評価結果

サービス項目中心の評価

基本情報

【事業所名称】

ふーぷ

【サービス種別】

生活介護

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1) ご利用される方々の思いを大切に「幸せ」だと感じられるような支援
2) 柔軟で自由な発想と創造性を発揮し、より豊かな暮らしを実現
3) 共に支え合い、人とのつながりを大切にできる社会となるようにつとめる 
4) 質の高い支援をするために、人として成長できる「学び」をしつづける

職員に求めている人材像や役割

自ら考え行動する力をもつ。多角的に物事をとらえる視点と、周囲との連携・協調の姿勢を持つ。                     自らを高めるための学びの姿勢を持つ。                                                          個々の利用者の特性等を理解し、共感的態度をもって支援を行い、利用者の豊かな地域生活を支える。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

法人の理念を理解し、利用者の方の生活を支援していく。 常に自身の行動やあり方を振り返りながら支援を行う姿勢を忘れない。またチームで支援していることを忘れず周囲への意識や配慮をもって業務に取り組む。

全体の評価講評

特によいと思う点

ふーぷは強度行動障害を含む重度の方が多く利用する生活介護事業所であるが、生産活動を中心に置いた日中活動の場を提供してきている。焼き菓子の製造・販売や紙すき・内職仕事等の2つの部門があり、やってみたい仕事や状態に合った仕事を選び、取り組めるようにしている。作業の進め方が分かりやすいように絵カード等も個々に工夫して提供し、それぞれが主体的に能力を発揮できるように支援している。平均2千円弱の工賃や賞与も支給し、働いて得たお金を貯金したり、好きなことに使ったりする喜びも得られている。

利用者一人ひとりの特性に応じた日中活動を提供することはもとより、過ごす環境も個別の特性に応じて調整されており、配慮が見られる。スペースの区切り方もそれぞれに異なり、他の利用者との距離感や、視線を遮る程度等を、ラティス等の資材を活用することで調整している。身体状況も考慮して、動きやすいように配慮し、できるだけ本人の望む環境に近づけるように工夫している。強度行動障害の方には一日を通して同じ職員が対応することにより、安心し落ち着いて過ごせるようにする等、人的環境にも配慮している。

土曜日を利用して月1、2回、計画的に外出等の活動をおこなっている。声かけが可能な方には出欠表を配布し、希望に応じて参加してもらっている。内容は利用者の意見を聞いて、皆で話しながら決めており、意見を表明する方は比較的軽度な方が中心となるが、水族館に行きたい、パンケーキ屋さんに行きたい、といった希望が出て、実現させている。フープ内でも、おやつ作りや映画鑑賞等をおこなっており、利用者の様子を見て観る映画を変える等、できるだけ皆が興味を持って参加できるように工夫している。

さらなる改善が望まれる点

虐待防止や感染症対策、BCPを含む災害対策、消防計画、火災対応マニュアル、洪水土砂災害避難確保計画、リスク対応マニュアル等が「ふーぷスタッフマニュアル」として一冊にまとめられている。インデックスで分けられているが、中には利用者の個別対応マニュアルも綴じられており、書類の体系化が必要と思われる。また、改訂した箇所が分かる工夫や、更新した日付けの明記等により、誰もが活用しやすいマニュアルとしていくことが期待される。

日々の支援において、利用者一人ひとりを尊重し、落ち着いて過ごせるように個別に配慮をおこなう等、利用者本位の支援に継続的に取り組んでいる。一方で、時として利用者の前で支援方法について職員間で指摘し合ったり、他の利用者の支援方法について打ち合わせるといった場面も見受けられるようである。利用者が内容を理解できるかどうかは別として、職員間の会話のトーン等も利用者に影響するため、人的環境を整えることの大切さを今一度職員間で共有し、理解を深めていく取り組みが期待される。

事業者が特に力を入れている取り組み

サービス開始にあたり、相談支援事業所をはじめ、特別支援学校や放課後等デイサービス事業所、グループホーム等の関係機関から情報収集をして利用者の特徴を把握している。従前での支援内容、例えば誘導の際や失敗した際の声かけの方法等を確認し、そのうえで事業所としての対応を検討しており、注意をひくための行動へのアプローチ方法等を個別支援計画に落とし込み支援している。落ち着いていた利用者が家でも事業所でも調子が悪くなった際は、家族と協議のうえ送迎車を別便にする等、支援方法を速やかに見直している。

