評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)すべての子どもの権利を守り、安全で安心・快適な生活環境をつくる。
2)子どもの心を育むとともに意志を尊重し自立を支援する。
3)出会ったこどもを見守り続ける。
4)子どもと家族の結びつきを大切にする。
職員に求めている人材像や役割
児童の社会的な自立を支援をするため、児童の見本となるような人材であること。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
専門性が高い業務であることを理解し、権利意識を持っていること。
アフターケアも含め、児童を見守り続けるため長く定着して働き続けること。
全体の評価講評
特によいと思う点
「権利の集い」の後、施設で感じていること等、子ども間でグループワークを行い、発表を通して権利への意識を高めるとともに、子ども全員に「権利の聞き取りアンケート」を実施している。子どもと関係性が深い職員が担当し、個々の子どもに聞き取り及びアンケート調査を行っており、一人部屋や中学生のスマートフォン所持の要望等、多様な意見が出された。内容に応じて「子ども会議」で対応策を検討しており、スマホの所持はリスクを含めて職員と子どもが何度も意見を交わし一定のルールを定める等、子どもの意見表明権の実践に繋がっている。
日々の支援は自立支援計画書、ケア計画書をもとに行われており、中間・年間総括により達成点と課題を整理している。児童への理解をより深めるための特徴的な取り組みとして、全体会議で定期的に「児童相関図」を共有し、支援に活かしている。施設ではケース検討が必要な児童について随時、ケース会議を行っているが、その際、「ホワイトボードミーテイング」の手法を活用している。講師資格を持つ心理職が司会進行を担い、個別の課題解決に向けて現状を確認し、支援の在り方の分析、方向性の決定等、活発な意見交換がなされている。
生命の大切さを伝えることをベースに、児童・職員が適切な性教育を受ける機会を確保し、一人ひとりの自己肯定感が高められるよう「生教育委員会」を設置し、活動を行っている。年に数会実施している性教育では、子どもが興味を持って参加できるよう事前アナウンスの方法を工夫し、性別・年齢・発達状況に合わせて企画している。取り扱う内容は性教育だけでなく、コミュニケーション、メンタルヘルス、性の側面から見たSNS等、多岐にわたっており、正しい知識と理解が得られるよう工夫している。
さらなる改善が望まれる点
各委員会を中心に、必要と思われるマニュアルを順次作成してきたが、全体像を把握した上で整理することの必要性を認識し、必要な情報と古い情報の整理、様式の統一等、一昨年度から業務マニュアルの見直しを進めている。昨年度は各種マニュアルのデータをフォルダに分類する作業を行ったが、共有フォルダの体系化とファイルの整理等、情報管理のルールを定める必要性が生じている。ペーパーレスの一方で、緊急時対応等は速やかに確認できる環境とすることが重要であり、視覚的に捉えられる工夫等、用途に応じたマニュアルの作成と活用が望まれる。
防犯対策として防犯カメラの設置、防災対策としては防災計画に沿って、毎月、消火、避難訓練を実施している。年4回行う法人全体の総合防災訓練、同じ敷地にある保育園、学童保育クラブとの3施設合同訓練の他に、夜間想定訓練や「もしもごはん」と称する非常食体験訓練等にも取り組んでいる。ただ、施設としての事業継続計画(BCP)がなく、子どもの安全、安心のために、災害等の有事に備えて対応できるよう早期の作成を望みたい。
個人別の育成計画は、目標成果シートを基に施設長が年2回の個別ヒヤリングで確認しているが、職責及び職務内容に応じた長期的な展望と連動とした施設の人材育成計画は策定されていない。平均勤続年数は、11年を超えており安定しているが、職員自身が先の見通しが立てられるような個別育成計画が必要である。人材育成に関する事項は、将来構想委員会の課題事項であるが、人材育成計画の具体的な内容の検討までに至っていないため、人材育成計画の仕組みの体系化を望みたい。
事業者が特に力を入れている取り組み
ヒヤリハットは、毎日、申し送りで報告があり、月60~70件が提出されている。提出されたヒヤリハットは傾向別に分析している。また、書式に職員の感情を記載する箇所を設けており、冷静に振り返ることができ、気づきを通して再発防止、事故防止につながっている。なお、事故報告書があった際にも、関係するホーム、委員会で振り返りをして対応策等を検討している。また、リスクマネジメントの観点から、児童精神科医とのカンファレンスを重視しており、発達に課題を抱える子どもへの支援方法等の検討をしている。
「PR委員会」が中心となり、施設への理解促進と支援者との関係構築に向け活動を行っている。ウエブサイトやSNSでは理念をはじめ、施設が大切にしていること、子ども達の暮らしふりなど職員のコラムを活用してタイムリーに情報発信している。また、寄付・寄贈のページでは、マンスリーサポート等への協力依頼に加え、施設の子どもや地域で暮らす卒寮生が今、必要としているものを見える化している。今年度行ったホームの一部改修や家具・家電の入れ替えは企業からの支援によるものであり、子ども達の生活の質がより豊かなものとなった。
本園の3ホームはこれまで、調理の職員が中心となって、栄養士が作成した献立に合わせて食事作りを行っていたが、今年度より地域のグループホーム同様、本園ホームの職員が全ての調理を行っている。職員の負担は増したものの、時間の使い方を工夫しながら安心・安全な食事提供に努めている。日々の生活において調理の音、匂いを子どもが感じられることの影響は大きく、職員が促さなくても自ら率先してお手伝いをする子どもが増えており、生活の中で自然に食についての関心が向上し、食育へとつながっている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:利用者全員(回答が難しい幼児を除く)
- 調査方法:アンケート方式,聞き取り方式
聞き取り方式とアンケート方式 - 有効回答者数/利用者総数:41/43(回答率 95.3% )
調査対象児は42名であり、41名から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「施設での食事は楽しいですか」「施設での時間の使い方や服などの持ち物について、あなたの"こうしたい"という気持ちを職員は聞いてくれますか」「あなたが困ったときに、職員以外の人(児童相談所の職員や学校の先生 、第三者委員など)にも相談できることをわかりやすく伝えてくれましたか」などがあげられる。総合的な満足度では、23名が「大変満足」、3名が「満足」の回答であった。みんな(友達)がいるから好きです、こづかいを多くしてほしいです、楽しい来てよかったです、楽しいが良いところだとは思わない、職員の都合でルール決めをしないでほしいです、駐輪場に自転車が入れにくいので使わない自転車を撤去してほしいです、などがあがっている。
アンケート結果
1.食事の時間が楽しいひとときになっているか
30名が食事時間は楽しいひとときになっていると回答している。会話があって楽しいです、ごはんおいしいです、ちょいちょいけんかをしてあまり楽しく食事できないこともあるけれど基本は楽しく食事できてる、などがあがっている。
