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苦情対応の事例 苦情対応

苦情事例6施設入所にともない障害者福祉手当の支給が打切りになった
(福祉オンブズマン型)

相談内容

申出者 ---- 父親
サービス種別 ---- 障害者福祉手当
本人状況 ---- 20代の女性、知的障害

知的障害のある子は、「生活寮」を退所し障害者支援施設に入所した。入所したことにより区から「障害者福祉手当の支給を打ち切る」との通知を受けた。障害者年金は支給されているが、それだけでは、施設への支払いはできるが、その他の生活費をまかなうことができなくなった。障害者福祉手当が廃止されたことに納得ができない。

対応

本件苦情については、福祉オンブズマン制度による苦情処理方法のほかに、手当の廃止の通知を受け取ってから60日以内ならば区長に対して不服申立てでさることの説明を行った。なお、福祉オンブズマンに苦情申立てを行なった揚合には、苦情申立てから45日以内に調査結果の回答が行われるので、それからでも、不服申立てを行うこともできることの説明を行った。
福祉オンブズマンは相談者が記入した苦情申立書をもとに面談を行った。そして、その内容に基づき、担当部署に対して調査項目を通知した。あわせて事務局は、関係する条例、規則等資料の提出を求めた。
福祉オンブズマンによる調査は、事務局職員も加わり、関係する課長、係長及び担当ケースワーカーに対して行われた。 調査の結果、区の障害者福祉手当は、条例と施行規則で定められているもので、障害者総合支援法による施設に入所すると支給されなくなることが分かった。
また、本児が入所していた生活寮は、障害者総合支援法に基づく施設ではなかったために障害者福祉手当が支給されていたこと。生活寮は昼間作業所に通所することを前提とする施設であるが、本児は作業所に通所しなくなってしまい、入所条件に該当しなくなり、退所することになったこと。そのため担当のケースワーカーが本児が入所できる施設を探した結果、現在の障害者支援施設に入所したことが判明した。
現在の施設に入所することになった理由と、入所することによって障害者福祉手当の支給が廃止されることについては、ご家族に対して事前に担当のケースワー力ーから説明が行われていた。区が障害者支援施設に入所したことを理由に、障害者福祉手当の支給を廃止した判断は規則に従ったものであり、やむを得ないものであると回答した。
なお、福祉オンブズマンの回答は苦情申立てから14日後に行なわれた。相談者は、その調査結果を受け入れ、不服申立て等は行わなかった。

対応のポイント

その1 苦情が発生した背景についても可能であれば調査を行なうこと
申立人は、事業者に対する不信感からすでにサービスの利用をやめているが、申立人との関係修復にできる限り努めるため、事業者から申立人に対し、利用当時の子の利用状況や職員の勤務体制、違反事項に対する今後の改善策等について、誠意を持って説明し、申立人の疑問に答えるよう、あわせて要望した。
その2 他の解決方法(相談先)がある場合は丁寧に情報提供した上で相談者の判断にゆだねる
苦情や問題の解決に役立つ他制度や相談先がある場合には、そのことを相談者に分かりやすく説明し、相談者自らが適切に判断し選択できるよう配慮する必要がある。本件の場合、不利益処分を受けたことを知った日から60日以内ならば、区長に対して不服申立てを行なうことができるので、その期限を考慮して調査・回答を行った。