複写式のサービス利用記録を家族との連絡帳として活用しており、昨日から今朝の家庭での様子や、事業所での様子、連絡事項などのやり取りをしている。また、毎月発行する広報誌「ふーぷ通信」は、家族等の意向を取り入れて、職員が受講した虐待防止研修の報告を掲載したり、利用者の活動の様子や今月予定等について写真を多様して伝えており、利用者の活き活きとした表情が特徴的である。利用者や保護者からの評判も良いとのことで、丁寧な情報提供がおこなわれている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:登録利用者全員(事業所と協議の上、長期欠席者及び入院中の利用者を除く)
  • 調査方法:聞き取り方式  
    個別聞き取り調査
  • 有効回答者数/利用者総数:18/25(回答率 72.0% )

利用者総数25名中、18名から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「事業所での活動は楽しいか」「利用者は困ったときに支援を受けているか」「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」「利用者の気持ちを尊重した対応がされているか」などがあげられる。総合的な満足度では、9名が「大変満足」6名が「満足」の回答であった。とても大好き、ふーぷと平和の家の作業がすごく楽しいです、平和の家にずーっといるよりふーぷで仕事する事が楽しいです、などがあがっている。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 15名 (83%)
どちらともいえない 1名 (6%)
いいえ 1名 (6%)
無回答・非該当 1名 (6%)

15名が利用者は困ったときに支援を受けていると回答している。困ったことない、すぐに自分のところに来てくれる、細かいところに気が付いてほしい、などがあがっている。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 13名 (72%)
どちらともいえない 1名 (6%)
無回答・非該当 4名 (22%)

13名が事業所の設備は安心して使えると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。自分で気を付けているから大丈夫、設備がしっかりとしている、汚れている所や階段をどうにかしてほしい、などがあがっている。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 13名 (72%)
どちらともいえない 1名 (6%)
無回答・非該当 4名 (22%)

13名が利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。楽しい、他利用者と会話をしないためわからない、などがあがっている。

4.【生活介護】
事業所での活動は楽しいか

はい 17名 (94%)
無回答・非該当 1名 (6%)

17名が事業所での活動は楽しいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。活動が楽しい、クッキーやパウンドケーキが楽しいです、などがあがっている。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 13名 (72%)
どちらともいえない 3名 (17%)
無回答・非該当 2名 (11%)

13名が事業所内の清掃、整理整頓は行き届いていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。とっても元気に「ハイ」と言ってくれました、ホコリとかがあるため、などがあがっている。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 13名 (72%)
どちらともいえない 2名 (11%)
無回答・非該当 3名 (17%)

13名が職員の接遇・態度は適切と回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。優しい、活動でダメって言われることもある、などがあがっている。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 15名 (83%)
無回答・非該当 3名 (17%)

15名が病気やけがをした際の職員の対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。信頼している、通院とかに行ってくれる時がある、「職員好き」と答える、などがあがっている。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 10名 (56%)
どちらともいえない 1名 (6%)
無回答・非該当 7名 (39%)

10名が利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。仲間外れはダメだからダメなものはダメって言われている、僕が見たところトラブルはない、信頼している、けんかしない、などがあがっている。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 14名 (78%)
どちらともいえない 1名 (6%)
無回答・非該当 3名 (17%)

14名が利用者の気持ちを尊重した対応がされていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。大事にしてくれて大好き、していると思う、などがあがっている。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 13名 (72%)
無回答・非該当 5名 (28%)

13名が利用者のプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。秘密はない、守っていると思う、などがあがっている。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 10名 (56%)
どちらともいえない 2名 (11%)
無回答・非該当 6名 (33%)

10名が個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。体操が好き、する時もあればしない時もあるため、分からない、などがあがっている。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 9名 (50%)
無回答・非該当 9名 (50%)

9名がサービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。分かりやすい、との回答があった。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 12名 (67%)
無回答・非該当 6名 (33%)

