評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
・「よりよく生きる力(Benesse)の基礎を育てる」
・いきいきと健やかに毎日を過ごし、自信と意欲をもって未来を生きる子どもを育てます。
・私たちは全ての人の人格を尊重した保育を追求します。
・子どもを一人の人間として尊重します。
・子どもが主体性をもって、安定して生活し、成長できる環境を創造します。
職員に求めている人材像や役割
・保育の理念に沿って「子どもと保護者のために、自ら考え行動できる人」でありたいと考えています。
・子どもに対しても保護者に対しても「指導者」や「評価者」ではなく、子ども自身の力で成長するための「援助者」であり、保護者にとっては、共に子育てをする「パートナー」でありたいと考えています。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
(1)子どものよき理解者になり、信頼関係を築くことに努めます
(2)子どもの生活と遊びを積極的に援助します
(3)子どものモデルとして行動します
(4)子どもの成長を、保護者とともに考え合える関係を目指します
(5)保育に関わる人同士が、互いに高め合える関係を目指します
全体の評価講評
特によいと思う点
3歳以上児では異年齢保育を実施しており、年下児が年上児の姿を見て意欲を高め、まねをしながら遊びを獲得したり、所作を身につけたりするほか、年上児が年下児の世話をしたり、ゆっくり教えたりするなど、優しくする姿も見られ、頼られることで自信や自覚も芽生えている。また幼児だけでなく、生活の中で日常的に異年齢の関わりが持たれており、訪問調査当日にも、昼食の配膳時に5歳児が3歳児の世話をしたり、夕刻にも5歳児が2歳児クラスに赴き、手遊びや絵本の読み聞かせを行い、2歳児が興味深そうにじっと見つめている様子が見られている。
看護師は保育室を巡回して子どもの体調を確認するほか、時には保育補助として子どもと関わる中で、子どもの健康や発達状況の把握と保育者との情報共有にあたっている。今年度、子どもの運動機能の発達を促し、ケガをしにくい身体を作ることを目的に、看護師が保育内容に関する助言を行い、実践につなげている。また各クラスの担当の栄養士を決めて、クラスミーティングに出席して保育者と情報を共有しており、子どもの好みや咀嚼等の状況を把握し、個々の子どもへの配慮や食事提供の工夫につなげるほか、創意工夫を凝らした行事食の提供も行っている。
子どもを真ん中に置き、保護者と一緒に成長を喜び合える「子育てのパートナー」として、日頃のやり取りや個人面談等でコミュニケーションを図り、個別の状況に合わせた支援に努めている。また保育参加・参観や親子で参加できるイベント、各種の発信物などを通じて、子どもの育ちや園での様子などを多様に共有している。懇談会でもクラスの方針や育ちの目標などを伝えつつ、職員と保護者との理解共有を図るほか、アンケートにて子どもの発達や育児、食事面等の悩みを把握し、その内容を活かした保護者同士の意見交換の場の提供と不安解消に努めている。
さらなる改善が望まれる点
若手職員が現場の中核を担っており、コロナ禍以降の、経験や人との対話の場が限られる環境の中で保育を学んだ職員も少なくない。そうした状況を踏まえ、経営層が話し合いの場を活発に設け、同僚性や若手・新人の発信力・コミュニケーション力を高めながら、保育計画類の添削指導も行っている。その成果も実感されつつあるが、保育力の底上げや子どもの発達などへの理解促進を図る必要性も認識されている。経営層はより密に現場と連携し、率先垂範と支援に取り組む意向であり、歩みをさらに進め、徐々に組織の自走力を高めてゆくことを期待したい。
利用者調査では前回・今回とも高い満足度が示されており、保護者との確かな信頼関係がうかがえる。経営層は少子化の波が園の足元にも兆し始める中で、子ども一人ひとりに向き合い、寄り添いつつ主体性の伸長を支えてゆく、園の保育の本質を、より明確に保護者や地域に訴求していきたいと考えている。日々の保護者との対話や種々の媒体での発信を通じ、その日その日の活動や子どもの姿に加え、発達の見通しや連続性を意識的に伝えてゆくことも、その一助となるものと思われる。園の保育の本質や価値・魅力を、より的確に内外に伝える工夫を期待したい。
ヒヤリハットの把握と考察に注力し、各クラスと「安全衛生」チームが連携し、収集・共有と人的・物的両面の環境改善に取り組む中で、危険に対する気づきの力を組織的に高めている。また本社策定のチェックシートによる園内の総点検も、クラス・部署ごとに担当を振り分け、職種や経験によらず取り組む仕組みとしている。経営層は一連の取組が、現場の意識を安全確保に偏らせ、保育を委縮させることのないよう、取組を量から質へと徐々に移してゆくことも想定している。取組の進展が、子どもの主体性の保障と安全向上の両立につながることを期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
現場での危険に対する意識を組織全体で高めることを目的に、種々の事故の要因となるヒヤリハットの収集に注力している。今年度は月あたりの収集件数に数値目標を設定し、各クラスで共有と考察を行うとともに、組織内の担当チームがそれを集約し、毎月の全体会議での報告によって、危険に対する気づきの力を組織的に高めている。また「安全衛生チェックシート」による園全体での安全点検では、分野ごとにクラス・部署に担当を振り分け、各職員が職種や経験によらず、点検や必要な知識の獲得に取り組むことで、人材育成の一環ともなるようにしている。
職員が話し合い、組織の同僚性や心理的安全性を高め、保育の充実にも活かす場を多様に設けている。昨年度は年齢や世代の異なる各グループで子どものエピソードを持ち寄り、本社の保育の知見と結びつけながら語り合い、今年度はその「大人の異年齢の語らい」を、職員主体の各チーム活動に引き継ぎ、「親子クッキング」の企画や幼児への進級時の子ども・保護者の不安への配慮、事故防止に向けた事例の共有・考察など、課題の検討と改善に取り組んでいる。また3年目までの若手職員が語らい、疑問や不安の共有や解決につなげる「語ろう会」も設けている。
粗大運動の発達段階に応じた遊具を用意したり、空間を確保したりするほか、指先の強さや器用さなどを養う微細運動を行える玩具を導入し、生活の所作の獲得につなげている。また子どもたちが再現や見立て、人とのやり取りなどを楽しむことができるよう、ままごとコーナーを設けるほか、幼児ではそれぞれの子どもの得意なことを環境に採り入れ、集団の興味や関心の広がりにつなげるなどの工夫にも努めている。物的環境を整えるだけでなく、子どもの興味・関心を新しい遊びにつなげる、提案や情報提供等の「仕掛け」も、大切な援助であると考えている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:調査開始時点での当園の利用世帯54(在籍児童数68)を対象として実施した。なお、兄弟姉妹がいる世帯は1世帯として扱った。
- 調査方法:アンケート方式
調査票及び調査項目は共通評価項目に準拠した。
回収は専用封筒を用い、回答者からの弊機関への直接郵送、または同方式と事業所内回収による未開封のままの弊機関への郵送の併用にて行った。
自由意見については回答者の匿名性に配慮し、表記の加工などの処理を適宜行った。 - 有効回答者数/利用者家族総数:42/54(回答率 77.8% )
総合的な満足度は「大変満足」47.6%・「満足」45.2%の計92.9%と高い値を得ており、設問別でも「発達に配慮した保育活動」「子どもの興味・関心の伸長」「食事」」「職員の対応・身だしなみ」など、全17問中15問で80%台~100%の高い支持を得ている。
自由意見では「どの先生も子どもの話をしっかりと聞いて対応してくれている印象で、自主性を尊重し、のびのびと過ごしやすい環境が工夫され、身体を動かす遊びや外遊びも積極的に採り入れ、季節の行事はもちろん、クッキングなどの体験が豊富なのも魅力だ」「異年齢クラスでの関わりがとてもよい刺激になり、連絡も密に取れていて、不満がない」「「プレイデイ」や夏祭りなどのイベントがあることが気に入っており、子どもの個性を尊重し、ゆっくりとした成長にも寄り添ってくれる」「保育士一人ひとりが子どもたちときちんと向き合い、より安全かつ心をきちんと育める環境になるよう取り組んでいる点がよく、ルールも厳し過ぎずほどよく柔軟な点は、個々の先生や園としての質があってこそと思う」などの声が寄せられている。
