評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1) 視覚障害者福祉における自分たちの立ち位置を常に意識すること。
2) 十分なコミュニケーションの下、チームワークを重要視すること。
3) 利用者の現在地を常に把握すること。
4) マニュアルのみに依存したサービス提供を行わないこと。
5) 自立と依存を意識すること。
職員に求めている人材像や役割
専門家としての知識、技術等を兼ね備えていることは重要であるが、それ以前に他者との関係性をしっかりと確立し、
維持することができることがさらに重要。すべてにおいて感性を磨くことを求める。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
専門家としての知識、技術等を兼ね備えていることは重要であるが、それ以前に他者との関係性をしっかりと確立し、
維持することができることがさらに重要。すべてにおいて感性を磨くことを求める。
全体の評価講評
特によいと思う点
「訓練」が中心のプログラムは、時として硬直性を生むことになるが、事業所では硬直性を避けるため、個々の利用者が抱える支援ニーズをもとにプログラムを構築しており、「家族的な訓練」を特徴とし、一つの型にはめない柔軟な支援を行っている。視覚障害者への訓練の先例を探すことが難しい状況において、そのような支援を可能としているのは、職員の専門性の高さに加え、上司によるスーパービジョンを基本としたOJT体制が機能しているからである。個々の職員の技量向上が柔軟な訓練の実現につながっており、利用者の満足度も高い。
就労移行ではハローワークやエージェントと連携を図りながら就職に向けて丁寧な支援を実施している。就職活動支援としては、応募書類の作成支援や面接の同行・同席を行っており、面接同席時には通勤経路の歩行訓練を実施する旨や、支援機器の貸し出し制度を利用することが出来ることを伝え、企業側の懸念事項を減らすことで就職に繋げていけるようサポートしている。また、企業のマッサージルーム立ち上げに運営や備品面での助言という形で携わっており、関わった企業に利用者の就職が決まるなど就職先の開拓についても意識的に取り組んでいる。
機能訓練で実施しているADL訓練では利用者個々の状況に応じて柔軟に訓練内容を調性することで、生活レベルの向上に繋げている。個々の家庭環境や要望を把握した上で、調理や裁縫、買い物といった日常生活の幅を広げていける訓練を提案しており、調理であれば主婦には大人数向けの料理を、男性の一人暮らしであれば時短料理を提案して訓練を行うといった配慮をしている。一つの訓練をきっかけに生活の幅が広がっていくことも多く、例えば衣類のボタンを付けられるようになったことで衣類の選択肢が増えたなど生活の質の向上にも役立てられている。
さらなる改善が望まれる点
法人には視覚障害者への支援を行う198の施設が加盟しており、視覚障害への普及啓発活動等、求められる役割は大きい。次年度以降、理事長が法人業務に専従することになり、法人としてガバナンスとコンプライアンス強化に取り組むことを予定している。まずは、法人と事業所、それぞれの役割と責任を明確にするとともに、法人理念を改めて策定していくとしている。併せて、職員倫理綱領の作成、虐待防止委員会やパワーハラスメント窓口の設置、各種規程類の見直しと整備等、順次進めるとしており期待したい。
建物の建替え計画が進行しており、建物設計に関しては若手職員も加わり、視覚障害者にとって使いやすい、安全に過ごせる場所となるよう検討を重ねている。一方事業所では、安定経営に向け、利用率85%以上を目標に運営を行っているが、一時移転により利用率が下がることを予測している。また、プログラムの提供や緊急時・災害時対応等にも新たな検討が求められることになる。建替え計画と併せて、行うべきことを明確にした工程表を作成するなど、中長期計画を策定し、体制を明確にしたうえで課題を解決していくことが期待される。
事業所が民間移譲されて6年目となる今年度は、コロナ禍の中、引き続き訓練時間の短縮や各種行事の自粛といった状況下ではあったものの、機能訓練、就労移行支援両事業の利用率は全体でほぼ90%を確保できている。現状、利用者の訓練に対する意欲は高いが、利用率の安定、さらなる向上に向け、広報活動に力を入れたいと考えており、昨年度より「ホームページ検討委員会」を立ち上げている。コンテンツの外部委託等、具体案は出つつあるが実行には移れていないので、次年度は取り組みが進むことを期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
