評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1) 女性の解放
2) 女性の自立
3) 自己決定
4) 児童の主体性を育てる
5) 就労の継続
職員に求めている人材像や役割
児童一人ひとりの特性を理解し、受容できる。
・問題が起きても、ポジティブ且つ建設的な姿勢を持てる。
・チームワークが取れる。
・利用者にとって信頼できる存在であること。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・“この一人のために”という気持ちを持ち続けること。
・今、目の前に居る利用者に何ができるのか、を常に考え、利用者の状態に合わせた対応ができること。
・仕事を含めた自分の人生を楽しむこと。
全体の評価講評
特によいと思う点
ホームでは今年度、以前から行っている子どもたちと職員によるミカエラ会議を2か月に1回、曜日と時間を決めて定例開催しています。事前に職員から議題を提示し、話したいことを子どもから募っています。会議では職員から社会情勢や今後の予定(防災訓練等)を伝えるとともに、困っていること等について、子どもに率直な意見を出してもらっています。意見に対する他の子どもの思いも聴き、ホームが理念・方針に掲げている「自己決定」ができるように支援しています。ミカエラ会議の場を活かし、子どもの主体性を尊重した自立支援に取り組んでいます。
コロナ禍の前はアフターケアとして定期的に行っていた退居者との食事会「一緒ごはん」が中止となったことから、昨年度よりケアに役立つ退居者向けアートセラピーを企画し、年6回程開催しています。退居者には無料のアプリケーションや専用の個別アカウントを用意して連絡・案内をしており、参加は少ないものの、ホームの子どもも参加し、「水彩の線と形」や「贈り物をテーマに木製の箱」、「様々な色や形でアレンジメント」等、様々な題材に取り組んでいます。コロナ禍でも、継続的なアフターケアの在り方を職員間で模索し、工夫して実践しています。
入居後の子どもの状況を把握しつつ、リービングケア(自立に向けての取り組み)を徐々に進めています。生活に必要なことや物に対する意識を高めるために、ホームにある共用スペースに電気料金を掲示し、こまめに電気を消すことの必要性を伝えています。入居時に書面で約束をしている生活のきまりについても、退所後の個々の生活を見据え、子どもたちの声を聴きながら、居室の部屋の行き来や洗濯の時間等のルールの見直しを行うなど柔軟に対応しています。子どもたちの状況や様子に応じて、退居後の自立に向けた支援に着実に取り組んでいます。
さらなる改善が望まれる点
今年度の事業計画の重点目標に「新しいホーム建屋の2024年着工に向け、資金計画・収支計画・建築計画等を綿密に検討する」との方向性を示し、法人の練馬地区再構築プロジェクトを進めています。現段階ではハード面が中心ですが、ソフト面の諸課題も取り上げ、中・長期計画の策定につなげることが望まれます。入居者の住環境の向上のほか、運営上の課題解決や併設施設との連携の充実、新規事業実施の可能性も視野に入れながら、全体の在り方の再検討を進めるものとなっており、適切な方針・計画を策定し、実行に移していくことが期待されます。
「新しい人材の確保に努め、新しい制度、事業に対応できる職員体制を整える。また、キャリアパス等内部の人材育成の仕組みを整備する」を事業計画の重点目標の一つに設定しています。専門職の配置や活用できる新たな事業も増えたことから、配置要件や新事業の活用に向けて、若い人材と育成のための新たな制度の必要性を認識しています。現状、人材確保や職員体制の見直しに一定の成果が出ていますが、内部の人材育成の仕組み整備については、法人内の調整も必要であることから具体的な進展が見られておらず、取り組みを促進することが期待されます。
入居時の面接記録や業務日誌の情報を踏まえ、子どもを主体とする支援方針により子ども自身が立てた目標を基に、職員が自立支援計画を作成しています。しかし、計画を子どもの目標に合わせて説明し進捗状況を確認し合ったり、アセスメントの見直しを定期的に行い計画に反映する手順は曖昧となっています。一人ひとりの子どもが自立できるよう、どのように支援を進めていくのか、アセスメント・計画・記録の各書式や実施手順を見直し、一連のプロセスをマニュアル化して、子どもへの働きかけを統一的に確実に提供できる仕組みを作ることが期待されます。
事業者が特に力を入れている取り組み
コロナ禍の中で、これまで実施していた宿泊旅行や教会と共同での夏祭り等が中止となり、ホームの職員でできることを検討しています。今年度は、複合エンターテインメント施設への一日レクレーションや劇団の舞台鑑賞等を企画し、皆で楽しんでいます。また、子どもの誕生会には本人のリクエストメニューやケーキを準備してお祝いをしています。新年に成人式を迎える子はいませんでしたが、高校を卒業する子どもには卒業式に着物と袴を着付けて祝う予定です。日々の生活の幅を広げ、子どもの心に潤いを与えられる機会の提供を大切にしています。
食事が子どもの安心や健康につながるように、当直の職員がメニューを考え献立表を作成しています。入所日にはその子の好きな料理を用意して歓迎し、職員がプランターや畑で育てた野菜等も食材に使用して、日々様々な料理を手作りで提供しています。子どもと一緒に食事をする際には、栄養指導やマナー教育にも努め、食に関心が持てるよう働きかけています。訪問調査時の食卓テーブルには、「ほうとうを作ってあります。かぼちゃといんげんを入れて温めて食べてください」と、子どもへの心温かな手紙が置かれており、春菊の胡麻和えも添えてありました。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:令和5年1月現在、当ホームに入居している子ども(総数5名)全てを対象として調査を実施しました。
- 調査方法:アンケート方式,聞き取り方式
聞き取り方式により評価者2名が個別面談を行って調査を実施しました。個々の希望により、職員から調査票と返信用封筒を手渡してもらい、記入した調査票を無記名・封かんの上、評価機関宛に郵送してもらうアンケート方式も可能であることを説明しました。 - 有効回答者数/利用者総数:4/5(回答率 80.0% )
ホームに対する総合的な感想では、「よい」が3名(75.0%)、「ややよい」が1名(25.0%)と、回答者全員から肯定的な評価が得られています。15問の共通評価項目でも、8問において回答者4名全員(100%)が「はい」と回答しており、「どちらともいえない」との回答は見られるものの、「いいえ」との回答はありませんでした。総合的な自由意見では、「ミカエラホームにした決め手は、見学に来てパンフレットでホームのきまりを見たときに、嫌だと思うところが無かったこと。自分が決めたので満足している」、「門限を延ばしてほしい」、「部屋(自室)が広いと良いと思う」、「洗濯機を直してほしい」、「職員によって言うことがコロコロ変わるのはやめてほしい」等の意見や要望が寄せられています。利用者調査に対して、「すごく良いと思う。大切である」との声も聞かれました。
アンケート結果
1.食事の時間が楽しいひとときになっているか
