評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

社会福祉法人浴風会

【サービス種別】

指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)地域との協働と社会貢献
2)利用者中心のサービスの提供
3)専門職の連携を活かした職場づくり
4)安定的な経営基盤の確保
5)浴風会介護老人福祉施設のサービス指針によるサービスの提供

職員に求めている人材像や役割

職員間(同一職種、他職種)が協働・連携し、ご利用者の尊厳を損なわないサービスマナーを身に付け、ご利用者の有する能力を生かす介護スキルを持ってチームとして統一したサービスを提供することができる。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

浴風会の基本理念に基づいた、サービスの提供。

全体の評価講評

特によいと思う点

従来型の大規模施設として、その規模を活かした大掛かりなイベントや取り組みも充実していますが、その中で個々の利用者にスポットを当てた個別のケアも大切にしています。個別の希望にも職員配置や業務時間を臨機応変に工夫し、柔軟に対応しています。構内の散歩や売店への買い物の付き添いをはじめ、個別の特別な事情による外出にも感染症対策を講じて支援しています。月毎の施設全体での誕生会では特別食と選択おやつが提供されますが、これとは別に個々の誕生日に当人だけにプチケーキとメッセージカードをお膳に添えています。

口腔ケア委員会は歯科医師と歯科衛生士を含めた多職種により構成され、利用者個々の口腔ケア方法や状態に合わせた食事形態の検討、介助方法等を話し合っています。歯科医師による定期研修や勉強会の開催、歯科衛生士による直接指導により、知識と技術を学ぶ機会を設け、職員の口腔ケアのスキルアップを図っています。また、個別のケア方法を図解した「口腔ケアプレート」の活用により統一したケアを実施している他、嚥下機能の低下がみられる利用者を対象に「口腔維持に関わる記録」を活用したケア方法の検討等、様々な取り組みを行っています。

昨年度は16人の利用者に対して施設での看取りを行い、今年度は12月時点で14人を看取りました。利用者の高齢化と虚弱化が進んでおり、今後も減少することは予想しがたい状況です。エンゼルケアと呼ぶ逝去時のケアについて専門家の指導の下でマニュアルや道具類の準備を整えました。また、今年度から法人病院の副院長とサービス課長、主任看護師等で構成する看取り推進小委員会もスタートさせました。関わる職員へのケアも実施しています。

さらなる改善が望まれる点

コロナ禍にあっても、法人研修企画部主催の新任職員研修、階層別研修共に対象職員が全員参加で対面式により実施しました。特養3施設共同の入職時研修の他、中途採用職員研修やフォロアップ研修も同様です。業界団体等で開催の研修はコロナ禍ではリモートによる研修が主体でした。現在は対面式による研修も増えてきています。施設長室横の掲示板にはパンフレット等を掲示し職員に情報を提供しています。職員からの外部研修への参加希望のケースもあります。研修内容習得の拡大を図り職員の質の向上を図る上からも外部研修参加者の増加が望まれます。

利用者の高齢化に伴い職員の負担も増加し腰痛やストレスなど健康面での課題が増えています。産業医との連携を密にし職員の負担軽減に努めました。定期健康診断(夜勤者は年2回)を実施していますが、その結果、要検査、要治療と診断された場合には産業医が対処法を対象者に送り治療を促進することにしました。また、職場を巡回し事務所内の器物の配置状況をチェックし事故防止のためのアドハイスを受ける等、職場の安全環境の向上にも取り組みました。産業医との連携を更に強化し、職員の健康と共に職場環境の更なる改善が期待されます。

利用者の心に寄り添うサービスを提供するためにサービスマナーの維持・向上は不可欠です。今年度の事業計画でも目標とし、職員は自己の行動をチェックシートにより振り返りを行っています。委員会としてはサービスマナー委員会と虐待防止委員会が担当していましたが、活動内容には重複する点もあり一貫性に欠ける点も見られました。そのため「虐待防止・サービスマナー委員会」に統一し、活動することになりました。これにより利用者の尊厳を維持し統一した不適切マナーの改善・防止を推進することで、サービスマナーの更なる向上が期待されます。

事業者が特に力を入れている取り組み

同一敷地内に特別養護老人ホームが3施設あり同一サービスの質確保及びその向上を図る必要があります。その為、サービス課長を中心にした合同委員会を立ち上げ年間予定を立てて活動しています。各施設では委員会が目標及び具体的活動計画の実施状況を把握し必要があれば見直しをしています。3施設では施設ごとの計画進捗状況を把握し、不具合がある場合には対策し結果の共有により共通のサービス提供を維持しています。必要に応じて計画の見直しも行っています。今年度は共通テーマとして「不適切ケアの防止」を挙げ活動しています。

機能訓練指導員を中心に独自に作成した「動作獲得チェックシート」を活用しています。ベッドから起き上がる時に部分介助または見守りが必要、且つ、場所や日課の理解がある程度可能な利用者を対象に、自力で「できること」をしっかり引き出し活かすことに着目した支援として取り組んでいます。利用者自身がシートをベッドサイドに置き、確認しながら実践するケースもあり、新たに動作を獲得した事例は動画を作成して周知しています。この取り組みは介護現場での実践例として、法人内や外部団体主催の研究発表会で発表し受賞しています。

各種補助金も活用しながら、ICT機器、介護ロボット、福祉用具の導入に力を入れています。古くはベッドからの移乗に用いるスライディングボード等の移乗用具の導入に取組み成果を上げました。インカムやタブレット端末は職員の業務効率の改善に役立ちました。現在は自動体位変換マットの導入にチャレンジ中です。職員が無理に体位変換させる必要がなく、空気圧で安全に変換させるものです。職員の労働環境の改善にも役立つ取組みです。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:利用者調査対象者は入居者全員です。但し、経営層と打ち合わせし次の通りとしました。調査時点の利用者で、1.心身の状況から調査への参加が困難の場合、2.調査当日に入院中、3.調査に同意が得られなかった利用者を除く利用者を対象として調査を行いました。
  • 調査方法:アンケート方式  
    調査対象者にアンケート調査方式で標準調査票により調査しました。
  • 有効回答者数/利用者総数:19/197(回答率 9.6% )

利用者のアンケート調査による満足度結果は回答者19名の内、「大変満足」が4名、「満足」が10名でした。「どちらともいえない」は5名で、「不満」、「大変不満」と「無回答」はありません。この結果より全体的評価として73.7%の利用者(「大満足」と「満足」の合計)が当施設で提供されているサービスに満足と答えています。要介護度から見ると要介護度1は5.3%、要介護度2は5.3%、要介護度3は15.8%、要介護度4以上は73.7%となっています。無回答はなしとなっています。アンケート調査には14の設問があります。このうち、回答「はい」が70%を超える項目は3項目(職員の対応他)、60~70%は7項目(食事介助、必要な介助他)、50~60%は3項目(自分で過ごす他)、50~60%はなし、40~50%は1項目(外部への相談)となっています。

アンケート結果

1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか

はい 12名 (63%)
どちらともいえない 4名 (21%)
いいえ 3名 (16%)

この設問に対する回答は「はい」は63.2%、「どちらともいえない」は21.1%、「いいえ」は15.8%、「無回答」はありません。麺が少ないとのコメントがあります。

2.日常生活で必要な介助を受けているか

はい 13名 (68%)
どちらともいえない 4名 (21%)
無回答・非該当 2名 (11%)

この設問に対する回答は「はい」は68.4%、「どちらともいえない」は21.1%、「いいえ」はありません、「無回答」は10.5%となっています。自分でやっている、人によるとのコメントです。