東京都ロービジョンケアネットワークの活動、研修や学校等への講師派遣、地下鉄や鉄道といった企業の社会貢献事業への協力等、視覚障害者の理解促進のため様々なかたちで取り組みを続けている。また、コロナ禍の就労環境が厳しい状況下でも、複数の利用者が就労に結びついている理由として、ハローワーク等の関係機関とも連携を図りながら、利用者の雇用先となる企業へ出向き、就労環境の設定や利用者の特性理解のための支援等をきめ細やかに行っている。
利用開始後1カ月程度を目途に、訓練を担当する職員、心理資格を有する相談員、看護師等、複数の職員が「初期アセスメント」を実施している。利用者の状況や希望を把握した上で多角的に課題を分析し、個別支援計画の策定につなげている。日々の訓練において利用者とのやりとりから訓練の進捗や要望を確認するとともに、3カ月毎のモニタリングで訓練期間や内容の修正を行っている。健康状態から訓練を中断せざるを得ない等、利用者の様々な状況に対応しながら、期間内に訓練が終了し、目標が達成できるよう支援している。
訓練の中で最も需要の高いパソコン訓練では、利用目的に応じて様々なスキルを習得することが出来る。タイピングや文字の削除等の基本スキルは共通項目となっており、その後は個々の目標に合わせてメール管理や表計算などの就労に関わるものや、インターネットを使った買い物やイベントへの申し込み方法など家庭内や趣味の充実に活かせるスキルの習得などに移行する流れとなっている。パソコンは自立支援に向けて重要なスキルとなっており、今後はスマートフォンの訓練と照らし合わせながらより時代に応じた訓練を提供していけるよう検討を重ねている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:登録利用者全員
- 調査方法:アンケート方式
アンケート調査 - 有効回答者数/利用者総数:45/83(回答率
54.2%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合自立訓練(機能訓練) 46人 46人 27人 58.7% 就労移行支援 37人 37人 18人 48.6%
利用者総数83名中、45名から回答を得ることができた。満足度の高かった項目としては、「あなたが困っとき、職員は助けてくれていると思いますか」「あなたの身の回りにある設備は安心して使えますか」「事業所の生活スペースは、清潔で整理された空間になっていると思いますか」などがあげられる。総合的な満足度では、22名が「大変満足」20名が「満足」の回答であった。毎日楽しく通っています、状況が違うそれぞれの方に対応されているので感謝している、先生が努力して教えてくださる事に私自身が応える事が出来ているかが不明である、状況にあった指導をして頂き助かっていますので引き続きよろしくお願いします、いつも学業と訓練との両立についてご理解を頂き今必要なスキル今後長い目で見たときに必要になるスキルを私のペースで身に着けていけるように支援して頂き感謝しています、などのコメントがあがっている。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
43名が利用者は困ったときに支援をうけている、と回答している。とても良い先生方達です、自分が困っていることを先回りして聞いてくれるから助かる、質問に対しとても丁寧に説明して頂いています、などがあがっている。
2.事業所の設備は安心して使えるか
39名が事業所の設備は安心して使える、と回答している。困りごとはない、視力は弱いのですが特に日常生活に不安を感じることはありません、などがあがっている。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
27名が利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しい、と回答している。サークル活動などがあれば尚良かった、1人でいる時は落ち込んだりしますがこちらへ来ると皆が同じ視覚障害という事で話し合ったりして気持ちが楽になります、どう打ち解けていいのかわかりません、などがあがっている。
5.【自立訓練(機能訓練)】
事業所での活動が生活する力の向上に役立っているか
23名が事業所での活動が生活する力の向上に役立っている、と回答している。とても役立っています、音声でスマホが使えるようになったのがとにかく大きい、などがあがっている。
11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
16名が事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っている、と回答している。今までできなかったパソコンができるようになってきました、自分自身「身についているな」っと感じます、PC操作だけでなく幅広くサポートをして頂いていると思います、などがあがっている。
12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
