2 「参加型社会保障」及び「ペイアズユーゴー原則」下の介護保険の制度設計
「地域包括ケアシステム」の構築
介護保険法の平成24年度改正で目指すものは、次のような社会です。概ね中学校ごとに「日常生活圏域」を設定し、そこで「地域完結型」のサービスを住民やNPO団体などみんなが協力して創っていくというものです。その際の前提としては、次の3つが挙げられます。
- 国民は可能な限り施設ではなく、地域での生活を望んでいる。
- 医療が必要になっても、要介護度が重度になっても、地域で生活が継続できる仕組みを構築する。
- ただし、財政危機下にあっては、国民が参加し、また費用負担が抑えられる制度である必要がある。
地域包括ケアシステムの構成要素
施設において提供されるサービスを地域において展開することが重要と考え、具体的には、次の3つが挙げられます。
その考え方に沿い、サービスを整理すると、次のようなイメージ(案)になります。
- 施設を住まいとサービスのパッケージと解釈し、住まいの機能を持つ「高齢者向け住宅」の整備
- 医療が必要な人が在宅での生活ができるよう、医療サービスの充実
- 重い介護が必要な人も、24時間安心して暮らせるような24時間医療・介護サービスの整備
その考え方に沿い、サービスを整理すると、次のようなイメージ(案)になります。