さらなる向上を望む意見としては、保育や安全・保健衛生、情報発信に関することなどが見られた。
アンケート結果
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
実質的な満足度(「無回答・非該当」を除いた割合・以下同)は、「はい」が95.1%、「どちらともいえない」が2.4%、「いいえ」が2.4%となっている。 自由意見は4件で、「種々の遊び、運動の機会がある」「運動遊びや感触遊び等、遊びを通して発達を促す活動を常に考え、採り入れてくれていると思う」「いろいろな言葉を覚えてくる」のほか、保育の中での園のルールと子どもの自由さの保障に関する意見があった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
「はい」が95.2%、「どちらともいえない」が2.4%、「いいえ」が2.4%となっている。 自由意見は2件で、「時計にフルーツを貼って「○○になったらトイレ」など、子どもにわかりやすく、子どもも時計に関心を持って見るようになったと思う」のほか、活動内容等の検討を望む声があった。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
有効回答者42人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見は2件で、「子どもは保育園の食事が大好きで、行事食もわくわくするようなものを用意してくれ、本当にありがたい」「毎日のおいしいお給食に感謝している」との声が寄せられている。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
「はい」が66.7%、「どちらともいえない」が28.6%、「いいえ」が4.8%となっている。 自由意見は7件で、コロナ禍の影響を含め、戸外活動や行事のさらなる充実を望む声が寄せられている。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
「はい」が87.2%、「どちらともいえない」が10.3%、「いいえ」が2.6%となっている。 自由意見は1件で、「非該当」とした回答者からの「そのような状況になったことがない(非該当)」との声があった。
6.安全対策が十分取られていると思うか
「はい」が82.9%、「どちらともいえない」が12.2%、「いいえ」が4.9%となっている。 自由意見は3件で、「今のところはそう思う」のほか、外部侵入対策や保育中の安全管理について、気になる点や要望が挙げられている。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
「はい」が82.9%、「どちらともいえない」が17.1%となっている。 自由意見は2件で、「プレイデイや夏祭りは事前に日程が知らされ参加しやすい」のほか、日程等の連絡などにおける各家庭への配慮に関する声があった。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
「はい」が92.9%、「どちらともいえない」が4.8%、「いいえ」が2.4%となっている。 自由意見は4件で、「こちらが相談したい時は対応してくれるし、何もない時でも「いつでも声をかけてくださいね」と声かけをしてくれるスタンスがよい」「よく話を聞いてくれる」のほか、職員の対応などについて、さらなる検討を望む声が寄せられている。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」が81.0%、「どちらともいえない」が9.5%、「いいえ」が9.5%となっている。 自由意見は5件で、「夕方はきれいにしてくれている」「きれいな空間だ」のほか、清掃や衛生管理等について、さらなる配慮を望む声が寄せられている。
10.職員の接遇・態度は適切か
「はい」が95.2%、「どちらともいえない」が4.8%となっている。 自由意見は1件で、子どもの模範としての職員の言葉遣いについて、さらなる配慮を望む声が寄せられている。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」が92.9%、「どちらともいえない」が4.8%、「いいえ」が2.4%となっている。 自由意見は2件で、「状況を丁寧に教えてくれる」のほか、ケガの際の保護者への伝達・共有について、さらなる配慮を望む声が寄せられている。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」が80.0%、「どちらともいえない」が15.0%、「いいえ」が5.0%となっている。 自由意見は2件で、「立ち会ったことがないのでわからない(非該当)」のほか、子ども同士のトラブル等の際の対応について、さらなる検討を望む声があった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」が92.9%、「いいえ」が7.1%となっている。 自由意見は2件で、子どもの気持ちを大切にした対応などについて、さらなる配慮を望む声が寄せられている。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
「はい」が95.0%、「どちらともいえない」が5.0%となっている。 自由意見には記入がなかった。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」が83.3%、「どちらともいえない」が14.3%、「いいえ」が2.4%となっている。 自由意見は3件で、「乳児クラスはわかりやすい」「丁寧に対応はしてくれている」などのほか、子どもの成長・発達や日頃の生活、保育内容等に関する保護者との共有などについて、さらなる配慮を望む声が寄せられている。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」が87.8%、「どちらともいえない」が9.8%、「いいえ」が2.4%となっている。 自由意見には「対応できないことはなぜ対応できないかをきちんと答えてくれる点もよい」の1件が寄せられている。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」が66.7%、「どちらともいえない」が18.2%、「いいえ」が15.2%となっている。 自由意見には、外部の意見窓口の周知について、さらなる配慮を望む声が1件見られた。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
園の「目指す姿」と重点課題や現場の実務に関する事柄を、さまざまな計画に定めている
保育や食事・食育、保護者・地域支援、安全衛生及び園組織の各分野について、当年度から3か年の計画と年度の「運営計画」に、各年度の園の「目指す姿」と、年度の重点テーマ・実行項目を定めている。3ヵ年計画は毎年度更新し、運営計画は現場の意見や各分野に関連する職員チームの活動などをもとに、半期ごとに評価を行っている。各計画は職員の年度の育成目標にも反映され、各人の成長や貢献を、園の課題解決に活かす仕組みとしている。保育その他の現場の実務についても、年間計画と各期間のねらい・目標や取組内容を示す実行計画を作成している。
各計画の立案の参考となる保護者や職員の声を、多様な方法を通じて把握している
保護者の全体的な意向を、毎年度の本社による「CS(顧客満足度)調査」または第三者評価機関による利用者調査のほか、行事後の感想収集、保護者会や保護者代表が出席する運営委員会などから把握し、組織内の「家庭支援」チームも保護者にアンケートを行い、保育や行事の企画に反映させている。また本社が入園後・卒園後のアンケートを通じ、保護者から見た当園の魅力・価値を把握して、今後の「選ばれる園」づくりの参考としている。職員の意向は前述の各会議や本社の毎年度の「ES(従業員満足度)調査」、園長との面談などから把握している。