1名が職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実している、と回答している。コロナ等の関係でまだ難しい状態だと思います、早く臨床体験や職場体験ができるようになってほしいです、事業所の体験を受けた事がないのでわからない、などがあがっている。
13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
11名が工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されている、と回答している。詳しく教えてくれました、との回答があった。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
41名が事業所内の清掃、整理整頓は行き届いている、と回答している。いつも掃除してくれてます、いつもとてもきれい、よく掃除されていると思います、などがあがっている。
19.職員の接遇・態度は適切か
39名が職員の接遇・態度は適切、と回答している。親しみやすいと思います、とても丁寧です、とてもいいです、いつも優しくしてくれる、などがあがっている。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
33名が病気やけがをした際の職員の対応は信頼できる、と回答している。すごく心配してくれます、今まで体調不良はなかったので何とも言えませんが日々の関係から信頼しております、経験はありませんが対応してくれると思います、などがあがっている。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
21名が利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できる、と回答している。そのような場面に出くわしたことはないがうまく仲裁してくれるであろうという信頼がある、いさかいやいじめ等はないと思います、トラブルはないです、などがあがっている。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
37名が利用者の気持ちを尊重した対応がされている、と回答している。とても優しいです、常に自分の意見を尊重してくれる、ヒヤリング時でのコメントなど丁寧に記録されている、こちらの気持ちが正確に他の方にも伝わっていることを実感しています、などがあがっている。
23.利用者のプライバシーは守られているか
39名が利用者のプライバシーは守られている、と回答している。プライベートな話題を職員同士で共有していいか都度確認してくれる、との回答があった。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
40名が個別の計画作成時に、利用者の状況や要望をきかれている、と回答している。いつも聞いてくれる、非常によく聞き取って頂き感謝しております、目標に沿った具体的な計画があるとより良いと思います、よく話をきいてくれます、などがあがっている。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
39名がサービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすい、と回答している。自分に必要であろうことを提案してくれる、判りやすく説明して頂いています、などがあがっている。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
37名が利用者の不満や要望は対応されている、と回答している。不満なし、すぐ解決してくれます、忘れても何回でも教えてくれます、などがあがっている。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
28名が外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられている、と回答している。申請などの手順を細かく教えてもらったことがある、契約書に沿って説明は頂きましたが書面で確認することが大変なためメールなどデータで簡単に対応できる方法を知りたかったです、などがあがっている。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
モニタリングを通して利用者の意向や支援ニーズを把握し、柔軟に訓練を組み立てている
専門的支援を行うことで訓練による自立生活、就労による自立をサポートする事業所であり、利用期限を明確にすることで、目的をもって訓練等に取り組めるよう支援している。利用者の平均利用期間は1年6カ月であり、2023年2月現在の登録利用者数は83名となっている。個々の利用者の意向は毎年、受審する第三者評価での利用者調査のほか、全利用者と3か月ごとに行うモニタリングで確認しており、パソコンやスマートフォンを習得するためのプログラムの人気が高く、時間や職員配置等工夫しながら対応している。