2.施設での時間の使い方や衣服・物の所有について、職員は意見を尊重してくれているか
31名が時間の使い方や衣服などの所有について職員は意見を尊重してくれる、と回答している。いつも聞いてくれる、好きな物が買えます、幼稚園のバザーで好きな物を選んで買った、などがあがっている。
3.子どもの年齢や特性、個別事情に応じて生活の約束ごとの説明を受けているか
23名が子どもの年齢や特性や状況に応じて、生活や規則内容等の説明がされていると回答している。あまりわからないというと最初から最後までわかりやすく説明してくれる、教えてくれた時もある、などがあがっている。
4.自立に向けた支援について、多様な選択肢から情報提供や相談対応がなされているか
23名が自立に向けた支援について、多様な選択肢から情報提供や相談対応がなされていると回答している。自分からはそんなに質問したりしないけど職員から必要な時だけ教えてくれる、ためになる話してくれて助かる、すごく相談にのってくれる、などがあがっている。
5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
21名が施設内の清掃、整理整頓は行き届いていると回答している。比較的綺麗、時々片付いていない時はあるけれどそういう時は職員がちゃんときれいに片づけてくれる、などがあがっている。
6.職員の接遇・態度は適切か
23名が職員の接遇・態度は適切と回答している。オシャレさんが多い、TPOを考えていると思う、職員に怒られてる時は職員の言葉遣いがちょっとあやしい時もあるけど普通にお話している時は言葉づかいは完璧です、などあがっている。
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
26名が病気やけがをした際の職員の対応は信頼出来ると回答している。薬を飲ませてくれる、助けてくれる、忙しい時はバタバタしてるけどそれ以外はちゃんと何回か見に来てくれたりする、などあがっている。
8.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
21名が子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できると回答している。何かあったのかをすぐ探り次につなげる手助けをしてくれる、トラブルを止めたり話を聞いてくれたりする、などあがっている。
9.子どもの気持ちを受け止め、尊重した対応がされているか
24名が子どもの気持ちを受け止め、尊重した対応がされていると回答している。個人個人の気持ちを尊重していると感じる、いろんな事に協力してくれる、などがあがっている。
10.子どものプライバシーは守られているか
23名が子どものプライバシーは守られている、と回答している。秘密の事を他の人に話されたことは一度もない、秘密はない、などがあがっている。
11.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
19名が個別計画作成時に、利用者の状況や要望をきかれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。結構忙しい時以外聞いてくれる、との回答があった。
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
19名がサービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいと回答している。ちょっと分かりにくかったりするけど基本は分かりやすい、との回答があった。
13.自らの権利について、さまざまな機会をとらえて職員はわかりやすく教えてくれるか
24名が自らの権利について、さまざまな機会をとらえて職員はわかりやすく教えてくれると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。誰もいないところで分かりやすく教えてくれる、プライベートゾーン(見せない、触られない、触らない)の話は知っている、お腹やおちんちんおしり、などがあがっている。
14.子どもの不満や要望は対応されているか
22名が子どもの不満や要望は対応されていると回答している。おもちゃ貸してもらえないから嫌だなと思う、大人に言うとちょっと貸してあげてって言ってもらえる、学校では先生に相談したりする(自分も先生に相談するけど、それでもなんとかならないとき)、などがあがっている。
15.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
25名が外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられている、と回答している。職員が説明してくれたことがあった、との回答があった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
3ケ月の一度の子ども会議で、子どもたちの意見、要望を吸い上げている
子どもの意見を吸い上げる場は、月1回の子どもと職員によるフロア会議と3ケ月間隔で開催され職員はオブザーバーで子ども主体の子ども会議がある。連絡事項や問題解決だけでなく、コミュニケーションの場としてもに活用されている。「お小遣いをあげてほしい」「Wi-Fiを設置してほしい」等のいろんな意見が上がってきて話し合っている。具体的に実現した例として、Wi-Fiを設置して、フロア内ならどこでも使えるようになっている。また、自立支援計画書策定の際には、子どもの意向を確認してから作成している。
福祉事業全体の動向の情報を収集し、地域福祉のニーズの把握に努めている
福祉事業全体の動向の情報収集として、東社協児童部会へ積極的に参加し、これからの社会的養護のあり方、区立児童相談所の設置の動き等の情報把握に努めている。区の要保護児童対策協議会への参加、3ケ月に1回実施している区との協議、ショートスティ事業による子ども家庭支援センターとの連携により、地域の福祉ニーズを把握し課題を抽出している。昨年度より地域の養育困難の家庭の養育支援に対応するため、区より要支援家庭ショートスティを受託して実施している。地域の子育てのニーズが高いので、育児相談や子育て広場の実施を予定している。
将来構想委員会を中心に、老朽化した本園の建て替えの具体的な検討を望みたい
新しい養育ビジョンで、さらなる小規模化と地域支援の推進で施設に多機能が求められる中で、本園が建設されてから47年が経過して老朽化が進み、建替えが必要となっている。しかし、、現在資金的な課題を抱えており、広く寄付を募るとともに、補助金、措置費、加算等を適切に取得することに努めているが、建て替え計画策定までには至っていない。中長期ビジョンの重点項目に入れ、将来構想委員会を中心に、建て替えの具体的な検討を望みたい。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
福祉従事者としての守るべき法律、倫理、社会的規範等のさらなる周知を望みたい
福祉サービスの従事者としての守るべき法律、倫理、社会的規範等は、施設長から全体会議で適宜伝えている。ただ、職員自己評価で、「法、規範、倫理の共有はあるが、回数が少ない為、中途採用を含めた全職員が理解できるまで達しているかは疑問」との意見があった。「職員倫理綱領」を全体会議で読み合わせをする機会を設ける、職員に冊子にして配布する、パソコンで閲覧できるようにする等の方法で、全職員が理解し周知できるさらなる取り組みを望みたい。
