評価結果

標準の評価

基本情報

【サービス種別】

認証保育所A型・B型

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

・働く女性を最高水準のエデュケアと介護サービスで支援する
・サービスポリシー「寄り添うように」「慈しむように」「信頼に足るように」「妥協しないように」
・教育方針「寛容な人間」「聡明で愛情深い人間」「探求心の旺盛な人間」「グローバル社会で活躍できる人間
・エデュケアプログラムに基づき、一人ひとりの才能と個性を伸ばし、人生でもっとも重要な時期の人間教育を目指します

職員に求めている人材像や役割

・思いやりの心
・多くの気付きが出来る事
・向上心を持って教育に真摯に取り組む姿勢
・会社の理念と自分の理想が合致
・保育の専門知識のみならず、一人の人として成長していく姿勢

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・愛情深く一人ひとり大切に愛し接すること。
・人間の土台作りに関わっている重要な役割を果たす為に努力を惜しまないこと。
・会社の理念と使命を実践の中で理解し、身に着けていくこと。

全体の評価講評

特によいと思う点

子どもたちは栄養士とともに食育に取り組み、食に慣れ親しめるように、月齢・年齢に応じた食育活動を行い、日々の食事も素材の安全性を考慮した和洋中の多彩なメニューに、旬の食材も積極的に採り入れ、季節行事に合わせ、見た目も楽しめるよう工夫した特別メニューも提供している。食育ではジャガイモ掘り、夏野菜の栽培での水やりと生育の観察、収穫と給食での喫食などの活動を行うほか、食への関心が高まるよう、食材の実物を使って説明したり、年齢ごとに食材に触れ、野菜の皮むきやスウィートポテト・クッキー等の調理体験を行っている。

多文化教育としてバイリンガルレッスンの時間を設け、さまざまな国とオンラインでつながり、現地の衣装や自然環境、簡単な挨拶などを体験している。また献立内容に外国の料理を採り入れ、その国の紹介も行っている。子どもが表現する喜びを感じられるように、リズム遊びや体操など、楽しく身体を動かす活動も日々の保育に採り入れている。季節の伝承行事やイベントにも取り組んでおり、子どもの理解度に応じて由来を伝えたり、七夕には親子で短冊に願いを書き、ハロウィンでは仮装を楽しんだり、正月・節分などさまざまな風習や遊びを体験している。

保護者が安心できるよう、送迎時の対話では、子ども一人ひとりに対するエピソードを伝えるなど、丁寧な対話を心がけるほか、スタッフ全員がすべての子どもの連絡帳に目を通し、体調など子どもの状況を把握し、必要な援助に努めている。日々の活動を写真とともに紹介したり、保育所の専門性を活かして、育児の参考となる情報を発信したりするなど、保護者との情報共有に努めている。また連絡アプリの活用、タオル・紙おむつの有償サービスや各種オプションプログラムの提供など、保護者の利便向上や負担軽減に配慮し、育児と就労の両立を支援している。

さらなる改善が望まれる点

経歴や在職経験がさまざまに異なる職員が集う組織の状況を踏まえ、経営層は粘り強く発信や対話を重ね、上下間の意思疎通や相互理解を図りながら、子どもの尊厳や権利を尊重した関わりや日常の小さな場面での配慮、子どもの自発的な発想・遊びを促す環境設定など、組織に根づく文化を、より望ましいものへと変えてゆきたいと考えている。また職員がより楽しく働ける職場づくりを目指し、会議でも子どもや同僚への肯定的なまなざしや称賛を共有できるよう配慮している。一連の取組が、園の保育の質と組織の活力をより高めてゆくことを期待したい。

子ども主体の保育実践を目指して、環境構成の改善に向けた取組が一部始まっており、保育者の関わり方や保育内容の充実にも取り組む意向がある。そのうえで、経営層はスタッフ間の認識の共有と発達に対する理解を深める必要性を感じている。当園には、保育実践を写真と保育者の考察とともに記録し、それを題材にカンファレンスを行う仕組みがあり、この仕組みのさらなる活用が、環境・援助の質の向上という目的の達成にも有効であると考えられる。人員・時間の確保など、諸問題への対応も必要となると思われるが、今後の取組に期待したい。

上記の諸課題のほか、少子化と区内の認可園等の増加などの経営環境の変化に伴い、経営層は認証保育所に求められる役割も変わりつつあると考え、園としての経営継続に向け、当園ならではの独自性をより高めることや、それを内外の子育て家庭に発信してゆくことも、中・長期的な課題と認識している。これを年度の事業計画にも反映させ、組織内の共有のもとで取り組むとともに、今年度作成の中・長期計画を、年度ごとの進捗・達成に応じて随時見直すなど、課題解決を内外の状況を踏まえつつ着実に進めてゆく仕組みづくりを期待したい。

事業者が特に力を入れている取り組み

本社が設定する毎月のテーマのもとで、SIDSや置き去り・見失い、夏の水遊び・熱中症、事故・ケガ防止などの安全面や、子どもの人権の尊重と虐待防止などについて、年間を通じて園内研修を設けている。また毎月の防災訓練と年2回の防犯訓練、毎年度の心肺蘇生法訓練などのほか、園内のヒヤリハットと事故防止対策を毎月リスト化し、各クラスで徹底を促すとともに、前年度の同時期の事例を確認することで、保育者の危険予測に活かす、独自の取組も行っている。本社からも事業全体のさまざまな事例が伝えられ、間断のない注意喚起に活かされている。

入園を希望する保護者を対象にした見学会を実施し、本社の理念や園のサービス内容を納得したうえで契約し、入園後に保護者との認識の齟齬を起こさないよう、丁寧で詳しい説明を心がけている。施設長がデジタル端末を用いて対応し、重要事項説明書のうち、認証保育所の特徴や入所の条件、利用日・料金表のほか、タオルやおむつの有料オプションサービス、無料の写真・動画配信サービス、有料の英語・体操・リトミックなどについて説明し、普段の保育や行事の様子や特徴も写真付きの資料を示して伝えるなど、施設選択に役立つ多彩な情報を提供している。

日々の保育や行事、避難訓練の実践後には振り返りを行い、得られた改善点を次に活かしており、今年度も避難訓練の振り返りから、緊急時におけるアレルギー児の対応の流れを見直している。保育者の意見をもとにした保育環境の改善も行い、ヒヤリハット事例については、前年度同月の情報を参考に事故予防への対策を講じるほか、各保育室の危険箇所の写真と留意事項をまとめた資料は毎年見直している。また不適切な保育の防止に向け、人権擁護に関するセルフチェックを実施し、スタッフ間でも話し合うなど、自らの保育を確認する機会を設けている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:調査開始時点での当園の利用世帯24(在籍児童数24)を対象として実施した。なお、兄弟姉妹がいる世帯は1世帯として扱った。
  • 調査方法:アンケート方式  
    調査票及び調査項目は共通評価項目に準拠した。
    回収は専用封筒を用い、回答者からの弊機関への直接郵送、または同方式と事業所内回収による未開封のままの弊機関への郵送の併用にて行った。
    自由意見については回答者の匿名性に配慮し、表記の加工などの処理を適宜行った。
  • 有効回答者数/利用者家族総数:21/24(回答率 87.5% )

