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知っておこう福祉用具の給付制度2 前半(補装具給付について)

1 障害者総合支援法における補装具の給付

 障害者に対する福祉制度は、支援費制度の問題を解消する為、平成18年4月に障害者自立支援法が施行されました。これによって、それぞれの障害種別や地域間の格差なく福祉サービスが一元的に実施されると共に、利用者に負担を求めることになりました。
 その後、利用者負担のあり方や支給決定のあり方などが論議され、平成24年6月に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」いわゆる、障害者総合支援法が成立しました。(平成25年3月施行)
 障害者総合支援法によるサービスは大きく分けて、「自立支援給付」と「地域生活支援事業」に分かれ、障害種別に関わりなくサービスを利用できるのが特徴です。
 自立支援給付は、さらに「介護給付費」と「訓練等給付費」「自立支援医療費」「補装具費」などに分けられます。
 「介護給付費」や「訓練等給付費」は、支給を受けようとする障害者、障害児の保護者からの申請に対して、市町村が障害支援区分の認定と支給要否の決定を行い、利用者は障害福祉サービスの指定を受けた事業者のサービスを受けることになります。
 「介護給付費」は、介護が必要な対象者に対して、障害支援区分によって対象者を決定します。居宅介護、重度訪問介護、療養介護、生活介護、行動援護、ショートステイ、施設入所支援、同行援護、重度障害者等包括支援があります。
 「訓練等給付費」は、障害支援区分にかかわらず利用希望者(サービス内容に適合しない場合は対象外)を対象とします。自立訓練(機能・生活)、就労移行支援、就労継続支援(A型、B型)、共同生活援助があります。
 「自立支援医療費」は、従来の更生医療、育成医療、精神障害者通院医療費公費負担を再編したもので、所得に応じ該当する医療の1月当たりの自己負担額が設定されるものです。
 「補装具費」は障害の状況から補装具の購入や修理が必要と市町村が認めた時に支給されるものです。補装具の給付については、身体障害者福祉法及び児童福祉法による「補装具種目等に関する基準」が再編されたものです。


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2 補装具の支給概要

 補装具費は、障害者総合支援法に位置付けられた自立支援給付のひとつであり、「障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間にわたり継続して使用されるもの」となっています。補装具の種類は、義肢、装具、車いす等が対象です。
 補装具の支給に関して、従来のシステムから大きく変わった点は、障害者が事業者との契約により、補装具の購入および修理のサービスを受けることになったことです。
 従来、補装具の支給は、市町村と補装具製作業者及び販売業者が契約を結び、その業者から補装具が渡される仕組みになっていました。障害者総合支援法における補装具費の支給においては、障害者が補装具製作業者及び販売業者を選べるようになりました。
 補装具の購入または修理を希望する場合、市町村に費用支給の申請を行います。申請を受けた市町村は、更生相談所等の意見をもとに、補装具費の支給を行うことが適切と判断した場合は、補装具費の支給決定を行います。その際、補装具の種目と金額の決定を行い、適切な事業者の選定に必要な情報を提供します。補装具費の支給決定を受けた利用者は、補装具製作業者及び販売業者と契約して、補装具の購入や修理のサービスの提供を受けます。
 サービスを受けた利用者は、事業者に対して、補装具の購入や修理に要した費用を全額支払うとともに、市町村に対して補装具の購入や修理に要する費用の100分の90に相当する額(所得によって変動あり)を請求します。市町村は、その請求があった場合、補装具費を支給します。補装具費については、このような償還払いが原則ですが、償還されるまでに時間がかかる為、利用者が100分の10に相当する額を事業者に支払い、市町村は事業者に100分の90に相当する額を支払う代理受領方式を設けることもできます。
 補装具は、身体障害者福祉法にその種目が規定されていましたが、この法律では、厚生労働大臣が定めることとされています。
 補装具の見直しに関する検討委員会において、補装具の定義がなされ、それに即して見直しが行われました。
 その内容として、補装具については、以下の3つの要件を全て満たすものであると定義されています。


  1. (1) 身体の欠損または損なわれた身体機能を補完・代替するもので、障害別に対応して設計・加工されたもの。
  2. (2) 身体に装着(装用)して日常生活又は就学・就労に用いるもので、同一製品を継続して使用するもの。
  3. (3) 給付に際して専門的な知見(医師の判定書または意見書)を要するもの。

以上の3つの要件を基本として、表−1の補装具の種目と種類を指定しています。
 新たな補装具の種目については、従来、補装具であった「点字器」「頭部保護帽」「人口喉頭」「歩行補助杖(1本杖のみ)」「収尿器」「ストーマ用装具」は、障害者の日常生活用具に移行し、「色めがね」は廃止になっています。また、日常生活用具とされていた「重度障害者用意思伝達装置」が補装具として加えられました。
 補装具は、「身体障害者及び身体障害児の失われた身体機能を補完又は代替し、かつ、長期間にわたり継続して使用される用具」です。身体障害者の職業その他日常生活の能率の向上を図ることを目的として、また身体障害児については、将来社会人として独立自活するための素地を育成・助長すること等を目的として使用されるものです。更生用であり、治療や訓練に使用する医療用の装具は補装具費の支給対象とはなりません。

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表−1 補装具の種目と種類

肢体不自由
種目 種類
義手 肩義手、上腕義手、肘義手、前腕義手、手義手、手部義手、手指義手
義足 股義足、大腿義足、膝義足、下腿義足、果義足、足根中足義足、足指義足
上肢装具 肩装具、肘装具、手背屈装具、長対立装具、短対立装具、把持装具、MP(屈曲及び伸展)装具、指装具、BFO(PSB含む)
下肢装具 長下肢装具、短下肢装具、足底装具、股装具、膝装具、ツイスター
体幹装具 頚椎装具、胸椎装具、腰椎装具、仙腸装具、側弯矯正装具
靴型装具 長靴、半長靴、チャッカ靴、短靴
座位保持装置  
車椅子 普通型、リクライニング式普通型、ティルト式普通型、リクライニング・ティルト式普通型、手動リフト式普通型、前方大車輪型、リクライニング式前方大車輪型、レバー駆動型、リクライニング式片手駆動型、片手駆動型、手押し型、リクライニング式手押し型、ティルト式手押し型、リクライニング・ティルト式手押し型
電動車椅子 普通型(時速4.5キロメートル、時速6キロメートル)、リクライニング式普通型、電動リクライニング式普通型、電動リフト式普通型、電動ティルト式普通型、電動リクライニング・ティルト式普通型、簡易型
座位保持椅子 (児童のみ対象)
起立保持具 (児童のみ対象)
歩行器 六輪型、四輪型(腰掛つき、腰掛なし)、三輪型、二輪型、固定型、交互型
歩行補助つえ 松葉づえ、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、多点杖、プラットホーム杖
重度障害者用意思伝達装置 文字等走査入力方式、生体現象方式
排便補助具 (児童のみ対象)
頭部保持具 (児童のみ対象)
視覚障害
種目 種類
盲人安全つえ 普通用、携帯用、身体支持併用
義眼 普通義眼、特殊義眼、コンタクト義眼
眼鏡 矯正眼鏡、コンタクトレンズ、遮光眼鏡、弱視眼鏡(掛けめがね式、焦点調節式)
聴覚障害
種目 種類
補聴器 高度難聴用ポケット型、高度難聴用耳かけ型、重度難聴用ポケット型、重度難聴用耳かけ型、耳あな型(レディメイド)、耳あな型(オーダーメイド)、骨導式ポケット型、骨導式眼鏡型
「補装具支給制度の概要」より出典(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/yogu/gaiyo.html