回答割合は、「はい」が75.0%、「どちらともいえない」が25.0%となっています。 自由意見では、「好きな献立を作ってくれる。家庭的な味が好き。みんなと食べたり、一人で食べたりするが話はする」、「これ美味しいと伝えている。好きな物を聞かれて、手巻き寿司だと話したら作って出してくれた」、「何でも好き。味噌汁や餃子を一緒に作ることもある」、「何か作ってと言うと作ってくれる。好きな物は何かと聞かれる。味覚が合わないときもあるが、それだけ食べない」等の声が聞かれました。
2.子どもの個別事情に応じて生活の約束ごとの説明を受けているか
回答割合は、「はい」が75.0%、「どちらともいえない」が25.0%となっています。 自由意見では、「説明してくれた。リストを見せてもらって質問したら教えてくれた。何回も答えてくれて、納得した」、「説明してくれたが、守れなかったのは門限」、「22時30分の門限は早い。強いて言えば、せめて23時までにしてほしい」、「約束ごとがあり、理解するために会議をしてくれるが、学校や遊び等について報告するとあったが、実際は報告しなくて良かった」等の声が聞かれました。
3.職員を信頼して話せるか
回答割合は、「はい」が100%となっています。 自由意見では、「話せる。自立すると、児童相談所とはつながらないので、家庭のことをどうしたら良いか等」、「割と話すことができる。『テンション低いけど、どうしたの?』と聞いてくれた」、「前にいた一時保護所では、職員や弁護士に相談していた。今の職員は、以前と違い、より自由にできるので、雰囲気が違う」、「人によって言える雰囲気と言えない雰囲気がある。言える人には学校のことや人間関係のことを話す」等の声が聞かれました。
4.就労・進学に関する支援は役に立っているか
回答割合は、「はい」が75.0%、「どちらともいえない」が25.0%となっています。 自由意見では、「仕事を探している。職員に聞いたら教えてくれる。今はコンビニの就職情報誌を持ってきて探している」、「働ける時間が少なかったので保留にしていたが、アルバイトに行くことにした。職員が助けてくれた。「以前のバイトで体を壊してしまった。このときは一緒に決めてもらったので、今度は自分で決めたい」、「学校の先生が決めてくれたが、ここに来て始めたアルバイトを続けている」等の声が聞かれました。
5.ホーム内の清掃、整理整頓は行き届いているか
回答割合は、「はい」が100%となっています。 自由意見では、「職員がきれいにしてくれている」、「きれいになっている。汚いと思ったときは自分でやる(居室)」、「きれいになっているが、深く関わりたくないのであまり使用していない」、「掃除は職員と職探しをしている人が、リビング、玄関、階段を行っている」等の声が聞かれました。
6.職員の接遇・態度は適切か
回答割合は、「はい」が100%となっています。 自由意見では、「気になることはない。思ったより、職員と子どもの距離が近い」、「安心して話したことでは、恋愛の話をしたこともある。みんなで盛り上がったりする」、「気になったことはない」等の声が聞かれました。
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
回答割合は、「はい」が100%となっています。 自由意見では、「熱が出たとき、飲み物、食べ物を運んでくれた」、「足をケガしたとき、病院に一緒に行ってくれた。熱のときも自室にご飯を運んでくれる」、「週に1回は様子を見に来てくれる。指を切ったときには絆創膏をくれた」、「今はまだないが、信頼できる」等の声が聞かれました。
8.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
回答割合は、「はい」が75.0%、「どちらともいえない」が25.0%となっています。 自由意見では、「平和。あまりお互いに干渉しない」、「平和である」、「今のところない」等の声が聞かれました。
9.子どもの気持ちを受け止め、尊重した対応がされているか
回答割合は、「はい」が100%となっています。 自由意見では、「学校での人間関係のことをよく聞いてくれる。友だちとのトラブルの経過のことなど」、「禁酒・禁煙について、相談に乗ってくれた」、「してくれそうな感じがある。ホーム長との話でも、もし希望があればと聞いてくれる。早く携帯を持ちたいが、頑張ってと言われた」等の声が聞かれました。
10.子どものプライバシーは守られているか
回答割合は、「はい」が75.0%、「どちらともいえない」が25.0%となっています。 自由意見では、「話したことは言わない。隠すようなこともない」、「まだないが、信頼している」、「共用スペースで話す内容を聞いたとしても、守ってくれるかどうか分からない」等の声が聞かれました。
11.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
回答割合は、「はい」が50.0%、「どちらともいえない」が50.0%となっています。 自由意見では、「意見を言うと、アドバイスをくれる」、「アドバイスの方が多い」、「聞いてくれるといいなと思う。大学行きながらバイトする意向。まだ作成したのを見ていない」、「今度立てると言っていた。この仕組みがよく分からない」等の声が聞かれました。
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
回答割合は、「はい」が50.0%、「どちらともいえない」が50.0%となっています。 自由意見では、「資料を持ってきてくれる」等の声が聞かれました。
13.自らの権利について、職員はわかりやすく教えてくれたか
回答割合は、「はい」が100%となっています。 自由意見では、「一時保護所でもらった。ミカエラ会議があるのは知っている」、「児童相談所で聞いた。ミカエラ会議で意見が言える。権利が身近なことなどを話してくれる」、「ミカエラ会議で意見を言える」、「18歳を超えるので、違ってくるとは思った」等の声が聞かれました。
14.子どもの不満や要望は対応されているか
回答割合は、「はい」が100%となっています。 自由意見では、「学校のことがメイン。学校に行きたくないとき、相談して学校の先生に伝えてくれた」、「すごく言っている。愚痴も聞いてくれる。遊びたいと言うと、これだったら遊んでいいよと言ってくれる」、「感謝しかない。言ったらやってくれると思う」、「してくれると思う。今までに伝えたことはない」等の声が聞かれました。
15.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
回答割合は、「はい」が100%となっています。 自由意見では、「児童福祉司さんが付いてくれると聞いた」、「全部職員に言う。解決した後でも言える」、「相談するようなことはなかった」等のコメントが寄せられていました。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
様々な機会を通じて情報を収集・把握し、ホームの取り組みの検討に活かしています
全国自立援助ホーム協議会や東京都社会福祉協議会の児童部会、都内の自立援助ホーム長会等の会議・研修に定期的にホーム長が参加し、現状や施策動向等の把握に努めています。区内・地区の福祉施設等との「ねりま社会福祉法人等のネット」の活動も定着し、得られた情報は職員ミーティングで報告し、ホームの活動や新たな取り組みの検討に活かしています。子どもたちの意向は、日々の生活の中で聴き取り、個別面接やミカエラ会議の中で話し合いを行っているほか、毎年度、第三者評価の利用者調査を実施して課題への取り組みを明確にしています。