総合的な満足度は「大変満足」66.7%・「満足」23.8%の計90.5%と高い値を得ており、設問別でも「発達に配慮した保育活動」「子どもの興味・関心の伸長」「保護者との信頼関係」など全17問中15問で80%台~100%の高い支持を得ている。
自由意見では「スタッフ皆が子どもにも保護者にも言葉遣いが丁寧で優しく、子どもの少しの成長や変化にも気づいてくれ、心から信頼でき、安心して利用できており、事務的なシステムも便利だ」「体操や英語・リトミック等、いろいろなレッスンがあり、子どもによい経験になっている」「イベントや日々の活動など、子どもの興味関心を引き出すような活動や工夫が多く、プログラムが素晴らしい」「毎朝、笑顔で優しく丁寧に子どもを受け入れてくれ、安心して預けることができ、園長をはじめ全員が自然体で明るく、とてもいい環境だと思う」「ウェブでの日程調整や連絡帳などペーパーレス化され、働いている中でも園を利用しやすく、登園時などドアの施錠等、安全対策もしっかり取られている」などの声が寄せられている。
さらなる向上を望む意見として複数見られたのは、日常の保育や行事、保護者の利便性向上に関することである。

アンケート結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか

はい 21名 (100%)

実質的な満足度(「無回答・非該当」を除いた割合・以下同)は、有効回答者21人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には「体操教室などもあってよいと思う」の1件があった。

2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか

はい 21名 (100%)

有効回答者21人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には「さまざまなアクティビティを用意してくれる」「創意工夫が素晴らしい」の2件が寄せられている。

3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか

はい 18名 (86%)
どちらともいえない 3名 (14%)

「はい」が85.7%、「どちらともいえない」が14.3%となっている。 自由意見は3件で、「丁寧に説明してくれる」「手作りも多く、ありがたい」のほか、メニューなどについて、さらなる工夫を望む声が見られる。

4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか

はい 15名 (71%)
どちらともいえない 5名 (24%)
いいえ 1名 (5%)

「はい」が71.4%、「どちらともいえない」が23.8%、「いいえ」が4.8%となっている。 自由意見は2件で、「散歩の様子を細かく報告してくれる」のほか、戸外活動等のさらなる充実を望む声が寄せられている。

5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか

はい 15名 (71%)
どちらともいえない 3名 (14%)
無回答・非該当 3名 (14%)

「はい」が83.3%、「どちらともいえない」が16.7%となっている。 自由意見には記入がなかった。

6.安全対策が十分取られていると思うか

はい 18名 (86%)
どちらともいえない 2名 (10%)
いいえ 1名 (5%)

「はい」が85.7%、「どちらともいえない」が9.5%、「いいえ」が4.8%となっている。 自由意見は4件で、「地震があった時の迅速な対応が素晴らしかった」「危険な箇所が改善され、バックヤードへの仕切りがなかった点も改善された」のほか、保育中の安全管理、整理整頓について、気になる点や要望が挙げられている。

7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か

はい 17名 (81%)
どちらともいえない 3名 (14%)
いいえ 1名 (5%)

「はい」が81.0%、「どちらともいえない」が14.3%、「いいえ」が4.8%となっている。 自由意見には、日程等の連絡などにおける各家庭への配慮について、さらなる検討を望む声が1件寄せられている。

8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか

はい 21名 (100%)

有効回答者21人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には「帰り際に一日に起きたことを時間をかけて丁寧に説明してくれる」の1件が寄せられている。

9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 20名 (95%)
どちらともいえない 1名 (5%)

「はい」が95.2%、「どちらともいえない」が4.8%となっている。 自由意見には、衛生管理について、さらなる工夫を望む声が1件寄せられている。

10.職員の接遇・態度は適切か

はい 21名 (100%)

有効回答者21人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には「いつも丁寧に接してくれて安心できる」の1件が寄せられている。

11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 21名 (100%)

有効回答者21人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には記入がなかった。

12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 15名 (71%)
どちらともいえない 2名 (10%)
無回答・非該当 4名 (19%)

「はい」が88.2%、「どちらともいえない」が11.8%となっている。 自由意見には「まだ経験がないため、非該当とする」の1件があった。

13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか

はい 20名 (95%)
どちらともいえない 1名 (5%)

「はい」が95.2%、「どちらともいえない」が4.8%となっている。 自由意見には記入がなかった。

14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか

はい 18名 (86%)
無回答・非該当 3名 (14%)

有効回答者18人全員(100%)が「はい」と答えている。 自由意見には記入がなかった。

15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 20名 (95%)
いいえ 1名 (5%)

「はい」が95.2%、「いいえ」が4.8%となっている。 自由意見には、保育内容等に関する保護者への説明について、さらなる工夫を望む声が1件寄せられている。

16.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 17名 (81%)
どちらともいえない 2名 (10%)
無回答・非該当 2名 (10%)

「はい」が89.5%、「どちらともいえない」が10.5%となっている。 自由意見には「意見を伝えると改善してくれ、ありがたかった」の1件が寄せられている。

17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 11名 (52%)
どちらともいえない 1名 (5%)
いいえ 3名 (14%)
無回答・非該当 6名 (29%)

「はい」が73.3%、「どちらともいえない」が6.7%、「いいえ」が20.0%となっている。 自由意見には、外部の意見窓口の周知について、さらなる検討を望む声が1件あった。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
保育・教育やそれらを通じた社会貢献など、目指すものを保護者や職員に周知させている

「働く女性を最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」をグループ共通の企業理念に掲げ、保育・教育を融合させた「エデュケア」の提供を通じて育む4つの人間像を教育方針(ナーサリースクール目標)とし、これらを園の玄関に掲示している。また保護者には見学・入園時に説明するほか、懇談会ではこれらを踏まえた園のエデュケアの目標を、施設長から伝えている。職員には入職の際の初期教育のほか、保育の全体的な計画への記載にも記載し、日々のミーティング(以下「会議」)では本社のサービスポリシーとともに唱和している。

職員が子どもを愛情深く見守りながら、保育や仕事を楽しめる組織づくりを目指している

経営層を含む各職位・職種の職責や望まれる行動特性(コンピテンシー)が、本社の人材育成システム内に明示され、職員にも確認可能な状態となっている。園内においては、施設長が運営や意思決定の主たる責任・権限を担い、日常の会議や種々の業務場面で、現場への助言や指導や、園及び本社の施策・方針等の周知に取り組んでいる。また会議が子どもにも同僚にも肯定的な発言や称賛が交わされる場となるよう配慮したり、子ども一人ひとりへの愛情深いまなざしの共有を図るなどして、職員が保育や仕事を楽しむことができる職場づくりに努めている。

