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知っておこう福祉用具の給付制度2 後半(日常生活用具の給付制度)

1 日常生活用具給付等事業

 障害者総合(自立)支援法の制定に伴い地域生活支援事業による日常生活用具給付等事業に再編され市町村が行う必須事業のひとつです。


目的
重度の障害者に対し、自立生活支援用具等の日常生活用具給付または貸与すること等により、日常生活の便宜を図り、その福祉の増進に資することを目的としています。
事業内容
日常生活の便宜を図るため、重度障害者に告示の要件を満たす6種類の用具の給付又は貸与です。
対象者
重度の身体障害者(児)、知的障害者(児)、精神障害者、難病等であって、日常生活用具を必要とする方です。
※ 難病患者等については身体障害者手帳の有無にかかわらず、必要と認められた場合には支給の対象となります。ただし、対象種目は限られています。
※ 介護保険制度や労働災害補償制度など、他の制度により給付が可能な場合は、他の制度が優先され、日常生活用具給付等事業の対象とはならないことがあります。
用具の要件
日常生活用具は、地域生活支援事業(市町村)に指定されており、次の3つの要件を満たす、6種の日常生活用具です。
日常生活用具とは、以下の要件を全て満たすものとしています。
  1. 安全かつ容易に使用できるもので、実用性が認められるもの。
  2. 日常生活上の困難を改善し、自立を支援し社会参加を促進するもの。
  3. 製作や改良、開発にあたって障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、日常生活品として一般的に普及していないもの。
 また、以上の要件を満たすものとして、次の6種類に分類し国が提示しています。用具の用途及び形状は次の通りになります。
具体的な品目(45種目)については、参考例として示されています。
  1. 介護・訓練支援用具
    特殊寝台、特殊マットなどの障害者(児)の身体介護を支援する用具や、障害児が訓練に用いるいすなどであって、利用者が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの。
    特殊寝台、特殊マット、特殊尿器、入浴担架、体位変換器、移動用リフト、訓練いす(児のみ)、訓練用ベッド(児のみ)
  2. 自立生活支援用具
    入浴補助用具や聴覚障害者用屋内信号装置などの、障害者(児)の入浴、食事、移動等の自立生活を支援する用具であって、利用者が容易に使用することができ、実用性のあるもの。
    入浴補助用具、便器、頭部保護帽、T字杖・棒状の杖、移動・移乗支援用具、特殊便器、火災報知器、自動消火器、電磁調理器、歩行時間延長信号機用小型送信機(音響案内装置)、聴覚障害者用屋内信号装置
  3. 在宅療養等支援用具
    電気式たん吸引器や視覚障害者用体温計などの、障害者(児)の在宅療養等を支援する用具であって、利用者が容易に使用することができ、実用性があるもの。
    透析液加温器、ネブライザー、電気式たん吸引器、酸素ボンベ運搬車、盲人用体温計(音声式)、盲人用体重計
  4. 情報・意思疎通支援用具
    点字器や人工喉頭などの、障害者(児)の情報収集、情報伝達や意思疎通等を支援する用具であって、利用者が容易に使用することができ、実用性があるもの。
    携帯用会話補助装置、点字ディスプレイ、点字器、パーソナルコンピューター周辺機器及びアプリケーションソフト、点字タイプライター、視覚障害者用ポータブルレコーダー、視覚障害者用活字文書読み上げ装置、視覚障害者用拡大読書器、盲人用時計、聴覚障害者用通信装置、聴覚障害者用情報受信装置、人工喉頭、福祉電話(貸与)、ファックス(貸与)、視覚障害者用ワードプロセッサー(共同利用)、点字図書
  5. 排泄管理支援用具
    ストーマ装具などの、障害者(児)の排泄管理を支援する用具および衛生用品であって、障害者等が容易に使用することができ、実用性があるもの。
    ストーマ装具(ストーマ用品、洗腸用具)、紙おむつ等(紙おむつ、サラシ、ガーゼ等衛生用品)、収尿器
  6. 居宅生活動作補助用具(住宅改修費)
    障害者(児)の居宅生活動作等を円滑にする用具であって、設置に小規模な住宅改修を伴うもの。なお、改修場所、金額については、介護保険の住宅改修費と同じ。
    居宅生活動作補助用具の内容としては、住宅生活動作補助用具(手すりの取り付け、段差の解消、滑り防止及び移動の円滑化のための床または通路面の材料の変更、引き戸への扉の取り替え、洋式便器への便器の取り替え、その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修)など。

 なお、都道府県によっては、国の例として45種目の日常生活用具に加え、基準額加算、種目の対象者拡大、種目の単独種目を上乗せ等、都道府県・市町村の単独事業があります。
 東京都は、東京都単独事業として、ルームクーラー、空気清浄機、会議用拡聴器、携帯用信号装置、ガス安全システム、酸素吸入装置などがあります。居宅生活動作補助用具(住宅改修費)については、住宅設備改善事業(住宅改修)として、中規模改修、屋内移動設備などの給付制度があります。