子どもの権利擁護のために、権利擁護委員会で子どもの聞き取りをしている
子どもの権利擁護のために、年2回、権利擁護委員会のホーム職員以外の職員が個別に聞き取りを行っている。例えば、職員の対応が冷たい等の意見に対しては、該当職員にフィードバックすることで、子どもとのコミュニケーションの方法の見直しにつなげている。子どもの意見の対応は、管理職が対応している。苦情解決制度、第三者委員相談窓口については、各ホームで実施する「子どもの権利のつどい」で、主任職員から伝えている。玄関に第三者委員の連絡先を明示して、いつでも相談できることを掲示している。
地域の子育て支援の充実のため、子育て広場等の新たな事業展開をしていく予定である
ショートスティ担当、育児指導担当、里親支援専門相談員による地域支援担当を配置して、地域の福祉ニーズに対応している。具体的な取り組みとして、ショートスティを利用する保護者に、乳幼児期の育児方法や適切な子どもとの関わり方等、子育ての悩みに答えてアドバイスをしている。コロナ禍の長期化により地域社会活動が停滞し、子育てをする保護者の孤立化に拍車がかかり、育児不安から虐待につながることが増えている。このような社会状況を踏まえて、育児相談や子育て広場等の新たな事業展開をしていきたいとしている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
災害等の緊急時に備え、事業継続計画(BCP)の作成を早期に望みたい
防犯対策として、玄関と1階の廊下に防犯カメラを設置している。防災対策は、防災計画に沿って、毎月、消火、避難訓練を実施している。年4回行う法人全体の総合防災訓練、同じ敷地にある保育園、学童保育クラブとの3施設合同訓練の他に、夜間想定訓練や「もしもごはん」と称する非常食体験訓練等も実施している。ただ、施設のBCPがなく、緊急時に対応できるように早期の作成を望みたい。安全衛生委員会は、毎月開催されており、職場環境改善の取り組みもしている。
ヒヤリハットの気づきを大切にし、児童精神科医とのカンファレンスを重視している
活発な子どもの行動は、事故等につながる行為が日々あり、ヒヤリハットは、毎日、申し送りで報告があり、月60~70件が提出されている。職員の感情を記載する箇所を設けたことにより、冷静に振り返る機会となり、気づきを通して再発防止、事故防止につながっている。また、リスクマネジメントの観点から、児童精神科医とのカンファレンスを重視しており、発達に課題を抱える子どもへの支援方法の検討をはじめ、職員の悩み相談にも応じてもらい、メンタルヘルスにつながっている。
情報管理及び個人情報の取り扱いについては、整理して見やすくすることが課題である
個人情報に関する書類の取り扱いについては、施設長より全体会議で周知、徹底している。パソコンには、パスワードを設定し毎月変更して、記録システムにはIDでアクセスするようにしている。Wi-Fiも職員用と児童用に分けている。収集した情報は、必要な時に活用できるよう書庫にて管理しているが、ファイリングして整理し見やすくすることが課題である。また、パソコンの共有フォルダーに各種会議録、行事企画書、マニュアル、事故報告書、ヒヤリハット等々を入力しているが、閲覧しやすいように整理することも課題である。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
社会的養護への理解と意欲のある人材の確保に向けて取り組んでいる
小規模ケアーの推進のために、職員増が図られており人材確保への取り組みが重要課題となっている。目黒若葉寮では、就職希望者に対してオープンハウス(見学会)を、昨年度も年3回実施している。また、実習養成校と連携もして人材の確保に努めている。なお、ホームページには、通年で職員募集と子どもの様子をアットホームな内容で見やすく掲載し、ホームページを見て応募してくる方が多数いる。職員採用については、施設管理職で決定しており、面接に時間をかけて応募してきた動機等を聞き、社会的養護への理解と意欲のある職員を採用している。
支援力向上のために、全職員が研修内容を閲覧できるように望みたい
職員の専門性を高める人材育成方針に基づき、法人新任研修、法人研修、東社協の新任職員、中堅職員、専門別の階層別研修等を受講している。職場内研修は、外部講師を招き実施している。研修は、できるだけグループワークで活発な意見交流をして、意識向上を図っている。研修報告は提出されているが、ファイリングされていないため他職員が閲覧できていない。研修内容を共有するために、ファイリングするかPDF化してパソコンの共有フォルダーからいつでも閲覧できるようにする等の対応を望みたい。
組織力のアップに向けて、チームワークの強化の取り組みに期待したい
職責及び職務内容に応じた長期的な展望と連動とした施設の人材育成計画は策定されていないが、将来構想委員会で検討をしている。個人別の育成計画は、目標成果シートを基に施設長が年2回の個別ヒヤリングで確認している。職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上のために、副主任がホーム職員の状況を把握して、副主任会議で共有し、必要な情報を施設長へ報告している。組織力アップに向けて、チームワークに関する研修をしたいとしているが実施までには至っていない。次年度の取り組みに期待したい。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
事業計画重点項目の「子どもの養育と権利擁護」については、施設理念の「出会いと支えあいを大切にし、人と社会をつなぎます」及び基本方針に沿った支援を行うと共に、子どもの最善の利益を保障するために取り組みの強化に努めた。具体的な取り組みとして、他施設の実際の事故を題材にし、職員全体でグループワークでの研修を実施した。その研修を通して、グループワークで職員同士が意見交換することで、実際の対応場面に置き換えて、より身近なこととして考えることができ、職員の不適切な対応における意識が高まった。なお、「マルトリートメント」や「被虐待児童の理解」に関する研修も行った。また、権利擁護委員会を中心に子どもへの権利ノートの説明と子どもの権利のつどいの開催、年2回の子どもとの個別ヒアリング及び権利擁護チェックシートの活用、施設長からの適宜、子どもの権利擁護に関することを伝えており、日々の振り返りをしている。今後も、ホームの枠を超え、職員同士で主体的に話し合う機会の場を設け、さらに職員の意識向上を図るために、次年度も子どもの権利擁護を目標に揚げた。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
