特集:福祉における「経営」を考える


今は日野市でも少なからず待機児童がおり、保護者が待ってくれている状態。保育所は立地条件で選ばれることが多いのも現実です。しかし、少子化が定着するなかで、保育所もサービスの質で選ばれる時代になっていくと、高橋園長はにらんでいます。 そしてサービスの質を構成する要素については「カリキュラムの内容や教材の善し悪しだけでなく、職員の質、それに影響を与える給与や福利厚生、地域との関わり方など、さまざまな要素があります。これらをバランスよく向上させることが大切」と指摘します。

サービスを向上させる方策として、採り入れてきた1つがQC活動です。職員が主体となって日常業務における問題点を発見し、それが起きる要因を分析して、改善方法を考え出していきます。毎年4月から数か月間、全職員が複数名単位でQCサークルを立ち上げて、互いに成果を発表するのが恒例となりました。

これを毎年繰り返すことで、QC活動の期間でなくとも、問題点が発生した時点でいつでも全員で考え、速やかに改善を図っていく風土が育ってきました。たとえば園児がケガをした場合、親御さんへの連絡や対応をどうするか、ケガを起こした要因をいかに素早く見つけだして取り除いていくかといった問題も、園長が事細かに指示するまでもなく、職員が主体的に解決策を導いているといいます。

職員が考える力をもち、組織としてサービス向上の体質をもつことで、至誠第二保育園は変化の時代に対応しようとしています。