地域や行政・業界の状況に関する情報の収集や、園の経営状況の管理がなされている
入園前見学など来園する子育て家庭から、会話や見学後のアンケートにより、子育てや教育などの個別ニーズや地域の状況、子育て家庭が園生活で重視することなどを把握している。また文京区の私立保育所園長会や、別に組織される地域の公私立5園のネットワークなどから、区内・地域内の施設経営や保育・子育て等の状況、区の関連政策に関する情報などを把握するほか、本社の系列園園長会・事業部会や自治体・本社の各種発信から、行政や業界の動向を把握している。園の収支・稼働率等の経営状況は、本社が園と状況を随時共有しながら管理している。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
全職員に求める保育者・社会人としての規範・倫理が、さまざまな機会に啓発されている
系列園共通の手引書「ベネッセの保育の考え方」に、子どもへの虐待・体罰・放置の禁止、子どものよき理解者・モデルとしての姿勢や、マナー・言葉遣い等の社会人としての心得などが定められており、これを新年度の会議で読み合わせている。また「公明正大」「お客様本位」などの全職員に求める判断・行動の指針を示す「ベネッセスタイルケア宣言」について、園内研修を毎年度設け、事業所内虐待や各種不正・ハラスメントの禁止、個人情報保護の徹底などとともに啓発を行っている。これらは入職時の初任者教育においても、各人に徹底が促されている。
園と家庭での子どもの虐待等の防止や、保護者の個別の意向への適切な対応に努めている
上記のほか、いわゆる不適切保育や保育施設での事故に関する報道を受け、組織内で話し合う機会を設けている。また手引書「安全衛生基準」に、虐待等の早期発見・防止に必要な知見がまとめられ、これを園内に常備するほか、上記の新年度の会議でも確認しており、虐待等が懸念される子ども・家庭には、関係職員間で情報を共有し、区担当課や各行政機関と連携して支援にあたっている。苦情解決制度や玄関の「ご意見箱」、面談や日々の登降園時の交流などを通じ、保護者の個別の意向を把握し、内容に応じ相談の席を設けるなど、誠実な対応に努めている。
地域に開かれた園として、園の情報や機能を提供し、保育施設間の連携にも加わっている
入園前見学の受け入れの際には、来園者の育児相談等にも随時応じるほか、今年度は保護者・未就園家庭合同のイベントとして、親子で楽しむ蒸しパン作りと、その後の家庭同士の歓談の機会を設けている。その広報を町会の掲示板で行うほか、ホームページや文京区を通じた各種情報の発信や、実習生・ボランティアの受け入れなども行っている。また区の私立保育所園長会や地域の公私立5園の園長同士の交流など、保育施設間の連携にも加わっている。今後は地域に園の専門性をより積極的に発信し、子育てを支援する、さまざまな企画の充実も想定している。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
運営・保育全般におけるリスクの明確化・洗い出しと、組織的な対策の検討を行っている
本社策定の「即時報告事項」に、発覚後即時に上長・本社に報告すべき種々の重大リスク・事態が一覧化され、事務室にも掲示している。また「安全衛生チェックシート」により、散歩・睡眠・水遊びの各場面での安全、ケガ・病気や与薬・アレルギー対応、環境・衛生及び防災・防犯の各分野で、リスク・課題抽出と改善策の検討を半期ごとに行っている。散歩時の安全については、経営層と看護師の各公園の点検をもとに、各クラスで人数確認を徹底し、子どもの特性を踏まえた対策の検討を行っており、昨年度は見失い事故防止に関する園内研修も設けている。
日常の事故防止のための取組をさまざまに行い、災害や不審者の発生にも備えている
組織内の「リスクマネジメント委員会」では、毎月テーマを設け、園内外での保育活動における各種リスクに関する検討を行っている。毎月の避難訓練では種々の時間帯・場面を想定し、災害時の対応や保護者・消防署との連携を確認し、BCPの整備と組織内で役割を分担しての更新もなされている。警察署来園による防犯訓練や、全職員の心肺蘇生法訓練も実施するほか、子どものケガ等の事故は発生後の原因・対策の考察により、予防と再発防止を図っている。ヒヤリハットの収集と検証にも注力し、これらの事例の集計と発生傾向の把握にも取り組んでいる。
情報の適切な管理・利用と漏洩防止の徹底を図る、多様な仕組みと環境が整備されている
「個人情報運用マニュアル」や全職員が入職時に確認・提出する誓約書等に、各種情報の取り扱いに関する実務上のルール全般が定められ、職員には入職時の教育やその後の毎年度の研修等を通じて徹底を促し、実習生等にも受け入れ時に守秘義務の厳守を求めている。また重要書類や情報端末類は施錠管理し、端末・ソフトウェアにはセキュリティ面の各種設定がなされるなど、情報漏洩防止の徹底が図られ、これらの状況は本社の内部監査でも確認されている。保護者には入園時に、個人情報の利用目的や開示請求等への対応に関する説明と同意確認を行っている。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
人材の確保と、園内の状況を考慮した配置に努め、育成・研鑽の指標も定められている
職員の募集・採用は系列全園について、本社が公式求人サイトや各種養成機関・採用関連業者、在籍職員への人材紹介奨励など、多様な媒体・方法を通じて行い、各園の体制の状況に応じた配属・異動を行っている。また園内では各クラスの子どもや保護者の状況をもとに、各人の能力発揮と成長やチームとしての協同性も踏まえてスタッフを配置している。これらの人事は、各人の意向やキャリア形成等も考慮して行われ、本社の「人事制度ガイドブック」には、保育・給食・看護の各職種で、職員に望まれる能力や研鑽に関する等級・職種別の指標が示されている。
多様な社内研修や個別の評価・目標管理など、人材育成の仕組みと体系を整えている
上記の能力・研鑽の指標を軸に、社内研修として、保育や食事・安全衛生、マネジメント・後輩育成など、職位・職種や等級などに応じた課目や、心肺蘇生法・情報管理などの全職員対象の研修が設けられている。また常勤者には、等級・職種別の項目による自己・上長評価と、個別の成長目標の設定を行い、評価や進捗を園長と各人との面談によって共有して、必要な助言・指導や、処遇・人事への反映による意欲の向上に活かしている。新人の基礎力養成と離職防止のための「ウェルカムシート」、中堅層向けの後輩育成に関する目標管理制度も設けられている。
内外での研鑽を通じ、職員と組織の保育や安全などに関する見識が高められている
社内研修や外部の保育・看護・食事などに関する各種研修の成果は、報告書・資料や会議での報告によって組織内に伝えられている。園内研修も毎月設け、安全衛生・虐待などのリスクマネジメント面のほか、職員同士で美点や貢献を称え合う「ニヤリハット研修」も設けている。また各「職務分野別リーダー」を中心とする各チームが、保育や保護者支援、安全面などに関する改善活動を行う中で、年齢や職種を超えた職員同士での協働が図られるほか、日々の各種会議や若手職員の「語ろう会」でも、話し合いを通じた種々の課題解決や関係性構築がなされている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
「子ども支援」「家庭支援」「地域支援」など、園運営の主要6分野について、現状と課題の認識を踏まえて年度の重点テーマ・実行項目を定める「運営計画」では、昨年度の「園組織」の分野で、組織の協同性の構築を重点課題とした。
現場の主力を担う若手の職員の中には、人との関わりをはじめ、さまざまな経験の機会が限られるコロナ禍以降の社会環境のもとで保育を学び、保育士となった者も少なくない。コミュニケーションの制約は感染対策の継続もあり、園内でも課題となっており、職員同士で関係を深め、共通理解や日々の連携・協力の促進につなげる難しさが生じていた。