12名が利用者の不満や要望は対応されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。ちゃんと対応してくれる、嫌な事はなくこうしたいという事もない、などがあがっている。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 6名 (33%)
どちらともいえない 2名 (11%)
いいえ 3名 (17%)
無回答・非該当 7名 (39%)

6名が外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられていると回答している。第三者委員知っているし会ったことある、伝えてくれる、知らない忘れちゃった、などがあがっている。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
ふーぷ通信、ウエブサイトでは利用者の楽しげな表情の写真を活用し情報発信している

ふーぷは、受注作業や野菜栽培・収穫、木工や手芸等を行うクラスト部門、パンやクッキー・パウンドケーキなどを作るケーキ部門(ふれんず)で構成されており、余暇活動含めた利用者の活動の様子等は、写真を活用しながらウエブサイトで広く都民に発信している。一方でスマートフォン等を所持している利用者もいるが、家族を含め多くの利用者は紙媒体での情報提供を望んでおり、毎月発行する広報誌「ふーぷ通信」で活動の様子や予定等を伝えている。家族の要望により、通信に職員研修報告を掲載するなどの取り組みもおこなっている。

設立20周年記念誌やパンフレットを関係各所に配布し、取り組みを伝えている

ふーぷは今年度設立20周年を迎え、今までの活動をまとめた記念誌を作成し、利用者や関係各所に配布して感謝の意を伝えており、自身が写った写真を見ながら喜ぶ利用者が多いとのことである。また、パンフレットは法人内の他事業所とデザインを統一して数年前にリニューアルをしており、特別支援学校や保護者、相談支援事業所等の関係機関からは法人の取り組み等が分かりやすいとの評判を得ている。その他、特別支援学校の説明会への参加や、年1回行政に事業所の案内を持参して事業所の状況等の説明をおこなっている。

障害の程度にこだわらず、要望に応じて幅広く見学者を受け入れている

相談支援事業所、本人、保護者等から問い合わせがあり、重度心身障害者、強度行動障害等を抱える人、軽度の障害者まで幅広く見学を受け入れているが、送迎のニーズが高く、市内は広域であるなどの事情から場所によっては受入が難しいことをあらかじめ伝えている。新卒の利用者については、特別支援学校の2年生の夏休みに1日から2日間の実習をおこなって障害の特徴等を確認しており、声が出てしまう等の特性がある場合は、他の利用者と通所調整をおこなうことで、相互に負担がかからないよう配慮している。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
他の生活介護、放課後等デイサービスとの併用等、個々のニーズに応じて受入れている

法人内の「八王子平和の家」の生活介護を利用している方が「ふーぷ」の生活介護を併用して利用するなど、個々の要望やニーズに応じて受け入れており、日頃より平和の家の職員と利用者の様子等を情報共有をしたうえで、支援体制を組み立てている。また、実習時には特別支援学校の教諭が学校で使用している計算、迷路、書き取り等のプリントを用意し、具体的な支援方法について情報共有がおこなわれた。契約時には本人と家族に契約書及び重要事項説明書の説明、別紙で参加したい活動について意向を確認している。

1週間程度は様子を観察し、作業内容が利用者に合っているか確認している

実習時より係長が中心になり新規利用者の受入対応をしており、利用者の障害特性に応じて、例えば強度行動障害がある利用者については1日同じ職員が対応する等の配慮をしている。利用初日は利用者全員に紹介はするが歓迎会等は行わず、利用者への刺激を軽減するとともに、障害特性に応じて席の工夫をしている。1週間程度は少しずつ関わりながら利用者の様子を観察しており、提供した仕事の進み具合や仕上がりを確認して、作業内容が利用者にあっているか、職員間で検討をおこなっている。

長期欠席者には相談支援事業所と連携し、定期的に状況確認している

20名定員に対し、現在24名の利用者が登録しているが、利用者本人や親の高齢化等により、通所が困難になったり、長期入院やショートステイの利用等で約4名の利用者が長期欠席状態となっている。長期欠席者には定期的に電話で状況等を確認しているが、福祉サービスを終了することには不安を感じているため、相談支援事業所と連携して状況を見守っている。昨年度は死亡により1名が退所となったが、他事業所との併用利用者も増えており、利用実績の低下がみられている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
「意向調査」による意向の確認、関係者による「移行支援会議」で支援内容を検討する

