントに合わせた柔軟な雇用形態を提供

 当法人では、約9割が女性であり、20代30代の職員が多く在籍しています。ライフイベントの変化に合わせて、働き方を柔軟に選べるように、限定職員制度をいち早く導入しました。
 正規職員、パート職員の他に、正規職員でありながら、働く時間数を選べたり、働く時間帯を固定できる「限定職員」を制定しました。育児短時間制度は、子どもが小学2年生の年度末までに拡張していますが、そこから先は、「限定職員」へ切り替えて働くことも可能です。
 職員が長く働ける環境を作ることは、保育士不足、保育士の質の担保にも繋がります。

本人の意向を反映するための異動意向調査

 毎年新規園を立ち上げており、異動を命じる事が常態化していたが、年に2回、11月と2月に「異動意向調査」を実施し、職員の意向を聞くことにしました。
 新規園の立ち上げにチャレンジしたい人や、自身の引っ越し等で移転先の近隣園に異動したい人、小規模園から大規模園を経験したい人、姉妹園に興味のある人、現在の園では、難しいと感じている人などを広く募り、本人の意向をなるべく尊重できるように改善しました。
 また、既存園においても、次年度の園長先生を1月末に発表。職員はその発表を見て、一緒に働きたい園長が居る園への異動を申し出ることもできます。

キャリアアップ試験の導入

 キャリアアップを希望する職員に対し、キャリアアップ試験制度(法人内で作成した試験問題+面接)を導入しました。受験することで主任資格・副主任資格など取得することができ、役職に就くチャンスができます。
 キャリアアップを希望する職員へ、職種に関わらず広く門戸を開放した事で、公平な評価基準・ロードマップを設けることができ、モチベーション向上へと繋げます。

メンターメンティー制度

 メンターメンティー制度とは、経験を有した先輩(メンター)が後輩(メンティー)に対して業務やキャリア形成などを含めた支援活動を行う制度です。
 当法人では、業務の相談、義務的なコミュニケーションになりがちな同組織内の「縦の繋がり」ではなく、「斜めの繋がり」を重視しました。メンターには姉妹園の先輩を任命し、気軽な雑談やフラットな相談がしやすい関係性を生み出す「斜めの関係性」をつくりました。姉妹園への異動もしやすくするなど、法人ネットワークを活かして長期間働ける仕組みを整えました。

入職後の不安を取り除く面談実施

 年間を通じて中途採用も実施しています。他社で経験している分、入職してからのミスマッチを感じる場合もあることから、中途採用者も新卒採用者も、入職後1か月目と3か月目に園長と面談を実施します。入職者と保育の考え方や実務のすり合わせ、「イイね!シート」を使い良いなと思った事を10個見つけてシートに記入し、園長からは3つの感謝項目を伝える機会を設けています。
 入職してからの疑問点や不安を早い段階で取り除き、ポジティブな観点を持たせます。そしてお互いを認め合う機会をつくることで、園長やスタッフとの信頼関係を深める取組みを実践しています。

カインドネスギフトの実施

 職場のコミュニケーション向上、居心地の良い職場づくりを目的に、職員が相互に認め合い、感謝を伝えあう機会(カインドネスギフト)を年に2回実施しています。
 お互いの良い点の発見や日々の「ありがとう」を敢えて文面で伝えることで、お互いを認め肯定し合い、ありがとうの連鎖を広げます。

有給休暇の取得推進

 有給休暇を最大限活用し、心身をリフレッシュする機会を確保することを目的に、計画的に指定した月に必ず有休を取得する「計画年休制度」を開始しました。また、有休付与日を前倒し設定に変更しました。有休取得状況を可視化し共有することで、現在では有休取得率が86.1%となりました。

制度をマンガにして可視化

 当法人の様々な制度の目的と内容が分かりやすく、活用しやすいよう、制度毎にマンガにして可視化して、より分かりやすく職員や入職希望者へ周知しています。