評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)法人の使命とする「誰もが自己実現し得る共生社会の実現」を目指し、大田区の定める運営方針により、「乳幼児への支援」「保護者との連携・支援」「関係機関との連携」「地域と触れ合う施設づくり」を行う。
2)法人の基本理念である「受容的交流理論」に基づき、相手の人格と自発性・主体性を尊重し、相手の立場に立った心理的理解と人間的な関わりを重視した支援を行う。
3)保護者が我が子への理解を深め、自信をもって子育てに当たれるよう支援する。
4)利用児や家族が地域で安定して生活できるよう、関係機関との連携、地域との相互理解を深める。
5)使命の実現、サービスの質的向上に向けて、人材育成に主眼を置き、職員の研修・研鑚を重視す
る。防災対策を含めたリスク対応を、現実に即したものとして整備する。
職員に求めている人材像や役割
・法人の理念や事業所の方針に賛同し、理念を具現化しようとする積極的な意志と姿勢を持った職員。
・人間の成長や幸せにかかわる仕事を選んだことに価値を置き、良い仕事ができるようになりたいという確固とした意志や人間に対する深い関心を持って、自発的に研修や自己研鑚に励む職員。
・組織の中での自分の役割や責任を認識し、周囲との適切なコミュニケーションや協力関係を形成しながら、組織の成長に寄与していくことのできる職員。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
「受容的交流」の人間観や支援観を理解し、対人援助におけるスキルと専門性を向上させていくこと。そのことが、利用者の幸せ、成長、発達、自己実現につながっていく、という使命感と責任感を持って、意欲的に研修に励んでほしい。
全体の評価講評
特によいと思う点
法人が大切にする受容的交流理論をベースに、支援において、子どもの小さなサインを見逃さないようにしている。子どものやりたいことに付き合い、目線等に留意して子どもの関心がどこに向いているかを把握し、より楽しめるようにするにはどうしたらよいか、どうしたら気持ちを発出しやすいか等を検討し、その子に合うよう環境を調整している。今回の利用者調査でも、子どもの個性や苦手なこと、好きなことを尊重してくれている、子どもをよく見てくれているといった声が挙がっており、子どもや保護者に寄り添う対応により、高い満足度が得られている。
「こども発達支援センターわかばの家」では、早期支援事業として、単独通所や親子通所による発達支援等のサービスを提供している。それらの事業は就学前の児童向けであるが、18歳までの子どもを対象とした「相談支援事業所」も併設しているため、就学後にも必要に応じて基本相談やサービス利用計画の作成等の支援を受けることができる。職員間では情報を共有し連携が図られているため、就学前の支援の状況を踏まえた相談が可能となっており、退所した子どもや保護者にとって、切れ目のない支援を受けられる貴重な社会資源となっている。
子どものアセスメントには、療育担当者の他、心理士、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、歯科医等の専門職が関わっている。それぞれに評価シートや臨床観察サマリー等を作成し、年1回の発達検査等と併せてアセスメントの材料としている。日々の療育の振り返りは毎日夕方に行い、半期毎の個別支援計画の振り返りにおいては、対人関係、興味・関心・遊び、集団参加、基本的生活習慣等の項目毎に支援の結果を記載している。専門職を入れた定期的なケース会議やケーススタディも行いながら、集団と個への支援が適切に進むように取り組んでいる。
さらなる改善が望まれる点
法人の防災委員会と連動して大規模災害等に備えているが、事業所の特性に応じた実効性のあるBCPの作成は喫緊の課題となっている。新型コロナウイルス感染症対応等も区及び法人の指針に則り対応しているが、感染症対応BCPを整備し、職員、保護者及び関係者と共有することや、大災害を想定したBCP訓練を通して、職員の参集状況や出来ない場合の対応体制等を明確にしていく必要がある。区の福祉避難所にもなっており、区との連携の下、福祉避難所開設訓練等を行うなど、リスクへの対応力強化が望まれる。
わかばの家は、「相談支援事業」、「地域支援事業」、「早期支援事業」の3つの事業を展開することで、地域における乳幼児の発達支援ニーズに応えており、区の方針に沿って事業所運営を行っている。支援ニーズが増大する中にあって、単独通所も毎年待機児が出ており、ニーズに応えられない状況となっている。区民がスムーズに必要な支援を受けられるよう、今後のわかばの家の役割や機能等については、改めて区と調整する必要がある。事業所のビジョンや方向性を明確にした中長期計画の策定により、見通しをもった組織運営につながることを期待する。
わかばの家は本館、分館、二つの分室の4施設体制で、複数の事業運営を行っているが、事業を遂行する上で、部門を超えての連携と組織としての一体的な運営が必要である。分散化した運営は組織としての一体感を阻害する要因にもなるため、今後は意識的に職員間のコミュニケーションを促していくことが求められる。勤務年数や専門分野、テーマに応じた研修等により相互の考えを共有したり、ストレスチェックの結果を下にグループワークを行うなど、職員間の横のつながりや部門を超えたサポート体制等の構築に向けた取組みの促進が期待される。
事業者が特に力を入れている取り組み
法人として、育成に主眼を置いたキャリアパスを導入しており、主任が主たる育成者として「育成面談」を実施し、「職員育成研修シート」を作成、それに応じた日常的なスーパービジョン体制を整えるとともに、事業所内外の研修参加を積極的に進めている。併せてわかばの家全体で組織した「業務改善委員会」に参加し、複雑化、煩雑化し負担が増している業務の検討を行うことで、負担軽減につなげている。業務フローの整理により課題を抽出し、記録等書式の統一、事務手順等の簡略化、会議進行の見直しを図り働きやすい労務環境の改善を進めている。
偏食でご飯が食べられない子どもの場合、様子を見ながら徐々にご飯が食べられるよう支援する等、子どもが安心して色々な物が食べられるよう支援を行っている。アレルギーのある子ともについては家族と面談を定期的に実施して、給食内容や食事状況等を丁寧に共有して給食の提供を行っている。また歯科医の摂食指導をはじめ、看護師、栄養士、調理師、作業療法士、言語聴覚士等、各専門職が支援職と密に連携を図り、摂食への支援や食事環境の整備等の支援に努めている。更に子どもの状況をふまえて、家庭での食事について等、家族への助言を行っている。
毎月の身体測定をはじめ、耳鼻科健診や歯科健診等、充実した健診を実施し、子どもの健康管理の支援を行うと共に、家族との通院が難しい子どもが園で健診を受ける事で、徐々に家族との通院が可能となって行くように配慮している。また嘱託医、心理、言語聴覚、作業療法、理学療法等、各専門領域の視点を生かし、個々の子どもの発達に応じた支援を行っている。更に個々の子どもの必要性に応じて看護面談を実施し、子どもの健康状態等、家族から聞き取りを行った上で対応マニュアルを作成して、家族と主治医の確認を得る等、徹底した対応に努めている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:登録利用者(保護者)全員
- 調査方法:アンケート方式
郵送によるアンケート調査 - 有効回答者数/利用者家族総数:23/36(回答率 63.9% )
