現在位置 : 福ナビホーム > 福祉用具 > 杖の選び方・使い方 >その3.杖の種類

杖の選び方・使い方

3.杖の種類

T字型杖

T字型杖の説明画像今、もっとも普及しているタイプの杖です。 全体の形からT字型、L字型と呼ばれるものもあります。写真のとおり同じT杖でもいろいろなタイプがあります。 手首の力が利くよう把手と支柱に角度が付けてあります。握りは、比較的まっすぐで握りやすくなっています。支柱は把手の中央寄りについているものの方が、力がまっすぐにかけやすくなりますが、支柱が指の間に入るためにやや持ちにくくなりがちです。 重さは、200グラムから500グラムです。

先に紹介した折りたたみが可能なタイプは旅行など必要な時のみ使うにはコンパクトで便利ですが、両手が使えないと伸ばしたり縮めたりすることができない問題があります。

T杖の重心について

同じ重さの杖であっても杖の重心がどこにあるかによって感じる重さは変わってきます。重心が下にあればあるほど重く感じます。重心が握りから3分の1以内にある方が使いやすいです。 先に紹介した長さ調節ができるタイプのものは、調節のための金具を付けるため重心が低くなりがちな欠点があります。

ロフストランドクラッチ

ロフストランドクラッチの説明画像前腕固定型杖といい、杖の上部が握りの上まで伸びて、そこに前腕カフがついていて、腕を通して固定できます。握りと前腕の2点で支えるので、腕の力も使えます。握力が十分にないとき有効です。片手しか使えなくとも、前腕カフで杖をさげて、用事をすることもできます。下半身麻痺者、下肢に体重をかけられない骨折、捻挫、股関節症、下肢切断、片麻痺の人などの歩行補助にむいています。

肘支持型杖

肘支持型杖の説明画像リウマチ杖ともいいます。 杖の上端に横木を付け、その先端に縦に握りが取り付けてあります。握りを握った腕を横木の上の弾力性のあるバッドにのせ、マジックバンドで固定して肘全体で体重を支えます。材質は軽金属製で、横木の高さや把手位置が調節できます。手首や肘などに障害があり、自由にのばせないリウマチや関節炎の人などに用います。

松葉杖

松葉杖の説明画像普通は2本一組で使います。松葉型をした2本の支柱の上部より脇当てが、途中に握りがあります。もっとも重い荷重に耐えられる杖で、ロフストランドクラッチより安定性があります。 骨折などで片足に体重がかけられない場合や足の筋力が衰えた場合も、松葉杖を使えば歩行が可能になります。身体に合わせるとき大切な事は、握りの高さと脇当ての高さの調節です。脇当ては脇ではなく、脇の下から卵ひとつ分あけるようにしています。下半身麻痺、骨折、捻挫、股関節症、下肢切断などの障害のある人向きです。

多脚型杖(多点型杖)

多脚型杖(多点型杖)の説明画像一本杖よりも一層の安定を求めてつくられたものが多脚杖です。把手は一つですが、脚が4本(1部に3本)に別れています。着地面積が広く、安定度は高くなっています。体重をかけても倒れにくいので、立つ姿勢の悪い患者の歩行訓練に適しています。比較的軽いので、腕の力が弱くても使えます。脳卒中後遺症の片麻痺の初期歩行訓練などに使われます。高齢者の変形性股関節症、関節リウマチのひとなどにも向いています。