園内の意思決定や情報共有の仕組みを整え、必要な事柄を組織内・保護者に伝えている

定例の会議を毎週・毎月末に設け、出席可能な常勤者の参加のもとで、折々の園の方針の決定・共有を行っている。また子ども・クラスの状況や安全衛生面の啓発、本社が発信する種々の施策・方針や系列他園の情報なども、これらの場で共有されている。各会議の欠席者や非常勤者には、議事録の確認や個別の伝達、組織内のSNSなどを通じ、決定事項や議事の内容などを周知させており、保護者には主にアプリでの配信とアプリ内の各家庭のマイページへの掲載により、各種の重要な連絡事項を伝達している。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
保護者の意向を多様な方法・媒体で把握し、運営や保育・行事などの改善に役立てている

保護者向けのウェブアンケート「ISO顧客満足度調査」が系列全園で本社により実施されており、職員の身だしなみや食事・食育、環境美化・安全対策などの各分野で把握した満足度や要望・意見をもとに、当園及び全園共通の改善課題・方針を定め、保護者にも集計結果とともに伝えている。また懇談会や保護者代表が出席する運営委員会、行事後の感想収集なども、保護者の声を把握する機会とするほか、入園・退園の際にも、園選びのポイントや入・退園理由など、本社の事業展開等の参考となる保護者の意向・ニーズを把握するアンケートを設けている。

職員の意向や、園をとりまく経営環境の動向を、さまざまな機会に把握している

職員の意向は、前述の各会議や施設長との個別の面談などから把握するほか、施設の自己評価として、各職員が自園への評価と今後の課題・取組を記入・提出し、施設長が集約して運営や改善に活かす仕組みが設けられている。また在園世帯や入園前見学で来園する未就園世帯の声、区の認証保育所事務連絡会などを通じ、地域及び区内の教育・子育て等の状況やニーズなどを把握している。関連する行政の各種政策・制度の動向、業界内外の種々の話題は、前述の区の事務連絡会のほか、本社の各種会議、自治体・本社の発信物などから情報を収集している。

園の運営と課題解決、各種の日常業務について、各期間の計画を作成・実行している

毎年度の事業計画に、施設の概要と当年度の運営方針・保育目標のほか、特別保育事業や行事、地域・保護者支援、職員の研修・労働環境、安全・保健及び食事・食育、経費縮減や設備・備品整備など、園運営における年度の方針・取組を定めている。同計画中の主な各分野と日常の保育については、年間計画と具体的な取組内容・目標等を定めた各期間の計画が作成され、必要に応じた進捗確認のもとで実行されている。また保育・安全や利用者満足向上、人材の確保・育成、職場環境向上などについて、中・長期的な課題解決と改善のための計画も作成されている。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
全職員が高い倫理観を持って職務にあたれるよう、さまざまな啓発の仕組みを設けている

職員は入職の際、本社作成の「テクニカルブック」などをもとに、各種ビジネスマナーや服装・身だしなみ、子どもの人権の尊重や機密保持・個人情報保護など、社会人・保育者としての規範・倫理を学んでいる。子どもの人権の尊重と、虐待や保育者の不適切な関わりの防止については、全職員必修のEラーニング研修も設けられている。また本社が種々の不正やハラスメントなどに関する内部通報制度を設けており、園の事務室に情報が掲示されているほか、保育施設関連の事故や不適切保育等について、施設長が報道などをもとに随時注意喚起を行っている。

園と家庭での虐待等の防止に努め、保護者の意向への誠実な対応にも取り組んでいる

子どもの人権擁護と不適切保育の防止について、園内研修でも保育士団体のチェックリストをもとに、各職員の内省とその後の話し合いを通じた研鑽がなされ、昨年度も同様の機会を設けている。また本社作成の「子ども虐待防止対応マニュアル」に、児童虐待に関する基本的な情報・知識がまとめられ、上記のEラーニング研修や会議での施設長からの啓発を通じ、確認が促されている。苦情解決制度を整備し、日々の会話やアプリ連絡帳などからも保護者の要望等を把握し、寄せられた意見には内容に応じ対応や解決に努めるなど、保護者の意向にも配慮している。

地域の一員として、実施可能なさまざまな取組を行い、貢献や交流・連携に努めている

本社や世田谷区の各種媒体を通じた情報発信や、特別支援学校からの実習生の受け入れなど、地域に開かれた園としての取組を行い、実習生・ボランティア等の来園に対応するための系列園共通の手引書なども常備されている。また見学受け入れ時の未就園世帯への育児相談対応のほか、地元の商店街のイベントへ施設長と職員が手伝いに出向くなど、実施可能な地域貢献にも取り組んでいる。区の認証保育所事務連絡会や地域別の要保護児童対策地域協議会、区立園を拠点とする地域内の保育施設間の連携などにも参画するなど、地域との交流に努めている。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
SIDS・熱中症対策や園内各所の安全点検など、リスク抑制と事故防止に努めている

各種の事故・災害や不審者発生、感染症やSIDS・熱中症など、日常の運営上想定される種々のリスクに対し、園内の状況や時季、社内の担当委員会が発信する情報などを踏まえた優先順位のもとで、種々の対策を講じている。子どもの睡眠時の状態確認、緊急時の連絡方法と人工呼吸用のマウスピース等の各所への掲示・設置、毎年度の救命救急訓練実施など、SIDS対策に取り組むほか、夏場には戸外活動等を極力控え、熱中症予防に努めている。また各室の危険箇所を写真に明示し、所定の点検表による園内各所の安全確認も日常的に行っている。

災害・不審者への備えや子どものケガ等の防止、職員へのリスク対策教育もなされている

不審者対策として、侵入と戸外での発生をそれぞれ想定して毎年度訓練を行い、毎月の避難訓練では発災の状況・時間帯を多様に設定し、災害時の職員と子どもの動きや、保護者との連携を確認している。また感染症・自然災害を想定した業務継続計画(BCP)を事務室に常備し、今後職員への周知にも取り組む予定である。毎週・毎月の会議では、園内及び系列の他施設での事故やヒヤリハットに関する情報共有と注意喚起がなされるほか、本社設定の毎月のテーマに基づき、安全・保健衛生や虐待・不適切保育など、種々のリスクに関する啓発も行われている。

情報の利活用と漏洩の防止を両立させるための、環境整備と関係者の啓発がなされている

重要書類の施錠管理、端末機器類の使用時やシステムへのログイン時のアクセス制限、各種のセキュリティ対策など、情報漏洩の防止に努めるとともに、系列全園で業務全般の電子化が推進され、合理化・省力化による職員・保護者の負担軽減が図られている。また職員には情報管理に関する研修やEラーニング教育が設けられており、実習生等には受け入れの際に、機密保持の厳守を求めることとなっている。保護者には入園時に、子どもの肖像の利用や他機関への情報提供、保護者の私的撮影物の取り扱いへの諸注意などについて、説明と同意確認を行っている。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
必要な人材の確保と、園内の環境や保育の状況なども考慮した人員配置に取り組んでいる