調査対象者数36名中、23名中から回答を得ることができた。「事業所との情報共有はできていますか」「職員の接遇は適切ですか」「子ども同士のトラブルへの対応は信頼できますか」「個人の気持ちは尊重されていますか」「支援計画作成の際、本人や家族の状況・希望は聞かれていますか」「サービス内容や計画についての説明はわかりやすいですか」「不満や要望へは対応されていますか」の項目では、回答者全員が「はい」の回答であった。総合的な満足度では、22名が「大変満足」「満足」の回答となっている。職員間の情報が共有されており安心してお任せできます、子どもの個性を尊重しながら社会性が身につくように支援してくれます、職員の熱心な取り組みにより子どもの成長を日々感じることができています、などのコメントがあがっている。意見や要望としては、コロナが落ち着いたら他園との交流や遠足などが再開されると良いです、長い休みの時は少しでも相談できたり自主通園などができると良いです、などがある。
アンケート結果
1.事業所に通うことが、子どもの身体の機能や健康の維持・促進の役に立っているか
20名が通所により子どもの身体機能や健康維持などに役立っていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。いろいろな食材を食べることができるようになりました、体をよく動かくことで体の使い方が上達しました、クラスの他の子どもたちから刺激を受けて新しい遊びにチャレンジしています、毎日通うことで生活のリズムが整ってきました、などのコメントがあがっている。
2.事業所での活動は、子どもが興味や関心を持てるものになっているか
22名が事業所での活動が子どもの興味や関心が持てるものになっていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。習った歌や使用した楽器など楽しんで取り組んでいます、職員が本人の好みを熟知しているので個々のニーズに合った対応をしてくれます、絵カードや理解しやすい声掛けなどがあります、職員からアドバイスを受けながら新しい遊びにチャレンジしている、などのコメントがあがっている。
3.事業所に通うことが、子どもの情緒面での発達(感情のコントロールを身につける等)の役に立っているか
通所することで子どもの情緒面での発達に役立っていると回答したのは21名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。欲求が通らずに感情的になってもクールダウンできるようになりました、自分の思いを伝えることを日々学習しています、気持ちの切り替えができるようになりました、言葉の理解が進んだことで説明ができるようになりました、などのコメントがあがっている。
4.事業所に通うことで、子どもに社会性(人と人との関わり合いやルール等)が身についているか
子どもの社会性については、22名が身についてきていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。友達との接し方が少しずつわかってきています、遊具の貸し借りや順番を待つなどの不満を持ちつつも我慢ができるようになった、こと公を学び個性も大切にしてくれます、などのコメントがあがっている。
5.子どもの様子や支援内容(体調変化時の対応含む)について、事業所と情報共有できているか
子どもの支援内容については、回答者全員が事業所と情報共有ができていると回答している。連絡帳や電話などで共有しています、連絡帳のほかにも口頭で様子を聞くことができます、面談などで相談にのってもらえます、定期的に面談があり本人に合ったプログラムを提案してくれます、などのコメントがあがっている。
6.家族に対する精神的なサポート(子育てに関する悩み相談や進路相談、家族間交流の機会の提供等)は役に立っているか
家族に対する精神的なサポートについては、21名が役立っていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。適切なアドバイスを頂けます、子育てや生活面でスムーズに進めるためのアドバイスが頂けます、親身になって相談にのってくれます、などのコメントがあがっている。現在はコロナ禍なので保護者の交流はありません、との回答もあった。
7.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
事業所内の清掃、整理整頓に関しては、22名が行き届いていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。広くない空間を工夫して使用されています、いつも清潔だと思います、コロナ禍の対応はされていますが常時の換気とアルコールによる拭き取りもお願いします、などのコメントがあがっている。
8.職員の接遇・態度は適切か
職員の接遇に関しては、回答者全員が適切であると回答している。とても丁寧な対応です、言葉使いなど学ぶところが多いです、素晴らしい職員さんたちです、挨拶時に目を合わせず会釈だけの方もいます、などがある。
9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
病気やケガなど緊急時の対応に関しては、22名が信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。看護師が複数人いるので安心です、とてもきめ細かく伝えてくれます、連絡帳や電話で隊応してくれます、持病に関しては事前に緊急時の対応を書面で示してもらい信頼できます、などのコメントがあがっている。
10.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
子ども同士のトラブルへの対応に関しては、回答者全員が信頼できると回答している。職員がきちんと見てくれるのでトラブルになる前に対応されています、基本的には見守りながら危険のないように対応されています、大きなケンカになる前に職員が止めてくれるので安心です、などのコメントがあがっている。
11.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
回答者全が子どもの気持ちを尊重した対応であると回答している。無理強いすることなく子どもの気持ちに寄り添った対応です、集団に参加できない時は少人数や個別対応してくれます、いつも辛抱強く接してくれます、などのコメントがあがっている。
12.子どものプライバシーは守られているか
プライバシーに関しては、回答者全員が守られていると回答している。とてもきめ細かな心遣いを感じます、との回答があった。
13.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか
回答者全員が個別支援計画作成時に、子どもや家族の状況、要望などを聞かれていると回答している。支援に対する具体的な希望を伝えると保育の現場でもそれに沿った支援をしてくれる、家庭と事業所での連携でタイミングがうまくいっています、子ども本人と家族の気持ちを理解したうえで計画を作成してくれます、などのコメントがあがっている。
14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
サービス内容や計画に関する説明は、回答者全員が分かりやすいと回答している。生活面などの計画は具体的で理解しやすいです、計画は詳しく作成してくれます、とても分かりやすく毎日の様子などは連絡帳で伝えてくれます、などのコメントがあがっている。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