3.施設の生活はくつろげるか

はい 10名 (53%)
どちらともいえない 4名 (21%)
いいえ 5名 (26%)

この設問に対する回答は「はい」は52.6%、「どちらともいえない」は21.1%、「いいえ」は26.3%、「無回答」はありません。卓球台が欲しいとのコメントです。

4.職員は日常的に、健康状態を気にかけているか

はい 13名 (68%)
どちらともいえない 4名 (21%)
いいえ 1名 (5%)
無回答・非該当 1名 (5%)

この設問に対する回答は「はい」は68.4%、「どちらともいえない」は21.1%、「いいえ」は5.3%、「無回答」は5.3%となっています。人によるとのコメントです。

5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 13名 (68%)
どちらともいえない 4名 (21%)
いいえ 1名 (5%)
無回答・非該当 1名 (5%)

この設問に対する回答は「はい」は68.4%、「どちらともいえない」は21.1%、「いいえ」は5.3%、「無回答」は5.3%となっています。コメントはありません。

6.職員の接遇・態度は適切か

はい 13名 (68%)
どちらともいえない 5名 (26%)
いいえ 1名 (5%)

この設問に対する回答は「はい」は68.4%、「どちらともいえない」は26.3%、「いいえ」は5.3%、「無回答」はありません。コメントはありません。

7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 15名 (79%)
どちらともいえない 1名 (5%)
いいえ 1名 (5%)
無回答・非該当 2名 (11%)

この設問に対する回答は「はい」は78.9%、「どちらともいえない」は5.3%、「いいえ」は5.3%、「無回答」は10.5%となっています。コメントはありません。

8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 14名 (74%)
どちらともいえない 2名 (11%)
いいえ 1名 (5%)
無回答・非該当 2名 (11%)

この設問に対する回答は「はい」は73.7%、「どちらともいえない」は10.5%、「いいえ」は5.3%、「無回答」は10.5%となっています。コメントはありません。

9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 15名 (79%)
どちらともいえない 3名 (16%)
無回答・非該当 1名 (5%)

この設問に対する回答は「はい」は78.9%、「どちらともいえない」は15.8%、「いいえ」はありません、「無回答」は5.3%となっています。コメントはありません。

10.利用者のプライバシーは守られているか

はい 13名 (68%)
どちらともいえない 3名 (16%)
無回答・非該当 3名 (16%)

この設問に対する回答は「はい」は68.4%、「どちらともいえない」は15.8%、「いいえ」はありません、「無回答」は15.8%となっています。コメントはありません。

11.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか

はい 11名 (58%)
どちらともいえない 6名 (32%)
いいえ 1名 (5%)
無回答・非該当 1名 (5%)

この設問に対する回答は「はい」は57.9%、「どちらともいえない」は31.6%、「いいえ」は5.3%、「無回答」は5.3%となっています。コメントはありません。

12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 11名 (58%)
どちらともいえない 6名 (32%)
いいえ 1名 (5%)
無回答・非該当 1名 (5%)

この設問に対する回答は「はい」は57.9%、「どちらともいえない」は31.6%、「いいえ」は5.3%、「無回答」は5.3%となっています。コメントはありません。

13.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 13名 (68%)
どちらともいえない 4名 (21%)
無回答・非該当 2名 (11%)

この設問に対する回答は「はい」は68.4%、「どちらともいえない」は21.1%、「いいえ」はありません、「無回答」は10.5%となっています。コメントはありません。

14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 6名 (32%)
どちらともいえない 3名 (16%)
いいえ 7名 (37%)
無回答・非該当 3名 (16%)

この設問に対する回答は「はい」は31.6%、「どちらともいえない」は15.8%、「いいえ」は36.8%、「無回答」は15.8%となっています。そのようなことはないのではとのコメントです。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
理念・ビジヨンを関係者に周知しています

法人の理念・職員6つの信条と、同一施設内の特別養護老人ホーム3施設共通のサービス指針は施設運営の基本事項であり関係者に周知しています。職員には経営層が全職員対象の研修にて事業計画を直接説明し、更に何時でも閲覧できるようパソコンの共有フォルダーに掲示しています。年度計画を記載した事業案内にも掲載し全職員に配布しています。家族には事業案内及び家族会資料を事前に送付したうえ、全体家族会をリモートで4月に開催し理念や事業計画を周知しました。また利用者にも希望に応じて説明しています。

経営層の職務内容、責任を明確にし職員をリードしています

経営層の任務は業務分掌規程で定められており事業案内や組織図で周知しています。パソコンの共有フォルダーにも掲示され、職員は随時、閲覧も可能です。経営層は事業運営の責任者として経営の安定とサービスの質向上を目指し活動しています。そのため会議で課題がある場合にはいかに対応すべきか等につき職員を指導しアドバイスを行っています。また、苦情処理の責任者でもあり、職員を指導し原因究明と早期解決を図っています。日常業務を通じてリーダーシップを発揮し、職員と共に事業計画の達成に努めています。

事業運営に関する重要事項は合議により決定しています

「サービス経営会議」は施設の意思決定機関です。施設運営要綱により重要な案件は同会議で検討され合議により決定すると定められています。各委員会、フロア等で事業計画推進に対し課題がある場合には同会議に報告し、検討により対策を決定して実施されます。決定事項はリーダー等を通じて各部署に周知され、更にサービス経営会議議事録をパソコンの共有フォルダーにも掲示し周知しています。利用者家族に対しては施設長が送付の「毎月のお知らせ」で決定事項を説明しています。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
施設運営に必要な情報を収集し活用しています

施設を運営するため内部情報に加え行政、業界、地域の動向等に関する情報を多角的に収集しています。内部的には職員や利用者、家族からの要望等を面談や会議、第三者評価のアンケート調査により把握しています。地域の情報は生活相談員が地域のケアマネジャー等との連携を通して把握しています。施設長も地域の特養施設長会議、東社協主催の会議に参加し情報を収集しています。法制の動向も重要で把握に努めています。インターネットや専門誌も情報源です。収集した情報で必要なものは施設の運営に取入れています。

経営の安定化を図るため事業計画を策定しています

経営環境は常に変化しています。この様な中で安定した経営を図るため法人は中期事業計画(3年計画)を策定しています。施設ではこの計画に準拠し最新の情報を分析・検討して当年度の予算編成を含む事業計画を策定しています。各職域、委員会、フロア等はこの計画に従い個別に年間目標と具体的な行動計画を策定し、計画達成に向け活動します。事業計画は事業案内に記載され、職員や利用者家族にも配布されて関係者で情報共有されています。委員会等は活動の計画達成状況をまとめ、事業報告書に記載され報告しています。

経営状況を把握し適切に対応しています

サービス経営会議では、経営層及び各部門のリーダー等が参加し、課題がある場合は多角的な視点から検討したうえ情報共有をしています。活動状況は委員会にて半期ごとに確認し、必要に応じ計画を修正しています。資金収支状況は計画・実績を対比した試算表により把握しています。電気料金の高騰が激しく、経営層より状況を会議で説明し職員の協力を得て節電を図り経費削減に努めています。また、LEDの導入による削減も図る予定です。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
法・規範・倫理の遵守を周知しています

職員は日々、利用者の個人情報に接しています。利用者の尊厳を尊重し法規範や倫理を遵守する事は重要です。新人職員に対しては法人の新人研修時に、中途採用者には当施設で説明を行っています。施設長は随時、各種会議や「パソコン掲示板」により職員の社会的責任等に対する意識の重要性を喚起しています。職員に配布の事業案内にも個人情報保護規程が記載されています。法人としても法令順守推進規程をパソコンの共有フォルダーにアップするとともに、毎年コンプライアンス研修を開催しています。