新規利用者獲得が経営課題であるが、遠隔支援等新たなプログラム構築に取り組んでいる
民営化されて以降、事業所の経営を維持していくため利用率の向上を目標に掲げているが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、訓練時間の短縮や行事の自粛等を行い、また通所を控える利用者もいたため総体として利用率の低下につながり、新規利用者の獲得は引き続きの課題としている。一方で今年度、就労移行支援事業については遠隔での支援が可能となったため、コロナを経て新たな取り組みにチャレンジできるようになったと感じており、今後支援のあり方を検討するとしている。
将来像を明文化し、そのために行うべき事項を中長期計画に示していくことが期待される
建物の建替えに向け、東京都と週2~3回打合せをしており、一時移転場所の確保に向け詰めの段階にきている。現在の場所に新規の建物を建築する予定であり、ぶつからない、落ちない、転ばない等、視覚障害者にとって使いやすく安全な建物をコンセプトに設計を進めている。建替えに向けた工程等は一時移転場所の確保等が明確になった時点で作成されるため、事業所としての中長期計画は策定していないが、事業所の将来像を明文化し、そのために行うべき事項を中長期計画に示していくことが必要と思われる。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
個人情報の漏えい防止に向けた誓約書の整備や規程類の見直し等、順次進めている
就業規則に職員として守るべきルール等を明確し、採用時に説明を行っており、職員は各種規程類を含め、パソコン上で確認できる。今年度は就労移行事業の運用上の変更に伴い運営規程を変更しており、変更箇所やその理由を職員に説明している。服務規律に情報漏洩の罰則等示し説明しているが、職員、ボランティア共に誓約書は取り交わしていないため今後、整備していく予定である。第三者委員は弁護士に依頼し、サービス開始時に苦情解決制度と相談窓口等説明しており、日常的には課長が要望等に対応し、解決を図っている。
視覚障害者に対応した事業所独自の虐待防止セルフチェックシートの作成が期待される
虐待防止に向けては法令に基づき「虐待防止研修」を受講した職員による伝達研修を実施した。「虐待防止セルフチェック」の内容は視覚障害者への対応という点では合わない部分もあると感じており、グレーゾーンの関わり等含め、今後は事業所に応じた独自のチェックリストを職員間で話し合い作成する等、新規職員の育成ツールとして活用していくことが考えられる。また、職員倫理綱領の作成、パワーハラスメント受付窓口、身体拘束適正化委員会及び虐待防止委員会の設置等は法人として取り組んでいくとしている。
区内には視覚障害対応の事業所が多く、日常的な情報交換により地域課題等把握している
視覚障害者への支援に特化した事業所として専門性を活かし、同行援護従事者養成研修、国立障害者リハビリセンター、高等学校等で視覚障害に関する授業を行っており、高校では視覚障害者になる体験を通して、視覚に障害を負うことの意味を考えてもらった。また、年2回鉄道会社の職員研修で講師を担うとともに、東京女子医大や東京都眼科医会、東京都ロービジョンケアネットワーク等と連携を図り、視覚障害への啓発等につなげている。区内には視覚障害者を対象とした事業所が多く、日常的な情報交換を通して地域課題等把握している。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
感染症予防を優先し訓練終了時間を早めているが利用率の低下はリスクの一つとしている
基礎疾患をもつ利用者も多いことから、新型コロナウイルス感染症対策を重視し、プログラムの終了時間を早めるなどの対応をとっているが、利用率等が低下しており、経営面からは課題のひとつとなっている。そのため今年度の重点実施項目に、ホームページの改良を基本とした広報の充実による利用率の維持・確保を掲げ、リニューアルに向けた検討を行っている。今後、建物建替えに伴う一時移転等もあり、新規利用者の確保やプログラム等は工夫が必要となるため、経営面を含めた検討が求められている。
区内の視覚障害者支援の事業所と共同でBCPを作成することを検討している
利用者の安全管理に向け、訓練終了後には職員が手分けして全館消毒を行うとともに、今年度はエレベーターと変電設備の更新を行った。近い時期に建替えを計画しているが、人命に関わる可能性があることとして優先して実施している。また、感染症マニュルは、国や都が発出するコロナ対策に沿ってその都度見直しているが、災害対策のマニュアルやBCPの作成は課題である。今後、区内の視覚障害者を受入れている事業所と共同でBCPを作成することを考えており、緊急時に備えたいとしている。