不満や要望への対応に関しては、回答者全員が対応されていると回答している。よく話を聞いてくれて個別に対応してくれます、との回答があった。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
19名が外部相談窓口に関して相談できることを伝えられていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。入所時の書類にあったと思います、そのような機会になったことがないでわかりません、との回答があった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
運営委員会、毎年の利用者調査、父母会アンケート等多様な方法で意向を把握している
区、法人、利用者代表による「運営委員会」を開催して利用者の要望等を把握するとともに、行事や懇談会の際のアンケート、自己評価の際の利用者調査等でニーズを把握しており、単独通所の父母会が実施したアンケート結果を受け、職員の自転車置場の変更や日曜療育参加に変えてビデオ参観の導入を図っている。職員の意向等は、育成面談や「人事調査票」に基づいた個人面談等で把握するとともに、今年度は拠点の場長でもある理事長が主任職員との面談を実施しており、業務内容や意向等を把握し、事業所のあり方の検討につなげている。
事業所の役割や機能については、改めて区と調整を図る必要があると考えている
昨年度から事業所の所管が「大田区立障がい者総合サポートセンター」に移管しており、連携を密に図ることで情報共有を強化するとともに、地域自立支援協議会、児童発達支援ネットワーク会議、相談支援事業所連絡会、要保護児童対策協議会、関係機関連絡会議等への参加を通して、地域課題を把握している。早期支援へのニーズが高くわかばの家のどの事業も年度満員となっており、例年、単独通所の待機児童も複数出ている現状がある、事業所の役割や機能については、サポートセンターとの連携等含め、改めて区と調整を図る必要があると考えている。
サポートセンターとの定例会、法人の経営会議や園長会等で事業の進捗管理を行っている
大田区との委託契約に基づき運営を行っていることから、事業所としての中長期計画は策定していないが、「大田区発達障害児・者支援計画」、「おおた障害施策推進プラン」及び法人の運営方針に基づき、事業所の運営方針等が定められている。今年度は5年ごとに行われる指定管理のプロポーザル実施年であるが、区の移管に伴う変更により、中間評価を行うこととなった。事業推進にあたっては、月単位の実績表を作成し、所管との定例会(月1回)、法人の「情報連絡会議」等で事業の進捗管理を行っており、中間報告書で事業計画の見直しを図っている。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
法人の経営方針に基づき事業所の組織運営を行う等、法令遵守への意識強化を図っている
法人では「明確なコーポレイトガバナンスによる持続可能な法人経営」を経営方針に掲げており、管理者や指導層の職員が法人の各委員会に参加する中で、事業所としての遵守事項や、財務報告の信頼性を確保するため「収支支出のプロセス」を学ぶ機会等を設けている。事業所では法人の経営方針に基づいた組織運営を行っており、年度初めの職員会議で事業計画及び「嬉泉職員の手引き」を読み合せることで、職員に周知を図っている。第三者委員については、今までの区が委嘱した民生委員に加え、来年度は法人として第三者委員を委嘱することを予定している。
法人の「人権擁護委員会」と連携し事業所の「虐待防止委員会」の体制を整備している。
法人の「人権擁護委員会」と連携して事業所の「虐待防止委員会」の体制を整備している。昨年度は東京都の研修をもとに「小さな気づき」をテーマに伝達研修を実施し、日常の会話の中で、相手を尊重していない、感情が出てしまうなどの言動がないか等確認し、気づいた際は、お互いに注意が出来る組織としていくことの必要性を伝えている。今年度の法人研修のテーマである「相手の立場に立ってみる」と連動させながら、風通しの良い組織づくりを行うことを目指しており、今後はグループワーク等を通してお互いの「気づき」を共有することも考えられる。
事業所の実践や専門資源を生かし、わかばの家としての地域支援事業に協力している。
「地域支援事業」はわかばの家に求められている大きな役割の一つであり、保育園や幼稚園への訪問支援や、講演会等を実施している。コロナ禍において集合研修が制限される中、昨年度は、地域の保育園、幼稚園の職員に向けて「わかば通信」を年4回発行し、多様な子どもへの理解と支援力向上につなげている。今年度はわかばの家嘱託の児童精神科医やST、心理士等の専門職を講師としたオンライン講習会を実施し、発達障害への基礎知識と対応等への理解を促していく予定である。それらの事業の企画実施の際に、単独通所の実践例の提供等をしている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
療育の現場として優先すべきリスクを検討し、職員への周知と計画的進行が求められる
緊急時対応の各種マニュアルを作成し、救急救命研修や防災訓練等を通して、今年度は重点的に火事や地震等が起きた際の初動体制など確認しているが、子どもや保護者を含めた訓練の実施等、更なる取り組みの強化を課題としている。また、新型コロナウイルス感染症対策は保健所の指示に従うとしており、感染症対策マニュアルは整備されているが、新型コロナ対応のBCPは未整備となっている。リスク対策の優先順位等は特に設けていないため、今後は療育の現場として優先して取り組みべきリスクについて検討し、計画的に進めていくことが求められる。
震災や水害、感染症等、事業所の実態に即したBCPの策定と訓練の実施が期待される。
法人が設置している「防災委員会」「事故防止委員会」「情報セキュリテイ委員会」に担当者を派遣し、事業所における緊急時の対応等確認しているが、公設民営の施設として区との連携が重要となっている。大規模災害が発生した場合の対応など、区と確認し、わかばの家全体として、実効性の高いBCPの作成は課題である。また、わかばの家は福祉避難所になっており、開設は区の指示によるが、マニュアルの見直しや開設訓練等は今後の課題である。水害リスクを抱える分室もあり、BCPの作成と職員との共有が期待される。
施設間でのネットワーク(閉域網VPNの導入)を導入してデータの共有化を図っている
わかばの家では4施設体制になったことを機に施設間でのネットワーク(閉域網VPN)を導入してデータの共有化を図っており、情報の取扱いに関しては研修を実施し職員に周知を図っている。個人情報は区の条例に沿って対応しており、メールでは個人情報等扱えないことから、災害時の保護者との連絡体制の強化等を勘案し、今後区との協議が必要である。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
職員の意向は育成面談や人事調査表等で把握し異動や組織運営の見直しに反映させている
職員採用は法人の「経営管理室」が担当しており、事業所の見学や職場体験等を行うことでミスマッチを防ぐことに取り組んでいる。特に事業所においては、子どもへの支援を希望する人が多いが、総合職は異動があることを伝えている。職員の意向は、育成面談や人事調査表等で把握しており、異動等の希望には個人面談で確認し、柔軟に対応している。また、新人職員から寄せられたメンター制度への意見をもとに、組織の中でのメンターの役割や主任との連携体制等を明確にするなど、職員の意向を組織運営に反映している。