これらに鑑み、組織内の家庭支援・子ども支援の各チームの主導のもとで、本社の保育の知見を40の「手掛かり」に象徴的に言語化した「保育のパターン・ランゲージ」を活用し、毎月の会議内に少人数の各グループでの話し合いの時間を設けた。各人が日常の保育で出会った子どものエピソードを、前述の手掛かりに結びつけて伝え合うとともに、それらが系列園共通に大切にする「4つの環境(『時間』『空間』『人・仲間』『遊び・生活』)」のどれにあたるかなどを話し合った。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
毎回の話し合いは、年齢や世代の異なる先輩・後輩の混成グループで行い、まずは若手の声に耳を傾けることとして、高い心理的安全性の中で語らいが進むようにした。またそれらの話し合いを通じ、子どもへの声かけや関わり、現場における多様で広い視点・視野など、各職員が保育者としての力量を高めることで、これからの競争激化の時代に、利用者に「選ばれる」うえで最も重要な要素と考える、保育の質の向上にもつなげることもねらいとした。
本来であれば職員間の関係や協同性を深める場となる、休憩中の会話などが限られる中で、毎月の語らいはそれらの促進の機会となった。今回の職員自己評価でも、組織の同僚性やコミュニケーション風土について、肯定的な声がさまざまに上げられており、若手職員が話し合いや発表の主導役を担うなど、主体性も高められている。
それらの成果を踏まえ、異なる年齢構成でのグループ討議を、今年度は運営計画の各分野と連動する各職員チームに引き継ぎ、保育や食事・食育、家庭・地域支援や安全衛生について、各チームが毎月の会議での話し合いをもとに、種々の改善活動を行っている。またそれらの進捗を随時共有することで、チーム間の連携にも結びついている。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
昨年度の運営計画の「家庭支援」の分野では、依然として続くコロナ禍のため、感染対策の必要から、保護者の保育室内への立ち入りや、保育者との対面での会話を制限せざるを得ない状況を踏まえ、保護者が園の日々の保育や子どもたちの様子を実際に見たり、担任とわが子の育ちの状況をより深く共有したりできる機会の創出を重点テーマとした。
取組として、外部の専門業者が定期的に園内の子どもたちの様子を撮影し、写真によって日々の保育や子どもの姿を保護者に伝える仕組みを導入するほか、コロナ禍発生以降は見合わせていた保育参観を再開し、感染対策のため1日あたりの受け入れ世帯数などを制限しつつも、実施の期間を例年より延ばし、より多くの家庭が実際の保育や園での子どもの様子を見ることができるようにした。また参観後には各家庭と面談を行い、家庭と園での子どもの様子を相互に共有するとともに、育児や子どもの発達等に関する悩みや不安などを聴き、保育などにおける個別の配慮と、保護者により寄り添った支援に活かした。
また、新たに導入された連絡通信用のアプリを活用し、保育実践や子どもたちの様子を写真と保育者の言葉で伝える「ドキュメンテーション」の発信も開始した。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
各家庭の保育参観とその後の面談は、保育の様子や園でのわが子の姿に触れることができ、子どもとの会話も広がったなど、好評を得ている。また内外の感染状況に応じ、対面やオンラインでの保護者会も開催し、子育てなどに関する喜びや悩みの共有など、保護者同士の関係と共感が深められ、コロナ禍以降のそうした交流の場が設けづらい状況の中で入園した世帯をはじめ、保護者から感謝の声がさまざまに寄せられた。
特に2月に行った全クラス対面での保護者会での実感から、経営層は保護者同士が語らい、「うちだけではない」「皆同じなのだ」と、共感し、安心できる場が重要であると考えている。今年度の運営計画でもその方針のもとで、保護者同士の交流の促進を重点テーマとしており、保護者会や保育参観の実施のほか、家庭支援チームが企画し、保護者と地域の未就園世帯がともに参加できるイベントとして、親子クッキングの機会を設けている。
また2歳児から3歳児への進級では、子どもの過ごす保育の環境がそれまでと大きく変わり、子どもも保護者も不安になりがちであることから、新3歳児世帯には進級後2か月後頃にアンケートを行っており、以降のより細やかな支援に活かす予定としている。
サービス分析結果
【講評】
子どもや保護者、保育に対する思いや特色等を、わかりやすく伝える工夫がなされている
ホームページ(以下、「HP」)に系列園共通の保育理念・目標や大切にしている思いのほか、子どもの心を育てるための環境面と保育者の関わりの工夫などが象徴的な写真とともに紹介されている。またベネッセ園の特色である担当制保育や異年齢保育、生活・食事を含めた内容、保護者支援や安全面での配慮などのほか、よくある質問と回答など、利用選択に役立つ情報を提供している。園のページでは施設概要とアクセスマップのほか、園の雰囲気や子どもたちの様子の一端がわかるような写真を添え、当園ならではの魅力や園長の思いなどを掲載している。
行政の各媒体や取組を活用し、地域の方々へ園の情報を提供している
区のHPでは、月ごとの入園の募集人数や申込の状況等が随時更新されるほか、施設情報の一覧や園舎・園内の写真と概要が示された地区別の情報が公開されている。文京区主催の「子どもフェスティバル」では、園の取組や活動の一端が伝わるよう、5歳児が制作したものを館内に展示するとともに、園のパンフレットを準備し、参加した方々が持ち帰れるようにしている。また季節ごとの制作や絵本、クッキングのレシピ等を紹介する「千石通信」の発行のほか、町内の掲示板での広報と見学者への声かけなどによって、親子クッキングの参加の募集を行っている。
見学では希望者の求める内容を説明しつつ、園の大切にしていることを伝えている
見学の予約を随時受け付けており、子どもの活動や園内の雰囲気がわかりやすいよう、午前を基本として園と希望者の都合に合わせて日程を調整している。当日は、子どもを真ん中に置き、家庭での姿も踏まえて保育を進めるという方針とともに、0~2歳児の愛着関係を形成する担当制や、社会性を身につけ、心を育む3~5歳児の異年齢保育など、各クラスの保育の内容や方針を説明している。また、見学者に事前に子育てのことで聞いてみたいことを確認し、それを参考として特に知りたい内容について説明したり、家庭での育児に関する相談に応じている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入園時の説明と同意確認の仕組みを整え、利用終了後の関係継続に配慮している
新年度での入園内定者に対して、新入園児説明会を実施しており、「園のしおり」をもとに、保育理念・方針や保育時間、行事や持ち物、食事や健康面等に関する事項のほか、個人情報保護や苦情解決制度などさまざまな内容について、園長・看護師・栄養士が専門分野ごとに園で大切にしていることを説明している。質疑応答や面談時の補足説明をしたうえで、各種の同意確認を行っている。利用終了後の支援の継続として、例年、「卒園児訪問デー」を設けているが、今年度は夏まつりや「プレイデイ」に卒園児を招待することで関係継続に配慮している。
子どもの成育歴や健康状態等を面談にて把握し、園全体での情報共有を図っている
子どもの成育歴や健康状態、家庭状況などに関する情報は保護者から提出された書類をもとに確認するとともに、「面談シート」を用いながら、子どもの発達や生活リズム、保護者の就労状況・緊急連絡先などのほか、集団経験の有無や保育時間、アレルギーの有無や離乳食の状況などを把握している。また食物アレルギーや健康面に不安がある場合には、専門職による聴き取りを実施し、より詳細な内容を確認している。これらの情報に関しては職員会議を利用して、子ども一人ひとりの情報を担任だけでなく園全体で共有し、入園後の見守りや配慮に活かしている。
子どもと保護者が安心し、新たな生活をスタートできるよう、細やかな配慮に努めている
入園直後は通常の利用時間での保育を実施するのではなく、生活リズムの急激な変化による心身の負担を軽減できるよう、「慣れ保育」を実施しており、徐々に保育時間を延ばし、体験を増やしながら、長時間の保育につなげられるようにしている。期間は入園時の面談において、子どもの集団保育の経験や保護者の就労復帰等の事情を踏まえて日程を決め、子どもの状態を保護者と共有しながら、必要があれば柔軟に予定を変更している。また乳児は担当制の保育のもとで、子どもの心の寄り処になるような関わりと、保護者とのコミュニケーションに努めている。