グループウエアでの情報共有やチャットによる助言等、IT機器を効果的に活用している
職員ひとり一人にパソコンが配布されており、新型コロナウイルス感染症以降はグループウエアを導入し、新型コロナの最新情報や対応方法、会議録と決定事項、利用者の出欠状況等、速やかに情報共有する体制を整えている。利用者の支援記録等もグループウエアで確認ができ、チャットによる助言等、IT機器を効果的に活用している。アクセス権限は施設長と課長に設定しており、今後は情報セキュリテイに関する規程の作成を予定している。ICT化により効率化が進んだ一方で、意識的に職員が顔を合わせる機会をつくることの必要性を認識している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
新規職員育成計画を作成し、福祉の経験が無くても1から育成する体制を整えている
新規職員の採用にあたっては視覚障害や福祉の専門性のみを重視するのではなく、社会的な経験を積んでおり、経験が無くても学ぶ意欲がある人等、人物本位で決定している。今年度は経営状況等を見極め採用を見送ったが、次年度の新規採用は既に決まっており、利用者支援の幅を広げることを目的にIT関係の技術力が高い人材とした。新任職員の育成にあたっては、配属された課において個別育成計画を作成し、上司によるOJTを行っており、経験が無くても事業所において1から育成を図ることを大切にしている。
人件費の上昇を想定しながら、働き方改革や給与改善に繋げていくことを課題としている
職員の退職が少なく、安定した組織となっており、それぞれの職員が専門性に基づいた支援を行っていることから、キャリアパスや人事考課制度等は事業所の特性や規模からいって馴染まないと考えている。一方、給与規程には職級・職位、職責、昇格の条件を定め、勤続年数を目安とした運用を行っており、今後も人件費の上昇を想定しながら、働き方改革への対応、給与の改善等につなげていくことが必要だと認識している。利用者からは訓練の回数を増やして欲しい等の声もあがっているが、職員数と経営面からは物理的に難しい状況である。
職員に求める訓練レベルを明確にし、個々に応じた目標を見える化することが期待される
目標管理制度の導入や、個々に応じた育成計画等は作成していないが、利用者の個別支援計画策定を策定する際、各課において訓練内容や職員の関わり方、プログラムの成果等を検討しており、上司がスーパーバイザーとして助言を行っている。一方で、訓練する職員により利用者の理解に差が生じることがあり、視覚障害者の特性を考慮しながら分かりにくい原因を検証し、教え方の均質性を図る必要があるとしている。そのためには、職員に求める訓練レベルを明確にし、個々に応じた目標を見える化することが期待される。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
「建て替えに向け、各種計画の具体化」を目標に設定した。
建築設計士と業務委託契約を締結して、まず、建て替え期間中の仮建物の改修について、東京都との折衝を行った。一時移転先の建物については具体的な物件が出てきてはいるが、建物の用途変更に必要な書類が揃わず、中断状態にあったが、用途変更を伴わずに改修を進める目途もたちはじめ、具体的な設計段階に入ってきた。まだ、流動的な部分も少なくないが、現在の方針を今後も継続し、来年のうちには仮建物への移転を考えられる段階までは到達した。今年度後半ないしは来年度早々には、仮移転が可能な段階まではきているが、それが済んで初めて新しい建物の基本的考え方を再度確認する必要があり、委員会の再稼働が必要になる。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
数年前より建替えに向けた検討を重ねてきた。オリンピックや新型コロナウイルス感染症のまん延等の外的要因により、計画の進行が遅れていたが、「建替・新築委員会」を設置してセンター建替えに向けて、「視覚障害者に優しい施設とは」をテーマに話し合いを重ねている。センターの将来はこの建て替えにかかっているとし、建物の作り方そのものにセンターの考え方が反映すると理解して進めている。昨年度来、一時移転先の建物について都と折衝を重ね、今年度に入ってからは週2回から3回程度の協議を行い、ようやく移転の目途がたったところである。現在は来年度の移転を目途に一時移転先のレイアウト等検討しており、次年度は「建替・新築委員会」を再稼働し、改めて新規建物のコンセプトを再確認するとしている。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
「事業継続計画への取り組み」を目標に設定した。