育成を主眼においたキャリアパスとしているが、運用の定着は課題としている
法人のキャリアパス制度に則り、「育成アセスメントシート票」での自己評価と育成者評価実施後、育成面談を行い、等級ごとの基準をもとに「育成研修シート」を作成する。振り返り時には3段階の研修考課を実施して課題を明確にし、次年度の育成計画につなげており、育成を主眼においたキャリアパスとしているが、事業所での運用の定着は課題としている。一方、区の委託事業として処遇改善は導入されないが、法人としての導入に合わせて、同等の処遇改善手当を支給し、職員のモチベーションアップにつなげている。
スーパービジョン体制、新規職員へのメンター設置、内部研修等、育成体系が整っている
日常的なスーパービジョン体制による職員育成、新規職員へのメンターの設置、新人職員フォローアップ研修、法人全体研修等、育成のための研修体系が整えられている。また、子どもの発達支援に長年携わっている専門職の意見やスキルを活かした内部研修を実施しており、心理職による記録の書き方研修では、療育の場面を映像化し、事実と考察による記録について、事業を分けて具体的に共有し標準化を図った。言語聴覚士の研修では、ケーススタディを通して療育への新たな気づきや見方を変えること等を学ぶなど、支援の質の向上につなげている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
『保護者支援の一環として、障害特性への共通認識と理解を深め、子育てに見通しや自信が持てるように支援する。そのために必要な情報を提供する』 という目標を挙げている。具体的には、園での児の様子を知る機会が少ない家族(父や祖父母)向けに家族参加の行事を企画し、行事終了後にはアンケートを実施し、翌年の取り組みにつなげている。昨年度は、コロナ禍において行事の開催が制限される中、家族向けの「ビデオ参観」を実施し、子どもの状態や成長について共通理解を持つ機会とした。また、療育の考え方や進め方について保護者にわかりやすく伝えるために、「全体のおたより」を作成し、保護者会で説明した。家庭支援における個別のニーズや意向は、個別支援計画の「家庭支援」の項目で明確にしている。「全体のおたより」の活用により、個別支援計画の作成、見直し等の説明や日頃の子どもの状態について説明、情報共有がしやすくなった。ビデオ参観等により、子どもなり成長や発達課題が確認でき、理解につながった。今年度も引き続き実施し、保護者との共通理解を形成し、保護者自身の子育ての力を高めていける支援に積極的に取り組む。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
幼児期の支援として、保護者がわが子を理解し、子育てへの見通しや自信を持ち、子どもにとっての適切な選択をしていけるようになるための支援が重要であると考えている。しかし、送迎バス利用による「単独通所」では、保護者が来所して実際の子どもの様子を見る機会、直接理解を共有する機会が少なくなりがちであり、療育の内容等保護者との共通理解を形成し、保護者支援に積極的にとりくんでいく必要があるとの認識のもと、父や祖父母を含めた保護者も参加できる行事を実施している。また、個別支援計画の家庭支援に焦点をあて、子どもの支援のみではなく個々の家庭状況に応じた家庭支援を計画に盛り込み、職員間で意識して取り組むこととした。さらに、事業所での療育について解説した「全体のおたより」を保護者に配布し、保護者会で説明を行っている。そのことにより、個別支援計画への理解が進むとともに、これから先の子育てについて保護者と共有することができた。子どもの発達に応じた関わり方を伝えることで、保護者自身が自信をもって子育てに取り組めるよう家庭支援の充実を今後も進めていくことを確認している。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
「運営体制において、煩雑化したり、わかりにくくなっている業務について、見直し、業務の改善を行っていく」ことを目標に設定した。わかばの家全体で、「業務改善委員会」を設定し、年間を通して、業務改善に取り組んだ。各事業ごとに、業務フロー作成、改善課題の抽出等を行った。2か月に1回程度会議を開催し、業務改善の進め方について情報共有と進捗状況の確認を行った。業務フローの作成によって、仕事の状況が明確になり、見渡しやすくなった。また、書類のやり取りの手順等の簡略化による時間短縮、日々の記録をパソコン入力に切り替えたことで、複数の職員の入力が可能になった、行事等の役割分担による業務集中の緩和等の成果があり、時間外労働が短縮された。昨年度課題抽出した項目について、引き続き取り組んでいく。また業務フローの整理と効率化を進めていくことで、直接支援業務にかける時間にゆとりをもてるようにしていく。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
事業所は、乳幼児の発達に関する区内における早期療育の拠点として機能しており、療育に対する支援ニーズの広がりにより、年々相談者や通園希望者が増えている。単独通所では早々に定員枠が埋まり、ニーズに答えられない状況にもなっている。昨年度はわかばの家として、「西六郷分室」を開館し、4施設による運営管理体制の機能強化を図る一方で、情報管理や事務手続きの複雑化、煩雑化等により業務が増加している状況に対し、「業務改善委員会」を設置し課題の抽出を行った。業務表による課題整理により、仕事の手順ややり方等の必要事項が人によって理解が異なり、業務全体がわかりにくく非効率な状況になっていること、日常的に業務が時間内に終わらない状況が続いており、特にリーダー層の負担が大きくなっていることが確認できた。業務フローを見直して仕事の見える化を図るとともに、ICT化による記録等書式の統一と共有、事務手順等の簡略化、会議進行の見直し等を図り、限られた時間の中での業務進行について職員間で確認している。その結果、事務作業に関わる時間短縮につながり、残業の減少がみられている。業務改善については今後も取り組むべき課題としている。
サービス分析結果
【講評】
わかばの家として、地域の早期支援における専門機関としての役割を果たしている。
わかばの家は、公設の早期支援の専門機関として、毎年、保育園、幼稚園、乳幼児健診、就学相談等を担当する行政機関との連絡会議を行っている。その際、パンフレットや事業状況の資料等渡して情報提供している。保護者用の案内チラシも、必要な機関に渡している。また保育園や幼稚園の職員向けに保育現場での支援のヒントを記した「わかば通信」を渡している。地域での早期療育のニーズは高く、受け皿が不足していることについて、事業所では課題認識を高く持っており、今後、区と連携しながら、対応策を検討してきたいと考えている。
わかばの家の他事業の利用者に向けた見学会の他、希望者の見学を受け入れている
わかばの家の相談支援や他事業の利用者向けに数回、事業所の見学会を開催しており、その他個別に対応している。主として、単独通所が向いていると思われる家庭や利用希望がある家庭に情報を提供している。見学の際には部屋に設置したマジックミラー越しに活動の様子を見てもらい、支援の流れやねらいを説明している。法人の支援の基本である受容的交流理論をベースに、安心して過ごせる場をつくり、一人ひとりの子どもの成長発達への支援を、家庭との連携のもとに進めていく姿勢を伝えている。
待機期間中の過ごし方や子どもの変化について、相談等の支援を行っている。
