特集:福祉における「経営」を考える


経営塾への参加で前向きな意識が生まれた

めぐみ保育園のなかで日々の保育に専念してきた保育士にとって、園外での研修受講は新鮮な体験となったようです。
長潟優子主任は、福祉経営塾のベーシックコースを受講した際の印象について「保育所が抱えている経営課題については、これまでも園長から折に触れて聞いていましたが、改めて全体状況が理解できたように思います」と言っています。分野別人事コースを受講した山本正枝主任補佐も同様で、「とくに一般企業の人事に関する話は、今後の参考になりそう」と感想を述べています。
園に戻ってからは、受講した内容を自分の言葉に置き直し、職員会で全員に報告しました。まだ他人事のような受け止め方をしている職員もいますが、経営改革が必要な時代に入ってきたことや、職員も一緒に取り組む必要があることは概ね理解され、能動的に関わっていこうとする意識も芽生えているといいます。
また経営コンサルタントが入ることで、以前にも増して職員が集まる機会が多くなってきたことも大きな変化です。例えば経営コンサルタントが行う園内研修は2回実施しましたが、「休憩時間がいらないくらい楽しく勉強できた」(長潟主任)、「めぐみ保育園を良くしていくために、力を合わせていこうという雰囲気になった」(山本主任補佐)と好評です。「自分を変えよう」など経営改革への決意を込めた職員のメッセージは模造紙に書かれ、職員室のそばに張られています。
長潟主任は「給与制度の見直しなど、頭の痛い課題もありますが、将来に希望を託して今を頑張ろうという気持ちです」と、自分を奮い立たせていました。