3.着替えをらくにするために 〜とくに上衣の場合〜
2.着やすいリフォーム例 |
着脱のしやすさには、肩や肘の動きが悪くなることだけではなく、体型が変化していることも着脱に影響してきます。たとえば、背が丸くなると背幅が狭く背丈も短くなるため、着脱が困難になりやすいものです。また、腕が後にまわりにくくなることでも、図4のように2番目の袖通しが困難になります。
そんなとき、着脱の手順やコツを配慮してもなかなかうまくいかない場合には、服の側を工夫することで解決する場合があります。
ここからは、着脱しやすさを取り入れたリフォーム例をご紹介しましょう。
背幅を確保する例
1 背をギャザーにする(図20)
2 ダーツをほどく(ただし切り込まれていない場合のみ)(図21)
3 ジャケットなどの背中心をしたからファスナー開きにする(図22)。着脱時は背を前に持ってくる(図23)。
アームホールを大きくする例
1 両脇にマチを入れる(図24、25、26)
共布を利用、色柄を合わせる、伸びる生地を使うなどそれぞれに工夫する。
現在のリフォーム技術の多くは、丈、幅の修正や流行のシルエット変更、新たなリメイクが主流です。しかし、これからは個々の状況に応じた着脱のしやすさを取り入れたうれしいファッション技術を期待したいものです。
イラスト作成 : 藤田 侑巳 氏