本社が採用専用サイトでの情報発信・エントリー受付や「ライブ園見学」、各種養成校や関連の業者・イベントなどの多様な方法・媒体と、施設長の面接への参加などにより、求める人材像に適う職員の獲得に努め、配属・異動は各園の状況をもとに、各人の意向や居住地などを考慮して行われる。園内での配置は、各保育者の意向と経験・適性、期待される能力発揮のほか、乳児園としての特性や0歳児室が独立している園舎の構造、担任継続による保育の安定と保護者の安心なども考慮して決定する。就業状況の管理、各種福利厚生などの仕組みも整備されている。

個別の評価・目標管理、多様な内部研鑽など、職員の育成・処遇の仕組みを整備している

職員の個別育成の仕組みとして、職位・職種別の職責や望まれる行動特性(コンピテンシー)と、これに基づく個別の業績・行動評価、目標管理が行われている。各人に職位・職種や経験に応じた目標を設定し、中間・年末に達成度を確認するほか、所定の項目に基づく自己・上長評価を行い、これらを処遇に反映させ、能力・意欲の向上を支援している。職位・経験や職種などに応じた各種社内研修、安全・保健衛生や虐待防止などに関するEラーニングの各課目など、多様な内部研鑽の仕組みや、新人の基本業務習得のためのチェックリストも整備されている。

組織内のコミュニケーションと多様な学びを通じ、保育の質や現場の活力を高めている

上記の多様な内部研鑽に加え、園内の体制などに応じ、国のキャリアアップ研修や自治体等が行う各種実務研修などの受講も順次進められ、会議での報告や報告書・資料の供覧によって、各人に学びの還元を促している。毎週・毎月の会議では、保育・行事や子ども、保護者の声や安全・保健衛生など、種々の話題に関する情報共有や話し合いがなされるほか、各種リスクや虐待・子どもの人権などに関する園内研修も行われている。毎日の休憩・事務時間の確保や休暇の取得などについても、職員・クラス間で調整に努め、より働きやすい職場の実現を目指している。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

少子化と最寄駅周辺の保育所整備がともに進み、利用園児の確保は、近年の当園における重要課題の一つとなっている。小規模の認証園という特性上、定員の充足が経営基盤の安定化に欠かせない要件であることを踏まえ、昨年度も必要な取組に注力した。
施設見学会の案内を中心に、ホームページ内の「お知らせ」欄を随時更新するとともに、見学会の実施頻度も高めるなど、通園施設を探す未就園世帯への情報発信と、当園に足を運んでもらう機会の充実に努めた。
また在園世帯からの信頼と評価を高めたり、見学で園を訪れる子育て家庭に園のエデュケアの質と子どもたちの育ちの姿を知ってもらうために、写真と保育者の考察をつづる文章から構成される「ドキュメンテーション」の作成・掲示の活性化にも取り組んだ。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

見学会は、それまでの期間を定めて集中的に行う形から、10月以降に毎月複数回を年度末まで実施する形態に改め、開催に合わせてホームページにも情報を掲載し、より多くの集客に努めた。その効果もあり、今年度は定員を超える在籍数を得ている。またドキュメンテーションの作成は、各職員の目標を年間に1回から3回に増やし、活発な取組を促すとともに、作成のつど職員間で共有し、話し合うことで、子どもに向けるまなざしや保育のねらい、発達段階などへの理解と考察を深めた。また作成されたドキュメンテーションは随時園内に掲示し、保護者にも日々のエデュケアの内容や、その中で子どもが獲得する経験や成長を具体的に伝えるとともに、見学会では来園者にも紹介し、理解を深めてもらう一助とした。
活発な見学会の実施は継続し、今年度は4月から開始している。ドキュメンテーションは体制上の事情などから、訪問調査時点では昨年度のような頻度では進んでいないが、状況が整い次第取り組む予定である。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

いわゆる不適切保育に関する報道が相次ぎ、子どもへの関わりや人権擁護の徹底に関する社会の関心が高まっていることを踏まえ、昨年度は園内での保育者の子どもへの不適切な関わりを防止する取組にも注力した。
関連する社内のEラーニング課目の受講に加え、保育士団体作成のセルフチェックリストを用いた各職員の内省と、子どもの人権の尊重や不適切保育の防止に関する園内研修を、5月と9月の計2回実施した。また施設長が毎週・毎月の会議の際に、本社からの情報発信や関連の報道を踏まえた注意喚起を随時行い、各職員に自戒を求めたほか、非常勤職員にも関連する資料を配付し、確認を促すなど、組織全体で子どもへの不適切な言動を防ぐべく取り組んだ。
これらに加え、虐待等の発見時の対応フローを更新し、事務室内に掲示するとともに、5月の週末の会議で確認を促すなど、家庭での虐待等の早期発見にも努めた。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

一連の取組は今年度も継続しており、4月末の会議では上記のEラーニング研修の受講を職員に促した。またその後に各人の感想や、保育をするうえで「絶対やること」「絶対やらないこと」を話し合い、書面でも募ることで、子どもには笑顔で、目を見て接すること、挨拶や肯定的な言葉かけを常に意識すること、スキンシップや子どもの立場になって考えることを大切にすること、環境設定を考えるうえで行動の予測をすることなど、日頃心がけるべき習慣・行動や、差別・暴力や感情的に叱ること、人格を否定する発言や物のような扱いをしないことなど、してはならないことを組織全体で共有できるようにしている。
また9月には上記のセルフチェックリストを用いた園内研修を行っている。各職員が同リストをもとに自身を振り返ったうえで話し合い、子どもに目を向けるうえで必要な心構えを確認している。一定の倫理観を持ちつつも、それによって子どもの行動を画一的に判断するのではなく、行動の理由や原因となった子どもの心理や、行動までの経緯などにも心を寄せることなど、保育者に求められる子ども一人ひとりへの深い洞察について、その大切さの共有を図っている。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
見学会を活発に実施し、入園希望者に園の方針や特徴を伝えている

入園を希望する保護者を対象とした見学会を、4月から毎月複数回実施している。日程はホームページ上に掲載しており、予約は電話のほか、ホームページ上の申し込みフォームにて受け付けている。見学の際には、重要事項説明書の抜粋版を用いて、利用にあたっての有料・無料のサービスや基本的な決まり事について説明している。併せて園内を案内し、子どもたちの生活や活動の様子、室内環境のほか、保育者の子どもとの関わり方などを見てもらいながら、保育内容や大切にしていることを、小規模な施設の特性とともに伝えている。

ホームページを通じ、本社・園の方針や基本的な各種の情報を発信している

本社開設のホームページでは、教育方針に加え、教育(エデュケーション)と保育(ケア)を融合させた、独自の「エデュケア」に関する説明や、エデュケアを実践するために開発した「ポピンズアプローチ」について、手法や発達のとらえ方とともに解説している。またエデュケアだけでなく、SDGsや食育、ITの活用、有料の別途サービスなどについての説明などのほか、園のページには施設の所在地や連絡先、定員、開所時間などの基本情報のほか、施設長からのメッセージや、日々のエデュケアの様子を伝えるブログも掲載されている。