1.サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
子どもと保護者に関する情報を記録し、随時更新してゆく仕組みを整えている
入園時には、子どもの発達・生活リズムなどの状況や保護者・家庭の状況を、各種書類や面談により把握しており、入園後は情報を適宜更新し、保育や保護者支援に活かしている。子どもの身体的な成長は、身体測定を毎月実施して記録し、心身の発達については、年齢別の主な発達の現れに関するリストを用いて定期的に確認するほか、子どもの個別の発達の現状や見通し、情緒面等の全体的な姿などを、保育者が文章で記述している。また保護者や家庭の状況については、送迎時の会話やアプリ連絡帳のやり取りなどを通じて、日々の把握に努めている。
全体的な計画をもとに長期・短期の保育計画を策定し、実践につなげている
全体的な計画には、保育理念のほか、年齢別の子どもの全体的な発達の目安、教育の5領域の各項目に関する育ちの姿などを明示している。全体的な計画をもとに、年間を4期に分けた年齢別の指導計画を策定しており、月・週日といった短期の計画に展開する仕組みとしており、計画の期間ごとに、ねらいや体験させたい内容、配慮事項などを記し、実践している。今年度は身体を動かす活動に注力しており、身体に関する活動は月の計画の中で文字を強調して書き示し、保育者が計画策定や振り返りの際に安全やケガ防止も意識できるようにしている。
個別の計画も作成し、個々の発達や特性を踏まえた援助を行えるようにしている
心身の発達が著しい0~2歳児や個別の配慮が必要な子どもには、個人別の計画を毎月作成し、成長や特性に応じた援助につなげている。個別の計画は担当が記載することとし、子どものさまざまな姿をとらえられるよう、職員間で話し合って内容を検討することを基本としている。また園長・主任も目を通し、必要に応じて助言を行っている。各種の計画は実践後に職員間で振り返り、子どもの様子や成長の見通しを踏まえた実践・援助に活かしている。保護者には各クラスの保護者会や個別の面談などを通じ、保育の内容やねらい・見通しなどを伝えている。
1.定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している
- 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
- 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、保育の過程を踏まえて作成、見直しをしている
- 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
- 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
- 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
- 子ども一人ひとりに対する理解を深めるため、事例を持ち寄る等話し合う機会を設けている
1.子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている
- 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
- 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
- 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
- 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
- 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
- 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】
小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
【講評】
子どもの発達や興味等の全体像の把握に努め、環境構成の工夫に取り組んでいる
子どもの成長・発達や興味・関心、日々の情緒面・健康面など、一人ひとりの全体像をとらえ、それらに応じた援助を行えるよう、リストを用いて主な発達の現れに関する確認を定期的に行うほか、子どもの日々の様子については、保護者からの聴き取りや職員間の情報共有等を通じて把握に努めている。これらの個別・集団の子どもたちの状況を把握したうえで保育計画を策定し、提示する玩具や絵本を選別するほか、発達を促すための遊びを用意している。また生活習慣の獲得への援助に注力する時期には、ゆったりと着替えられる空間の確保にも取り組んでいる。
子ども同士のトラブルの対応では、言葉の発達状況に応じた援助に努めている
子ども同士のトラブルの対応では、双方の話を聴き、気持ちを受けとめることを大切にしており、伝えきれない様子があったり、伝えるための言葉が見つけられない場合には、保育者が代弁したり、伝え方を教えたりするほか、話の整理などの援助を行うようにしている。また子どもの個性や傾向をもとに決めつけたり、見た目での加害・被害の印象に左右されたりすることのないよう心がけている。言葉でのやり取りが難しい時期の子どもには、気持ちや状況を代弁したり、関わり方を伝えたりするほか、未然に防げるよう、保育者の位置取りなどにも配慮している。
子どもたちのコミュニケーションの力と、年齢や文化の違いを認め合う心を育んでいる
幼児クラスでは異年齢保育を行っており、遊びや生活をともにすることで、年上児への憧れや、やってみようとする自発性、教えたり助けたりする思いやりなど、さまざまな心の育ちが促されている。5歳児は年度後半から就学を見据えた活動として、学童保育施設で小学生と交流する機会も設けている。また絵本や国旗の図鑑、「プレイデイ」での万国旗作りなどを通じてさまざまな国や言葉があることを伝えたり、子ども同士のやり取りを見守りつつ、気持ちや言いたいことを伝え合えるよう援助するなど、異文化への関心やコミュニケーションの力を高めている。
2.子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている
- 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
- 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
- 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
- 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
【講評】
登園時には子どもの状況を把握し、職員間で情報共有に努めている
登園時には、受け入れを担当する保育者が子どもの顔色や表情、機嫌のほか、目に見える範囲の傷の有無を確かめ、保護者から家庭での様子や前日からの変化などを聴き取っている。把握した情報は「引き継ぎファイル」に記載し、保育者間の共有の際には、一人ひとりの伝達事項を担当間で伝え合うようにしている。また保護者が入力したアプリ連絡帳の内容も確認している。着替えの際には、子どもの全身の状況を確認しており、傷等がある場合には、「健康観察リスト」に記録し、必要に応じて保護者に確認を取ることとしている。
一日の活動や子どもの様子を、さまざまな方法で保護者に伝えている
降園時には、できる限り当日の一人ひとりのエピソードを保護者に伝えられるよう努めている。特に登園時に、保護者が子どもの体調などを心配していた場合は、その後の子どもの様子を詳しく伝えるよう心がけ、そのための職員間の情報共有にも努めている。また2歳児までは、生活面の情報をアプリ連絡帳で保護者と共有し、園での子どもの様子を毎日入力しており、3歳以上児においても、必要に応じて保護者とのやり取りを行っている。クラスの活動の内容や子どもの姿は、写真と文章で様子を伝える「ドキュメンテーション」の配信によって伝えている。
子どもの発達や意欲を踏まえ、家庭と連携しながら、生活習慣の自立の援助を行っている