プロジェクトでの検討をさらに進め、中・長期計画の策定につなげることが望まれます
毎年度の事業計画や事業報告は、ホーム長が収支状況等を踏まえて原案を作成し、職員に回覧して意見を反映させた上で、法人理事会の承認を経て策定しています。今後はさらに職員の参画度合いを高めたいとしています。今年度の事業計画の重点目標に「新しいホーム建屋の2024年着工に向け、資金計画・収支計画・建築計画等を綿密に検討する」の方向性を示し、法人の練馬地区再構築プロジェクトを進めています。現段階ではハード面のテーマが中心ですが、ソフト面の諸課題も取り上げ、複数年度に亘る中・長期計画の策定につなげることが望まれます。
事業計画の目標や想定に対する達成状況の評価をより明確にすることが期待されます
毎年度の事業計画を踏まえて業務分担表を作成し、全職員で役割を分担して事業運営に取り組んでいます。事業計画には実施頻度を記載したり、事業報告には運営や支援の各状況、実績を数値で表していますが、特に運営面に関しては、当初の目標や想定に対する達成状況の評価をより明確に記載できると良いと思われます。事業計画の重点目標について、半期ごとに振り返り、具体的な状況や課題を職員ミーティングで報告したり、個別の行事・活動も企画の目的・目標に対する成果について明らかにするなど、次への足掛かりを意識して残すことが期待されます。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
守るべき法・規範・倫理を全職員に周知し、読み合わせや研修により理解を深めています
自立援助ホーム運営指針や全国自立援助ホーム協議会の倫理綱領を全職員に配付しています、入職時には就業規則に定める服務や「ミカエラホームのしごと」に沿って法人の歴史や自立援助ホームの位置付け、遵守事項等について説明し、職員ミーティングで倫理綱領等の読み合わせを行っています。今年度は、虐待対応ガイドラインを全職員に周知し、弁護士による子どもの権利擁護研修も実施しました。苦情解決制度では、第三者委員の連絡先等の書面を子どもに配付しており、近年は申し立てはありませんが、小さな要望やクレームの抽出・集約も期待されます。
他機関・ボランティアとの協働を目指して取り組み、施設の透明性の確保に努めています
ホームには長年、夕食作りやアフターケア、バザー等で複数のボランティアが関わっており、実習生等には守秘義務の誓約書を受領していました。コロナ禍で現在は受け入れを制限していますが、他機関・ボランティアとの協働の方針として、「ねりま社会福祉法人等のネット」に参加することと共に、感染状況を見ながらボランティアの受け入れを再開させていくことを明確にしています。第三者評価の定期受審や事業報告書の公開、見学者の受け入れ等、透明性確保に努めていますが、関係施設に配付していたホーム便りの発行が滞っており、対応が期待されます。
近隣と良好な関係を築いており、機能や専門性を活かした地域貢献活動を模索しています
当ホームはシェルター機能も担っているため地域との交流機会は積極的には設けていないものの、近隣と良好な関係を築いています。コロナ禍前は毎年度、併設宿泊寮と合同でミニバザーを実施したり、地域の講座でホーム長が講師を務めたり、退居者が集える場「いっしょごはん」を開催するなど機能や専門性を活かしてきましたが、現在は教会のバザーへの協力と退居者へのアートセラピーの実施にとどまっており、再開を模索しています。法人の練馬地区再構築に合わせ、将来的にショートステイやトワイライトステイ等の新事業も構想したいとしています。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
防災や危機管理、新型コロナウイルス対応のマニュアルを備え、対策に取り組んでいます
災害対策では、消防庁の防災マニュアルを基に、年2回避難訓練を実施しており、防災計画の作成も検討しています。各居室に一日分の食糧と水が入っている非常用持ち出し袋を用意し、ホームや宿泊寮には3日分の食糧や消毒・アルコール・マスク、簡易トイレ等の備蓄も管理していますが、BCPの策定と災害時の地域との連携・協力体制の構築が課題となっています。危機管理マニュアルを備え、新型コロナへの対応マニュアルも作成しています。事故事例のほか、日々の危険事例の気付きも業務日誌に記入して職員間で共有し、予防・再発防止に努めています。
業務や支援に関する情報は、厳重に保護しつつ、職員が活用しやすいよう管理しています
子どもが生活するホームには業務上の書類は置かないようにし、隣接する法人の建物内の事務室にて保管しています。個人の支援記録もホームでの仕事を終えた後に事務室内で作成し、USBメモリーも含めて施錠管理する等、適切に対応しています。一方、文書ファイルは劣化しにくく参照がしやすいものに統一し、カテゴリ―別にタイトルラベルを色分けし目次や見出しも付すなど、活用しやすいよう工夫しています。パソコンも、パスワードを設定した上で全職員が使用できるよう複数台揃え、雇用関係等のデータはホーム長のみ閲覧できるよう管理しています。
プライバシーポリシーには、開示請求への対応方法も明示して公表することが望まれます
個人情報の取り扱いは、法人の個人情報管理規程に基づいて対応し、他機関との会議や照会への回答を行う場合等、子どもの個人情報を扱う際には細心の注意を払うことを職員間で申し合わせています。職員や実習生には、業務に従事する際に守秘義務の誓約書も取り交わしています。プライバシーポリシーも策定していますが、個人情報の利用目的はあるものの、子ども等の開示請求の権利や対応方法が明確にはされていません。今後、実務上の課題も詰めた上でポリシーを改定し、職員間で共有するとともに、入居する子どもにも公表することが望まれます。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
他施設への異動がないことを前提に、ホームとして人材の募集・採用を実施しています
人材の募集は、法人内他施設への異動がないことを前提に、医療福祉系の求人サイトや福祉人材センター等を通じてホーム単独で実施しています。応募者には、児童一人ひとりの特性を理解し受容できる人材を求めていることを話し、適性検査と面接により選考して採用を決定しています。子どもの担当や業務分担については、職員ミーティングで相談して決め、年度途中でも必要に応じて見直しを行っています。ホーム長を除き、異動がなく役職も少ない環境からキャリアパスは作成しにくいものの、期待する職員像を含め分かりやすく明示することが望まれます。
研修機会は充実していますが、新たな個人別の育成・研修制度の導入が期待されます
役職・階層別の法人研修に一人年3回程度参加する機会があるほか、関係団体の外部研修も都度、職員に案内し、希望する研修には勤務扱いで受講できるようにしています。3か月に1回程度、職員スーパービジョンを受ける機会も設けています。受講後は報告書を作成し、回覧や職員ミーティングで共有化に努めており、年度末には報告会を行うことも予定しています。職員個別に目標を設定し、ホーム長との面談を通じて振り返りと評価を行う取り組みは中断しており、今後、OJTや長期的な育成・研修を連動させた新たな制度を導入することを検討しています。