子どもの権利擁護については、事業の将来構想(中長期計画)で、「児童が安全に生活することができるよう、児童の権利擁護を学び、実践し続ける」を明示し、今年度事業計画重点項目でも最重要課題として位置づけている。権利擁護委員会での子どもの年2回の聞き取りの中で、職員の対応等についての改善が図られている。特に、職員間の良好なコミュニケーションとストレスの少ない職場づくりが、子どもの権利擁護のために重要な要素と考えている。被虐待事例等の他施設の事故についてのグループワークの研修は、子どもの安心、安全を守り、自立を支援する施設職員として、使命の再確認としての場として役割があった。子どもの権利擁護の取り組みは、通年を通して実施しており、自己点検と相互点検の継続した組織的な取り組みをしている。子どもへの権利侵害が起きないことを目標とし、次年度も子どもの権利擁護を重要課題として、職員全体で考えられるよう研修を開催したいとしている。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
事業計画重点項目で揚げている「社会情勢の把握と事業内容の見直し」について、移り変わる情勢を把握するため、児童部会施設長会、児童部会制度政策部会、要保護児童対策地域協議会等に積極的に参加している。ニーズに即した事業展開をしていくため、ショートスティ担当、育児指導担当、里親支援専門相談員による地域支援担当チームを配置している。地域支援担当を中心に、目黒若葉寮に必要な地域支援のあり方を組織として検討している。さらに、目黒区子ども家庭支援センターとの定例会や交渉を通して、地域機関との連携強化が推進されてきた。昨年度から、要支援家庭ショートスティを開始し、虐待予防や再発防止等の育児、子育て支援につながり地域支援の充実が図られてきた。以上のような取り組みの中で、子育て広場や育児相談等の地域で必要とされるサービスを検討し、実施に向けて具体化ができた。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
事業の将来構想(中長期計画)で「ショートスティをはじめ、地域に求められる施設を目指す。地域のニーズを把握し、新たな事業を展開する」の地域支援を揚げている。地域支援担当チームを中心に、地域のニーズの把握から状況分析ができ、課題の抽出ができている。昨年度より開始した要支援家庭ショートスティは、1年を通して利用があり、地域支援事業の柱となっており、区子ども家庭支援センターとの連携強化が図られた成果といえる。コロナ禍が長期化する中で、地域活動が停滞し、益々、地域社会の希薄化が進み地域支援力が低下している。このような情勢の中で、育児支援、子育て支援の必要性がさらに求められている。地域ニーズの状況分析から施設として、育児相談や子育て広場、学齢児居場所支援事業等の新たな事業展開をし、子育て家庭が孤立化しないよう虐待予防にも取り組んでいくことを目指している。「子どもが安心して安全に生活できる」よう地域に求められる施設となることを目指している。
サービス分析結果
【講評】
ウエブサイトのコラムでタイムリーな情報を発信して施設の支援観等を伝えている
施設の広報を担当する「PR委員会」では、ウエブサイトの定期的な更新に加え、アクセス数の多いコンテンツや時期など解析をして、子どものニーズを満たせる内容となるよう工夫している。特に寄付や寄贈は子どもたちの生活の充実につながるため、欲しいものリストへの掲載やマンスリーサポーターの募集等、積極的に情報発信している。職員によるコラムは子どもたちの様子を含め、施設が大切にしている支援等を伝えるツールとなっており、SNSと連携させることで閲覧数が増えている。また、年間コラム大賞の授与により職員を功労している。
年3回「オープンハウス」を実施して児童養護施設への理解促進につなげている
児童養護施設を知りたい、働きたい、ボランティアをしたい等の要望に応えるため、年3回「オープンハウス」を実施している。養育家庭をしている、フレンドホームを希望している、自身が虐待を受けていた等、多様な人の参加があり、子どもたちの生活の様子等を伝えるが、特に施設が大切にしている理念への理解が深まるよう説明をしている。コロナ禍となりオンラインでの開催とし、子どものプライバシーを守るため施設見学は行わないが、毎回7~8名の参加がある。また、広報紙「目黒若葉領だより」を年2回発行しており、関係機関等に送付している。
保護者も含め、子どもが納得して入所できるよう可能な限り見学を促している
入所の依頼があると現在の空き状況や性別、入所している子どもの状況等を勘案して児童票をもとに寮内で調整を行っており、入所することになるホームの職員から児童票にない情報等、児童相談所に問い合わせをしている。施設入所への意思が固まっていない子どももいるため、納得の上での入所となるよう子どもには施設見学を促している。福祉司と調整のうえ実施しており、保護者の見学にも対応している。その他、コロナ禍となり幼稚園や学校の運動会がオンラインで配信されたため、録画等禁止事項を伝えた上で、施設から保護者に対しWEB配信を行った。
1.子どもや保護者等に対してサービスの情報を提供している
- 子どもや保護者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 子どもや保護者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
インテークでは生活する上で必要な情報についてホーム職員が整理して聞き取りを行う
家庭支援専門相談員と入所するホームの担当職員が一時保護所に出向いてインテークを実施しており、児童票の内容に加え、生活するうえで必要な情報等、ホーム職員が整理して聞き取りを行っている。面談時には施設パンフレットに基づき、入所するホームの生活環境や通学する学校の様子等を伝えており、高校生には「生活のルール」を記載した書面をもとに説明している。特にスマートフォンの取扱いについては、家庭にいるときから持っている子どもが多いため、所持は可能であるが、本人名義で格安スマホを契約する等のルールを丁寧に説明している。
持ち込み品や家族との交流のルール等、「入所のしおり」に沿って説明している
保護者が面談に同席した場合は、幼稚園や学校等のホームページで個人の写真等を掲載することは禁止していること、予防接種等健康管理に関すること、持ち込み品や家族との交流のルール等、「保護者用入所のしおり」に沿って説明している。子どもに各ホームで対応は異なるが入所日当日は歓迎会等は行わず、事前に把握した好きなキャラクターの日用品や好きな色のシーツを用意したり、夕食は入所児の好きな献立としている。また、一時保護所で面談をした職員が迎え入れる等、不安軽減に努めている。
アフターケアとして食料品等を「わかばこ」として送付し、生活環境等確認している
家庭復帰は児童相談所の見立ての下、家庭支援専門相談員と担当職員が対応しており、居住する地域のショーツステイ等の地域資源を家族に紹介するが、ここ5年間、家庭復帰のケースはない。自立による退所が近い子どもには、自立訓練室や自活訓練用のアパートで一人暮らし体験を行い、お金の使い方、鍵を閉める、ゴミを捨てる等の練習を行う等のリービングケアを実施している。退所後はアフターケア計画を作成して担当したホームの職員が子どもに応じた支援を行うとともに、今年度から食料品等を「わかばこ」として送付し生活環境等確認している。
1.サービスの開始にあたり子どもや保護者に説明し、理解を得るようにしている