行政等の各種媒体にも園の情報が掲載され、在宅でも入手できる環境となっている

世田谷区のホームページには、当園の所在地・連絡先・アクセスなどの施設の概要をはじめ、保育方針や施設コンセプト、一日のスケジュールや年間行事などが掲載されるほか、『とうきょう福祉ナビゲーション』へのリンクも設定されている。また区が発行する「世田谷区の保育施設」にも、所在地・連絡先・定員・開所時間などが掲載され、オンラインで公開されるほか、区役所の窓口等でも入手可能となっている。とうきょう福祉ナビゲーションには、当園の基本的な各種情報のほか、過年度の第三者評価の結果が掲載されている。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  • 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
【講評】
園の基本的な方針や利用の決まりについて、重要事項説明書を用いて説明している

入園が内定した家庭に対し、重要事項説明書を送付し、記載内容への理解と同意のうえで契約を締結しており、契約書のサインをもって保育開始の同意確認としている。入園前説明会にて、園の概要や運営方針などを説明するほか、重要事項説明書のうち、特に重要な部分や園の決まり事、誤解が生じがちな事柄などについては、面談の際に施設長が再度説明するようにしている。保育開始後にも園の利用のルールや、感染症罹患時の欠席要件などの保健面の約束事などについては、そのつど説明し、保護者が質問しやすい雰囲気づくりにも努めている。

入園時には面談を実施して子どもや保護者の情報を把握し、スタッフ間で共有している

入園時には、子どもの生年月日・保護者の就労状況・緊急連絡先などの基本的な情報や、平熱・出生時の状況・アレルギーの有無・健康面で留意すること・感染症や予防接種の履歴などの保健面の情報、食事・排せつ・生活リズム・遊びや言葉の状況・集団生活の有無など、保育開始に必要となる情報を、園児情報を管理するアプリケーションに保護者が入力することとなっている。また個別の面談を実施して上記の内容を確認するほか、口頭で聴き取ったさらに詳細な情報は、面談用のシートに記録している。面談時に把握した内容は、スタッフ間で共有している。

入園直後の子どもの負担や、サービス終了時の保護者の不安などの軽減に努めている

入園直後の子どもと保護者の負担の軽減に向け、徐々に保育時間を延ばしてゆく「慣らし保育」を実施している。期間は面談時に、子どもの月齢や保護者の就労状況を踏まえて決定し、子どもの状態に応じて柔軟に期間や時間を変更している。またSIDSの危険性やその対策を保護者に説明し、理解を得るようにしている。3歳児以降は他の認可園等に移行するケースも多く、利用の終了時には希望者に対して面談を実施(昨年度は全世帯実施)し、子どもの特性を保護者と共有するほか、次の生活に向けた相談に応じ、できる限りの助言を行うようにしている。

1.サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  • サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  • サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
子どもの発達状況を定期的に記録する仕組みを整えている

入園時の基本情報(家庭調査票・児童健康表・「お子様について」)はデータ及び書式にて個別にまとめ、定期・随時に更新し、記録することになっている。子どもの心身の状況や情緒などの様子についても、「成長の記録」に定期的に記録している。子どもや保護者のニーズや課題を、連絡アプリや日々の保育での様子などから把握するよう努めている。日々の子どもの状況は個別日誌に記録し、心身の発達が著しい0~2歳児は個人別の計画を策定し、一人ひとりに沿った支援内容とその結果による子どもの状態の推移について、適宜振り返りを行っている。

子どもの状況や保護者の意向を反映させ、年・月・週の計画を作成している

全体的な計画は保育理念・保育方針のほか、年齢別の養護と教育の内容が記載されており、これらをもとに長期・短期の計画を策定して、日々のエデュケアの実践につなげている。月案は子どもの状況や保護者の意向を反映させながら、養護と教育の5領域に分け、歌・絵本・運動カリキュラム・多文化教育、その他の取組としてSDGs・食育などの内容を考案している。月案・週案の作成にあたっては、担任が複数名で話し合い、子どもの状態を確認して計画に盛り込み、それぞれ月・週ごとに評価・反省を行い、次の計画作成につなげるようにしている。

子どもの成長・発達や家庭の状況を把握し、職員間で共有する仕組みを設けている

懇談会では、現在の子どもたちの姿や年間を通した発達の見通し、月齢差や個々の特性等を保護者に説明し、園として大切にしたい関わりを伝えている。また小規模園の顔の見える特性を活かし、クラスを超えた子どもや保護者との関わりの中で把握した必要な情報は、職員間で口頭で伝え合うようにするとともに、「視診表」に記載し、すべての職員で共有できるようにしている。日々の会議では、健康・情緒・家庭への援助等に関する内容や配慮事項を共有するほか、課題と考えられる事例について検討し、個々の子どもへの理解を深め、実践に反映させている。

1.定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  • 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している
  • 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  • 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況(保護者の意向を含む)の変化に即して、保育の過程を踏まえて作成、見直しをしている
  • 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  • 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  • 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
  • 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
  • 子ども一人ひとりに対する理解を深めるため、事例を持ち寄る等話し合う機会を設けている
1.子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている
  • 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  • 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  • 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  • 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  • 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  • 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】
    小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携を図っている
【講評】
子ども一人ひとりの状態を職員間で共有し、多面的に姿をとらえるようにしている

子どもの様子は、「成長の記録」「ポピンズメモリー」や日々の「視診表」、保育日誌に詳細を記録している。体格的な成長は身体測定を毎月実施し、健康診断の実施や胸囲・頭位の測定も行っており、身体測定や健診の結果は保護者もシステム上で確認可能となっている。また定期的な会議で子ども一人ひとりの様子を話し合い、担任以外の保育士もすべての子どもの状況を把握し、多面的に子どもの姿をとらえている。保育室内は食事・遊びでスペースを分け、子どもの興味や経験させたい遊びなどに応じ、保育者が玩具収納棚から出して遊びの設定を行っている。

異年齢や異文化の子どもたちとの関わり合いが日常的に行われている

小規模園のよさを活かし、日常的に異年齢の関わりが持たれており、遊びや生活をともにしながら刺激を受け合っている。「多文化教育」として異文化に触れる機会を設けており、バイリンガルレッスンやオンラインツールを活用し、文化・風習等の国による違いが刺激を受けながら、遊びを通して異文化の子どもたちとの交流体験を行っている。園内の掲示物は、季節・文化・食など、子どもの興味やその後の「エデュケア」につながる要素があるものを掲示し、子どもの感性を刺激するとともに、活動や取組を保護者と共有するツールにもなっている。