職員には、子どもに寄り添える価値のある仕事を楽しんでもらいたいと考えています
年齢と福祉職の経験年数を加味した給与体系を維持し、タイムカードで労働時間管理を行っています。職員間でフォローし合う体制や時短・振替での調整により、残業は一人月数時間にとどめ、常勤は4週8休・祝日の公休、有休も法定以上の取得に努めて、働きやすい環境を作っています。育休・介護休業制度や65歳定年・非常勤継続雇用、福利厚生センターへの加入、食事代の補助、飲料・菓子の無償提供、健診費用の助成を実施してます。職員には自分や家族の元気を第一に、子どもたちに寄り添える価値のあるこの仕事を楽しんでもらいたいと考えています。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
令和3年度の事業計画の重点目標の一つに、「新しい人材の確保に努めるとともに、キャリアパス等内部の人材育成の仕組みを整備する」を設定しました。職員の配置基準は変わらないものの、専門職の配置や活用できる新たな事業も増えたことから、専門職配置の要件や新事業活用のため、また今後ホームを継続させていくためにも、若い人材が必要でした。同時に、職員育成のための新しい取り組みや、分かりやすいキャリアパスが必要であると考えました。取り組みとして、医療・福祉系に特化した求人サイトや、法人のホームページ、全国自立援助ホーム協議会のホームページ、社会的養護施設で働く職員の人材確保と定着を目指すNPO団体のサポート等を活用した結果、常勤職員1名の採用(令和3年6月)に至りました。キャリアパス等の整備については、法人内で統一することが望ましいとの判断から、令和4年度も調整を継続することとしました。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
常勤職員の新規採用については、現職員との世代交代がスムーズに行われるよう、今後も積極的に進めていくこととしています。また、これまでのホームの職員体制を見直し、法人内での人事異動により初めて男性ホーム長の起用も進めました。今回の職員自己評価では、良い点として、「新人職員が質問したり意見しやすい環境作りがなされている点」や「男性ホーム長の導入」を挙げる声が寄せられており、職員から好意的に受け止められていることが窺えます。しかし、内部の人材育成の仕組みの整備については、令和4年度に持ち越しとし、現段階においても具体的な進展が見られないことから、取り組みを促進することが期待されます。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
令和3年度の事業計画の重点目標の一つに、「ホームの新築計画を進めていく」を設定しました。これには、入居する子どもの住環境をより良くしていくことのほか、ホーム内に事務室がなく、職員不在の時間があり、子ども同士のトラブル防止や防犯強化のためにもホーム内に事務所機能を持たせる必要がありました。ホームの新築計画を具体化し、練馬地区の2つの事業所(当ホーム・宿泊寮)全体の在り方を検討するため、法人内に「練馬プロジェクト」を立ち上げ、理事長、理事、監事、施設長等をメンバーとして1年間議論を重ねてきました。新築計画も具体的になり、土地の広さ、都への補助金申請から完成までのスケジュール確認、会計事務所へのヒアリング等も行うことができました。令和4年度も引き続き、プロジェクトチームで、より具体的に、規模や設計等について議論を進めています。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
法人の「練馬プロジェクト」での報告や協議の内容は、議事録を作成して明確にし、ホーム内の職員ミーティングにおいても随時、ホーム長から報告を行って全職員と情報を共有しています。ホームの建物は数年前にも改修工事を実施しており、共用スペースや居室、浴室等の快適性が大幅に向上していますが、運営上の課題解決や併設施設との連携の充実、新規事業実施の可能性も視野に入れながら、練馬の事業所全体の在り方の再検討を進めているものと評価できます。女性と子どもの支援に特化した社会的養護の施設として、その使命を果たすための適切な方針・計画を定め、再構築の取り組みを着実に進めていくことが期待されます。
サービス分析結果
【講評】
利用希望者に当ホームの情報が伝わりやすいよう、ホームページ等を工夫しています
ホームページでは、自活する力と知恵を養うための援助を目的に、生活支援、就労支援・就学支援、アフターケアの3つの支援を行うことを示し、ホームのリビングや個室の写真のほか、運営理念や行事、働く職員の仕事環境等を利用希望者に紹介しています。施設の特性上、住所等は載せられませんが、直接連絡してもらう職員名を掲載しています。リーフレットには、法人の「SoIo para eIIa(この一人のために)」の理念や「女性の解放」のミッション、女子6名を定員とするホームの概要や支援について、優しい雰囲気の構成で案内しています。
見学に来ることを勧め、生活や支援についてリーフレットで分かりやすく伝えています
リーフレットでは、自立援助ホームは15歳~20歳までの子どもたちが家庭的な雰囲気の中で自立の準備をする場所であり、生活支援、就労支援、アフターケアを提供することや、共同生活をする上での決まりがあること等を簡潔に伝えています。温かなイラストや写真も取り入れ、自立への流れも分かりやすく説明しています。問い合わせがあったときは、満室であっても、イメージが掴めるようできる限り見学に来ることを勧めています。児童相談所を介して入居相談を受けた後に見学の日時を調整しており、複数の施設を実際に見て比較するよう伝えています。
ホーム見学時に入居した際の決まりについて説明し、質問等にも丁寧に応じています
見学時には居住場所を見てもらい、リーフレットや「ミカエラホームの決まり」を配布し、読み合わせを行っています。入居する際には、①働くこと、②働いて得た収入から貯金をすること、③ホームのきまりを守ることが条件であり、1、2回の見学・面接の後、入居の意思があれば児童相談所とも相談した上で入居となります。見学後にその場で判断してもらうことはせず、一旦持ち帰り自分で考えてみるよう促しています。入居見学記録を作成し、自己紹介や見学者の感想、質問、ホームからの質問等、やり取りした内容を記録して事後の対応に備えています。
1.利用を希望する子どもに対してサービスの情報を提供している
- 利用を希望する子どもが入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用を希望する子どもの特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用を希望する子どもの問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
ホームの重要事項等は、入居時に書面や口頭により子どもに説明し、同意を得ています
ホームの基本的ルールは見学時に説明しており、入居時には「インテークマニュアル」に沿って、必要な手続きや最終的な意思確認を行っています。誓約書を用意し、生活のきまりを守ることや、職員と相談しながら自立の計画を立て自立に向けて努力すること等について、子どもから誓約の署名と捺印をもらっています。また、「携帯電話使用についての約束」の文書も作成し、携帯電話を保持する際の条件(働いて一定の収入がある、貯金ができている、きまりを守れている)や、ホーム内で使用するルールを確認して、同意の署名と捺印を受領しています。