例年、定員を超える利用希望者があり、待機待ちの状況となっている。12月に年齢の高い子どもから優先して次年度の利用の選考を行っているが、待機となった家庭には、わかばの家の他事業と連携し、待機期間の過ごし方や子どもの変化に対する相談や状態確認等のサポートを行っている。
1.子どもや保護者等に対してサービスの情報を提供している
- 子どもや保護者が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 子どもや保護者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 子どもや保護者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
保護者の国籍や障害等に配慮し、資料の翻訳や通訳の手配等の支援を行っている
利用が決まった子どもの保護者に対し、3月にオリエンテーションを実施している。その際「入園のしおり」に沿って、約1時間半程かけ、単独通所における支援内容や、保健と健康管理、持ち物、預かり保育等について説明している。オリエンテーションの実施中は子どもを預かり、職員が関わりながら様子を把握している。外国籍の保護者の場合には、利用開始時に限らず必要資料を翻訳して渡しており、契約や個別支援計画の策定といった重要な場面では、区を通じて通訳を手配している。聴覚障害のある方には手話通訳を手配している。
プレ保育や「慣らし保育」により、子どもが無理なく通所を始められるよう支援している
利用開始前の2月に、1人あたり2回程度のプレ保育を実施している。その際、「事前調査表」を保護者に渡し、オリエンテーションの日までの提出を依頼している。プレ保育では、集団に入ることが難しい子どもには一対一の対応も行っている。通所開始後3週間位を「慣らし保育」の期間とし、最初の10日間は親子で通所してもらい、徐々に親子分離ができるよう段階的に進めている。ただし、変化に弱い子どもの場合には、午前中のみの通所の次には1日通所とし、変化を少なくする等、個々に合わせて対応している。
就学後にも小学校3年生までを対象に、アフターケア事業を実施し、支援を継続している
本年度9月に、「就学体験者を招いての懇談会」を開催している。特別支援学校及び支援級、通常級の違いや、放課後等デイサービスの利用も含めた放課後の過ごし方、宿題への対応等、保護者の実体験に基づいた話を聞くことができ、在籍児の保護者から、参考になったとの声が挙がっている。就学年齢になると同時に退所となるが、わかばの家全体で、小学校3年生までの子どもと保護者を対象にアフターケア事業を実施しており、退所時に案内している。子どものグループ活動、保護者の情報交換の場の提供や相談対応等により、支援の継続性が図られている。
1.サービスの開始にあたり子どもや保護者に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を子どもや保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、子どもや保護者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、子どもや保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
契約時に初回の個別支援計画を提示し、子どもの姿に沿っているかの確認を得ている
プレ保育の際の見立てや事前調査表に記載された内容を基に、初回の個別支援計画を策定し、契約時に保護者に提示している。その際、保護者から見た子どもの姿と大きな差がないかどうかの確認を依頼し、意見があれば修正することもある。大きな差異がなければ、支援を進めながら子どもの様子を見て、必要に応じて修正を行っている。子どもの様子は日々変化するが、その都度計画を修正することはせず、明らかにステージが変わったと判断される場合に見直している。定期的には半期毎のモニタリングによる見直しのサイクルに基づいて実施している。
個別指導の専門職の意見等も入れながら、子どもへの支援を多面的に検討している
小集団療育を基本としつつ、一人ひとりの子どもに対し、心理士または言語聴覚士のいずれかが個別指導(月1回)も実施している。月1回、専門職を含めたケース会議を行うことで、子どもへの見立てや、クラスとして気を付けて支援すること等を共有している。また、経験豊富な専門職のスーパーバイザーを招いてのケーススタディを各クラス年1回実施し、特に専門性の高い支援を要する子どもについて、生育歴から振り返り、学ぶ機会を設けている。こうした機会等を通じて多様な専門職の見立てを入れながら、子どもに合った支援を検討している。
パソコンの増設やグループウェアの活用等により、情報共有の効率化を進めている
本年度はパソコンの台数を増やし、1人1台のパソコンを職員に貸与することで、記録の閲覧等による情報共有がスムーズに進むようになった。非常勤職員も出勤時にはまず記録に目を通してから支援に入っている。日々の記録もICT化を図り、入力や閲覧の業務効率が向上している。わかばの家の4つの拠点がグループウェアにより連結されたため、アフターケアでの利用の際に、在籍時の支援実績やカルテを参照するといった情報の活用も可能となった。現在、試行段階であり、今後、切れ目のない支援の体制がさらに進むものと期待される。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.子どもや保護者の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、子どもや保護者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画を子どもや保護者にわかりやすく説明し、同意を得ている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、子どもに変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画に基づいて子ども一人ひとりの発達の状態に応じた支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいた支援を行っている
- 子どもの特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 関係機関(教育機関、福祉関係機関、医療機関等)と連携をとって、支援を行っている
【講評】
子どもの支援計画の内容や日々の支援の状況等を、職員間で共有して支援を実施している
単独通所では、グループ療育の枠組みの中で、個々の子どもの発達に必要な支援と、家族が子どもを理解し、安定して家庭での療育を行える為の支援を行っている。また、心理、言語聴覚、作業療法、理学療法等、各専門領域の視点を生かし、子どもの発達段階に応じた遊びや活動、課題場面を設定し、個々の子どもが自分の課題に挑戦していけるよう支援している。職員の打ち合わせをはじめ、支援記録やケース会議等により、子どもの療育を担当する職員間で、個々の子どもの支援計画の内容や日々の支援の様子等の情報共有を図り、子どもの療育を行っている。
専門職の助言を得ながら、個々の子どもに応じたコミュニケーション支援を行っている
定期的に専門職の助言を得ながら写真、絵カード、手話、マカトンサイン等、個々の子どもの特性に応じて分かりやすいコミュニケーションを工夫している。また子どもが見通しを持ち安心して過ごせる様、写真や絵カード等の視覚支援を取り入れ日課等を伝えている。その際、表示方法は個々の子どもの理解に合わせ、抽象的なイラストが良いか具体的な写真が良いか等、丁寧な配慮の上で支援を実施している。活動内容や場所を伝える際にも、子どもがイメージできる物を考え、着席する場面ならば「椅子」、給食なら「食具」等、常に子どもの目線で捉えている。