子どもの特性に対応できる体制を整え、発達に応じた援助に努めている

特別な配慮が必要な子どもに寄り添う保育を実践するために、保護者・嘱託医・かかりつけ医のほか、社内の看護師チームと連携して対応できる体制を整えている。子どもが個々に必要な援助を受けながら、すべての子どもがともに成長できるような「インクルージョン保育」を行えるよう、環境面の配慮を行っている。玩具や空間の取り合いなど、発達段階でトラブルが起こりやすい年齢であることを踏まえ、子どもの行動を予測し、トラブルが起きそうな時には声をかけて寄り添ったり、他の遊びに誘うなど、子どもが安定した気持ちで過ごせるようにしている。

2.子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている
  • 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  • 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  • 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  • 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
【講評】
登降園時の保護者との対話や連絡帳でのやり取りで、子どもの様子を把握・共有している

家庭での様子や生活状況などに関する情報は、登降園時の保護者との対話や「ポピンズメモリー(連絡帳)」などから把握している。登園時は子どもの体調や機嫌等を「視診表」「ボディチェック表」の内容に沿って聴き取り、記録している。降園時は保護者に子どもの様子を丁寧に伝え、訪問時にも園から配信されるポピンズメモリーの内容とともに、当日撮影した写真を示しながら、活動に取り組む子どもの姿を共有している場面が見られていた。園内には活動の写真とコメントを掲示し、普段の子どもたちの様子が保護者にも伝わるようにしている。

保護者との共通理解のもと、基本的生活習慣の自立への取組を行っている

基本的生活習慣の自立への取組は、年度当初の懇談会にて、取り組む意図や具体的な支援方法について保護者への説明を行っている。排せつ・着脱等は日頃の生活の中で、子どもの意欲を認めながらさりげなく援助ができるようにしている。集団で取り組むのではなく、一人ひとりのペースを把握し、無理なく進めるようにしている。排せつのトレーニングは、トイレに慣れることから始めており、成功体験を重ねて、徐々に自ら尿意や便意を知らせる姿を目指して取り組んでいる。おむつからトイレへの移行は、保護者と相談しながら協力して進めている。

個々の生活リズムを把握し、ゆっくり休める午睡環境を整えている

午睡時間は子どもの発達段階や生活リズムを考慮して、個々に無理のない設定を行うほか、ポピンズメモリーや登園時の保護者との対話で、子どもの体調や家庭での生活リズムを確認している。年齢に関わらず、体調などに応じていつでもゆっくり休めるよう環境を整えている。0歳児は月齢によりベビーベッドを使用し、安全に睡眠を取れるようにしている。また午睡中は落ち着いて眠れるように彩光調節を行い、保育者が隣について安心して眠れるよう配慮するほか、SIDS対策として各年齢とも5分ごとに一人ひとりの呼吸・状態の確認を行い、記録している。

3.日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している
  • 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  • 子どもが人と関わる力を養えるよう援助している
  • 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉(発声や喃語を含む)や表情、身振り等による応答的なやり取りを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  • 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  • 子どもの心身の発達が促されるよう、戸外・園外活動(外気浴を含む)を実施している
  • 生活や遊びを通して、子どもが自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
【講評】
日々の活動のバランスを図り、遊びを通してさまざまな学びにつなげている

一日の保育は設定された主活動の時間と、子どもが主体性をもって自由に遊ぶ時間帯を設けてメリハリをつけている。子どもの興味を把握して玩具を提供しており、子どもが自発的に選択して遊べるようにしている。集まりや日々の遊びの中で、友達や保育者に自分の気持ちを伝え、共感したり、されたりする経験の積み重ねから、コミュニケーション能力を高めている。またオンラインツールを活用してリトミックや英語、外国文化に触れるなど、画面に映る講師とともに身体を動かして遊び、遊びの世界を広げるとともに、さまざまなことを学べるようにしている。

子どもの言葉とコミュニケーションの力の育みと、探究心や創造性の伸長を支援している

語彙を習得する前段階として、その時々の表情や機嫌などから子どもの気持ちを丁寧に汲み取り、受けとめられた子どもが徐々に語彙を表現することができるようにしている。子どもの言葉を応答的に繰り返したり、思いを表現できない時は代弁したりしながら、子どもの欲求を理解するように努めている。ごっこ遊びでは必要に応じて声をかけ、子ども同士が共通のイメージを持ってやり取りを楽しめるようにし、制作遊びではさまざまな素材に触れ、絵の具や色水・感触遊びなど、五感を刺激して子どもの探究心や創造性の芽生えを培う保育を実践している。

戸外活動では身体を動かしたり自然の中を散策したりしながら、季節を体感している

気候のよい日は積極的に戸外へ出かけ、公園や広場で思いきり身体を動かして遊んだり、自然物を見たり触れたりしながら季節を体感できるようにしている。落ち葉や石、木の枝など、子どもの発見をともに喜び、宝物として大切にしようとする気持ちを尊重している。道中では郵便車やゴミ収集車などの働く車を見つけて立ち止まったり、すれ違う地域の方々に保育者と一緒に挨拶したりしながら、社会性の芽生えを促している。公園の遊具を譲り合ったり、順番を守ったりなど、公共の場での決まりやルールを体験している。

4.日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している
  • 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  • みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  • 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
【講評】
楽しみながら取り組める行事を経験し、成長の喜びを感じられるようにしている

行事は日々の活動の積み重ねから展開し、子どもたちが好きな歌や踊り、絵本など、日常の好きな遊びから無理なく楽しむことができるように取り組んでいる。季節や文化を体験するものや、保護者とともに成長を喜び合えるものなど、行事を通じて日常の保育に変化と潤いを持たせ、一人ひとりがさまざまな経験を通して成長を重ねられるようにしている。また子どもの日や七夕・節分・ひな祭りなどの季節行事では、絵本や紙芝居などで由来を伝え、関連の制作や歌で子どもたちが興味を深め、心待ちにできるようにしている。

日頃とは違った雰囲気の中で、親子同士の交流やゲームを楽しめる行事を行っている

夏祭りは「南国」をテーマに、園内の装飾をヤシの木や魚で南国風に飾りつけ、魚釣りやヨーヨー、動物のボール投げなどのコーナーを設けている。子どもたちは日頃とは違った園内の雰囲気に戸惑いを感じながらも、徐々に笑顔が見られ、親子で一緒にコーナーを回って楽しんでいる。また「ワークショップ」では布袋を制作しながら、親子や保護者同士の交流が図られている。コロナ禍で開催が縮小されていたこともあり、感染状況に留意しながらも、保護者参加行事として開催したことで、後日のアンケート結果では保護者から好評が得られている。

リズムや運動遊び、異文化行事など、さまざまな行事が開催されている

例年の「スポーツフェスティバル」では、子どもたちが日頃親しむふれ合い遊びや運動・リズムなどを保護者と一緒に楽しみ、ハロウィンやクリスマスなどの異文化行事では、年齢に応じて発達をとらえた制作でオーナメントやリースを作り、園内に飾って当日を心待ちにできるようにしている。保護者には年度初めに年間行事予定表を配付し、行事内容や保護者が参加する行事を知らせ、行事の取組の過程は「ポピンズメモリー」や送迎児の対話で保護者に発信するほか、写真と文章で構成される「ドキュメンテーション」の園内掲示や動画でも保護者に伝えている。