子どもの個々の状況を把握する定型書式等を作成し、確実に記録することが望まれます
子ども一人ひとりの情報は、主として児童相談所の福祉司が作成する児童票を確認し、問題の発生や経過、相談歴、環境等について把握しています。子ども本人が「身上調書」に、入居希望理由や家庭状況を提出していますが、ホームとしてフェイスシートや個別面談記録等の書式は用意しておらず、都度メモを取り、個別のケースファイルに綴じています。子どもの個々の状況や課題を漏れなく把握し、確実に記録するための定型書式等の作成が望まれます。把握・記録した子どもの状況を活かした上で、自立支援計画を子どもと共に立てていくことが期待されます。
退居する子どもが居住する自治体の情報を提供し、アフターケアの機会を設けています
日常生活の中で子どもとの会話を大切にし、好きな食事を聞いたり生活に必要なことを伝えるなど信頼関係が築けるよう努めています。自立に向けて3か月位前から一人で暮らせる自立訓練の場を設け、現在までの経過や子どもの状況に合わせた支援を行っています。一人暮らしのハンドブックや、ホームで作成した「退所していくあなたへ」の文書を渡し、子どもが居住する自治体の相談窓口や利用できる団体等の情報も提供しています。アフターケアとして「アートセラピー」を各月実施していますが、参加が少ない状況のため今後の進め方の工夫が期待されます。
1.サービスの開始にあたり子どもに説明し、理解を得ている
- サービスの開始にあたり、施設の基本的ルール(約束ごと)、権利擁護の取り組みをはじめとした重要な事項等を子どもの状況に応じて説明している
- サービス内容について、子どもの理解を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、子どもの意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- 入所以前の生活習慣等をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、子どもの不安を軽減し、退所後の支援の継続性にも配慮している
【講評】
子どもの課題や支援方針を明確にできる、アセスメントの仕組みを作ることが望まれます
「業務日誌」には、職員が日々の子どもへの支援の中で気付いた、子どもたちの生活や心身の状況、気になること等が記載されています。業務日誌として記録システム上に入力した内容は、子ども個別の育成記録として取りまとめられる仕組みとなっています。個々の直近の目標やその他の課題についても記載はされていますが、状況の整理や集約を行うまでには至っていません。それぞれの課題や支援方針を明確にして、子どもの生活情報や心身状態の変化を見逃すことがないよう、体系的で計画性のあるアセスメントの仕組みを作ることが望まれます。
個別の自立支援計画の作成や変更を、子どもと共に行っていく仕組み作りが期待されます
子どもと職員が入居後1~2か月くらいを目途に目標を立てています。生活や金銭、仕事、対人関係、その他の項目別に、自立に向けた目標、目標達成のために子どもが取り組むことや、職員が支援することを記載する書式を使用しています。子どもたちと職員が議題を募り定期的に行っているミカエラ会議は、日常生活の状況を共有し、ルールの見直し等について主体的に検討する場となっています。個人面談も状況に応じて行っていますが、毎月の定期実施を徹底し、子どもの取り組みの振り返りや自立支援計画の説明と同意の機会としていくことが期待されます。
日々の申し送りや業務日誌、職員ミーティング等により、子どもの状況を共有しています
日々子どもと関わる職員がそれぞれ状況を記録して共有することで、全職員で個々の子どもを知り、理解することに努めています。子どもの状況は、日々の申し送りや業務日誌等の記録、子どもと職員で2か月に1回行うミカエラ会議、月1回以上の職員ミーティングを通じて共有しています。毎月行っていた社会的養護の経験豊富なスーパーバイザーによるケース検討(職員スーパービジョン)は、コロナ禍で中止していましたが、今年度再開し、3か月に1回程度実施しており、子どもの状況や課題について多様な視点で検討し合う貴重な機会になっています。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.子どもの希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、子どもの最善の利益を第一に、子どもの希望を適切に反映して作成、見直しをしている
- 計画を子どもにわかりやすく説明し、同意を得るようにしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直すとともに、緊急に支援内容を変更する必要が生じた場合の対応や計画変更のしくみを整備している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、子どもに変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画に基づいて、自立した生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 子どもと信頼関係を構築できるよう、子ども一人ひとりに合った方法で接している
- 退所後の安定した生活基盤の確保に向け、関係機関や関係職員と連携をとって、リービングケア(退所後の生活を見越した支援)を行っている
- 子ども一人ひとりの状況や意向に応じた退所後の支援を関係機関や関係職員と連携して行っている
【講評】
自立支援計画の目標を業務日誌に記載し、職員間で共有して日常の支援につなげています
入居後1か月~2か月以内に立てた目標設定シートより、個別の自立支援計画を立てており、目標達成のために生活や金銭、仕事、対人関係等に関して子どもが自ら考え、選択、行動できるようアセスメントをして作成しています。しかし、入居期間が短い子どもが多いこともあり、今回の利用者調査では、自立支援計画の作成の仕組みや目標への理解不足の面が窺えました。一人ひとりの計画の内容を確認して課題を整理し、目標を丁寧に伝えていく取り組みが望まれます。自立支援計画の目標は業務日誌に記載し、職員間で共有して日々の支援につなげています。
職員の担当制を取り入れ、一人ひとりへの対応に配慮して密に関わるように努めています
ホームは2階建ての一軒家で、家庭的な雰囲気の中で生活ができる環境となっています。その中で、職員の担当制を取り入れて子どもと密に関わり、少人数の子ども一人ひとりの状況を、食事の時間や生活場面を通じて把握し、子どもが話や相談をしたいときに自分の担当職員と個別に話すことができるとともに、どの職員でも対応し解決できるように取り組んでいます。今年度途中の人事異動により、当ホームに男性職員が初めて加わったことで、新しい価値観やモデルを提供できる職員体制となり、子ども一人ひとりに応じた関わりと支援につなげています。
子どもたちに、インケアからアフターケアまで切れ目のない継続的な支援を行っています