排せつや衣服の着脱など、生活習慣の獲得と定着への援助は、身体機能や意欲を踏まえて行っており、0~2歳児では担当制のもと、細やかな援助を行っている。一緒に行ったり、誘いかけたりするほか、自分で行う姿が見られた時は見守りつつ、さりげなく援助し、できたことへの共感を伝えて自信につながるようにしている。また保護者に園での取組や子どもの様子を伝え、脱ぎ着しやすい服の用意を呼びかけるなど、家庭とも連携している。睡眠・休息も子どもの発達や日々の体調などに応じて支援し、入眠しやすい環境の設定やSIDS対策にも努めている。
3.日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している
- 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
- 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
- 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉(発声や喃語を含む)や表情、身振り等による応答的なやり取りを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
- 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
- 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
- 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
【講評】
自発的に遊べる時間と環境を用意し、集団活動への主体的な参加を促す工夫に努めている
子どもたちが自分で好きな遊びを選んで取り組める時間を確保しており、玩具も自由に使えるように置かれている。保育者がねらいを立てて行う集団での活動を導入する際には、子どもたちの主体的な活動を促せるよう、興味・関心を踏まえたり、子どもたちが自分で決められる要素を採り入れたりするほか、行事を実施する際には、事前活動を行うなどの工夫に努めている。集団活動への参加が難しい子どもがいる場合には、遠くから雰囲気を感じることも参加と位置づけ、無理強いしないことを前提とし、部分的な参加からできるよう、誘いかけをしている。
音楽や制作活動など、子どもたちの表現力などを養うさまざまな活動を実施している
日々の保育では、手遊びやわらべ歌・季節の歌などを楽しむほか、ピアノに合わせて身体を動かしたり、動物の動作をまねたりするリトミック、楽器やリズム遊びなどを採り入れており、楽器は手拍子から始まり、鈴・カスタネット・タンバリンといった打楽器、木琴・鉄琴・ハンドベルなどの音律楽器へと展開している。制作活動は、発達に合わせてさまざまな技法や道具を体験できるよう計画的に取り組んでおり、制作したものを使って見立てや再現の遊びを楽しむこともあり、今年度は「お店屋さんごっこ」やお化け屋敷等の活動に展開した事例も見られている。
生活の中で決まりを守ることの大切さを学び、戸外活動では季節の移ろいに触れている
好天時には戸外活動に出かけ、公園ではボール遊びやルールのある遊び、自然物の探索や観察を楽しんでおり、交通ルールを学ぶ機会にもなっている。また草花や樹木の変化や気温、風の感触などから、季節の移り変わりや自然の不思議さに触れ、保育者は子どもたちの気づきに応答したり、気づきを促す働きかけを行っている。また決まりごとを子どもに伝える時は、その意図や必要性を考えられるよう問いかけ、話し合いの時間を設けるほか、守りやすくする工夫として、視覚的に約束事や生活の流れを掲示し、子ども同士で教え合えるような援助も行っている。
4.日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している
- 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
- みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
- 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
【講評】
行事は子どもの興味や発達等を踏まえ、主体的に取り組めるよう配慮して実施している
行事は子どもの体験や発想を踏まえることを大切にしている。今年度は、ハロウィンでお化けの制作や仮装を体験した子どもたちが、自発的にお化け屋敷の制作を始めており、制作の過程では子ども同士で話し合ったり、協力し合ったりするほか、年下児を招くアイディアも生まれ、異年齢児交流の機会にもなっている。保育者がねらいを立てて取り組む行事についても、子どもの状態を踏まえて行事計画書を作成して取り組み、実施後には振り返りを行って次回の参考としている。行事への取組の過程は「ドキュメンテーション」などで保護者に伝えている。
行事を通じたさまざまな体験の機会を設け、興味や関心の広がりを促している
七夕や節分、ひな祭りなど、季節ごとの文化に由来する行事も行っている。紙芝居やペープサート(紙人形劇)、クイズ等で行事の意味や由来を伝え、行事食の提供も行っている。また行事の象徴物をテーマに制作活動に取り組んだり、歌を歌ったりするほか、短冊や豆まきごっこなど、風習や遊びを楽しんでいる。家庭の協力を得てお弁当を持って遠足に出かけたり、美術品の鑑賞を経験したりするほか、年長児が夕刻までクッキングなどを楽しむ「チャレンジ夏季保育」など、行事を通じたさまざまな体験の機会が、子どもたちの興味・関心の広がりを促している。
行事はさまざまな心の育ちをもたらし、保護者に子どもの成長を伝える機会となっている
「プレイデイ(運動会)」では異年齢でパラバルーンを行い、息を合わせて取り組み、協力する喜びや達成感を味わい、「クリスマス発表会」ではオペレッタやハンドベル・合唱に取り組んでいる。これらは子どもたちが協力し、一つのものを作り上げる機会となっており、体験を通じて協調性や対話力、相手を思いやる心、達成感や充実感、自信と自己肯定感につながるよう取り組んでいる。保護者にも運動面や表現力などの発達を伝え、成長の喜びを共有する場として、各行事の案内や毎月の便り、「ドキュメンテーション」等を通じ、ねらいなどを伝えている。
5.保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている
- 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
- 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
【講評】
保育時間が長くなる子どもの健康面・情緒面への援助・配慮に努めている
保育時間が長くなる子どもが健康的に過ごせるよう、登園時の視診や検温等を行い、体調や健康状態を確認し、把握した情報を職員間で共有して、必要な援助につなげている。水分補給は活動の合間などに促すほか、各自が飲みたい時に飲めるようにしている。休息は子どもの個々のリズムで取れるよう、午睡だけでなく、午前寝や夕寝にも対応するほか、保育室内には身体を休められる場所を設けている。また情緒面に不安がある場合には、保育者がスキンシップを図ったり、ゆっくり子どもの好きな遊びを楽しんだりするなど、安心して過ごせるよう配慮している。
子どもたちが長い保育時間を楽しく穏やかに過ごせるよう、活動等の工夫を行っている
子どもたちが一日を楽しく、また安定した気持ちで過ごすことができるよう、それぞれに自分の好きな遊びを自由に選べる時間と環境の保障に配慮し、身体を動かす活動と室内活動など、静と動の活動のバランスを考慮している。また体力の状況に応じて気分転換を図れるよう、夕方の時間帯にも散歩や園庭での活動を採り入れている。延長保育は1歳児室で実施しており、安全面に配慮しながら、子どもたちの意見を聴いて幼児クラスの子どもたちが楽しめるものを用意するほか、延長保育の日誌をつけ、個々の遊びの内容を記録し、翌日の活動の参考にしている。
6.子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している