入所前に意向調査をおこなって本人と家族の要望を確認しており、そのうえで係長、保護者、相談支援事業所、特別支援学校の教諭が参加する「移行支援会議」で、例えば注意をひくための行動等、利用者の特性を確認し、事業所の対応について検討している。フェイスシート、アセスメントシートについては、コロナ禍以前は家族と面談をして作成していたが、現在は家族が記載しており、アセスメントシートの健康医療、日常生活、コミュニケーション、社会生活技能、日中活動、社会参加、家族支援、その他の8項目から優先順位を定めている。

利用者向けの個別支援計画を作成し、分かりやすい目標を設定して相互に確認している

個別支援計画には、それぞれの項目ごとにアセスメントから導き出される課題を記載しており、全体の援助計画を設定し、各分野の課題を明確にしている。そのうえで、課題、長期目標、短期目標、支援内容を示した計画を作成しており、特に支援内容については利用者の特性等を踏まえたうえで、事業所として支援していく内容を明記している。利用者向けの個別支援計画は、目標について、例えばおだやかな気持ちで毎日過ごせるようにしましょう等のわかりやすい目標を設定し、支援方法等にルビを振って本人に説明しており、サインをもらっている。

毎月及び半年後に個別支援計画の総括をおこない支援内容の見直しにつなげている

モニタリング報告書は、日々の記録から月の様子をまとめており、特に支援目標にかかわる記録を抜き出して個別支援計画の実施状況の総括をおこなうとともに、利用者の具体的な状況や変化について6か月のまとめを作成し、次期の支援計画の修正箇所や、どのような支援や条件が必要かなど留意点を記載している。作業日誌に利用者ごとの職員とのやり取りや行動を客観的に記録しており、特に強度行動障害の利用者については職員の関わり方による利用者の行動の変化等、詳細に記録し、具体的支援内容を検討する際に活用している。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
一人ひとりの真のニーズの把握に努め、個別性の高い支援をおこなっている

ふーぷでは、重度の方も受け入れている中、それぞれの利用者ができるだけ安心して通えるように配慮している。納会の日など普段と異なるスケジュールで動く日には、行き先の写真や活動のイメージを想起させるイラストを入れた案内を作成し、個別に必要な人に渡し、見通しを持って安心して参加できるように援助している。長期欠席の方などは定期的に電話連絡を行う等しており、利用者の生活に寄り添い、福祉サービスとの繋がりが切れないように留意している。排泄支援等 身体状況の変化への対応も濃やかにおこなっている。

利用者間の関わりやスタッフとのやり取り等、その人に応じた関係づくりを支援している

日々の作業記録は利用者個別の日誌となっており、他の利用者との関わりについても記述している。アセスメントに基づいて、手が出てしまう可能性等も記載し、予防的な対応に繋げている。スタッフとの言葉のやり取りや、将棋をたしなむ等、コミュニケーションを楽しむ方に対しては、その方に応じて時間があれば将棋に誘う等の対応をしている。連絡帳とは別に交換日記をスタッフとやり取りしている方もいる。ネガティブな思考になりがちな利用者が、環境が整い落ち着いて過ごせるようになり、好きなこと等、明るい話ができるようになった事例もある。

手話など一人ひとりの利用者に合った意思の伝達手段を把握し、実践している

職員の中に手話を学んでいる人が2名おり、聴覚障害のある方などには手話も用いて対話をしており、手話を知らない利用者も、繰り返しおこなっているうちに覚えて意向発信に活用している。個々の利用者が使用しているハンドサインを観察し、使用することもある。聴覚障害に限らず、それぞれの利用者の意向発信の方法を把握するよう努め、一人ひとりに合った形でのコミュニケーション方法を模索し、実践している。

2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
  • 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
  • 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っている事業所のみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
作業スペースは、仕切りやソファ等でそれぞれが過ごしやすいように個別に配慮している