子どもたちに、入居時のインケアから退所後のアフターケアまで切れ目のない支援を行うために、アフターケア担当職員を配置し継続的な支援を提供しています。退所後の安定した生活基盤の確立へ向けたリービングケアとして、ダイニングの壁に光熱費の請求書を掲示して知らせたり、食事の栄養バランスについても日々伝えています。コロナ禍のため、退居者と共に職員手作りの料理を食べる食事会「いっしょごはん」の開催は中止しており、今年度は「アートセラピー」を年間に隔月6回開催し、退居者に発信しましたが、残念ながら参加は少ない状況でした。
2.子どもの自立に向けて、継続して就労を行うことができるよう支援を行っている
- 子どもが自分にあった仕事につけるよう、就職活動における情報収集等必要な支援を行っている
- 就労後も子どもが仕事を継続できるよう、相談に応じる等必要な支援を行っている
- 継続した就労のために、子ども一人ひとりに応じた就労先との調整を行っている
【講評】
ジョブ・トレーナーを配置し、子ども一人ひとりの実態に合った就労支援を行っています
専門職としてジョブ・トレーナーを配置し、子ども一人ひとりの個人ファイルや日々の業務日誌(個々の育成記録に反映)、職員ミーティング等を通じて子どもの状況を把握・確認し、就労支援を行っています。子どもたちのハローワーク訪問への同行や、インターネットの求人サイト等での就労に関する情報収集に努め、一緒に仕事を探しています。今回の第三者評価の利用者調査の「仕事を探したり継続するにあたっての支援は役に立っているか」の問いに、「いいえ」と答えた子どもがいなかったことからも、個々に合った支援が提供されていることが窺えます。
子どもが自ら考え、選び、行動できるような助言に努め、就労の継続等につなげています
就労後は、子どもの状況に応じて個別面談を行い、業務日誌に子どもの様子や行動を細やかに記録して、職員間で子どもの軽微な事柄や状況の変化も見逃さないように情報を共有しています。面談では、それぞれの職場での悩みやトラブルを聴き、人間関係等での躓きを解決し、モチベーションを高めるために、何をやりたいのか、自立に向けてどのような生活をしたいのか等を自ら考え、選択して行動できるよう、先の見通しが持てるような助言に努めて、就労の継続等につなげています。職員は、定期的に外部のスーパーバイザーから指導を受ける機会もあります。
子どもが拒否しない限り職場訪問等を行い、就労先と連携して問題の解決を図っています
アフターケア支援記録に、子ども一人ひとりの就労状況の相談内容や人間関係のトラブル等を詳しく記録しています。子どもそれぞれのケースに合わせて柔軟に支援方法を変えており、本人への助言のほか、連絡での対応で済む場合は電話で、子どもが拒否しなければ職員は就労先に連絡後、直接職場を訪問して責任者と話し、問題の解決にあたったりと、常に就労先との連携に努めています。専門職のジョブ・トレーナーを配置しているため就労後の支援を手厚く実施することができ、就労先と共に調整を行うことで、子どもたちの就労の継続を図っています。
3.子どもの自立に向けて、さまざまな日常生活上の支援を行っている
- 子どものコミュニケーション力(人間関係構築力)が向上するよう支援を行っている
- 基本的な生活習慣(起床時間、食事のマナー等)及び生活知識・技術(家事、社会生活上のルール等)を身につけられるよう支援を行っている
- 収入の範囲内で生活できる経済観念が身につくよう、日常生活を通じて、金銭の管理や使い方について、支援を行っている
- 学習環境を整備し、資格取得・進学に向けた学習への支援など、子どもの目標達成のための支援を行っている
- 子どもに、地域と日常的に関わりながら生活しているということの大切さを伝えている
- 子どもの生活の幅が広がるよう、地域にどのような資源(地域の行事、公共のサービス等)があるのかを伝えている
【講評】
子どもの自己決定を尊重しつつ、基本的生活習慣の確立に向けた支援を行っています
基本的生活習慣の確立が自立に向けた重要な基盤となることから、職員は日常生活の中で、子どもたちに基本的な生活習慣について都度話をし、退所後も一人で生活していけるよう意識して支援をしています。例えば、洗面所のシャンプーとコンディショナーは奇麗に片付けて置くことをはじめ、入浴や洗濯の仕方、食事のマナー等、職員が手本を見せて細やかに伝えています。門限や携帯電話使用のルールなど、ホームでのきまりを守ることについても、継続的に伝えています。子どもへの一律の指導ではなく、個々の自己決定を尊重する姿勢で対応しています。
子どもが一人で生きていく自立への道筋を具体化し、職員が共に考え準備していきます
子どもが退居の1か月程前からより自立度の高い生活ができるよう支援しています。それまでに、職員と一緒に食事を作る基本的なことから始め、就労から得られる収入の金銭管理を行うなどの準備を進めるとともに、お小遣いの管理アプリを活用して子ども自身に金銭感覚を持たせ、1か月のお金の使い方や貯金等の支援を継続して行い、職員が一緒に一人暮らしのシミュレーションをしていきます。退居後の住まい探しは職員もサポートしますが、子ども自身が不動産屋に足を運び、自立への道筋を自ら具体化し、経済概念を培うことができるようにしています。
ボランティアや教会関係者との関わりを通じ、地域の中での生活の大切さを伝えています
ホームでは、教会関係の夕食作りのボランティアや着付けのボランティア、併設の宿泊寮や修道院との関わりがあります。コロナ禍のため、日々の夕食作りを長年サポートしてくれた教会関係者のボランティアは現在は活動していませんが、着付けのボランティアからは今年度も、高校性の子どもの卒業式の際、着物と袴の着付けをしてもらっています。宿泊寮や修道院とのイベントの機会も中止となっている状況下、子どもに日常的に地域の情報を提供したり、職員が日々行動を共にする過程で、地域の中で生活している大切さについて伝えることに努めています。
4.子どもの主体性を尊重し、ホームでの生活が快適になるよう支援を行っている
- 子どもの主体性を尊重し、意見を聞く機会を設けている
- 居室や共有スペースは、快適で落ち着ける環境となるよう工夫している
- 行事やイベントを通じて、子どもが生活の幅を広げることができるよう支援を行っている
- TPO等に応じたふさわしい服装となるよう社会人としてのマナーや身だしなみについて助言している
【講評】
様々な機会を通して子どもの意向を汲み取り、自らの考えや行動を大切に対応しています
子どもたちの意見は、個別面談やミカエラ会議、意見箱、日常の会話を通じて把握しています。ホーム全体でのミカエラ会議は2か月に1回、1時間~1時間30分程開催しています。子どもと職員の関係は自然体で、日々のコミュニケーションからも子どもの意向を汲み取ることができており、子どもが自ら考え、選択、行動できることを基本に対応しています。例えば、ホームのきまりで禁止している子ども同士の部屋の行き来を日中はOKに変えています。今回の利用者調査でも、回答者全員が「職員はあなたの気持ちを大切にしてくれている」と答えています。
家庭的な雰囲気の室内の清潔保持に努め、安心してくつろげる生活の場を提供しています