利用者の意見・要望・苦情に対し迅速に対応しています

生活相談員をはじめ職員が現場で得た利用者からの要望や苦情等は必ず施設長に報告すると共に、迅速に解決策を講じています。施設で解決が困難な場合は法人の「浴風会苦情解決委員会」で対応します。利用者や家族には苦情解決委員会のパンフレット、入所時の重要事項説明書、事業案内等により行政の相談窓口への申し出も出来る旨、説明しています。施設では職員が虐待の芽チェックリストや施設独自のサービスマナーチェックリストを活用し、言葉づかいやサービスマナーについて振り返りを行っています。

施設運営の透明性を維持し地域との協働を進めています

施設の運営には地域の理解と協力が不可欠です。そのため法人会誌「浴風会」や同一敷地内特養3施設の広報誌「南陽家族」(共に季刊)を関係先に配布し、ロビーにも置き持ち帰り自由です。事業報告書、決算報告書等も閲覧可能です。これらの資料はホームページでも公開され透明性の高い情報を広く提供しています。コロナ禍のためボランティアの受け入れは一部を除き中断していましたが分類が5類に移行したのに伴い受入れ再開の検討を進めています。法人でも地域共生社会づくり懇談会を開催し施設長も委員として参加しています。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
リスクマネジメントに積極的に取り組んでいます

今年度は次の二つに重点を置きリスク回避に向け活動しています。一つは電気料金等、物価高騰に対し経営基盤へのリスク回避による安定化を図ることです。会議で職員に具体的に施設運営への影響を資料で説明し理解を得て節電に努めました。LEDの導入も予定しています。二つ目は「不適切なケアと虐待の防止」です。各委員会と共にサービス経営会議でも随時、リスクを把握し適切に対処しています。虐待やハラスメントについては事実確認、原因究明により再発防止に努めています。

自然災害や感染症の発生に備え事業継続計画(BCP)を策定しています

万一の災害や大きな事故等に備えて事業継続計画を策定し利用者の安全確保に努めています。施設を取り巻く災害の内容については区が作成したハザードマップ等で確認しています。また、防災用品、備蓄食料の確保を行うと共に定期的に確認作業を実施しています。防災訓練も毎月行い、職員の対応力の維持を図っています。新型コロナウイルス感染症の発生に伴い感染症対策のための事業継続計画も追加で策定しました。いずれの事業継続計画も必要に応じて随時、更新しています。

情報は適切に管理・運用されています

利用者へのサービス提供情報は大量、且つ、多種類に及んでいます。情報はその内容・種類により共有フォルダーごとに分類され利用されています。誰もが全ての情報を閲覧できるわけではなく、人事、給与、経理情報等はパスワードが設定され、所定の管理者以外はアクセス出来ません。このようにアクセス権を制限する事で情報を適切に管理しています。また、紙媒体の情報は法人の文書取扱規程により管理しています。広報誌等への利用者の写真掲載については家族に可否を確認し個人情報保護を図っています。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
法人には契約職員の正職員への登用制度があります

介護業界における人材不足は深刻です。法人では人材確保対策推進本部を設置し、新卒者とともに正職員の中途採用も行っています。大学や専門学校への訪問、実習生への説明やホームページの内容充実により人材確保に取組み、傘下の施設に新卒者等を配属しています。また、中途採用の契約職員及び派遣職員出た場合には、施設独自採用を行っています。法人には契約職員の正職員への登用制度があり、昨年度は3名を登用しました。今後は外国人の採用も視野に人材確保に取り組んでいます。

職員の質の向上に取り組んでいます

利用者に質の高い介護サービスを提供するため、職員研修を重視しています。法人では研修機関を設置し階層別研修体系(キャリアパス)を整備しています。新人研修、フォローアップ研修、中堅職員等の5つのカテゴリーで構成され、職員には各コースの受講と受講後の報告書の提出が義務付けられています。単に知識を習得するだけでなく改善活動を推進し、その結果を内部や外部団体の研究発表会に参加する等で職員の質の向上に努めています。この内部研修だけでなく外部の研修に参加する事もあります。

東京都の働きやすい福祉の職場宣言事業所となっています

人事考課により職員は自己目標を設定して活動し、その結果は賞与に反映されています。勤務は完全週休2日制で、法人独自のリフレッシュ休暇等を導入しています。資格取得用費用の補助制度、保育所の設置、産休後の職場復帰も制度化されています。職員は年に1回の定期健診(夜勤者は2回)と腰痛健診を年2回行い、その結果を基に産業医とも連携し健康管理に努めています。教育、福祉、健康を含め総合的に職員が働きやすい職場づくりに努めており、東京都の働きやすい福祉の職場宣言事業所となっています。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

人材確保に継続して取り組んでいます。昨年度は正職員7名が退職しました。利用者に対する質の良いサービスを安定的に提供するためには人材の確保は欠かせません。法人には人材確保対策推進本部が設置されおり、中期的な視点で職員の採用活動を行っています。各施設の実習担当者とサービス課長が専門学校や福祉科のある高校を訪問し施設の概要説明を行いました。ホームページを充実し本部のケアスクールの受講生に対する募集の説明も行っています。施設としては中途採用者の確保に取り組みました。以上の活動の結果、昨年度は正式職員の配置は6名(新卒1名、ホームページによる応募者1名、登用制度による採用2名、その他2名)でした。新卒者だけでは欠員補充は出来ない為、施設としても派遣会社との連携も含め様々な取り組みを行いました。職員採用に関する問い合わせも増加しています。ホームページ経由の採用も徐々に増えています。本年度は2名の新卒(高校・専門学校)が採用となりました。今後共、本部と連携し新卒者の確保に努めると共に、施設としても派遣職員から契約職員への切り替え、登用制度の活用等を通して一人でも多くの人材確保に努めることにしています。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

介護人材確保が困難の中で人材確保に向けた活動を進めました。法人には人材確保対策推進本部が設置され採用活動を推進していますが、当施設としても担当者が専門学校等を訪問し施設の概要説明、法人のケアスクールの受講生に対する募集説明も行いました。更に募集活動を効果的に進める為、ホームページの充実も図っています。本部は中期的な視点で正職員の採用活動を行っています。一方、施設は中途採用者の採用に取り組みました。作業分担による採用活動です。活動の結果、昨年度は正職員6名(新卒1名、登用採用他)が配置されました。新卒者だけでは欠員補充も出来ない為、施設では派遣会社との連携による人員確保にも取り組んでいます。本年度は2名の新卒者(高卒、専門学校)の配属がありました。最近の動向として職員採用に関する問い合わせやホームページ経由の採用も徐々に増えています。今後も継続が予想されるテーマともいえる人材の確保に向けて、法人と連携しながら計画の立案、実施、見直しを継続しており、次年度以降も更なる工夫を加えながらこのテーマに取り組む姿勢が見えます。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

