特集:福祉における「経営」を考える


今後とも、利用者に満足のいくサービスを提供し、地域から愛される保育所になるためには、時代の変化に対応できる職員の意識を育てなければなりません。そう考えた吉野園長は、平成16年度に入ってから外部研修の活用として福祉経営塾への参加を決めました。
まず自ら福祉経営塾など(ベーシックコース・プラクティスコース・経営コンサルタント活用セミナー)を受講して内容を確かめ、職員の意識改革に繋がると判断。同年度の分野別コース・2回目のベーシックコースには、保育士のチーフとなる主任をはじめ、主任補佐やリーダーたち合計4名を送り込みました。 以前は保育に専念させる方針から、保育士が外部の研修を受ける機会はまれでした。研修期間中に人手が手薄になり、受講者が後ろめたい気持ちにならなくて済むよう、吉野園長は職員の休日の取り方を1年間で分散するようにし、数人の職員が抜けても許容できるような環境も醸成しました。
園長だけが受講した当初と、保育士も受講した後とでは園全体への波及効果が違いました。4名が受講してからは、研修に参加しなかった職員の間からも、細かな改善提案のアイデアが出されるようになったといいます。吉野園長は、「まだまだ、私から持ちかけることが多いのが現状。職員さんからのボトムアップで、 経営改革や課題解決の方策がさまざま出てくるのが理想的な姿だと思っています」と、今後に期待を寄せます。