- サービスの開始にあたり、施設の基本的ルール(約束ごと)、権利擁護の取り組みをはじめとした重要な事項等を子どもや保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、子どもや保護者の理解を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、子どもや保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- 入所以前の生活習慣等をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、退所後の支援の継続性にも配慮している
【講評】
ジェノグラム、子ども、親、家庭の情報を整理して心理職員がアセスメント票を作成する
児童票に記載された情報をもとに、心理職員が入所時からアセスメントシートの作成を開始しており、ジェノグラムも含め、子ども、親、家庭の情報を整理している。入所後2カ月までを目途に自立支援コーディネーターが中心となりアセスメント会議の日程を調整し、家庭支援専門相談員、職業指導員、心理職員等の専門職と主任、ホーム職員が参加して意見集約を行った後、ホーム職員が自立支援計画書を作成している。自立支援計画を作成する際は、副主任が子どもに聞き取りを行っており、可能な限り子どもの意向を目標に反映させている。
自立支援計画書の実施計画として自立支援ケア計画を作成し、職員間で共有している
自立支援計画書には年度末に取り組み状況を評価する欄を設け、家族との面会や外泊の実施回数を記録している。それらの実績を踏まえて新年度の取り組み計画を策定するが、詳しい内容は別紙の自立支援ケア計画に記載しており、子どもの強み・長所・特技、また、本人への聞き取りを基に「今年頑張りたいこと」を書き出した上で、生活・食育・健康、心理、学校・学習・進路等の項目毎に目標や半期の具体的取り組みを計画している。各項目毎に担当者を明確にし、確認欄を設けており、それぞれが役割や目標等を意識して支援できるようにしている。
ホワイトボードで情報を整理し、子ども同士の関係を相関図で見える化している
各ホームや寮内の子ども同士の関係を相関図で見える化しており、3カ月ごとに作成し、全職員参加による「全体会議」で共有している。職員にとって他ホームの状況や個々の子どもの特徴等を把握する機会となっており、ホームの密室化を防ぐことにもつながっている。また、課題等が生じるとホーム職員と専門職によるケース会議を適宜、実施しており、ホワイトボードを使いながら情報を整理し、支援ニーズと支援方法を明確にすることで、支援方針を共有する。また、今年度記管理システムを変更しており、育成記録を含め情報共有の効率化が図られている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.子どもや保護者の希望と関係者の意見を取り入れた自立支援計画を作成している
- 計画は、子どもの最善の利益を第一に、子どもや保護者の希望を適切に反映して作成、見直しをしている
- 計画を子どもにわかりやすく説明し、同意を得るようにしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直すとともに、緊急に支援内容を変更する必要が生じた場合の対応や計画変更のしくみを整備している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、子どもに変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の自立支援計画に基づいて、自立した生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の自立支援計画に基づいて支援を行っている
- 子ども一人ひとりに合った方法で、子どもと職員との愛着関係や信頼関係を構築するために受容的・支持的な関わりをしている
- 小規模なグループでケアを行うなど、子どもが家庭的な環境の中で生活できるよう支援を行っている
- 子どもの発達支援等のため、精神科医等が子どもの発育等に応じ個別判断した上で、児童相談所と協議し、適切な職員等が生い立ちを振り返る取り組みをしている
- 退所後の安定した生活基盤の確保に向け、関係機関や関係職員が連携をとって、リービングケア(退所後の生活を見越した支援)を行っている
- 退所後は計画に基づいて、一人ひとりに応じた支援を関係機関や関係職員と連携して行っている
【講評】
子どもの状況に応じて個別的な関りが持てるよう日々工夫しながら支援している
施設では小規模化を進めており、年度当初に5つめとなる定員6名の女子グループホームが新設されている。各ホームでは、ホーム会議にて児童の状況を確認し、支援方針を決定している。日々の支援において、就寝前のひと時にゆったりとした中で話をしたり、通院時のコミュニケーション等、子どもと1対1になる時間を大切にするようにしている。また、被虐待児童等への個別対応職員や、権利擁護の観点からのグループホーム支援員を配置する等、個別的な関りも行っている。
児童の自己肯定感向上に向け、児童相談所と協議の上で生い立ちの整理を行っている
嘱託医である小児精神科医が定期的に来所しており、児童の発達支援に関して適宜、相談している。児童が自己肯定感を持ち情緒の安定を図れるよう、アルバムを作成し「生い立ちの整理」を行っている。児童相談所とも協議しながら実施しているが、児童本人からの希望に応じて、また、施設に入所している理由、家に帰りたい等の発言がみられるようになった段階で開始している。幼少期は人間関係の基礎を習得する上で重要な時期と捉えており、今後は、幼児についてもできる限り多くのケースについて取り組んでいきたいと考えている。
退所後を想定した各種支援の他、アフターケアでは新しい取り組みも開始している
昨年度は1名が自立し、今年度も退所に向けて数ケースが準備を進めている。退所後の生活に向けて料理、洗濯、金銭管理等、必要なスキルをの定着を図り、自立訓練室で2泊3日程度の一人暮らし体験、また、就労に関しては支援団体とも協働している。アフターケア計画書は退所先を問わず作成し、具体的な期間を設けず必要な支援を継続している。卒業生を招いた「ホームカミングデー」の準備を進めていたものの、コロナ禍においては中止を余儀なくされたが、新しい取り組みとして卒寮生への食料等宅配サービス「わかばこ」を開始している。
2.家族等との関係構築に向けた取り組みを行っている
- 家庭支援専門相談員を中心に、家族等との関係構築のための支援方針が明確にされ施設全体で共有されている
- 子どもの最善の利益を第一に子どもや保護者等の意向を確認しながら、関係機関と連携をとって、子どもと家族の関係調整に取り組んでいる
- 子どもの状況や行事等の情報を個別の連絡により保護者等に知らせている
- 保護者等との面会、外出、一時帰宅等は、状況を把握したうえで、子どもの安全に注意しながら行っている
- 養育家庭や養子縁組等の制度が有効に活用されるよう児童相談所と連携をとっている
- 入所中の子どもの家族等(里親を含む)に対し、退所後の生活を想定したさまざまな支援を行っている
【講評】
家庭支援専門相談員は児童相談所や施設内の多職種と連携しながら家庭調整を行っている
家族等との関係構築については、自立支援計画書作成時に方針を立てている。施設には家庭支援専門調査員(以下FSW)が2名配置されており、児童相談所福祉司と連携して親子関係の調整を進めている。現状、20程度のケースに動きがあり、自立支援コーディネーター、里親支援専門相談員等、他の専門職と連携を図りながら、家庭復帰や里親委託、措置延長の検討、生い立ちの整理、保護者への奨学金の紹介等、ケースの進捗状況についてホーム会議で情報を共有している。