利用者の席はそれぞれの特性に応じて環境を工夫している。自分のエリアがほしい方には仕切りを設置して構造化を図っており、仕切りにラティスを採用することで、死角にならずに周囲の視線を遮ることができている。エリア内には机と椅子を置いて作業スペースをつくっているケースが多いが、思い思いの物を飾ったり、ソファや布団を入れて横になれるようにする等、一人ひとりに応じて過ごしやすい工夫がされている。温度管理については個々の体感温度に応じて、エアコンの風が直接当たらないようにしたり、ブランケットを貸し出す等の対応をしている。

土曜日に外出やおやつ作り等の活動を実施し、仲間と共にいろいろな体験ができている

土曜日に月1、2回、活動の日を設けている。男女別の外出と、ふーぷ内での合同活動とがあり、年間計画を立てて実施している。本年度は科学館、ひまわり畑、展覧会等に出かけ、科学館へ行った後は牧場でアイスを食べたり、展覧会の後にはファミリーレストランで食事をする等、複数の内容を組み合わせて充実した一日となるようにしている。ふーぷ内では石鹸作り、ピザ作り、カボチャのおやつ作り、映画鑑賞等をおこなっている。ピザ作りの日には順番に1階の工房でピザを作ったあと、それぞれにのんびり過ごしながら自作のピザを食べる時間を持った。

主菜以外は手作りの食事を提供し、可能な範囲で嗜好に合わせた個別対応も実施している

食事はチルドの主菜を温めるほか、ご飯・味噌汁・デザートのゼリーを手作りして提供している。チルドの食事が口に合わない方には、冷凍食品で代替したり、白米が苦手な方にはチャーハンを用意する等、できる範囲での個別対応もおこなっている。食事は基本的に弁当箱に詰めて提供しているが、弁当箱では食べづらい方にはお皿に載せている。身体状況や体調に応じて、刻み等の個別対応もおこなっている。月2回、炊き込みご飯の日を設け、1日は麺類の日とし、献立にも変化をつけている。

3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
健康に関する情報を定期的に更新し、一人ひとりの健康状態を把握している

「緊急時連絡リスト(ヘルプカード)」を作成し、服薬状況や既往歴、支援のポイントを記載し、定期的に更新することで、利用者の健康状態や支援内容を把握している。通所時には自宅で検温して連絡帳に記載してもらっており、顔色や様子等からも体調の変化を捉えるようにしている。血圧が高めの方など、特に配慮を要する方については、調子が良くない様子が見られた場合にはバイタル測定をおこない確認している。新型コロナウイルス感染症の流行期には、肺炎になりやすい方や、元気がない方等を対象に、酸素飽和度の測定を実施していた。

医師や看護師、家族、入所先の職員と連携し、利用者の健康維持を支援している

非常勤の看護師が月1回、半日来所しており、その日に通所している利用者について、気になる点を中心に見てもらっている。巻き爪等があれば爪の切り方のアドバイスをもらったり、尿酸値が上昇傾向にある方等、健康状態で気になることがあれば、食事など気を付けた方が良い点について助言を得ている。利用者が通院した際には、医師の見立て等について家族からの情報提供を依頼し、できるだけ情報を得て、事業所でも必要な配慮ができるように努めている。発作のある方についても、家族や入所先の職員と連携し、医師の指示を仰ぎながら対応している。

薬のセットや服薬状況のチェックは複数体制で実施し、ミスを防ぐ工夫もしている

利用者の薬を預かる場合には、所定の服薬ボックスに入れて保管している。ボックス内には名前と顔写真を表示し、頓服薬の使用基準等を記しており、薬をセットする時は2名の職員が確認し合いながらおこなっている。「目薬 済」等の札を作成して、服薬状況が分かるような工夫もされていた。室内のボードにも、利用者の名前と薬の写真をあわせて掲示し、飲み忘れ等の防止を図っている。飲み薬を飲んだかどうかの最終チェックも2名体制で実施し、空の薬袋は家族に返却している。

4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
「ふーぷ通信」や送迎時の対応等で、家族との信頼関係の構築を図っている

毎月家族に送付している「ふーぷ通信」はカラー刷りで、利用者の活動スケジュールや写真、職員が受講した研修内容、研修報告等を記載している。利用者の写真は畑での作業や誕生祝い等、活動の様子が分かるもので、キャプションも添えられ、全体的にユーモアがあり明るい紙面となっている。家族からも楽しみにしているとの声が挙がっており、事業所と家族とを繋ぐコミュニケーションツールの一つとなっている。送迎時に家族と顔を合わせる際などにも、何かあれば家族が気軽に相談できるように、良好な関係性の構築に留意している。