行政をはじめ関係機関等との連携を図り、子どもと家族の支援を実施している
行政をはじめ福祉関係機関、医療機関等との連携を図り、子どもと家族についてや事業所の状況等、情報の共有を行って支援を実施している。また、子どもの就学前には教育機関との引き継ぎ等を行っている。年1回、区と法人、保護者代表による運営委員会を実施し、情報提供や意見交換を行っている。更に今年度より、子どもの保育園との平行利用が可能になり、保育園との連携が不可欠となっている。コロナ禍ということもあり、お互い実際の様子を見られない等、連携がしにくい状況もある為、今後の情勢を踏まえ、より連携を図っていきたいと考えている。
2.子どもが食事を楽しめるよう支援を行っている
- 食事時間が楽しいひとときとなるよう環境を整えている
- 子どもの状態やペースに合った食事となるよう、必要な支援(見守り、声かけ、食の形態や用具の工夫等)を行っている
- 子どもが安全に食事をとれるよう取り組みを行っている
- 食物アレルギーや疾患等については、医師の指示に従い、対応している
- 食についての関心を深めるための取り組みを行っている
- 子どもの状況をふまえ家庭での食事について助言を行っている
【講評】
個々の子どもの発達段階に応じて、個別対応を行いながら、食への支援を行っている
栄養士や厨房をはじめ、職員全員が参加する給食会議を毎月開催し、情報共有と連携に努めながら、子どもへの給食の提供と食への支援を行っている。食事にきっかけを要する子の場合は、市販のふりかけを家族から預かって提供したり、偏食でご飯が食べられない子の場合、パンを用意しておきつつ、子どもの様子を見ながらごはんが段々に食べられるよう支援する等、個々の子どもに応じた個別対応を徹底している。また、環境設定や食器や食具の工夫、特別食の提供や食事の温度の配慮等、子どもが安心して食事を楽しめるよう、出来る限りの支援を行っている。
食物アレルギー等について、医師の指示に基づき家族と確認の上で給食提供を行っている
栄養士が毎月献立を作成して、子どもの家族にも配布している。旬の食材や天然出汁の使用等食材から大切にしており、更に行事食の提供等、子どもが食を楽しめるよう努めている。食物アレルギーや疾患等については、医師の指示書等に基づいて支援している。アレルギーのある子どもについては、家族との面談を定期的に実施して、給食内容や子どもの食事状況等を丁寧に共有し給食の提供を行っている。実際の提供時は必ず配膳職員が二重のチェックを行い事故防止に努めている。毎日の連絡帳や面談等で、子どもの食事状況について家庭との連携を図っている。
歯科医師による摂食指導等を通して、家庭での食事について家族への助言等を行っている
歯科医師による摂食指導を実施している。また看護師、栄養士、作業療法士、言語聴覚士など各専門職が支援職と密に連携を図りながら、子どもの食事の様子観察や摂食支援、環境整備等への支援を行っている。また摂食指導や、栄養士が毎月作成する給食便り等を通して、家庭での食事について助言を行っている。衛生管理マニュアルの作為と実施をはじめ、給食放射能物質検査、従事者の毎月の検便を実施する等、組織として衛生面や安全面の配慮に努めている。例年、保護者向けに給食試食会・懇談会を実施してきたが、コロナ禍において中止している。
3.子ども一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている
- 身の回りのことは自分で行えるよう、必要な支援を行っている
- 基本的な生活習慣や社会生活上のルール等 (あいさつ、マナー、交通ルール等)を身につけられるよう支援を行っている
- 集団活動を取り入れるなど、子どもの心身の発達や社会性が育つよう支援を行っている
- 一人ひとりの有する能力を活かせるよう個別のプログラムを実施している
- 送迎は、子どもと保護者等の状況に応じて送迎方法を検討し、行っている
【講評】
子ども自身が自主的に取り組んでいけるよう、子どもの発達状況に応じて支援している
食事・排泄・着替え等、基本的な生活習慣については、子どもが人からの働きかけを受け入れられる様になった段階で積極的な関わりをもち、子ども自身が自主的に取り組んでいける様、状況に応じて身辺自立の支援を実施している。また、社会生活上のルールを身につけられる様に、クラス活動のお集りや活動等、わかりやすい場面を通して、順番を待つ、玩具の貸し借りといった友達との接し方等、人とのやりとりを経験できる様に支援している。一人ひとりの子どもの発達を促しながら、その先として、子どもの友達関係等が広がっていく様に支援に努めている。
個々の子どもを理解に努めながら、個別プログラムや集団場面の設定を行っている
個々の能力を引き出し活かせる様、個別のプログラムや集団場面の設定を行っている。心理士や言語聴覚士等、各専門職との連携による評価や個別指導の実施により子どもの認知面や表出の程度、興味・関心等の把握に努めている。子どもの支援に関わる職員全員で、個々の子どものケース会を実施し理解に努めている。例えば、人の気持ちや見えない物を察する事が苦手等、子どもの状態に応じて声掛けの仕方や働きかけの工夫、人形や写真、絵カード等を取り入れた支援等、どのような関わりが良いかを丁寧に協議しながら、個々の子ども支援を実施している。
安全面に留意し子どもの負担とならない様に配慮に努めながら、送迎バスを運行している
子どもの自宅近隣に送迎ポイントを設定して、送迎バスを運行している。安全に留意し、運転手の他に必ず添乗職員2名が同乗をしている。送迎バス利用にあたっては、家族や福祉バスと連携を図りながら、子どもの状態に応じて利用を開始しており、子どもにとって負担が大きくならない様、柔軟に配慮・調整している。送迎バスの当日の運行状況の遅延が発生した際には、家族へメールを使ってお知らせしている。更に、信号を守ること等、交通ルールについて、ペープサート等を使って子どもへ分かりやすく伝えたり、職員が見本となる等の支援を行っている。
4.子どもの健康を維持するための支援を行っている
- 子どもの健康状態について、保護者や医療機関等から必要な情報を収集している
- 子どもの状態に応じた健康管理を行い、体調変化に速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
家族との連携を図り、子どもの健康状態等の把握に努めながら日々の療育を行っている
子どもの疾患歴等、健康に関する情報について、家族に保健調査票等を提出してもらっており、支援に必要な情報の把握を行っている。また連絡帳や随時の電話連絡等、家庭との連携を図り、子どもの日々の健康状態等の把握に努めながら日々の療育を行っている。看護師の療育参加により、日々の検温や健康状態の確認、家族からの子どもの健康に関する相談等に対応を行っている。通所中に体調の変化等がみられた際は、家族等と早急に連絡をとり、迅速に必要な対応を行っている。協力医療機関を設定しており、必要時には職員が通院の付き添いを行っている。
必要に応じて対応マニュアルを作成する等、健康管理において徹底した対応をしている
個々の子どもの必要性に応じて看護面談を実施し、子どもの健康状態等、看護師が家族から聞き取りを行い、主治医の意見書の提出の依頼や対応マニュアルの作成等を行っている。作成したマニュアルは家族と主治医の確認を得る等、徹底した対応をしている。また毎月小児神経科医が来園して希望者に診察を行っており、子どもの運動・知能・感覚・行動や言葉の発達等について助言を行っている。嘱託医の診察を希望する家族は少なくない為、今年度より診察希望の待機者リストを作成して、診察を希望する子どもと家族がスムーズに受診できる様に配慮している。