児童相談所の決定に基づいて保護者への情報提供や交流支援を行っている
個々のケースにおいて、保護者との交流方法は児童相談所が決定している。FSWが面会、外出、一時帰宅等の調整を行っているが、次のステップに進む場合や見直しが必要になった際には、担当福祉士司や保護者と協議している。親子間の関係ができていない段階では面会時に見守りが必要な場合が多く、面会室に同席したり、定期的に様子観察をしながら交流支援を行っている。また、学校行事への同伴、進路決定時の面談の他、交流が叶わないケースについては、手紙や写真、学習成果物等を保護者と共有している。
里親支援専門員が中心となって制度利用の推進及び普及啓発活動に取り組んでいる
現状、施設では養育家庭や養子縁組等の制度を活用しているケースは無いが、里親支援専門員が中心となってフレンドホーム利用にあたっての支援を行っている。地域の里親及びファミリーホームを支援するため、管轄の児童相談所と連携して様々な活動を行っており、里親制度相談会を定期的に実施している。また、里親を希望している家庭や施設に興味のある学生、就職希望者等を対象とした「オープンハウス」も開催していて、施設への理解が進むよう取り組んでいる。
3.子どもが楽しく安心して食事ができるようにしている
- 楽しい食事となるような環境を整えている
- 食事時間は子どもの希望や生活状況に応じて対応している
- 食事の献立は、子どもの状況(食物アレルギーや疾患等に関する主治医等の指示を含む)や嗜好に応じて工夫している
- 食習慣の確立や食についての関心向上のため、関係職員と連携して食育の推進に取り組んでいる
【講評】
発達や体調等、子ども一人ひとりの状況に応じて安心安全な食事提供を行っている
栄養士と各ホームの職員が連携して、安全な食事を提供できるようにしている。児童の年齢や発達を考慮して食べやすい調理の工夫をしたり、児童それぞれの予定に合わせて、温かいものは食べる直前に作る等、提供時間に配慮している。アレルギーや薬の飲み合わせに伴った禁忌については、医師の診断にそって除去食等の献立を作成しており、アレルギー緊急対応マニュアルの活用、栄養士による対応方法の研修等の仕組みが整備されている。また、必要に応じて病状や経過を考慮した病人食も用意している。
楽しい思い出となるよう子どもの誕生日にはリクエストに応じたメニューを提供している
施設では季節行事にちなんだ献立の他、子どもの誕生日にはリクエストされたメニューとケーキでお祝いし、誕生者がいなければ自由メニューとすることが恒例となっている。焼肉、稲荷寿司、唐揚げ等、年齢に応じてバラエティーに富んだメニューが提供されている。また、アイスケーキの希望に対して子どもと共に手作りすることを提案したり、沢山の果物のリクエストから子ども自身が得意なカットフルーツにする等、食を通して一人ひとりの子どもを大切にし、楽しい思い出となるよう工夫している。
様々な取り組みを通して食習慣が確立し、食への興味関心が湧くようにしている
食への関心向上を図るため、子ども達が日々目にする献立表には栄養士が季節に応じたコラムを作成している。また、プランターや畑で野菜を栽培したり、干し柿や梅シロップ作り等、子どもと共に育てて収穫した野菜を食卓に出すようにしている。本園ホーム調理の開始に伴って栄養士の業務は煩雑となり、各ホームへの巡回が滞りがちではあるが、職員には研修を通して、子ども達が望ましい食習慣を身に付けられるよう働きかけるとともに、きちんと食べることを強制するのではなく、家庭的な雰囲気を大切にするよう伝えている。
4.子どもの健康を維持するための支援を行っている
- 入所まもない子どもの健康状態(口腔ケア、視力等)に配慮し、健康維持のための支援を行っている
- 健康に関して、子どもに理解を促す取り組みを行うとともに、子どもからの相談に応じ、必要に応じて子どもや保護者等に説明をしている
- 子どもの服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などのしくみを整えている
- 医療機関と連携しながら、日頃の健康管理を行い、子どもの体調に変化があったときには、速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
嘱託医や地域の医療機関と連携を図りながら子どもの健康管理を行っている
入所時の健康状態については児童相談所で実施された情報より確認し、以降は年に2回、学校と嘱託医により健康診断を行っている。入所時に食物アレルギーの診断が出ているケースについては、全職員にアレルギーの内容と対応方法を周知し、医師の診断のもと除去食の提供を行う等、適切な対応をとっている。新型コロナウィルスやインフルエンザ等、各種予防接種は、近隣クリニックの医師が施設に来所して実施しており、PCR検査にも迅速な対応がとられている。
通院同行で得た情報を適切に施設内で共有するための仕組みが整えられている
施設では2名の小児精神科医が嘱託医となっており、子どもの病気や心身状況について相談できる体制となっている。通院が必要な場合には、近隣のクリニックや地域の小児科、大学病院等、状況に応じた医療機関への同行を行っている。「子どもの通院に関してのマニュアル」が整備されるとともに、「診療で伝えることシート」「定期通院用生活での様子チェックシート」により、スムーズに通院同行し、医療機関からの情報を適切に施設内で共有できるようにしている。
服薬マニュアルは適宜改定され、日常の服薬管理に誤りがないようにしている
子どもの服薬管理は各ホームごとに職員がウォールポケット等に個別に薬を分けて配薬し、誤りがないようにしている。現在使用している「服薬マニュアル」は、拒薬への対応やヒヤリハット件数が増加した際に策定されたものであるが、専門職がたたき台を作り、各職員からの意見を集約した上で、活用しやすいよう分量を多くせず、また、子どもの状況に合わせて、型にはめたものではないものを作成している。新型コロナウィルス感染症マニュアルも作成されており、マニュアル類は適宜、改定されている。
5.子どもの精神面でのケアについてさまざまな取り組みを行っている
- 子どもが心の悩みや不安を相談できるように工夫している
- 性についての正しい知識と理解が得られるよう、子どもの年齢や状況に応じた説明を行っている
- 子どもの課題に応じて、心理的ケアや医療的ケアが必要な場合は、関係職員・機関と連携をとって、支援を行っている
【講評】
専門職による心理セッションを通して、児童の情緒の安定と心理発達の促進を図っている
入所児童の情緒の安定と心理発達の促進を図るため、常勤・非常勤1名ずつの心理療法担当職員が配置されている。本園の心理部屋におけるプレイセラピーやカウンセリング等の心理療法を実施しており、遊びを通してまた話された内容から、児童の心理的課題や対人関係の練習、家庭に対する気持ちの表出、児童の認知の修正等を行っている。セッションの内容については、共有する範囲を専門職間で検討した後、育成記録等で他職員へ伝え、支援に活かしている。
ホーム職員と心理職、嘱託医が連携して一人ひとりに応じた心理ケアが行われている