コロナ禍で中止となっていた保護者会や個人面談を順次再開する予定としている

日々のサービス利用記録は連絡帳も兼ねている。ふーぷでの個別の利用者の様子や連絡事項(家族に聞きたいこと等)を記載し、家族からも、前日から通所当日の朝までの家庭での様子や連絡事項等を書いてもらう欄を設けている。コロナ禍で保護者会や個人面談をストップしていたが、本年度10月末から保護者会、その後に個人面談も、順次再開していく予定である。本年度は事業所開設20周年にあたるため、保護者会では例年の事業報告・事業計画の伝達に加えて、20年間の歩みを振り返る内容も計画している。

毎年の意向調査により本人や家族のニーズの把握に繋げ、情報提供等をおこなっている

毎年、年度替わりのタイミングで意向調査を実施しており、本人や家族のニーズを把握する一助としている。生活基盤について、家庭での生活が難しくなってきた場合には、必要に応じてグループホームの情報を提供する等の支援をおこなっている。相談支援事業所が入っていないケースも一定数あるため、事業所からの情報提供の重要性が高くなっている。外部からグループホーム入居者募集の案内や、市内のグループホームの空き状況等の情報が届いた場合にも、家族に提供することで参考にしてもらっている。

5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
畑を借りて野菜を栽培し、収穫したものを味噌汁等に料理して味わっている

地域で畑を借り、野菜の栽培をおこなっている。スタッフが常駐していて苗の準備や栽培方法の伝授をしてくれるサービスを利用しているため、それ程負担なく栽培活動ができている。利用者は重度の方が多いため、本格的な農作業をする場面はほとんどないが、ちょっとした楽しみの一つとして関わっており、外で土に触れたり、収穫したりといったひとときは気分転換にもなっている。収穫した野菜は味噌汁や浅漬けにして昼食の一品として提供し、皆で育てた野菜を味わう機会となっている。

サークル活動の情報を提供したり、機会を創出して、利用者が参加できるようにしている

市民センターを活用し、ふーぷ独自でフラダンスの講師を呼び、教室を開催しており、希望する利用者が参加している。他に、手話ダンス、体操、折り紙教室などの機会があり、職員が情報を収集して利用者に提供することで、興味のある方が参加している。手話ダンスは3月に市民センターで発表の機会もあり、ふーぷとして参加し、練習の成果を披露する予定となっている。利用者ができるだけ多様な活動に参加できるように、地域のサークル活動やボランティアの情報を職員が収集し、機会を提供している。

6.【生活介護】日常生活上の支援や生活する力の維持・向上のための支援を行っている
  • 一人ひとりの目的に応じた創作的活動、生産活動やその他の活動の支援を行っている
  • 自分でできることは自分で行えるよう働きかけている
  • 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
  • 【工賃を支払っている事業所のみ】
    工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
【講評】
焼き菓子の製造部門や受注作業の部門、自主生産品等、多用な活動が用意されている

事業所1階にはパウンドケーキやクッキー、パン等の製造をおこなうケーキ部門があり、毎週1回、道の駅に納品に行っている。2階にはクラフト部門があり、紙すきや内職等の受注作業のほか、刺し子のポーチ、リリアン編みのチャームを付けたヘアゴムやブレスレット、木製フレームの飾り物、マグネット等の自主生産品も作成している。自主生産品は基本的に納期がなく、本人が納得いくまで取り組んでもらい、職人としての拘りも尊重している。現在20周年の記念品としてマグネットを作成中であり、土台となる木を切り抜き、磨く作業等を進めている。

工賃について利用開始時に書面を渡して説明し、毎月の明細で詳細を知らせている

「工賃支払い基準」に基づいて、日当と出勤日数で計算し、それぞれの作業内容・作業時間に応じた工賃を支給し、4月には賞与も支給している。利用開始時に工賃の決まりを各利用者に配布し、月々の支払い時に明細を渡すことで確認できるようにしている。平均工賃は月2千円弱となっており、やりたいことのために貯金している方や、買い物など好きなことに使っている方もおり、それぞれの楽しみや生活の充実につながっている様子がうかがえた。