労働安全衛生の更なる推進の為、職員の健康保持、増進を目指し活動を展開しました。介護現場の労働環境は年々厳しくなっています。利用者の重度化、慢性的な人材不足、利用者ニーズの多様化等で介護職員が健康を害し休職するケースが増加しています。職員の健康を保持する取り組みが必要となりました。従来、健康診断は年2回実施し全職員の健診結果を産業医が確認して終りでした。昨年度は健診結果に「要検査」「要治療」と記載された職員23名に産業医の意見を記載した受診案内を送付しました。受診状況を2ケ月後に提出を依頼し、未提出の場合には直接受診状況を確認しました。既に通院している職員や受診を拒否する職員もあり、最終的に受診したのは8名でした。受診内容は一覧にまとめ産業医と情報共有を図りました。以上の活動の結果、健診結果を効果的に健康管理に繋げることが出来ました。自覚症状がないと健診結果で受診の指摘があっても受診しない職員が多く存在することが判明しました。職員別に健康状態を把握し、早急な治療が必要な場合は産業医とも連携し受診を促しています。今後も産業医との面談も必要に応じて実施し職員の健康維持・管理を継続することにしています。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

職員が利用者に介護支援行う場合、健康でなければなりません。これをテーマに労働安全の確保を更に推進しました。介護現場では利用者の重度化、人員不足、利用者ニーズの多様化等で職員の体調不良や休職があります。従来、職員の健康診断を行っていましたが、その結果を産業医に見てもらうだけでした。一歩踏み込んだ対策を講じました。健康診断には診断結果として「要検査」「要治療」の表示があります。いずれかの指摘のある職員には産業医の意見をつけて受診を促す、そして2ヶ月以内に受診状況を提出してもらう依頼の文書を対象者に送付しました。未提出の場合は直接職員に確認することにしました。令和4年度の健康診断で診断結果に意見の付いた職員は23名でした。通院中、受診拒否の職員を除き8名の職員が受診しました。活動の結果、以前に比べ効率的に健康管理が出来ました。指摘があっても受診しない職員が多い事も確認できました。今後も職員の健康状態を把握し、治療が必要な場合には産業医とも連携し面談により職員に受診を促す活動を進めることにしています。職員の健康管理と利用者のニーズへの対応が更に進むことが期待されています。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
施設のウェブサイトで幅広い情報提供を行っています

施設のウェブサイトでは従来から幅広い情報提供を行っています。月に複数回の行事やクラブ活動などが紹介され、施設の活動内容を窺うことができます。ホームページや広報誌は視覚的に分かりやすくなるよう写真やイラストを多用しており、ほとんどの情報をここから得ることができます。これらを通して施設の雰囲気や利用者の日常が伝わる内容となっています。多職種の協力で多彩なコンテンツが紹介されており、利用希望者にとって便利な情報源となっています。オンラインでの情報公開が積極的に行われています。

利用者や利用希望者に役立つ情報提供に努めています

法人の広報誌「浴風会」と特別養護老人ホーム3施設の共通季刊誌「南陽家族」でも法人全体の取組と施設情報を発信しています。これらの広報誌は行政のパンフレット等と共に施設玄関に置かれているほか、近隣の関係機関へも配布されています。昨年度の事業報告や今年度の事業計画、予算・決算など、施設運営に関わる情報は公開されており、ホームページからアクセス可能です。近隣での同様な施設の増加に伴って待機期間の改善も見られており、常に施設情報を発信し、利用者や希望者に役立つ情報提供に努めています。

フロアの見学には臨機応変に対応し、安全な見学環境を提供しています

年間多数の訪問者がありますが、コロナ禍以降、一般の見学等は依然として中止中です。実習生等を受け入れる場合は、1回あたりの人数を制限して実施しています。入所が決定した利用者に対しては感染対策を施して居住エリアの見学を行っています。問い合わせや相談についても、感染予防を考慮しながら柔軟に対応しています。施設の2階フロアを従来から見学コースとしていましたが、他フロアの見学についても臨機応変に対応し、安全な見学環境を提供しています。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入所後は密な声掛けや見守りを行い、安心な生活をサポートしています

入所者の約半数は自宅からの入所で、残りは病院や他の福祉施設からの移動となっています。生活相談員が入所前に利用者の居所を訪問し、心身の状態や趣味、要望などを聞き取り、定められた書式に記録しています。入所時にも生活相談員が契約書や重要事項説明書等を基に説明を行い、職員間で情報共有して利用者を支援しています。利用者の平均要介護度は現在4.3で、高齢化や虚弱化が進み、入院や死亡者の増加にともない退所者も増加傾向にあります。入所後は一定期間を設けて密な声掛けや見守りを行い、安心な生活をサポートしています。

利用者と家族の安心を最優先に、入所前に生活や医療の希望を確認しています

利用者と家族の安心を最優先に考え、入所前に生活や医療の希望を確認しています。施設内サービスの利用や急変時の対応も確かめます。初回のサービス計画書は担当ケアマネジャーが作成しています。利用者情報は通常はパソコンでの管理ですが、新規利用者については各ケアステーションのホワイトボードにアセスメントシートを貼って共有しています。約2ヵ月後に通常サービスへ移行しますが、ケアマネジャーと居室担当が具体的な施設サービス計画を作成し、利用者の要求に合わせた支援を提供していきます。

入院後も主治医と連絡を取り、利用者の状態を家族に報告しています

法人運営の病院と隣接しており、ほとんどの利用者は外来受診、入院ともにこの病院を利用しています。入院後も生活相談員は主治医と連携して、利用者の状態を適宜把握しています。また長期入院で退所する場合は、手続きの説明や再入所案内を通じて利用者と家族が安心できるよう支援し、退院後の再入所希望があれば、継続的な支援を提供しています。退所時の不安軽減を図り、安心して過ごせるよう常に配慮しています。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
キラリホットの視点を活かした記録の積み重ねにより、ケアプランの精度を高めています

ケアプラン委員会では利用者との関わりの記録の充実化を図っています。単なる介助記録ではなく、利用者の表情や状況変化等を簡潔に記録し、ケアプラン策定の根拠としています。また、キラリホットの視点を活かした記録の積み重ねにより、微細な変化や関わりを把握し、ケアプランの精度を高めています。介護ソフトをフル活用して情報の統合・共有を促進し、職員間の連携強化を図っています。これらの取り組みにより、利用者の状況を包括的に把握することが出来、最適なケアプランを提供することができています。

ケアプランは定められた手順に従って半年毎に見直しが行われています

利用者個々の介護記録や看護記録、機能訓練実施記録等は専用ソフトで管理、共有化が図られています。食事の摂取状況・排泄・入浴状況、体重変化等も同ソフトに記録され職員間で共有されています。施設サービス計画は、ケアプラン作成マニュアルに定められた手順に従って半年毎に見直しが行われ、アセスメントシートやケース記録から個々の課題を把握することができます。マニュアルに沿った統一されたサービスが提供出来ているかどうかはサービス課長、ケアマネジャー、居室担当職員が随時確認しています。

タブレット端末による記録も次第に浸透しつつあります

「すぐろくタブレット」と名付けたタブレット端末を用いた記録方法も次第に浸透しつつあります。食事摂取状況の記録をはじめ、入浴時のバイタルチェック等も手書きのデータを再度パソコンで打ち直すことなく、現場で即座に入力することが出来ています。音声入力機能もあるため、音声によるより迅速な記録方法のトライアルも始まっています。厚生労働省の主導する科学的介護情報システム(LIFE)へのデータ送信は継続していますが、ケアプラン作成等の実務への反映は今後の課題となっています。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の施設サービス計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.施設サービス計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
  • 施設サービス計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者の意向や状態に応じて、生活の継続性を踏まえた支援を行っている
  • 介護支援専門員を中心に、介護、看護、リハビリ、栄養管理等の職員が連携して利用者の支援を行っている
【講評】
利用者一人ひとりを大切にした関わりの時間とその記録を行っています