子どもの心理的な課題については、各ホームの職員と心理療法担当職員が協働し、嘱託医や児童相談所とも連携を図りながら、本人に適した心理ケアを実施している。畑作業や花壇の整理をプログラムとすることで、学校に居場所を持てない児童への日中活動を提供したり、心理職会議では、宿題に取り組むことが難しい児童や、登校に不安を感じているケースへの対応方法が検討されており、状況を的確に分析した上で、一人ひとりに合わせた支援が提供されている。
「生教育委員会」が中心となって年齢や発達状況に応じた性教育が実施されている
「生教育委員会」が中心となり年数回、「命の時間」として性教育を実施している。プライベートゾーン、良いタッチ・悪いタッチ、男女の違い等、性別や年齢、発達状況に合わせた内容としている。事前に子ども達にアンケートを実施した中からテーマを決めたり、職員手作りの温かみのある教材を使用し、ゲーム等も織り交ぜながら楽しく学び合う空間づくりを行っている。また、施設内の生教育をどの職員でも行えるようマニュアル作りも進めており、児童・職員が適切な性教育を受けられる機会を確保している。
6.子どもの主体性を尊重し、施設での生活が楽しく快適になるよう支援を行っている
- 居室等施設全体は、子どもの年齢や状況に応じて一人ひとりの居場所が確保され、安心、安全で快適なものとなるようにしている
- 日常生活や余暇の過ごし方は、子どもが主体的にかかわって決めている
- 行事やイベントの企画・準備は子どもとともに考え行っている
- 施設の生活ルールは子どもの意見を尊重し見直しを行っている
- 子どもが一人ひとりの希望や季節等に合った清潔な衣服を身に付けられるよう支援している
【講評】
権利のつどいでは、一人ひとりの子どもが大切にされる存在であることを伝えている
起床や就寝、帰寮時間等、生活リズムやスケジュールは年齢、性別を考慮して約束ごとが定められており、必要に応じてホーム会議で協議し、快適で安全に過ごせるよう配慮している。施設では毎年、「子どもの権利のつどい」を実施しており、施設長や都の権利擁護担当職員による権利ノートの説明、児童への個別ヒアリングを行っている。今年度は「わたしのいけん」というテーマで、施設内で感じていることや日頃思っていることについて意見交換した後、グループ発表が行われている。
個々の意見を確認し子どもも主体的に関わりながら様々な行事が実施されている
コロナ禍においては余暇の過ごし方や行事・イベント等、制限がある状況下の中で、できる限り子ども主体となるよう取り組んでいる。野球や音楽活動等、子どもが好きな活動に打ち込めるよう支援したり、生き物の飼育や遊びの中でメイクを取り入れる等、施設がホームページ内で発信している「コラム」において日常の様子を確認することができる。また、季節行事や新年会、卒業生を励ます会等の施設行事の他、子どもの好きな場所へ出掛ける「誕生日外出」、招待行事等、児童の意向を確認しながら行事を実施している。
生活上のルールは子ども達が主体となった会議で検討する仕組みが定着している
施設の生活ルールについては、子ども主体で行う会議において検討、見直しを行っている。各ホーム単位で日々の生活がしやすいよう提案し合ったり、長期休暇の外出先等テーマを決め、職員も交えた検討を行っている。フロア会議で結論がでない事柄や施設全体の決まりごとの変更は、子ども会議に上げる仕組みが定着しており、子ども・職員共に「子ども会議に出してみよう」という会話が増えてきている。ここ数年では、子ども用Wi-Fiの設置、中学生以上のスマートフォン所時について検討を重ね、ルールを決定している。
7.子ども一人ひとりに応じた学力向上・進路決定のための取り組みを行っている
- 基本的な生活習慣を確立するとともに、社会常識、社会規範及び生活知識・技術を身につけられるよう支援を行っている
- 学習環境を整備し、基礎学力の向上・学習習慣獲得のための支援を行っている
- 子どもの意欲・意思や能力に応じた学習教材・塾等を活用している
- 進路について、子どもと保護者等、学校、施設による話し合いを行っている
- 多様な選択肢を提示したうえで、子どもの最善の利益にかなった進路の自己決定ができるよう支援している
- 個別に必要な時期・状況で、職場実習や職場体験、アルバイト等の社会経験を積めるよう支援している
【講評】
年齢や発達段階に応じて必要な生活習慣を身に付けるための支援を行っている
毎年、学齢期に応じた養護方針を立てて支援を行い、年度末には各ホームごとに取り組み状況を確認している。生活面においては、年齢に応じて基本的な生活習慣が習得できるよう援助し、食事マナーや入浴等衛生面への支援も行っている。小学生からは、外出範囲の確認や自転車のルール、お小遣いの計画的な使用等、安全面にも配慮している。また、高年齢児のホームでは、退所後に必要となる生活スキルの獲得に向け、チェックリストを活用した評価・見直しを実施している。
個々の意欲や能力に合わせて学習環境を整備し、学力向上に向け取り組んでいる
学習について幼児期では、個々の状況や発達に合わて言語・知育等の遊びを取り入れている。小学生以降は、副教材を利用して基礎学力の向上を図っており、職員が学習に付き添って宿題を行い、ケースによっては、子どもが集中できる環境作りや支援方法を会議で検討している。中学生以上では、進路を見据えた通塾、学習ボランティアの活用等を行っており、学校と懇談会を通して現状の課題を共有し、進級・進学時には保護者、児童相談所を交えた個別協議も実施している。
子どもの意向を確認し将来を見据えた選択ができるよう、細やかな支援を行っている
進路を決定するにあたっては各自の興味や関心を大切にしながら、将来を見越した選択ができるよう支援している。学校説明会や見学会には職員も同行して本人の希望と学校生活が合っているか確認しており、学費や生活費等、必要な経費についてのシミュレーションを行って、進路会議で共有している。また、職業指導員や自立支援コーディネーターが中心となって自立に向けた合宿を開催しており、今年度は10名程度の中高生が参加して、進学や仕事、奨学金の利用等を学ぶ機会を設けている。
8.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域の情報を収集し、子ども一人ひとりの状況に応じて活用している
- 施設の活動や行事に地域の人の参加を呼びかける等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
- 子どもに、地域と日常的に関わりながら生活していることの大切さを伝えている
【講評】
地域の社会資源は子供の状況や希望に応じて必要なものを選択し、活用している
未就園児は児童館の幼児クラブに参加して、地域において同年齢の子どもとの交流を図れるようにしている。小学生では、希望する子どもは保護者へ確認した上で子ども会に入会しており、その際、児童の特徴等を会側へ説明し必要な協議を行っている。また、習い事や学習塾、アルバイト等、年齢に沿って必要な社会資源を活用している。施設ではボランティア組織である「ボランティア・シンフォニー」を独自で運営しており、アフターコロナに向け順次、活動を再開してきたいと考えている。
育児指導担当職員を配置するなど「子育てひろば」の実現に向けた取り組みを進めている
