
評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
Aさんは、お盆に並べた銘々皿にゆっくりとスプーンと菜箸を使ってサラダを盛り付け、職員に皿を手前に移動してもらいながらバランスよく完成させた。職員に「手袋を外してください」と言われたAさんが使い捨て手袋をゆっくり外していると、Bさんが横から何も言わず、もう片方の手袋を外し、ポンとゴミ箱に投げ捨てた。Aさんが「捨てないで」と言ってBさんの方を向こうとすると、職員が「新しいのがありますよ」と声を掛け、「手を洗いますか」と聞くとAさんは頷いて席を立ち、身体を支えてもらいながら2~3歩歩いて後ろの流しで手を洗った。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
Aさんは、調理の手伝いをいつもしている様子で、慣れた手つきでゆっくり自分のペースで盛り付けていたが、いきなりBさんに手袋を外してゴミ箱に捨てられ、「自分のペースを乱された。まだ、使えるのに捨てるなんて勿体ない」との思ったようだ。テキパキと手伝いをしていたBさんは、Aさんの行動がゆっくりなので、汚れた手袋を早く捨ててあげようと親切心で手袋を外して捨てたと推察される。職員は、利用者のペースを乱さないように寄り添い、利用者一人ひとりに応じて出来ることをお願いしており、後ろ向きで調理をしながらもAさんを含めた利用者全員の様子を観察していたようだ。2人の動きややり取りを聞き、すかさずAさんに声掛けし、次の行動を促したことで、少し険しくなったAさんの表情は、席に戻った時は手袋のことは忘れた様で穏やかな表情に戻っていた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
グループホームにおいて、調理を利用者と行うことはとても大事だと考えています。スタッフは調理をしながら、利用者に何をしてもらおうか、何ができるかを常に考えています。又、動きに気を配りスムーズに進むように配慮しています。この場面では、スタッフが介入しなければAさんは気分を害し別の場所に行ってしまうことも考えられます。Bさんの親切心を大事にし、Aさんの気持ちにも配慮した支援だったと思います。スタッフには、調理にのみ集中しないようにと伝えています。調理を優先してしまうとこのような場面で気配りができません。調理に限らず、お年寄り優先の支援をしてほしいといつも言っています。調理や片づけ、掃除などの作業に集中してしまい、そちらを優先させると、お年寄りのことが見えず事故になってしまいます。お年寄りの皆さんが、何を考えどのように行動するのか、スタッフとして常にアンテナを張り、お年寄りの行動を止めないように気を付けています。止めてしまうと自発的に動かなくなってしまいます。そうではなく、出来る限り伸び伸びと自分の思うように過ごしていただきたいと考え支援しています。
1.家族への情報提供はあるか |
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2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
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3.職員の接遇・態度は適切か |
どちらともいえない:4%
いいえ:0%
無回答・非該当:4%
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4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
どちらともいえない:4%
いいえ:0%
無回答・非該当:4%
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5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 67%
どちらともいえない 13%
無回答・非該当 21%
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6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
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7.利用者のプライバシーは守られているか |
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8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
どちらともいえない:4%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
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9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
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10.利用者の不満や要望は対応されているか |
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11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 79%
どちらともいえない 13%
無回答・非該当 8%
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