施設サービス計画の作成に際してアセスメントに必要な情報に着目し、記録の充実と共有を図ることに継続して取り組んでいます。キラリホットの視点を活かした記録方法を周知し、利用者と個別に関わる時間を充実させています。言葉かけや働きかけに対し利用者にキラリと輝く言葉や表情、動きがあった等の新たな気付きはケース記録の「関わりの記録」に記載されます。サービスの実施記録だけでなく関わりの記録から、より利用者のニーズに沿ったプランの作成と利用者の満足度や職員の意欲向上にも効果が得られています。

心身状態と意向を把握し、個々の能力を活かした支援を行っています

施設独自のアセスメントシートは特別養護老人ホーム3施設合同で作成した書式を活用しています。食事や排泄、移動等、項目毎に利用者と家族それぞれの意向欄が設けられています。項目毎の心身の状態と利用者家族の意向、具体的な支援内容が連動する形で分かりやすく記載されています。支援の内容は利用者の能力を十分に活用し、意思決定を意識したものとなるよう検討されます。毎月のモニタリングではプランの実施状況を確認し、利用者の状態や新たな課題について情報共有を行い、必要に応じた見直しも行っています。

ケアマネジャーを中心に多職種が連携し、チームでの支援を行っています

サービス担当者会議をはじめ、各種委員会や会議の場では専門職がそれぞれの立場から意見を出し合って連携を図り、チームとなって活動しています。日常生活においても、様々な場面で介護職員と各専門職が連携して支援を行っています。専任1名と兼任3名のケアマネジャーを各フロアに配置しています。3つの特別養護老人ホームの専任ケアマネジャーによる定期的な会議において、ケース別検討や情報交換を行い施設サービス計画作成に活かす等、様々に連携してより良いサービス提供を行っています。

2.食事の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
  • 利用者の栄養状態を把握し、低栄養状態を改善するよう支援を行っている
  • 嚥下能力等が低下した利用者に対して、多職種が連携し、経口での食事摂取が継続できるよう支援を行っている
【講評】
食事の支援は利用者の状態と意向を踏まえて提供しています

栄養ケア計画や施設サービス計画に基づき、利用者の状態や意向を踏まえた食事提供を行っています。食形態は常食からゼリー状に加工したものまで主食4形態、副食7形態を用意し、心身の状態や意向に最も適した形態で提供しています。食事介助の手順は食事委員会が作成した食事マニュアルを活用し、食事前後の手指消毒の徹底、食事前の口腔体操の実施、メニュー説明を行う等、統一した支援を行っています。また、身体状況に応じて食事用自助具や高さ調節可能なテーブルを取り入れる等して自力摂取を促す食事環境を整えています。

利用者一人ひとりの栄養状態の把握に努め、低栄養の予防と改善を図っています

全利用者を対象とした食事、水分摂取量のチェックや毎月の体重測定、健康診断や受診時の検査結果等を基に利用者一人ひとりの栄養状態の把握に努めています。管理栄養士は低栄養状態の予防、改善の為、栄養アセスメントの結果に基づき栄養ケア計画を作成しています。食事摂取量が低下している利用者については口腔ケア委員会で支援方法の検討が行われます。必要に応じて栄養補助食品を取り入れたリカバリー食を導入しています。水分摂取を促す為に数種類の味で用意したイオンゼリーも年間を通して提供しています。

「経口維持に関わる記録」の活用により、継続的な嚥下機能の検討を行っています

嚥下機能が低下している利用者を対象に、口腔ケア委員会において「経口維持に関わる記録」を活用し、継続的なケア方法等に関する検討を行っています。口腔ケア委員会は歯科医師と歯科衛生士も含めた多職種で構成され、経口摂取維持に向け様々な話し合いが持たれています。月に2回、歯科医師による嚥下内視鏡検査の機会を設け、必要に応じて実施しています。嚥下の状態をより正確に把握し、摂食や嚥下状態に適した食事形態や介助方法について指導を受けています。委員会の活動により、職員の意識も高まり早期のリスク回避に取り組んでいます。

3.利用者が食事を楽しむための工夫をしている
  • 利用者の嗜好を反映した食事を選択できる機会がある
  • 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
  • テーブルや席は、利用者の希望に応じて、一定の範囲内で選択できる
  • 配膳は、利用者の着席に合わせて行っている
【講評】
食を楽しむイベントや、様々な選択機会を設けて食事のバリエーションを増やしています

食事委員会やアクティビティ委員会が主催するデザートバイキング等、様々な食を楽しむ機会を設けています。主菜3種類から、事前に好きなメニューを選ぶことができる選択食や誕生会のおやつ5種からの選択を毎月実施している他、主菜の味付け用のソースを当日選べる選択食を3ヶ月に1回実施しています。利用者の意見は毎日の食事摂取記録表の一部に記入欄を設け聞き取った職員が書き込めるようにしている他、管理栄養士が毎月開催する食事懇談会でも聞き取り、施設で提供される食事に反映させています。

利用者の状態や希望により、一定の時間内で食事提供時間の調整を行っています

食品衛生面から、食事の取り置きは2時間までとしていますが、その日の体調や気分、通院等のスケジュールにより制限内で調整しています。長時間の離床が困難な状態であったり、嚥下機能の低下により時間を要する場合は食事時間をずらす対応も行っています。個々の体力や身体状況に応じた対応によりそれぞれのペースで、安全に食事を楽しめるように配慮しています。また、栄養補助食品やヨーグルト等を組み合わせたリカバリー食を取り入れることで、取り置きの時間を気にすることなく、個々の生活リズムに合わせた食事提供も行っています。

着席に合わせて適温で食事を提供し、おいしく食べられるように配慮しています

食事は厨房から冷温機能を備えた配膳車で各フロアに運ばれ、それぞれの利用者の着席に合わせて配膳され、適温で提供されます。食事席については、見守りの強化や介助を要する場合にはあらかじめ決められた席で安全に食事が出来るようにしています。利用者の希望や状況によっては、食事席の変更や食堂以外のスペースでも食事ができるようにする等、柔軟な対応を行っています。また、経管栄養の利用者にも離床時間の確保と気分転換や食事の雰囲気を感じられるよう、食事時間の離床機会を設けて楽しめるようにしています。

4.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の意向や状態を把握して、できるだけ自立性の高い入浴形態(個浴、一般浴等)を導入している
  • 入浴の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
  • 認知症の利用者に対し、個別の誘導方法を実施している
  • 利用者が入浴を楽しめる工夫をしている
【講評】
心身の状態や意向に応じた入浴形態を選定し、安全で安楽な入浴支援を行っています

利用者の心身状態と意向を十分に把握し、フロア会議等で多職種で話し合ってそれぞれに最も適した入浴形態を選定しています。介助内容についても自立支援を意識しつつ、安全、且つ、安楽な入浴支援となるよう考慮しています。入浴形態は自立度が高い利用者向けの個浴、座位保持が可能であればチェア浴、臥床したまま洗身や浴槽に浸かることができる機械浴の他、認知症専門フロアにはリフト浴を完備しています。その日の体調や希望による入浴形態の変更や、浴室を日曜以外、毎日稼働させていることで入浴日の変更にも柔軟に対応しています。