毎月の身体測定をはじめ充実した健診を実施し、子どもの健康管理への支援を行っている
毎月の身体測定をはじめ、内科健診、耳鼻科健診、眼科健診、歯科健診を実施しており、子どもの健康管理の支援を行うと共に、事業所で身体測定や健診を実施することにより、家族と通院を行うことの難しい子どもでも、通い慣れた事業所で看護師や医師に身体を診てもらう事に徐々に慣れていき、家族との通院が可能となって行くように配慮している。また希望者には予約制で嘱託医による診察を行いし、子どもへの家族の理解を深めたり相談に応じている。更に毎月看護師による「ほけんだより」を配布して健康的な生活についてわかりやすく伝えている。
5.子どもの主体性を尊重し、施設での生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている
- 日常生活の支援は子どもの主体性を尊重して行っている
- 子どもが安心して活動できるよう、状況に応じて室内の環境を工夫している
- 子どもの状況や希望に沿って、多様な体験ができるようにしている
【講評】
子どもが状況を分かり、主体的に行動できるような支援を徹底している
子どもとの意思の疎通や、子ども自身が納得して行動できることを大切にして支援を行っている。また子どもの事情や内面の理解を重視し、子どもの成長に合わせた日々の関わりを心がけていきたいと考えている。例えば、自由遊びでは、全くの自由だと何をすれば良いかわからず、遊べなくなってしまい、逆に遊びが設定されている方が、理解して遊びに入って行ける子もいる。その為、落ち着いて遊べる設定遊びのコーナーを複数作り、子どもが安心できる環境の中で自分から遊べるよう配慮する等、個々の子どもが主体的に行動できるよう支援を実施している。
子どもの状態に合わせ、必要に応じて個別空間の保障や環境の整備等を行っている
例えば、最初は留まっている事が苦手な子もいるので、自由に身体を動かせるよう運動コーナーを部屋の中に作ったり、多目的ホールを使えるようにする等、必要に応じた個別空間への配慮を徹底して、目的に応じた部屋の整備に努めている。また、子どもが他児とぶつかったり、危険のない様に配慮する等、個々の子どもの状態に合わせた対応に努めている。支援者が日常の中で感じた「ヒヤリハット」は、細やかに日々記録を書くようにしており、必ず次の日の朝会で周知している。また事故防止委員会でも、とりまとめを行って職員間での周知を徹底している。
子どもが様々な体験が出来るよう、季節ごとの行事の充実等に努めている
子どもの興味・関心事を把握しながら、一緒に遊んだり、子ども同士の遊びを仲介して、一人ひとりの子どもの発達段階や興味・関心に応じた遊びを広げている。また子どもが様々な体験が出来る様、コロナ感染防止に配慮しつつ、七夕やクリスマス等、小さな行事会を開催して季節ごとの行事の充実に努めている。現在はコロナ禍の為に中止しているが、例年では保育園交流を実施し、同世代の子どもとの交流を通じて、様々な刺激を得ることや友達とのやり取りを学ぶ等、発達を促す機会となるよう配慮している。状況が落ち着けば、再開をしたいと考えている。
6.家族との交流・連携を図り支援を行っている
- 子どものサービス提供時の様子や家庭での普段の様子を家族と情報交換し、支援に活かしている
- 家族の意見や要望を活かした支援を行っている
- 家族の状況に配慮し、相談対応や支援を行っている
- 子どもや家族に合った療育方法等について助言している
【講評】
子どもの状況や家族のニーズの把握と共有を図りながら、日常の援助を行っている
入園時の調査票を実施して、子どもの状況や保護者のニーズ等の把握と共有に努めている。また連絡帳等を通じて家庭との連携に努め、個々の発達状況を把握しながら日常の援助を行っており、必要に応じて個別の対応をきめ細かく行っている。新入園児には家庭訪問実施している。例年は全家庭を対象としていたが、コロナ禍の現在は、特に必要な家庭に関してのみ行っている。家庭での子育てについて、家族が気を付けるべきこと等、実際に家庭の様子を見ながら具体的な助言を行えることで、家族も環境の改善等がしやすく、貴重な機会となっている。
家族が子どもと関わる力を養えるよう配慮し、親子プログラムを実施している
子どもが家でも快適に過ごせることを重要視しており、家族が子どもへの理解を深め安定して子育てできるよう、家庭支援に努めている。また家庭支援の一環として、家族も子どもと一緒に参加してもらう親子プログラムを実施している。音楽の持つ力を利用して情緒の安定を図る「音楽療法」や、運動感覚分野を中心とする課題を設定し、楽しい運動を通してトータルな発達を促す「ムーブメント」の活動を通じて、個々の子どもの発達を促すとともに、親子関係を深めたり、家族が子どもの発達の様子を捉えて、子どもに関わる力を養えるよう支援している。
ビデオ参観や懇談会の実施等、子どもの支援は常に家族とともにある事を伝え続けている
幼児期の子どもの成長の中で、大事にすべき療育の視点や段階を確実に積み重ねていける様、クラス担任との面談以外に各専門職との話し合いや面談を実施し、多方面から家庭支援を行っている。また行事への家族参加やビデオ参観・懇談会等の実施等、子どもの支援は常に家族とともにある事を家族へ伝え続けている。行事や家族向け学習会毎に、保護者アンケートを実施し、家族の意見・意向を反映しながら、日々の支援や事業所運営に活かしている。更に年1回、区、法人、利用者代表による運営委員会を開催し、情報共有、意見交換の機会を設けている。
7.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域の情報を収集し、子どもの状況に応じて提供している
- 必要に応じて、子どもが地域の資源を利用し、多様な体験や交流ができるよう支援を行っている
- 地域全体の在宅障害児や関係機関等を対象に、施設・設備や人材・プログラムを有効に活用した支援を実施している
【講評】
相談事業所等との連携により、個々の家族の必要とする情報の提供に努めている
わかばの家の相談支援事業所等との連携により、個々の家族の必要とする情報の提供に努めている。わかばの家全体として、区内の情報を掲示板や配布物等にて速やかに提供している。区で発行する「子育てハンドブック」「福祉のあらまし」等を配布して、子どもが遊べる児童館や一時保育等、子育てに役立つ情報や福祉の情報を伝えている。更に子育てや発達についての講演会や、親子で参加できるワークショップやイベント等、地域の情報や各種案内を掲示板に掲示したり、閲覧用ファイルを設置して,おり、必要に応じて各家庭に配布も行っている。
例年では、近隣保育園との交流保育や、地域の一員として参加する夏祭りを実施している
例年、近隣の保育園との定期的な交流保育や、地域住民の協力や参加によるわかばの家の全体の行事「夏まつり」を実施し、子どもや家族が地域の一員として地域住民と交流し、楽しむ機会を提供していたが、新型コロナ感染症ウィルスの感染拡大の影響を受け中止となっている。コロナ禍により、通園による基本の生活や療育を安全に実施することが最優先となり、地域との交流や子どもたちの経験を広げていく機会を保障することができにくくなっている。今後の情勢や子どもの状況に合わせて、地域資源を利用した活動も広げていけると良いと考えている。