- 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
- メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
- 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
- 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
- 保護者や地域の多様な関係者との連携及び協働のもとで、食に関する取り組みを行っている
【講評】
子どもが楽しく食事を摂れるよう、援助や環境、調理の工夫に取り組んでいる
子どもが食事を楽しめるよう、保育者は子どもと会話を交わしておいしさを共有したり、時には苦手なものに共感を示したりするほか、テーブルクロスを掛けるなどして雰囲気づくりに努めている。0~2歳児では担当制保育を実施しており、子どもの好みや咀嚼の状況に即した援助を丁寧に行うことを大切にしている。子どもの喫食状況を保育者と調理担当が共有し、改善の参考としており、クラスごとに担当の栄養士を決め、クラスミーティングにも参加して咀嚼や嚥下の状況、食具の使い方や食べ具合などについて話し合い、調理の工夫につなげている。
安全な食事の提供に向けた工夫や保護者との連携に努めている
食物アレルギーへの対応として、医師の診断に基づいて除去食の提供を行っている。毎月保護者と献立の内容を確認し、提供の際には、調理室からの受け取りや配膳等の各段階で、除去内容や子どもの名前等の指さし・声出し確認を複数職員で行っている。また着座の位置に配慮し、その日の食事と食札を載せた専用のトレーにラップをかけて提供するなど、誤食・誤配防止対策を講じている。離乳食も保護者と連携を図りながら、子どもの咀嚼・嚥下、食材の体験等を踏まえて進めており、初めての食材は家庭で経験してもらってから提供するようにしている。
食事や食材への子どもたちの興味・関心を育む、さまざまな食育活動を行っている
日々の食事が食育の基本であるとの方針のもとで、献立は旬の食材を使用し、和食を中心にさまざまな味覚や調理法を体験できるようにし、「鬼のハンバーグ」や七草粥などの行事食も提供している。夏野菜の栽培や防災食の体験、芋掘りや野菜スタンプなどのほか、サツマイモのパイやおはぎ、餃子の皮を使ったピザなどの調理保育も採り入れ、年長児は「チャレンジ夏季保育」で、包丁などの調理器具を用いたカレー作りにも取り組んでいる。また食材と身体の関係に関する知識を伝え、年度末には子どもたちが栄養バランスを考えた献立作りに挑戦している。
7.子どもが心身の健康を維持できるよう援助している
- 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
- 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
- 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
【講評】
子どもが健康を意識し、衛生的な生活習慣が身につくよう、さまざまな支援を行っている
登園時には手洗いを励行するとともに、戸外活動後や食事前など、生活の場面ごとで取り組むことで、自然と習慣となっており、子どもたちが手順等を確認し、自分で取り組めるよう、手洗い場にイラストを掲示している。また適宜、水分補給ができるようにしたり、活動後や汗をかいた後に着替えをしたりするなど、健康を意識した生活習慣が身につくような援助や声かけをしている。幼児を対象とした歯科指導のほか、看護師が時期に応じて手洗い・鼻かみ等の指導を行ったり、4・5歳児には自分の身体を守り、大切にすることをわかりやすく伝えている。
身近な危険を回避する術を知らせ、運動遊びを通じた身体機能等の向上を図っている
火災・地震・不審者などの訓練を定期的に行っており、子どもたちが防災頭巾をかぶったり、大人の指示に従って身を守り、安全に避難をすることに取り組んでいる。また5歳児向けの防犯訓練では警察の方から話を聞いたり、映像を見たりして、防犯の約束ごとや身近に潜む危険から身を守ることを学んでいる。看護師の専門性を発揮し、年齢・発達段階に応じた運動遊びを採り入れており、投げる・飛ぶなどの全身動作、ボール・マット・平均台等の道具や固定遊具を使うことを通じて、子どもの平衡感覚や身体認識、空間認知能力を高めることに取り組んでいる。
嘱託医や保護者との連携を図り、健康に関する情報等の把握と管理にあたっている
嘱託医の定期的な健診が行われ、子どもの発育や健康状態などの確認がなされている。また嘱託医との健診時や随時に相談ができるほか、受診が必要な場合の他の医療機関を含めた連携体制を整えている。健診及び身体測定の結果は連絡アプリを用いて保護者に報告しており、医師の所見や指示などがあれば詳細な情報を伝え、その後に活かせるよう配慮している。また、入園時の説明や便りの発信などで子どもの健康管理や感染予防、家庭で役立つ保健の情報を提供しており、園内で感染症が発生した際にはその状況を速やかに保護者へ知らせている。
8.保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている
- 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
- 保護者同士が交流できる機会を設けている
- 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
- 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
- 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
【講評】
保護者とともに子どもの成長を支え、喜び合えるよう、さまざまな支援に取り組んでいる
保護者と一緒に子どもの成長を支え、喜び合える「子育てのパートナー」として、保護者との日頃からのコミュニケーションを大切にしながら、利用時間の変更や延長保育の利用など、就労上の支援を行うとともに、育児等の相談に応じたり、個人面談でじっくりと話ができるようにしている。また連絡アプリや園便り、写真等で可視化する「ドキュメンテーション」等を通じて、園での様子や興味・関心、子どもたちのやり取りなどを積極的に伝えるほか、保育参観・参加でいつもの子どもの姿や様子を見てもらい、その後の面談を行うことで理解を深めている。
子どもの成長や見通しなどを保護者に伝え、育児のノウハウを共有する取組も行っている
クラス懇談会では、年度当初に写真のスライドや資料をもとに、年間の方針や目標、子どもたちの様子などを説明するほか、年度末では一年間の子どもの成長の報告を行っている。また各クラス懇談会に先立ち、子育てに関する質問や悩みなどをアンケートで収集し、席上の話題に採り上げるほか、食事に関するQ&Aを知らせ、レシピも配付するなど、園の専門性を家庭の育児に役立ててもらっている。3歳児の保護者からは、進級して2か月後の意見・感想などを募っており、今後の幼児クラスへのスムーズな移行と不安軽減等の配慮に活かす予定としている。
保護者が安心して子育てができるよう、親子体験や保護者同士の交流の場を提供している
年間の行事予定を知らせたり、開催前の案内を行うなど、保護者が参加の調整をしやすいよう配慮している。懇談会では子どもの名前の由来や我が子自慢等の内容を織り交ぜて保護者に自己紹介をしてもらったり、保護者から寄せられた話題をもとに懇談するなど、保護者同士の交流の場を提供している。また夏まつりに保護者と一緒に参加してもらったり、「プレイデイ」では親子競技や保護者競技などを行うほか、親子クッキングでは、調理体験とともに、制作等をしながら懇談ができるようにするなど、親子での体験や保護者同士の交流の場を多様に設けている。
9.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
- 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
【講評】
地域や身近な環境を活かし、子どもたちの豊かな体験が得られている