羞恥心への配慮と利用者のペースに合わせたマンツーマンでの入浴介助を行っています

入浴への声掛けと誘導、脱衣室での着脱介助、浴室内での介助をそれぞれを担当する職員が分担し、マンツーマンで対応しています。疾病等により入浴への理解が得られないケースでは、入浴時間の変更や声掛け職員を変える等して混乱や不安感の軽減に努めています。遠慮や羞恥心からの辞退についても尊厳を重視し利用者のプライバシーに十分な配慮を行い、働きかけを行っています。羞恥心への配慮を含めた入浴介助に関する基本的な手順や注意事項等は、入浴マニュアルに分かりやすくまとめられ、職員に周知しています。

季節の行事浴や多彩なイベント湯を実施し、入浴を楽しめるように工夫しています

年間行事として5月の菖蒲湯と12月の柚子湯があり、香りや季節を感じられる入浴を提供しています。また、アクティビティ委員会を中心にフロア毎に様々な工夫で独自のイベント湯を企画しています。大好評の枇杷の葉湯に続き、今年度もりんごや薬草、米ぬかや緑茶を使った様々な変わり湯を実施して、普段とは違った入浴を楽しむ機会を提供しています。看護師との連携による浴室でのグラインダーを使ったネイルケアも継続しています。切りにくい爪を安全に、綺麗に整えることにより高齢者に多い爪のトラブル回避にも効果が得られています。

5.排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の意向や状態に応じ、自然な排泄を促すよう支援を行っている
  • 排泄の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
  • 研修等によりオムツ交換、トイレ誘導等の排泄介助方法の向上に取り組んでいる
  • トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面や臭いに配慮し、清潔にしている
【講評】
排泄パターンの把握、福祉用具の活用等で自然な排泄を促しています

全利用者を対象に毎日の排泄を時間毎に記録し、個々のパターンの把握に努めトイレ誘導やオムツの交換時間、用品の選定を行っています。日中は可能な限りトイレを使用して、自然な形で排泄ができるよう支援しています。便座に座っている間の身体を支える福祉用具も活用する等、安全面についても考慮しています。また、機能訓練指導員との協働により排泄動作の中にも生活リハビリの視点を加え、自立支援も意識した支援を行っています。様々な要素を取り入れながら、それぞれの状態や意向に沿った自然な形での支援となるよう努めています。

専門業者と連携し、動画マニュアルの作成や研修を通して技術向上を図っています

おむつ提供業者と連携し、排泄介助のポイントをまとめた動画マニュアルの作成やアドバイザーによるスキンケア研修を実施し、排泄支援の技術向上を図っています。現場職員からのリクエストに応じたタイトルで一本数分で視聴できる内容に編集された動画マニュアルは、業務の合間に短時間で確認できます。また、アドバイザーによる研修は今年度より対面での開催を再開しています。排泄ケアヒアリングシートに記載したトラブルや課題についてアドバイザーから、実際の排泄介助場面で直接アドバイスを受けられるようにしています。

トイレや用具類は衛生面に十分配慮した清掃を行い、快適な排泄環境を整えています

毎日のトイレの定期清掃は専門の清掃員を配置して行っている他、使用毎に適宜、清掃や消毒を清掃員や介護職員が行い清潔の保持に努めています。ポータブルトイレや排泄用具についても同様に使用の都度洗浄と消毒を行っています。年間を通してアルコール消毒や次亜塩素酸消毒等を行い、感染症の予防にも努めています。排泄介助の清拭は専門業者との検討を重ね、使いやすい厚みとサイズに改良した法人オリジナルの使い捨てペーパーを使用しています。介助後の換気も十分に行い、臭気にも配慮した快適な環境を保っています。

6.移動の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態や意向に応じ、できるだけ自力で移動できるよう支援を行っている
  • ベッド移乗、車イスの操作など移動のための介助が安全に行われている
  • 利用者が快適に使用できるよう車イス等の環境整備が行われている
【講評】
「できること」を十分に引き出すよう、利用者の生活動作の支援を行っています

機能訓練指導員を中心に作成した「動作獲得チェックシート」を活用した取り組みを行っています。ベッドから起き上がるまでに部分介助、または、見守りが必要な場所や日課の理解がある程度可能な利用者を対象に、自身で「できること」をしっかり活かし、引き出すことに着目した支援として取り組んでいます。新たに動作獲得ができた事例については動画を作成して職員に周知しています。動作獲得シートをベッドサイドに置き、利用者本人がシートを確認しながら日常生活の中で活用するケースもあり、有効に活用しています。

利用者に適した移乗介助方法の選択により、安全、且つ、適切な介助を行っています

従来からノーリフティングポリシーに基づいた移乗介助に取り組み、福祉用具を正しく活用することで利用者の安全・安心と職員の腰痛予防を図っています。更に、選択される移乗介助方法が利用者に適したものとなるよう、施設独自の「移乗介助選択シート」を作成し活用しています。新規採用職員には新人研修プログラムの中で機能訓練指導員による個別の移乗介助研修を取り入れ、その後のフォローアップ研修も実施して継続的に指導を行っています。また、利用者の状態変化や問題が生じた際は、機能訓練委員会にて話し合われ対応の変更と周知を行います。

車いすや他の福祉用具の適切な管理と、使用方法の動画マニュアルを作成しています

車いすやその他の福祉用具は使用状況が分かるよう、利用者毎に使用中の物品を一覧にまとめた点検表を作成し、機能訓練指導員が中心となって定期的な管理とメンテナンスを行っています。車いすの点検は毎月の機能訓練委員会と併せて、点検表の項目に沿って実施しています。車いす清掃ボランティアも再開し、清潔な状態で使用できるようにしています。また、正しい福祉用具の使い方や移乗、移動介助に関する動画マニュアルを様々な場面ごとに作成し、短時間で視聴できる内容に編集して新人職員や外国人研修生の育成にも活用しています。

7.利用者の身体機能など状況に応じた機能訓練等を行っている
  • 利用者一人ひとりに応じた機能訓練プログラムを作成し、評価・見直しをしている
  • 機能訓練のプログラムに日常生活の場でいかすことができる視点を入れている
  • 機能訓練指導員と介護職員等の協力のもと、日常生活の中でも機能訓練を実施している
  • 福祉用具は、定期的に使用状況の確認をし、必要に応じて対処をしている
【講評】
機能訓練指導員を中心に、多職種で機能訓練の充実を図っています

理学療法士、作業療法士を中心に多職種による情報共有と連携を図り個別機能訓練計画書の作成と、機能訓練の実施に取り組んでいます。また、医師の指示に基づいた個別機能訓練内容の見直しや訓練体制の充実を図ると共に、全利用者を対象に3ヶ月毎の評価と見直しを行っています。その内容は、個別機能訓練計画書の機能訓練指導員からのコメント欄に記載され、職員への周知と利用者家族にも送付して情報共有を図っています。個別作業療法はメニューを増やして利用者の希望に沿った内容を提供し、個々の身体機能の回復に力を入れ取り組んでいます。

機能訓練指導員と介護職員が協働し、生活リハビリに取り組んでいます

3名の機能訓練指導員をフロアごとに配置し、充実した機能訓練体制を整えています。機能訓練のプログラムは日常生活において利用者の有する能力を十分に活かし、快適に過ごすことができるようにとの視点で作成されています。機能訓練室での訓練のみに限らず、生活の場であるフロアにおいて日常生活の中で介護職員と機能訓練指導員が協働して行う「生活リハビリ」を施設サービス計画に組み込み実施しています。正しいポジショニングやシーティングについても介護職員が機能訓練指導員から直接指導や講義を受ける機会を設けています。