ホームは2階建ての一軒家で、玄関を入ると一般家庭の雰囲気があります。共用スペースのリビングのフローリングは床暖房で、ソファーやテレビが置かれ、くつろげる環境になっています。リビングとダイニングは、それぞれの室内が区切られており、異なる雰囲気を持った空間となっており、職員は清潔保持に努めています。子どもの各居室は、エアコンと机、ロフトベッドが設置され、鍵も取り付けてあり、プライバシーが守られています。ホームの支援方針のとおり、自立を目指し生きていく児童にとって「安全で安心できる生活の場」を提供しています。
複合エンターテインメント施設や舞台鑑賞に出かけるなど、楽しめる行事を行っています
ホームでは、年間行事として一泊旅行やミニバザーを実施し、教会内で行う納涼会等にも参加していましたが、コロナ禍を受けて中止しています。今年度は、レクリエーションとして、子どもたちと職員で複合エンターテインメント施設へ遊びに行ったり、劇団の舞台鑑賞に出かけています。誕生会は、その子どもの都合の良い日程で実施し、希望の料理とケーキ、プレゼントでお祝いをしています。行事やイベントは、企画の段階から子どもの参画を目指して取り組んでおり、実施を通じて日常に変化を持たせ、子どもたちの生活の幅を広げることができています。
5.子どもが心身の健康を維持できるよう支援を行っている
- 子どもの心身の健康状態に注意するとともに、心の悩みや不安の相談に応じている
- 子どもが健康を自己管理できるように支援を行っている
- 子どもの課題に応じて、心理的ケアが必要な場合は、関係機関と連携をとって、支援を行っている
- 子どもの急な体調変化時に、医療機関等と速やかに連絡がとれる体制を整えている
- 性についての正しい知識と理解が得られるよう、子どもの状況に応じた説明を行っている
【講評】
心理的なケアが必要な場合は、児童相談所や医療機関と連携して支援を行っています
子どもがホームに入居する際に、児童相談所で心理面接を実施しています。その結果は個々の育成記録に記載して個別に管理し、職員間で把握・共有しています。個々に抱えている問題や課題に関し、心理的なケアが必要な場合には、子ども自身が相談できるよう環境を整えるとともに、児童相談所や医療機関と連携を図っています。職員が児童相談所の心理職員に連絡を取って子どもとの面接日程の調整を行い、定期的な実施を支援しています。また、医療機関には、入居時に職員が同伴して面識を得ておき、その後も連携して支援にあたれる関係を築いています。
子どもに健康管理や自身を大切にすることを伝え、体調変化に細やかに対応しています
職員は日々子どもと生活を共に過ごし、顔色や体調の様子を見ながら、自ら健康を管理し自分を大切にすることの意味を伝えています。子どもは、けがをしたり体調が悪いときは、自らもメールや口頭で職員に伝え、職員は発熱時に受診に付き添ったり、飲み物や食べ物を部屋まで運んだり、指を切ったときには絆創膏を渡すなど細やかな対応をしています。危機管理マニュアルの中に対応が記載されていますが、ホームでは更新が必要であると考えています。利用者調査では、回答した子ども全員が「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できる」と答えています。
性や自己の尊厳を自ら守る必要についての継続的な講座や研修の実施が期待されます
子どもたちが性に対して自然な形で関心を持ち、自己の尊厳を自ら守る意識を持つことができるように、日常生活の中で個々に話をしています。妊娠に関することや性病等について子どもから相談を受けたときなどは、病院での検査を受けるよう伝え、職員が同行することもあります。また、毎月の生理の有無等にも注意して個々の様子を把握するようにしています。以前に実施した、助産師を招いての分かりやすい性に関する講座を今後も継続的に開催したり、職員が学んできた内容を基に子どもたちも含めた研修等を実施するなどの取り組みが期待されます。
6.食事が子どもの安心や健康につながるよう支援を行っている
- 食事時間は楽しく、安心感を得られるひとときになるよう工夫している
- 食習慣の確立や食についての関心向上のため、食育の推進に取り組んでいる
- 食事時間は子どもの希望や生活状況に応じて対応している
【講評】
家庭的な雰囲気の中で、栄養バランスと健康管理に注意して食事を提供しています
ホームでは、家庭的な雰囲気の中で食事ができるようになっています。メニューは、宿直の職員が子どもたちのリクエストや栄養バランスを考えた和食や郷土料理等を提供しています。訪問調査の日には、食卓テーブルの上に職員からの「ほうとうを作ってあります。かぼちゃといんげんを入れて温めてください」との手紙が置かれ、春菊の胡麻和えも添えられていました。職員と子どもとの関係性にほのぼのとした温かさを感じることができました。日々の業務日誌の中に子どもの食事での様子や喫食状況も記録し、子どもの健康管理に注意を払っています。
メニューに配慮した美味しい食事を提供し、退所後を見据えた指導を検討しています
日々子どもたちの要望や旬の食材を取り入れたメニューを品数も豊富に提供しており、誕生日にはその子どもの好きなメニューにしています。子どもが食に関心が持てるように、献立の食材の買い物に子どもも一緒に出かけたり、調理も家庭的な雰囲気のキッチンに子どもと一緒に立ち、自立に向けて調理練習をすることもあります。「食すること=健康管理」であることを伝えながら、美味しい食事を提供しており、子どもたちからも好評です。今後はさらに、退所後の生活を見据えた調理技術指導、簡単に作れるレシピ集や動画の作成を行う意向を持っています。
子ども一人ひとりの外出や仕事の出退勤時刻等、一日の流れに柔軟に対応しています
子どもの外出や仕事の出退勤時刻等の個々の違いに応じて、一人ひとりの食事時間にも柔軟に対応しています。現在の子どもたちの状況から食事と入浴の時間を18時~22時までと変更し、子どもの生活リズムに合わせ、できる限り皆で一緒に食事ができるように努めています。ホームのルールとして、門限は原則として23時としています。その時間内で、子どもの食事の時間がずれても孤食にならないように、食べるときにはできる限り職員が同席して、その日の一日の出来事について一緒に話をするなど、子どもの食習慣について細やかな支援に努めています。
7.本人の意向を尊重しながら、家族との関わり方における支援を行っている
- 子ども一人ひとりの状況に応じて、家族とどう向き合っていくかの支援を行っている
- 家族との関係調整(家族との距離感を保つことも含む)の際は、関係機関と情報交換・連携を行っている
- 子どもから、保護者との面会、外出、一時帰宅等の希望があった場合は、状況を把握した上で、子どもの安全に注意しながら行っている
【講評】
家族との関わりは、子どもの意向を尊重しながら関係機関と連携して支援しています
家族との向き合い方については、子どもの現在の状況やこれまでの家族との関係等、様々な要因を把握して考慮し、本人の意向を尊重しながら必要なアドバイスを行ったり、児童相談所と連携し、子ども・児童福祉司・職員の三者で面談の場を定期的に設けて支援方法を検討するようにしています。特に家族との関係調整が必要な場合は児童相談所と密に情報交換と連携を行いながら、子どもの意向に寄り添った対応に努めています。職員は日頃から、何かあれば話せるような関係を築きながら、子どもからのサインがあれば気持ちを聴き、受け止めています。
家族との面会や外出等の交流は、児童相談所と密に連携しながら支援を行っています