準備などに時間がかかっても、それぞれの望む形で食事を摂れるように支援している

食事についてはフロア毎に作業の進捗が異なるため、1階は12時過ぎから、2階は11時半頃から準備を開始している。自分なりの準備をおこなう方もいるため、一斉に始めるのではなく、概ね13時頃までに食べ終われば良いとして、それぞれの利用者が準備のできた段階で食べ始めてもらっている。食事介助については基本的にはおこなわないが、最後の一掬いなど、必要なところに限定して「手伝いましょうか」などの声かけをし、本人が望んだら手伝っている。何かをしながら食べる方もおり、それぞれのペースで食べてもらっている。

【講評】
個人情報の取り扱いの説明後、「写真等の使用に関する同意書」へのサインを得ている

契約時に個人情報の取り扱いについて説明しており、ふーぷ通信、ウエブサイトとブログ等への掲載、パンフレットなど外部向けの配布物への掲載、イベントなどで展示・配布するパン等への掲載、法人が作成する印刷物への掲載など、一つずつ写真・画像、氏名について確認したうえで、「写真等の使用に関する同意書」へのサインを得ている。また、日常的に作業場で利用者の話をしないこと等の注意喚起を図っており、申し送り等も小さな声でおこなうなど、利用者に聞こえないよう配慮している。

健康上の生活習慣には看護師から食べ物や睡眠、運動等の助言がなされている

タバコを吸う利用者もいるが特に禁煙を強制することはなく、喫煙室を設けて喫煙できる環境を整えている。一方で尿酸値が高い、血圧が高い等、健康状態に課題を抱える利用者には、看護師から食べ物や睡眠、運動等の具体的な助言がなされており、必要に応じて家族やグループホームと情報共有を行い、食事の配慮をしている。また、排泄に介助が必要な利用者には同性介助を行うとともに、こだわりが強い利用者には専用のトイレを設置して自身のペースで使用できるようにするなど、利用者特性に応じた対応をとっている。

行動の裏にある利用者の不快感や原因を職員間で検討し、対応している

利用者の障害特性を考慮し、活動への参加意思の確認をしており、作業にのれない場合等、無理に促すのではなく、自身がリラックスできる場所で休めるようにしたり、人目につなかいよう衝立等を活用してスペースをつくり、一人になれる環境をつくっている。また、言葉でのコミュニケーションが困難な利用者の場合、なぜ、そのような行動になったのかといった視点に基づき、表面的な行動の裏にある利用者の不快感や原因を職員間で検討し、対応することを支援方針としている。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
事業所運営の基本となる「ふーぷスタッフマニュアル」が整備されている

事業所運営の基本となる「ふーぷスタッフマニュアル」が整備されており、支援活動、記録、保健衛生、安全防災、事務労務のインデックスにもとづいて、虐待防止や感染症対策、BCPを含む災害対策、消防計画、火災対応マニュアル、洪水土砂災害避難確保計画、リスク対応マニュアル等が一冊にまとめられている。また、送迎に関わる「運行管理マニュアル」があり、送迎車に常設し、いつでも確認できるようにしている。また、強度行動障害の利用者には、支援手順書に基づいた記録をおこない、支援の見直し等につなげている。

1か月分の情報をまとめて全職員が確認する等、情報共有の工夫をしている

常勤職員6人、非常勤職員8人の組織であり、スタッフの入れ替えや経験値等から、情報の共有について課題が生じるときもあり、以前よりさまざまな工夫をして情報共有強化を図ってきた。現在は必ず確認すべき情報について、1か月分をまとめてスタッフルームに設置し、確認した職員はサインをする仕組みを整えた。面談の記録、配布されたプリント、研修報告書、ヒヤリハット、事故報告書等は共有フォルダで管理しており、全職員がパソコンで確認できるように整備をしている。また、ラインワークスで手順書の活用ができるよう検討を進めている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2023年6月19日~2024年2月17日

【評価者修了者No】

H0201062,H0301076

評価結果のダウンロード

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