機能訓練委員会で福祉用具の管理と定期的なメンテナンスを行っています

各種福祉用具を取り揃え、機能訓練指導員が中心となって管理とメンテナンスを行っています。移動の為の車いすの他、歩行器や杖、移乗の為のボード類、ベッド柵やマットレス、ICT機器に至るまで様々な福祉用具は利用者毎の使用状況と設置場所をそれぞれ分かりやすい図表にしています。定期点検では点検個所のポイント一覧を活用し確実に行っています。ポジショニングに使用するクッション類の正しい使用方法と必要性について介護職員全員を対象に体感研修を行い、福祉用具と併せて物品の重要性とその管理についても周知しています。

8.利用者の健康を維持するための支援を行っている
  • 利用者の状態に応じた健康管理や支援を行っている
  • 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
  • 利用者の状態に応じ、口腔ケアを行っている
  • 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、看護師や医療機関と速やかに連絡が取れる体制を整えている
  • 終末期の対応をすでに行っているか、行うための準備が行われている
【講評】
法人の病院との連携による健康管理及び感染症対応で安心感が得られています

入院設備のある法人の病院が隣接し、医療面での支援体制が整備されています。週に5日、病院から医師が往診し利用者の日常の健康管理を行っています。また電子カルテシステムを導入しており、医師往診時の他、看護師が健康管理に必要な情報を閲覧して情報共有を図っています。コロナ禍では、施設内に感染者が発生した際に24時間体制で医師による往診や対応指示が行われ、利用者、現場職員にとって大きな安心感となっています。施設独自の感染症マニュアルを整備し、地域の保健所の保健師との連携を密に図り早期対応を行っています。

歯科医師、歯科衛生士との連携により口腔ケアの充実が図られています

歯科医師、歯科衛生士との連携により口腔ケアに関する様々な取り組みを行っています。口腔内の状態とケアを行う際の重点ポイントや使用する道具等を図解した個別の「口腔ケアプレート」の活用により、全ての職員が統一したケアを実施しています。毎月開催される口腔ケア委員会にも歯科医師と歯科衛生士が参加し、利用者の口腔内状況の報告と課題を挙げ、検討と解決策を講じています。定期的な研修や勉強会の開催、新人職員への歯科衛生士による口腔ケアの直接指導をはじめ、知識と技術を学ぶ機会を設けて質の高い口腔ケアを提供しています。

充実した医療体制により、緊急時や看取り期にも迅速な対応が図られています

法人病院の医師や看護師との連携により、充実した医療体制を整えています。夜間緊急時には病院の当直看護師長との連絡体制が敷かれている他、緊急時研修の実施、緊急時対応マニュアルに沿った対応により速やかに医療機関へ繋いでいます。看取り介護においても病院と連携し、看取り推進委員会を設置して話し合いを行っています。今年度より現場の意見も取り入れられるよう新たな小委員会も発足させています。看取り後の家族向けアンケートの更新、職員へのフィードバックとアンケートの実施で振り返りを行い看取り介護への取り組みを進めています。

9.利用者が日々快適に暮らせるよう支援を行っている
  • 起床後、就寝前に更衣支援を行っている
  • 起床後に洗顔や整髪等、利用者が身だしなみを整える際に支援を行っている
  • 利用者が安定した睡眠をとることができるよう支援を行っている
【講評】
心身の状態や意向に沿って、それぞれに適した更衣支援を行っています

個々の利用者の心身状態や意向に沿って、それぞれに応じた更衣支援を行っています。主に認知症フロアの利用者を中心に、生活のメリハリとして起床後と就寝前の更衣支援を行っています。また、生活習慣や希望に応じたそれぞれの更衣支援にも応じています。心身状態の変化に伴い、更衣そのものが過度の負担となったり皮膚の脆弱化や拘縮から生じる事故へのリスクを勘案し、衣類の素材や介助方法の工夫等を行っています。その他、週に2回の入浴時の着衣交換機会や汚染時等、適宜、必要に応じた更衣支援を行い、清潔の保持に努めています。

自立支援を意識した身だしなみを整える支援となるよう、取り組んでいます

起床後の身だしなみを整える支援は、利用者の有する能力を重視し自立支援を意識した支援となるよう取り組んでいます。機能訓練指導員の評価を受け本人のできる事と必要な介助について把握し、それぞれに適した道具や環境を用意して可能な限り自身で身支度を整えることができるようにしています。洗面台は非接触型水栓で使いやすく、また、自動おしぼりタオル機の設置により自身でタオルを取り出し顔拭きができるようになっています。一日の始まりをそれぞれが気持ちよくスタートし、充実した一日を過ごす為の大切な支援として取り組んでいます。

ICT機器も活用し、安定した睡眠時間を確保できるように工夫しています

必要に応じてICT機器も活用して、夜間の睡眠状態を観察しています。得られた情報を基に日中の活動量を増やしたり、排泄介助の時間を工夫する等して安定した睡眠が確保できる環境を提供しています。ボランティアによる多彩なクラブ活動は感染症対応により規模を縮小して開催している他、職員によるレクリエーション活動や構内散歩、ベランダでの外気浴等で心身のリフレッシュを図っています。充実した日中活動により心地良い疲れを感じながら夜間の自然な入眠を促し、安眠が得られるよう支援しています。

10.利用者の施設での生活が楽しくなるような取り組みを行っている
  • 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
  • 利用者の意向を反映したレクリエーションを実施している
  • 認知症の利用者が落ち着いて生活できるような支援を行っている
  • 利用者の気持ちに沿った声かけや援助を行っている
【講評】
充実した生活環境と一人ひとりを大切にした日常生活の支援を行っています

施設での生活は食事や入浴時間等はある程度決められていますが、その他についてはあまり制限を設けず集団生活におけるルールの範囲内で自由に過ごすことができます。また、利用者が大切にしている思い出の品の持ち込みも可として居室内に飾ることができます。飲酒や喫煙の習慣についても一定の制限を設けて個別に対応しています。法人の広大な敷地には水辺の生き物が生息する池や緑豊かな並木道にベンチのある散歩コース、売店も完備されており近隣住民も利用しています。地域にも開かれた充実した生活環境が整っています。

季節行事や多彩なレクリエーションなど、楽しみのある生活環境を提供しています

四季折々の行事や日常のレクリエーション活動、ボランティアによる多彩なクラブ活動等を提供しています。コロナ禍により大型イベントや、ボランティア活動の多くが中止あるいは規模を縮小しての開催となっていますが、徐々に再開しつつあります。法人構内の散歩をはじめ、屋上庭園での野菜作りと収穫物を味わう企画、交流のある保育園児へのプレゼントやイベントに出品の作品作り等、外部との接触が困難な時期にも、施設職員による様々なレクリエーション活動により充実した生活の継続に取り組んでいます。

サービスマナーの向上を図っています

今年度より当施設を含めた特別養護老人ホーム3施設では従来のサービスマナー担当委員会を「虐待防止・サービスマナー委員会」として新設しました。年に2回の虐待の芽チェックリストの実施や各フロアで2ヶ月毎に実施する施設独自のサービスマナーチェックリストによるセルフチェックを継続し、集計、課題分析、対応策の検討・推進を統一して行うことにしました。その結果、不適切ケア等への職員の意識が一層高まり、対策内容等を施設全体で共有しています。

11.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 定期的な散歩や外食、遠出など外出の機会を設けている
  • 利用者が地域の一員として生活できるよう、地域住民が参加できるような行事など、日常的な関わりが持てる機会を設けている
  • 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
【講評】
外出やイベントを徐々に再開し、外部との交流の機会を前向きに進めています