子どもや家族から面会や外出、一時帰宅等の希望があった場合は、児童相談所に判断を仰ぎ、必要な対応を検討しています。特に住所を保護者に知らせていないケースもあるため、慎重に対応しています。家族との交流の前後には、子どもの様子や状況の変化を見逃さずに把握し、児童相談所には都度、詳細に報告を行って連携に努め、職員ミーティングでも情報を共有しています。子ども一人ひとりの家庭復帰や社会的自立等の退所後の方向性については、自立支援計画への明示を通じて職員間で共有し、意識した支援ができるようにすることも期待されます。
【講評】
子どものプライバシーの保護に努め、居室への入室等に配慮した対応を行っています
職場や病院への連絡等、子どもの情報を外部とやり取りする際には、子どもに連絡する理由を伝え、同意を得てから対応しています。また、子どもの居室には鍵を設置し、原則として職員は入室しませんが、急な雨の日の洗濯物の取り込みやエアコン・電気等の消し忘れがあった場合には、職員が対処した後に子どもに報告することもあります。郵便物は、本人に手渡すことを基本としています。子どもからの個別の相談や職員から話したいことがある場合には、周囲に聞こえないよう面接室で行うなど、プライバシーや羞恥心に配慮した対応を行っています。
子どもの権利ノートを読み合わせ、日々の対話の中で意思を尊重するよう関わっています
「子どもの権利ノート」は、児童福祉司等から手渡され、入居時に子どもが持参してきます。ホームでは、この権利ノートの読み合わせを実施していますが、子どもの権利条約や児童憲章を個々に合わせて分かりやすく伝える取り組みも必要と思われます。今後、子どもに向けて権利擁護についての講座等を実施したいとしており、実現を図ることが期待されます。子どもが自ら考え、本人が意思を伝えることができるよう、職員は常に子どもとの関係を大切に考えて対応しており、指導するのではなく自己決定を尊重した関わりを持って支援することに努めています。
ミカエラ会議の中で生活のきまりを確認し、子どもたちの意見を見直しに反映しています
ホームの生活のきまりを見直したいときには、2か月に1回のミカエラ会議の中で職員から提案したり、子どもたちから意見を聴いて話し合いを行っています。夜中の携帯電話使用についてアンケートを取り、時間を決めるなど、子どもが自ら会議の議題を提案し見直しにつなげた例もあります。子ども同士の間で普段と異なる状況が見られた際は、職員が個別に双方の話を聴き、それぞれの意向に添いながら仲を取り持っています。職員は、子どもが相談しやすいよう日頃から信頼関係の構築に努め、早期に対処することで問題が大きくならないよう配慮しています。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、本人の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や郵便物の扱い、居室への職員の出入り等、日常の支援の中で、子どものプライバシーに配慮した支援を行っている
- 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、個人の意思を尊重している
- 子どもの基本的人権について、日常生活の中でわかりやすく説明している
- 子どもが意見を表明しやすい環境をつくるなど、子どもの権利が守られるように取り組んでいる
- ホーム内の子ども間の暴力・いじめ等が行われることのないよう、組織的に予防・再発防止を徹底している
【講評】
業務の標準化を図り、基本マニュアルを作成していますが、見直し・充実が期待されます
ホームの基本的なマニュアルとして、法人の歴史や事業内容、自立支援援助ホームについて、年間スケジュール、一日の流れ、入居までの流れ、金銭管理、事務作業等を記載した「ミカエラホームの仕事」があり、危機管理マニュアルも備えています。今後はホームとして必要と考えているマニュアルや手順書の新規作成を進めるとともに、定期的な時期や基準を定めて既存のマニュアルの見直しを行い、法人や当ホームの支援の考え方や手順、留意点等を加筆・整理するなど、経験の浅い職員でも仕事を理解して行動できるよう内容を充実させることが期待されます。
マニュアルのファイル方法の工夫と実施状況の点検・チェックの仕組み作りが望まれます
危機管理マニュアルには、火災、自信、風雪水害、追跡・不審者、盗難・紛失、食中毒・施設内感染、ライフライン途絶等の事象別に対処方法を整理して記載し、一部にフローチャートを取り入れて対応の流れを視覚的に分かりやすく示しています。今後は、「ミカエラホームの仕事」も含め、職員がいつでもマニュアルを閲覧可能な状態にするなど、より活用しやすいファイリング方法を工夫することが期待されます。また、重要な業務プロセスについては、点検表やチェックリストを作成して業務が適切に行われているかを確認する仕組みを作ることも望まれます。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や子どもからの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
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【講評】
法人の「女性の解放」の使命に基づいた基本方針を定め、関係者へ広く周知しています
修道女会を母体とした法人の「女性の解放」の使命に基づき、「様々な困難を抱えながらも、自立を目指し生きていく児童を受け入れ、安全で安心できる生活の場を提供する。児童一人ひとりがホームでの人間関係を基盤に他者との信頼関係を築き、自己肯定感を持って主体的に自分の人生を歩んでいけるよう支援を行う」を基本方針として定め、毎年度の事業計画に明示しています。リーフレットやホームページにもこれらの趣旨を記載し、職員ミーティングでの読み合わせや法人研修を通じて、カトリック精神に基づく支援について職員への浸透を図っています。
新ホーム長は、プロジェクトへの参画、支援のブラッシュアップへの準備を進めています
ホーム長とジョブ・トレーナーが経営層の役割を担い、併設の宿泊寮の寮長の協力も得ながらホーム運営を行っています。年間の業務分担表に各職員の分担を示し、運営管理や法人・外部機関の会議出席、予算・決算案の作成等のホーム長の業務も明確にしています。年3回程度、階層別・対象別に開催される法人研修には全職員が参加し、法人や社会的養護の職員としての在り方について学んでいます。今年度後半に着任した新ホーム長は、法人練馬地区の再構築プロジェクトに参画するとともに、子どもへの支援のブラッシュアップに向けた準備を進めています。
毎月の職員ミーティングを中心に、業務や支援の情報共有・検討・周知を行っています
職員7名の小規模な組織で、それぞれが事務も分担しながら子どもへの支援に従事しています。ローテーション勤務の中でも多くの職員が参加できるよう調整して職員ミーティングを月1回以上開催しており、業務連絡や提案、研修報告、子どもの状況の共有や支援内容の検討・決定を行っています。日々の申し送りは、各自が引継簿(子どもや職員の予定)と業務日誌(引継ぎ事項・特記事項)を読んだ上で、宿直の明けと入りの職員の勤務が重なる時間帯に行っています。子どもには、個別面接時やミカエラ会議(2か月に1回開催)で重要事項を伝えています。