地域内の公園等に散歩に出かけ、さまざまな場所での発見を楽しんだり、出会った人と挨拶を交わしている。また幼児の遠足では、3・4歳児が公園まで歩いて出かけ、自由に遊んだり、おやつを食べるといった経験ができるほか、5歳児では貸切バスを利用して畑へ出かけており、区内系列園の子どもと一緒に土に触れながら、さつま芋を収穫するといった実体験が得られている。今年度は子どもたちと一緒に美術品を園内に飾って本物に触れる機会を設けており、子どもたちが見て感じたままを描画や言葉などで表現している。
世代を超えた人との関わりが持たれており、子どもたちの視野等を広げている
5歳児は就学に向けた「チャレンジ活動」として、地域の学童保育を訪れ、施設内の玩具で遊んだり、小学生と楽しくふれ合い、ランドセルや教科書を見せてもらったりする機会を設け、昨年度もオンラインで交流するなど、就学への期待感と不安軽減につなげている。また保育の実習生や高校生のボランティアを受け入れ、子どもたちがいつもと違う人との関わりが持てる機会があったり、地域の図書館主催の人形劇等の招待を受けて参加したりするなど、これらの経験を通じて、さまざまな視野や体験の広がりとなり、子どもたちの生活を豊かなものとしている。
【講評】
子どもの羞恥心・プライバシーへの配慮や、個人情報の適切な取り扱いに努めている
子どものプライバシーや羞恥心の芽生えへの配慮として、おむつ替えは他者から見えないようにして行うほか、着替えの援助は全裸にならないように上下別で行い、自分で着替えられる子どもにも同様の着替え方を伝えている。また年長児を対象に、プライベートゾーンに関する話を看護師が行っている。個人情報の利用に関しては、入園時に目的を明示したうえで保護者の同意を得るほか、写真の使用・販売についても説明を行い、その可否を確認しており、情報を外部に提供する必要がある場合にも、そのつど保護者に確認して対応することとしている。
その子らしく伸びていくことを支えるため、職員の意識継続や認識の再確認を行っている
ブランドメッセージ「その子らしく、伸びていく。」を掲げ、子どもを人格を持つ一人の人間として尊重し、呼び捨てにしないことや一斉行動を強いないこと等の徹底のほか、子どもが見通しを持ち、主体的に行動できる環境の設定や玩具の提供に努めている。毎年、「ベネッセスタイルケア宣言」の研修を実施し、人権尊重の徹底に向けた行動宣言・基準を再確認するほか、新年度開始前の会議においても、共通の手引書「保育の考え方」をもとに子どもを肯定的に見ることや虐待等の禁止などを伝えるなど、望ましい援助のあり方について意識継続を促している。
各家庭の生活習慣や価値観などの把握と、寄り添った個別の援助・配慮に努めている
各家庭の生活習慣や価値観・意向などを把握し、会議等で情報を共有したうえで、日常の園生活や食事面での配慮など、園で対応可能な個別の援助・支援に努めている。保護者への寄り添いや支援を心がけ、家庭支援チームの職員を中心として外部研修での研鑽を図り、園内での保護者に必要な支援等に役立てるほか、前述のスタイルケア宣言の際には園長からかみ砕いて説明し、保護者支援や虐待防止等の理解を深めている。なお、虐待の防止・早期発見に対する考え方や通報の流れなどを「安全衛生基準」に定めており、必要時に活用することとなっている。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
- 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している
- 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
- 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
- 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
【講評】
運営や保育実践などに必要な手引書をさまざまに整備し、周知と活用を行っている
全社共通の保育・安全衛生・給食などの基本的な方針や考え方、具体的な手順などをまとめた手引書を整備し、日常の業務の参考とするとともに、新年度に向けた会議の際にこの手引きも活用し、保育者・職員としての姿勢や遵守事項、各種の手順などの説明と周知を行っている。事務所には、緊急時の連携のための「即時報告事項」、職員が心がけるべきことをまとめた「チーム千石みんなの標語」を掲示するほか、熱中症・感染症対策やSIDS・けいれん・嘔吐処理などの対応手順などを常置し、職員の意識継続を促したり、万が一の速やかな対応に備えている。
多様な視点や意見を活かし、各種の手順や考え方などの見直しと改善に取り組んでいる
上記の全社共通の手引書や関連する各種の様式については、行政のガイドラインや通知、指導監査の結果や他園の事例のほか、系列各園及び職員の意見・提案などを踏まえ、必要な見直しの検討や手引書等の改定を行う仕組みとなっている。変更された内容は、随時必要な内容を各園に展開し、職員等への周知を図っている。またISO基準をもとにした内部監査が行われ、定められた業務や手順の徹底を促し、必要な是正を行うほか、職員・保護者への満足度調査を定期的に実施し、そこで得られた情報から、質の向上や各種の改善などへとつなげている。
職員のリスクセンスや実務上の対応力を高めるための工夫と取組を行っている
近隣の病院リストを作成したり、年1回のCPR訓練を実施するなどして、緊急時の対応に備えており、水遊びの際には動画の視聴とともに、監視の仕方や事故発生時の対応等に関する研修を行っている。全体会議の中では、クイズ形式で安全衛生に関する質問をし、職員間の認識や理解を深めるとともに、各職員が事前に手引書等の内容を確認することにもつながっている。毎月、一定数を目指してヒヤリハット事例の提出を促し、必要な内容をピックアップして組織内で共有するほか、散歩や園内での保育者の立ち位置を再考することも行っている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
【評価機関名】
【評価実施期間】
2023年6月1日~2024年2月13日
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【講評】
系列園共通に目指す保育や子どもの育ちのあり方が、保護者や職員に発信されている
保育や子どもの育ちにおいて目指すものを象徴するブランドメッセージ「その子らしく、伸びていく。」、保育理念「よりよく生きる力(Benesse)の基礎を育てる」と、これらの実践の指針となる保育の方針・目標を、系列全園で掲げている。保護者にはこれらを、見学・入園時の説明や、年度当初の保護者会での発信などを通じて周知を図っている。また職員には入職の際の初期教育を通じて理解と実践を促すほか、園内でも保育の計画への記載や、多様に設ける話し合いの場での保育や子どもに関する情報・理解の共有などにより、理解を深めている。
経営層が園の運営や保育を統括し、風通しと同僚性を大切にした組織づくりに努めている
経営層が現場と連携しつつ運営や現場の保育を統括するとともに、園の「目指す姿」や年度の重点課題等を示す各計画を、年度当初に職員に発信している。また日々の会議でも、本社の施策・方針や折々の園の課題に対する対応や方針を、各職員と共有している。園のあらゆる場面で「子どもを真ん中に置いて考える」ことを、運営における不変の方針とし、新人・若手をはじめ、各職員が年齢・経験や職位・職種を問わず思いを発信できる組織であることや、その基盤として、各人が貢献や長所を認め評価される、同僚性の高い仕事場であることを大切にしている。
若手同士の語らいを含む多様な話し合いの場と、必要な情報の周知の仕組みを整えている
園の運営や保育に関わる各種の重要事項は、月初の「月案会議」や月末に常勤者が集う「全体会議」、または毎月各クラスリーダーと経営層で話し合う「リーダー会議」のいずれかで、内容や緊急性に応じて検討・決定する仕組みとしている。欠席者や非常勤者には、議事録や各クラスでの伝達などにより、必要な情報を周知させ、保護者にはアプリでの電子配信を基本に、必要に応じ書面も併用して、種々の重要事項を伝えている。3年目までの職員には「語ろう会」と題したグループ討議の場も設け、若手同士の語らいと疑問・悩みの解決などの機会としている。