感染症対応で、外出自粛が続いていますが、個人的な事情や特別な機会となる外出については、感染症予防を講じた上でケースバイケースで再開しています。また、家族面会の制限も緩和され家族との構内散歩も可能となっています。以前から参加していた地域の祭りイベントも4年ぶりに開催が決定した事を受け利用者の作品作りも再開し、今年度のお祭りに出品して祭り会場に見学に行く外出を実現しています。今後も情勢をみながら、少しずつコロナ禍以前の生活を取り戻して行きたいとしています。

地域交流やボランティアによる活動再開に向けた検討を重ねています

地域ボランティアの協力による多彩なクラブ活動やイベントは、対面での再開は未だ難しい状況にありますが、規模を縮小したり等で実施しています。以前活動していたボランティアには、地域連携担当からハガキを送るなどして繋がりを維持しています。今年度の施設の敬老会イベントでは4年ぶりに阿波踊りボランティアが来園し、対面で踊りが披露されました。また、交流のあった近隣の保育園児とは短時間ですが互いの施設を訪問し、対面での再会を果たしています。地域交流についても状況を見ながら少しずつ再開させています。

地域の情報は掲示板で知らせる他、個別の情報提供も行っています

各フロアや玄関ホール、エレベーター内の掲示板を使って、地域のイベント情報、町会や区報、法人のイベント等の情報提供を行っています。掲示板は利用者や来園した家族の目に付きやすい場所に設置しています。法人の広大な敷地を使用した地域交流の機会もあり、今年度も町会との合同防災訓練や法人主催の大型イベントの開催等が行われますが、これらの情報も掲示しています。行政からの連絡事項等は必要に応じて説明を加えながら、個別の情報提供も行っています。

12.施設と家族との交流・連携を図っている
  • 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
  • 家族や利用者の意向に応じて、家族と職員・利用者が交流できる機会を確保している
  • 家族または家族会が施設運営に対し、要望を伝える機会を確保している
【講評】
フロア新聞の発行やモニタリング結果の送付等で、日常の様子を伝えています

従来型の大規模施設でありながら、各フロア内を2ゾーンに分けゾーンごとに生活空間や環境作りを行う、グループケアを実践しています。その為、フロアの様子を伝えるフロア新聞もゾーン毎に毎月発行して、家族にも送付しています。季節行事やイベントの他、日常の様子をカラー写真で紹介しています。また、フロアで出された意見やその対応、施設の現況等を施設長がお知らせ文書として毎月送付しています。利用者の個別の状況については毎月のモニタリング結果の送付と、面会時や必要に応じて電話連絡等で情報共有を図っています。

フロアでの家族面会が再開され、家族が職員と接する機会も増えています

面会制限が緩和され、現在は新たな感染者が発生していない状況であれば、家族がフロア内で利用者と面会することができるようになっています。利用者の生活の様子を把握しやすくなった他、フロアでの面会により職員と顔を合わせて挨拶を交わす機会も増えています。コロナ禍以前に開催されていたフロア毎の家族懇談会や、外部の人も利用できるレストラン、家族の宿泊室の利用は再開には至っていませんが、今後も感染症対策を講じながら再開あるいは新しい形での交流機会等も検討したいとしています。

リモートでの全体家族会で、施設運営の説明と意見等を受ける機会を設けています

全体家族会は引き続きリモートでの開催を継続しています。オンラインの環境がない、あるいは当日都合により参加できない家族を含め全利用者家族に事前に資料を送付しています。全体家族会では施設の事業報告と次年度の事業計画の説明等が行われ、質疑応答には個別に対応しています。また、施設運営に関する意見や要望については個別に受け付けている他、玄関ロビーに設置したご意見箱、毎年実施している第三者評価の利用者アンケート結果等でも把握に努めています。今後も様々な方法で意見や要望の把握に努め、施設運営に資する事としています。

【講評】
当施設独自の「虐待の芽その後のアンケート」を行っています

「サービスマナーチェックリスト」を用いてサービスマナー向上に努めています。虐待に対するアプローチには従来から「虐待の芽チェックリスト」と当施設独自の「虐待の芽その後のアンケート」を使用しています。サービスマナーチェックリストは具体的な部分に焦点を当て、自己評価を行う要素を15項目に絞り込んでいます。挨拶や笑顔、利用者の尊重などについて2ヵ月ごとにチェックを行い、さらなるサービスマナー向上を目指しています。特別養護老人ホーム3施設で協力し、質の高いサービス提供を維持しています。

利用者の尊厳とプライバシーを守るように行動しています

「個人情報及びプライバシー保護」マニュアルに従って利用者サービスを提供しています。プライバシーとは「個人や家庭内の私事・私生活、個人の秘密」と定義し、他人からの干渉や侵害を受けず、名誉を守る権利と強調しています。利用者の食事形態や排泄、入浴状況、服薬情報等は公にせず、大声で名前を呼ばない等の配慮もしています。排泄介助時には羞恥心を尊重し、ドアやカーテンを閉めることも重要です。定められたガイドラインに従い、利用者の尊厳とプライバシーを守るための行動を取っています。

新人への指導では、利用者の権利保護と個人情報の取り扱いを重視しています

新人への指導では特に権利擁護を重視しており、個人情報の扱い及びプライバシーに配慮し、利用者の意思尊重を優先したサービスを提供しています。また、昨年度の延べ入院者数は6,100人余りで前年度よりわずかに減少しました。しかし、利用者の健康状態の悪化と自発的な受診の増加で、依然として高水準です。入院時には病院との連携で迅速な看護サービスを提供しています。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
業務マニュアルを紙とデジタルの両方で整備し、容易に利用できるようになっています

業務マニュアルを紙とデジタルの両方で整備し、職員が容易に利用できるようになっています。夜勤や緊急時の対応を含む頻繁な利用事項は紙ファイルに、全マニュアルはデータ化されてパソコンで管理され、タグで必要な情報を素早く検索できます。入浴や健康管理、職員の腰痛予防なども含まれ、定期的な更新や動画マニュアルの利用も行い、新人研修にも取り入れています。業務チェックリストや外部研修の共有、動画マニュアルの活用を通じて職員のスキルアップに尽力しています。

3施設の連携と職員の参画により、高品質なサービス提供を実現しています

特別養護老人ホーム3施設共通のマニュアル運用を行っており、毎年の見直しも3施設が分担して行っています。ケアプラン委員会や各委員会、職域ごとに最適な部門で改訂が行われ、職員の提案や利用者の意向も反映し、パソコンと紙ファイルで管理されています。法人が契約している、福祉に特化した専門ネット研修も有益です。24時間いつでも、何回でも閲覧可能で、すべての職種の職員に利用されています。3施設の連携と職員の参画により、高品質なサービス提供を実現し維持しています。

機能訓練分野などで動画マニュアルの作成に力を注いでいます

施設では感染症対策や機能訓練などで動画マニュアルの作成に力を注いでいます。特に機能訓練分野では、車いすの使い方や移乗介助法などの動きをわかりやすく示すために動画を活用し、文章や口頭説明では伝わりにくい細かな動作も、数分の動画で分かりやすくまとめています。機能訓練指導員の解説付きの動画は、なぜその方法が重要かを説明したマニュアルとなっており、説得力があります。これらの動画は新人教育や外国人実習生の教材としても活用され、効力を発揮しています。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

このセクションは事業者によって更新される情報です。

評価情報

【評価実施期間】

2023年7月5日~2024年1月19日

【評価者修了者No】

H0502046,H1801069,H1401046,H0801041

評価結果のダウンロード

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