地域の支援力を上げていきたいと考え、わかばの家地域支援事業に積極的に協力している
わかばの家として実施している地域支援事業(関係機関の職員向け研修や区民向け講演会等)に積極的に協力している。昨年度はコロナ禍で講演会等の実施が出来なかった為、子どもの発達や特性などを理解し関わっていくヒントとなる知識や情報等を『わかば通信』として、幼稚園や保育園等の職員向けに配付したが、その際に単独通所での実践例や写真等を提供をした。また区の主催する人材育成講座等に施設長が講師協力をしている。通常は日曜、祭日に「貸館」として施設・設備・遊具等の貸し出しをしているが、コロナ禍により現在は中止している。
【講評】
場面毎に、子どもの個人情報やプライバシー、尊厳に配慮した支援を心がけている
子どもの写真の使用や掲載等に関しては、利用開始時に同意を得られた範囲内で行っている。保護者に対しても、クラスでの子どもの様子や保護者の話等、見聞きした個人的な事柄を他言したり、SNSに載せる等しないよう、入園のしおりに記載すると共に、利用開始時に依頼している。子どものプライバシーや尊厳に配慮し、女児への排泄介助は同性の職員が行い、オムツ替えは不必要に人の目に触れないよう、トイレで行っている。また、屋上での水遊びは民家に接していないスペースで実施し、屋上までの移動中は水着の上にタオル等を羽織るようにしている。
子どもの本当の訴えを把握するよう努め、個を尊重した支援となるよう取り組んでいる
日々の支援において、子どもとの意思疎通を重視し、子どもの意思を引き出し、確認しながら支援を行うことを基本としている。月2回のクラス打ち合わせやケーススタディを通して、新人職員からベテラン層までが一緒に子どもについて話し合っており、新人職員もまずは「考える」習慣をつけてもらうことに留意して育成している。職員間での問いかけにより、療育担当者としての考えを聞かれる中で、表面的な行動だけを見るのではなく、その子が本当は何を訴えているのかを把握するよう掘り下げ、個を尊重した支援を深めることに繋げている。
リーダー等がクラス全体に目を配り、トラブル等を未然に防ぐようにしている
子どもの状況について、日々の支援の他、保護者との連絡帳や面談等で把握するよう努め、気持ちの変化等にも寄り添い、落ち着いて過ごせるように配慮している。支援においては職員の役割分担を明確にし、複数の職員がクラスに入る中で、リーダーまたはサブリーダーが全体を見渡し、トラブル等の芽を見逃さないように努めている。子ども同士のやり取りの中で、気持ちがぶつかるような場面では、職員が気持ちを代弁したり、仲立ちをすることにより、子どもが他者との適切な関わり方を学び、トラブル等に発展することのないよう支援している。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、子どもや保護者の同意を得るようにしている
- 日常の支援の中で、子どものプライバシーに配慮した支援を行っている
- 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(子どもが「ノー」と言える機会を設けている)
- 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
- 施設内の子ども間の暴力・いじめ等が行われることのないよう組織的に予防・再発防止を徹底している
【講評】
業務改善委員会を中心に、業務やマニュアル類の見直しを継続的に実施している
わかばの家全体で業務改善委員会を設置し、業務やマニュアル、手順等の見直しを行っている。各事業から委員を選定し、隔月を基本に会議を開催し、改善課題の抽出や検討を進め、継続的に取り組んでいる。拠点となる建物が4カ所に増え、職員が行き来する際に個人情報を持ち出すことによるリスクを低減させるため、ネットワークを構築する等ICT化を進めており、業務改善が図られている。一方、アプリの開発等を一部の職員が担っている現状があり、システムの保守等に関して標準化を進めることが課題となっている。
新任職員の声や各職種の気づき等を基に、適宜、業務や手順の改善を図っている
単独通所事業としても、必要に応じて独自に業務改善を図っており、本年度は記録にかかる時間の短縮と、ポイントを絞った活用しやすい記録への改善を目指して書式の見直しを行った。「記録をつける時に心がけたいこと」をテーマにした事業所内研修も実施している。また、新任職員からの「質問した相手により回答が違う」との声を受け、打ち合わせの仕方を見直し、標準化を図った。看護師が診察の待機リストを作成し、緊急度を明確にして適切な対応に繋ぐ等、各職種においても適宜、業務や手順の見直しを行っている。
OJT担当者の明確化やケーススタディ等の継続実施等により、底上げを図っている
新任職員を効果的に育成し、標準化を図るため、本年度から主任が主たる育成者であることを明確にした上で、主任会で育成の方向性を揃えている。その他、継続的に職員全体の力量の底上げを図っており、スーパーバイザーを入れて各クラス年1回実施するケーススタディの場では、特性を理解した子どもへの関わりや対応、写真による情報の示し方、食事提供の仕方、環境設定等について具体的な助言を得ている。個別指導の振り返りをベースにしながら検討することにより、職員の理解を深め、子どもたちへの支援の引き出しを増やしている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や子ども・保護者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
早期療育のニーズの高い子どもに対し、きめ細かい発達への支援を提供している。
大田区立こども発達センター わかばの家(以下わかばの家)は、法人の使命「誰もが自己実現し得る共生社会の実現」を目指し、大田区の運営方針に則り、単独通所(児童発達支援センター)、親子通所(児童発達支援事業)、外来訓練、親子サークル、子育てサロン、相談支援等の事業を展開することで、早期の支援が必要な子どもと保護者の支援ニーズに応えている。早期療育への区内のニーズは年々増加しており、、中でも「単独通所」は、通常の集団への参加が困難な子どもに対し、小集団の枠組みの中で、個々の子どもへの発達支援を濃密に行っている。
支援の根幹である「受容的交流」は、法人全体職員研修、てびき等で職員に周知している
法人創設者でもある前常務理事が確立した「受容的交流」を支援の根幹におき、法人では長年にわたり自閉症児・者をはじめとした重度障害者への支援を行っており、法人全体の「新人研修」や年1回実施する「全体職員研修」、全職員に毎年配布する「嬉泉職員のてびき」等で、受容的交流に基づいた支援について共有している。また、法人では、新型コロナ禍ウィルス禍において集合研修をオンラインに切り替え、昨年度は「アセスメントを考える」、今年度は「相手の立場に立ってみる」をテーマに、日々の実践を振り返ることで法人理念への理解を促している。
場長、施設長と主任による「主任会」を設置して事業所全体の運営方針等、検討している
昨年度までは管理職による「運営会」で重要案件や運営方針の検討を行っていたが、今年度は法人の理事長が拠点場長として事務局長とともに運営会に参画するとともに、場長、施設長と主任による「主任会」を設置してわかばの家全体の運営方針等検討している。主任は各現場において、職員の主たる育成者として「受容的交流」に沿ったスーパービジョンを行う体制を整えており、専門職が多い職場において、各自の専門性と法人理念の整合性を図ることで支援を充実させている。一方で、事業所運営等、組織的取組への周知方法は更なる工夫が必要だとしている。