「PR委員会」を中心にウエブサイトやSNSを活用して施設の情報を発信するとともに、定期的にオープンハウスを開催し児童養護施設の役割や実情を伝えている。また、目黒区からの委託を受け、子どもの養育が困難な際に保護者に代わって子どもを短期間預かる要支援ショートステイを行うなど、管理職直轄のプロジェクトとして地域支援に力を入れている。学校や子ども家庭支援センターなどの関係機関と連携して地域の子育て支援のニーズを把握しており、育児指導担当職員を配置するなど「子育てひろば」の実現に向けた取り組みを進めている。
施設と社会を繋ぐ活動を継続して行い、子どもが地域と交流できるよう取り組んでいる
お祭りやイベント等、地域活動は参加が難しい状況であり、また、コロナ前は地域住民やボランティア、関係者を招いて実施していた「卒寮生を励ます会」も施設内のみ、オンライン開催としている。グループホームでは日常生活の中で近隣住民との関わり方を伝える他、野菜の収穫体験等、地域と関わる機会がもてるようにしている。また、児童養護施設の役割や現状を発信する「オープンハウス」を定期的に開催し、施設と地域社会を繋ぐための活動にも力を入れている。
【講評】
開示請求への対応窓口等個人情報等利用同意書に明記し、保護者の同意を得ている
インテーク面接に保護者が同席した場合には、保護者に対し個人情報の取扱いについて説明をしている。提供を依頼する個人情報として、子どものアルバム作成のため兄弟や両親等家族の写真等を挙げるとともに、本人もしくは法廷代理人より同意を得ている場合や法令の定めにより提供を求められた場合は、第三者に情報を提供することや、開示請求への対応窓口を個人情報等利用同意書に明記し、同意を得ている。パンフレット、機関紙、ホームページに日常生活や行事等への写真を掲載する際は、個人が特定されないようにすることをルール化している。
施設全体での検討が必要な事項は、子ども代表と職員による子ども会議で検討をしている
高校生等は個室を使用しているが、グループホーム等は2人部屋もあり、衝立でプライベートゾーンを作るなどしているが、年2回行う「権利の聞き取りアンケート」では、一人部屋への要望が挙がることが多い。今年度は新たなグループホーム「すみれホーム」が開設されたり、本園2階のあすなろホームのリビングの改修等、生活環境整備が進んでおり、子どもと大人が話し合い、各ホームの生活上のルール等を定めている。スマートフォンやゲーム等、施設全体での検討が必要な事項は、ホームの子ども代表と職員による「子ども会議」で検討をしている。
施設での生活について子どもたちでグループワークを行い、権利への意識を高めている
年2回、施設長が子どもたちに「子どもの権利ノート」の説明をしており、年度当初は全児童参加の下、「子どもの権利のつどい」として実施している。権利のつどいでは、子どもたちが施設での生活についてグループワークを行っており、今年度は「一般的な権利って何?:をテーマに意見交換を行い、グループごとに発表してそれぞれの考えを共有した。また、権利のつどいでは第三者委員の紹介も行っており、新型コロナ対策のため今年度も引き続き、ビデオレターでの挨拶となった。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、子どもや保護者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や郵便物の扱い、居室への職員の出入り等、日常の支援の中で、子どものプライバシーに配慮した支援を行っている
- 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、個人の意思を尊重している
- 「子どもの権利ノート」などにより、子どもの基本的人権について、日常生活の中でわかりやすく説明している
- 子どもが意見を表明しやすい環境をつくるなど、子どもの権利が守られるように取り組んでいる
- 子ども一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
- 施設内の子ども間の暴力・いじめ等が行われることのないよう組織的に予防・再発防止を徹底している
【講評】
必要に応じて各種マニュアルを作成してきたため、マニュアルの整理に取り組んでいる
新型コロナウイルス感染症対策、若葉寮服薬マニュアル、保護者への報告・謝罪マニュアル等、その都度必要に応じてマニュアルを整備しており、今年度は新たな管理記録システムに切り替えたことから、「新管理システムの使い方マニュアル」を作成している。各種マニュアルの体系化や様式の整理は課題としており、一昨年度から副主任を中心にマニュアルの整理を進め、情報の取捨選択やデータ化に取り組んでいる。昨年度は各種マニュアルを共有フォルダに落とし込んでいるが、フォルダの整理とマニュアルの体系化は課題である。
マニュアルの体系化に向け工程表を作成するなど、計画的な進行管理が必要と思われる
現在、マニュアルの整理に取り組んでいるが、工程表等を設けて計画的に行うことが必要と思われる。業務マニュアルの内容が多岐にわたり、特に共有フォルダの体系化は長期的視点に基づき設計することが求められるため、まずは必要なマニュアルの目次を作成し、統一した書式(様式)を整えることが望まれる。また、データで確認すれば良い内容と、緊急時対応等その場で速やかに確認する必要があるマニュアルを分類し、視覚的な工夫等も含め、活用しやすい内容とすることが求められる。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や子ども・保護者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
子どもの権利擁護を基本とし、職員へ周知及び理解を深める取り組みをしている
「目黒若葉寮は出会いと支え合いを大切にし、人と社会をつなぎます」を施設理念とし、「子どもの権利擁護」を基本とした施設運営をしていくことを周知している。理念、基本方針は、事業計画書、園パンフレット、ホームページの他に各ホーム及び事務所に掲示し、いつでも職員が確認できるようにしている。職員ひとり一人が施設理念、基本方針に沿った支援を行うことを、全体会議等を通して求めている。子ども及び家族には、入所時に入所のしおりで、施設理念、基本方針を説明し理解してもらっている。
施設長は全体会議等で、施設が目指すべき方向性と社会情勢等を伝えている
施設長から月2回の全職員対象の全体会議で、冒頭で施設の目指すべき方向性と現状の課題や職員の働き方のアドバイス、子どもの権利擁護、直近で起こった事件事故等の社会情勢に関することまで、職員に留意してほしいことを伝えている。今年度の事業計画重点項目として、①組織活動の仕組化②子どもの養育と権利擁護③人材育成④社会情勢の把握と事業内容の見直し⑤コロナ禍での事業継続を揚げて、子どもへの支援向上を目指す取り組みを示している。
副主任会議で意思決定しているが、手順が不明確との意見があり再確認と周知を望みたい
今年度の重点項目として、「組織活動の仕組化」を揚げ、「職員の主体性をさらに強化させるべく、提案型の会議になるよう会議の内容・機能について明確化させる」ことを目指している。提案型会議の仕組みとして、各ホームや各委員会からの提案は、月2回開催され各ホーム長で構成する副主任会議で検討されている。職員自己評価で、「意思決定の手順が不明確」「会議のあり方を今一度確認する必要がある」との意見があり、再確認して周知を望みたい。また、主任会議の位置づけが明確になるよう、会議体の体系図に明示を望みたい。