5.保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている
  • 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  • 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
【講評】
園で過ごす時間は、リラックスして健康的に過ごせるよう配慮を行っている

保育時間が長くなる子どもたちが、日々リラックスして健康的に過ごせるように、遊び・食事・午睡などの日課を大切にした保育を行っている。受け入れ時には保育者が丁寧な視診に努め、体温の測定値は職員共通のシステムに入力し、すべての職員が個々の子どもの身体・情緒の変化を把握できるようにしている。また子どもが寂しさを感じたりすることで不安が募り、機嫌が悪い時などは、保育者がスキンシップを図るなどの配慮に努めている。保育中に体調の変化が見られた時には、寄り添いながら安心して心身ともに休むことができる環境を整えている。

異年齢で遊びを楽しみながら迎えを待てるような環境を整えている

朝夕の合同保育の時間帯では、異年齢の子どもたちがブロックやままごと、電車などの玩具で思い思いに遊んで過ごしている。小規模園であることから、どの職員も個々の子どもの姿を把握し、担当外の子どもであっても特性や状況を把握したうえで支援を行える体制としている。要望があれば夕食を提供し、子どもが寂しくならないように保育者はそばに寄り添い、子どものペースで食事が行えるような配慮をしている。一日の子どもの様子や保護者への伝達事項は、「視診表」と口頭での伝達により、担当から延長時間担当に引き継がれている。

6.子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している
  • 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  • メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  • 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  • 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動、保護者や地域の多様な関係者との連携等)を行っている
【講評】
一人ひとりの食事形態や発達に応じた食事の援助を行っている

昼食は異年齢の子どもたちが多目的ルームで食事を摂り、個々の介助から複数児の見守りなど、一人ひとりの食事形態や発達に応じた援助を行っている。食前には職員がメニューを紹介し、子どもたちは食への感謝の気持ちが込められた英語の歌を歌っている。離乳食期・アレルギー児・通常食の判別がつくようにエプロンやトレーの色を変え、それぞれ食札も添えて誤配誤食を防いでいる。旬の食材を採り入れた献立は薄味調理を基本として、和洋中の多彩な内容とともに、多文化教育の一つとして他国の料理や季節感も味わえる行事食も提供されている。

食物アレルギーの子どもが安全に日々の食事を摂れる仕組みを整えている

食物アレルギーの子どもは、医師の指示書をもとに個別面談を行い、除去食材の確認を行っている。専用の献立表を配付し、除去・代替の内容を保護者にも確認してもらっている。提供時は他児と距離を置いた専用テーブルに着席するなど、事故防止にも配慮している。離乳食期は食べたことのある食材を「食事調査票」で確認するほか、栄養士が咀嚼や嚥下の状況を観察し、保護者と連携を取りながら同意を得て進めている。体調不良時には「1日食事変更届」を提出してもらうことで、牛乳を除去したり、離乳食の段階を一時的に下げるなどの対応を行っている。

子どもが食を身近に感じて興味・関心を深め、意欲を高める食育活動を行っている

子どもたちが食に興味を持ち、楽しくおいしく食べることにつながるよう、皮むきや種取り、野菜の栽培など、身近な食材に触れ、食べることへの親しみを持つ活動を行い、調理過程での食材の変化も年齢に応じた取組で経験している。苦手なピーマンをプランターで育て、ふりかけにすることで喫食が進む姿が見られたり、こねて伸ばす指先の発達が見られた姿から、クッキーの型抜きやスウィートポテト作りなどの調理体験につなげている。食育活動の様子は「ニュースレター(園便り)」や前述の「ドキュメンテーション」などを通じ、保護者とも共有している。

7.子どもが心身の健康を維持できるよう援助している
  • 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  • 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  • 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
  • 子どもの入退所により環境に変化がある場合には、入所している子どもの不安やストレスが軽減されるよう配慮している
【講評】
子どもの衛生感覚を育むための援助や安全教育を実施している

子どもの衛生感覚を育むため、おむつ替えや清拭の際に、清潔であることの心地よさを言葉にして伝えるようにするほか、手洗いについては、歩行が安定する頃から一緒に行い、手順を伝え、自分でできるよう援助している。安全教育として、日々の保育場面において危険なことを目にした場合には、そのつど子どもがわかる言葉で伝えるようにしている。また避難訓練を実施し、子どもたちが避難を経験しており、毎年行われる同ビル内の事業所との合同避難訓練では、当該事業所の職員と手をつないで避難する体験をしている。

子どもの健康を維持するための環境整備や援助・支援に努めている

登園時には視診・検温を行うほか、保護者から子どもの健康状態を聴き取り、体調の急変に備えている。温度・湿度の管理のほか、室内の清掃、玩具の消毒など保育環境の衛生状態の維持に努め、沐浴後には頭髪の濡れた子どもに対するエアコンの影響に留意するほか、適時の水分補給、猛暑時の外出の自粛、睡眠時のSIDS対策など、子どもの健康を維持するためのさまざまな対策を講じている。また皮膚疾患の症状を緩和するための外用薬の塗布や、体調による食事内容の変更などにも、系列園共通のマニュアルに従って対応を行っている。

健康・安全に向け、職員研修や保護者への情報発信、医師との連携に取り組んでいる

子どもの健康維持や事故防止・安全対策に向けて、不審者訓練・避難訓練を行うほか、心肺蘇生法を再確認する機会を設け、本社によるオンライン研修でエピペンの使用方法・アレルギー対応などに関する学びを得ている。保護者に対する保健情報の発信として、連絡アプリを活用し、園で発生した感染症の状況とその対策などのほか、公的機関が発信する自転車の事故防止やコロナ対策、ベランダの危険などに関する情報も配信している。嘱託医との連携体制が構築されており、定期健診以外でも、随時の相談や情報提供に応じてもらっている。

8.保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている
  • 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  • 保護者同士が交流できる機会を設けている
  • 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  • 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  • 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
【講評】
子どもの状況や保護者の意向を踏まえた、個々の必要に応じた援助に取り組んでいる

子どもの発達状況や特性、生活リズム等に応じた細やかな援助に向け、入園時には、子どもの状態や保護者の育児に対する方針などを聴き取り、個人別の指導計画の作成と実践、個人別の日々の活動の記録などに取り組んでいる。毎週のミーティングでは、子どもの体調や保護者の状況などを共有し、必要な援助・支援につなげている。アレルギー対応等の食事の変更や、与薬にも系列園共通のルールのもとで対応している。保護者の就労状況による保育時間の変更には、できる限り柔軟に対応しており、延長保育や夕食の提供にも有料で応じるようにしている。