感染症については、実体験としての取り組みができてきているが、社会的情勢も踏まえ、見直しが必要である。ただ、見直しについては不十分と言わざるを得ず、対応が後手に回っている感は否めない。災害対応等の事業継続計画の策定については、他施設とも協議をし、特に視覚障害施設との連携を模索しながらの策定を進めている段階である。しかし、業務等の関係から、他施設との連携による策定は、現段階では足踏み状態にある。一方で、感染症への対応が社会的にも変化してきている今こそ、全体的な継続計画を完成させる好機だと考えている。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
「事業継続計画(以下 BCP)」の策定は、以前より最重要課題としており、新型コロナウイルス感染症対策については「感染予防マニュアル」としてまとめているが、時勢に応じて見直していくことの必要性を認識している。また、地震等の大規模災害は近年頻発する傾向もあり、実際に発生した際のセンターの対応指針を定める必要もあることに加え、事業継続計画の策定義務も生じており、早急な対応が必要である。新宿区内には視覚障害者施設が集中していることもあり、大災害等が起きた際の視覚障害者への支援体制等、事業所間で連携して対応することが必要との共通認識をもつに至った。しかし、新型コロナウイルス感染症対策等に追われたこともあり、BCPの検討には至らなかった。今年度は、事業所間の役割分担等を明確にし、それぞれの機能を分けて支援を行うことなど、具体的に検討してくことを話し合い、次年度の検討に繋げる予定である。
サービス分析結果
【講評】
ホームページは内容、アクセスビリティ等、当事者にも配慮して作成されている
事業所の情報を得る媒体としてホームページが作成されている。読み上げソフト(スクリーンリーダー)を使用し、白・黒反転及び、文字の大きさ切り替えが可能で、当事者でも気軽に閲覧できるようアクセスビリティに配慮している。機能訓練、就労移行支援の各事業案内、訓練内容の他、事業所を利用して生活の幅が広がった利用者の声等、内容は具体的なものとなっており、コロナ禍においては、状況に応じた感染対策の実施方法について、定期的に情報を更している。
事業所理解促進のため、ロービジョンケアネットワークの活動に継続して参加している
ホームページの他、パンフレットや自治体が発行する「障害福祉のしおり」等にも事業所の情報は掲載されている。福祉事務所職員を対象とした「見学会」は今年度も実施を見合わせているため、希望があればパンフレットを送付して事業所への理解が深まるよう努めている。「ロービジョンケアネットワーク」の活動には継続してより参加しており、昨年度より事業所をPRする動画を作成している。区内公共スペースにて他事業所と共に動画を流し、関係機関や一般住民へ情報提供を行っている。
事業所を選択するにあたり、利用前に希望に応じて訓練内容を体験することができる
機能訓練部門では訓練内容の説明に加え、歩行、点字、パソコン、ロービジョン等、日常生活訓練に馴染みのない当事者を対象に、通常の訓練と同様の50分1コマで、希望に応じた内容を体験することができ、コロナ禍においては、平日に事前予約制で対応している。就労移行支援部門では電話や来所だけでなく、利用者の状況に応じてオンラインによる相談や説明にも対応している。また、事業所では利用希望者の他、臨床心理士等、専門職の実習受け入れも適宜行っている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
サービス開始時の書類は利用者の状況を踏まえた方法で提出できるよう配慮している
利用申請書、調査書、健康診断書等、施設を利用するにあたって必要書類への記入を利用者本人に依頼している。就労移行支援では、独居や代筆者がいない等、個々の状況を踏まえ、当事者者自らがWebページに入力する方法を導入しており、現状、紙ベースで対応している書式についても順次、同様の方式に変更していきたいと考えている。利用初日には契約書・重要事項説明書により、支援内容、守秘義務や苦情相談窓口等、丁寧な読み合わせで理解が図られるよう努めている。
個別支援計画策定に向けた初期アセスメントで多角的な視点から分析を行っている
利用初日に施設までの同行者がいない場合は、通所経路の確認、利用者の歩行状態の評価のため、自宅から職員も同行して安全確保に努めている。オリエンテーションで施設内の説明を行った後、各訓練を担当する職員、心理資格を有する相談員、看護師等が「初期アセスメント」を実施しているが、評価項目の他、生活状況、利用中の福祉サービス、外出先、家族の状況等を細かく聞き取り、訓練の先行きを見渡せるよう、個別支援計画策定に向け準備を開始している。
コロナ禍における厳しい状況下だが、複数のケースが就労に結びついている