保護者同士が交流する機会を設け、保護者との信頼関係を深められるよう取り組んでいる

保護者同士が交流し、親睦を図ることができるように、懇談会の際には保護者の自己紹介の時間を設けるほか、夏祭りや「スポーツフェスティバル」、発表会などの保護者参加の行事も、保護者同士がコミュニケーションを図り、子どもの成長を共に喜び合う機会となっている。保護者との共通理解を深め、信頼関係を確かなものとすべく、保護者との丁寧な対話を心がけており、すべての子どものことをすべてのスタッフが把握できるよう、連絡帳の確認やミーティングでの子どもの健康・体調、保護者や家庭の状況等の共有に取り組んでいる。

保護者の養育力向上に向けた情報提供や助言、提案に取り組んでいる

園内の保育において標準的に行っている援助が、どの家庭の育児においても行えると考えるのではなく、氾濫する情報の中で、保護者が迷っていること、困っている可能性があるととらえ、食事・排せつ・遊びなどに関する、育児のヒントとなる情報を提供すること、助言や提案を行うことが、園としての専門性の発揮であり、役割であると考えている。園での子どもの様子を保護者と共有することで、保護者との共有感を高めるほか、家庭での育児の参考としてもらえるように、感染症の流行状況を踏まえつつ、保育参加を再開する予定としている。

9.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  • 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
【講評】
同じビル内の事業所や商店会との交流の機会を設けている

散歩では地域の方と挨拶を交わすほか、四季や自然を感じたり、交通ルールを体験したりしている。同じビル内の農協との交流があり、農協の畑にジャガイモ掘りに出かけるほか、年に一度は合同避難訓練を行い、子どもたちが農協の職員と手をつないで避難する体験をしている。地域の商店街の会員になっており、今年度、コロナウイルス感染症の第5類感染症への移行を踏まえ、中止していた交流の再開を計画しており、ハロウィンのパレードのほか、勤労感謝の日に際し、日頃の感謝の気持ちをプレゼントにして届けることを予定している。

保育者以外の大人と関わりを持ち、多様な体験を得られるように機会を設けている

外部講師による英語・体操・リトミックのプログラムは、保育者以外の大人と関わり、多様な体験を得られる機会となっている。英語のレッスンを担当する外国人講師は、レッスン後も子どもたちと関わっており、食事や着替えなど、生活面の援助を行ったり、一緒に遊んだりしている。そのほか、系列園の取組の一つとして、世界を身近に感じることを目的に実施する「ワールドツアーズ」にも参加し、世界のさまざまな国とオンラインでつながり、動物を見たり、現地の幼児教育施設と交流したりするなど、子どもが興味や関心を持つきっかけとなっている。

【講評】
個人情報の適切な取り扱いや、子どものプライバシー・羞恥心等への配慮に努めている

重要事項説明書に、子ども・保護者及びその家族の個人情報を、同意を得ずに第三者に提供しないことを定めており、契約の締結により各家庭と同意を確認している。また写真の掲載などにおける個人の肖像については、承諾を得た子どものみを公開する仕組みとしている。子どもの羞恥心への配慮として、1・2歳児の着替えは外部からの視線が届かない部屋で着替えることとし、着替えの順番も丁寧に知らせながら徐々に身につくようにしている。トイレに個室を設置するほか、乳児のおむつ替えはトイレ内の見えない場所で行うなどの配慮にも努めている。

子ども一人ひとりの状態や保護者の意向を踏まえた援助を心がけている

入園時には、子どもの発達や生活リズム・成育歴のほか、保護者の育児に対する考え方や教育方針などを確認しており、子どもの成長・発達は定期的・継続的に記録するなど、子ども一人ひとりの状況を踏まえた援助に努めている。また眠たくなるタイミングや食欲・排せつなど、子どもの生体リズムを尊重することを基本と考え、保護者からの情報提供や子どもの様子から、個々の状態に応じて援助することを心がけ、心情面への配慮にも努めている。食物アレルギーや保護者の意向、子どもの体調等による食事内容の変更にも、可能な個別対応を行っている。

家庭や園内での子どもへの虐待を防ぐために、職員へのさまざまな啓発を行っている

本社作成の「子ども虐待防止対応マニュアル」を常備するとともに、9月の週の会議では、施設長が出席した地域内の要保護児童対策地域協議会に関する報告を行い、虐待等が疑われる子どもの姿を察知した際の対応や、発見時の通告先となる各機関の情報の確認を促している。また保育者による不適切な保育の防止に向け、人権に関する研修を実施しており、関連のチェックリストをもとにスタッフが個々に自らを振り返り、その後に話し合いの時間を設け、現状で心がけていることや問題意識を共有するとともに、園として守るべきことを確認している。

1.子どものプライバシー保護を徹底している
  • 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  • 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している
  • 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  • 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  • 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
【講評】
系列園共通のマニュアルを整え、行政の通達や指針の変更等に応じて改正を行っている

保健業務・感染症予防・虐待防止対応・「スペシャルニーズ(アレルギー疾患や慢性疾患等)」に対する、全社共通のマニュアルが整備されており、必要に応じて活用できるよう、事務室内に常置している。各マニュアルには基礎知識や守るべき手順のほか、疑問が生じがちな事柄に関するQ&Aなどを掲載し、一覧表や図のほか、文字強調などを活用するなど、視認性を高める工夫もなされている。これらのマニュアルは、公的な通知やガイドラインの変更のほか、事故報道などを受けて改正を行っており、変更点は、各園に展開・周知されることとなっている。

保育現場で用いるマニュアルを作成し、実技研修を行い、手順等の定着に努めている

上記に加え、各保育室に緊急時対応に関する手順を記した「エマージェンシーカード」や救命救急セット・嘔吐処理セットを常備するほか、危険箇所の写真と注意点、おむつ交換台やおむつバケツの清掃の手順や方法を掲示するなど、保育現場での即時対応や随時の確認に活用できるようにしている。また不審者訓練・避難訓練のほか、心肺蘇生法やアレルギー対策などの実技訓練を実施している。年度当初にはマニュアルの重要な部分を読み合わせたり、園内研修の際に該当箇所の再確認を行ったりするなど、定着への取組も行っている。

ヒヤリハット事例や訓練、保育実践の振り返りを改善に活かしている

ヒヤリハット事例を収集し、対策を講じており、前年同月の情報や他ルームの事故事例を対策の参考としている。避難訓練の際には振り返りを改善につなげており、今年度は避難時のアレルギー児へのおやつの提供の流れを見直している。日々の保育実践や行事の振り返りも、次期・次回の参考としている。今年度、環境構成の見直しに取りかかっており、現場からの意見をもとに、玩具棚に写真を貼り、子どもが片付けやすくするなどの改善が図られている。保護者からの意見は、行事後のアンケートや利用者調査などから把握に努め、改善に活かすこととしている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2023年7月14日~2023年12月8日

【評価者修了者No】

H1002063,H0702006,H0702077,H0902065,H1001023

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