今年度も訓練時間の短縮や通所を控えるケースが一定数あり、利用者の平均在籍日数は長期化傾向となっている。機能訓練では、日々の生活における不便を解消し、訓練で学んだことを家庭で活かすケースが多い。就労移行支援では、コロナ禍の就労環境が厳しい状況の中、昨年度、事務系職種7名、ヘルスキーパー3名が就労に結びついている。また、訓練終了後のフォローアップでも複数名の復職が実現している。事業所では次年度、退所した卒業生を施設に招いて座談会を開催していきたいと考えている。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
個別支援計画は訓練の進み具合や利用者の状況に応じて作成・見直しを行っている
機能訓練では個人ファイルに、利用開始時に提出する「調査書」、医療機関からの「意見書」、職歴や家族構成、活用中の社会資源等、利用者に関する各種情報が綴じられている。紙ベースで記録していた「訓練記録」については順次、パソコンでのデータ管理に移行を始めており、煩雑であった訓練の進捗管理や集計に改善が図られている。初回の個別支援計画策定後は3カ月毎にモニタリングを行っており、訓練の進み具合等、利用者の状況に沿って内容や期間を見直している。
就労支援では利用者、企業のニーズに迅速に対応し、きめ細やかな支援が展開されている
就労移行支援では、訓練の一環としてアセスメントを利用者自身がパソコンで入力することに加え、個別支援計画、支援経過記録、訓練の進捗状況、履歴書や面接といった企業とのやり取り等、利用者に関する全ての情報はパソコン上にある利用者ごとのフォルダで管理している。企業へ出向いての定着支援を目的とした面談、パソコンやソフトの操作方法説明、勤務先の移転により歩行訓練に再度対応する等、利用者・企業からの要望にも迅速に応じ、きめ細やかな支援が展開されている。
コミュニケーションツールの活用であらゆる場面において業務の効率化が図られている
クラウドサービスによるコミュニケーションツールを導入して2年目となるが、個別支援計画策定に関しては、該当ケースの課題や検討したい内容を事前に提示することで、省力化しながら十分な議論が行えている。利用者出欠席管理や職員全体へのアナウンス等もツールを活用することで情報漏れが減り、タイムリーに共有できている。また、コミュニケーションや聴覚障害等、重複した障害を有する利用者については、ツールの活用により受け入れが可能となったケースもある。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
訓練は復職や進学等実際にスキルを使用する場面に応じてカリキュラムを組んでいる
社会復帰や三療資格取得に向けた進学等個々の目標に応じて作成された個別支援計画を基に必要となる訓練を選択している。進学を目指している利用者に対しては基本的なパソコンスキルを身に着けた上で、記録の保存方法や、保存した記録を引き出していく方法といった具体的なスキルを身に着けていけるようカリキュラムを組んでいる。また、復職を目指している場合には、復職予定の企業と連絡を取りながら、企業が実際に使用しているソフトウェアの使い方について重点的にトレーニングを行い、復職後すぐに能力を発揮していけるようサポートしている。
利用者個々の見え方や重複している障害に応じたコミュニケーションを取っている
障害程度や病状によって見え方や配慮すべき点が違ってくるため、音声録音機や拡大鏡の使用、光の刺激を和らげるための遮光カーテン等のツールを活用しながら障害物への注意や座席への誘導等個々に合ったコミュニケーション方法を取っている。難聴や精神疾患等障害が重複している利用者も多く、難聴の場合は聞こえやすい耳側から話をするといった配慮を行い、精神疾患を抱えている場合にはやり取りの中で誤解が生じないよう配慮すると共に、強いストレスを抱えてしまわないようメンタル面のケアや訓練内容、量の調節を随時行っている。
情報提供をする場合は専門的な機関や利用に対するデメリットも併せて伝えている
利用者が安心して地域生活を送っていけるよう個々の状況に応じた情報提供を行っている。補助金等各種申請や手続きについての情報提供を行う際には、それぞれの居住区にある福祉事務所を紹介して、具体的なやり取りを行うよう助言している。また駅構内での事故防止については白杖がドアに挟まらないようにする訓練等を行うと共に、駅員に助けを求める方法についても助言をしている。その際駅間でのやり取りのため、乗車に時間がかかる場合があるなどのデメリットについても話をするようにするなど、実際の場面を想定した助言を行うようにしている。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
需要が最も高いパソコン訓練を起点に、個々の目標に応じた各種訓練を提供している
事業所では歩行、点字、ロービジョン、情報機器、ADL、パソコンといった訓練を実施しており、訓練状況に応じて柔軟にカリキュラムを組んでいる。ほぼ全ての利用者が選択するパソコン訓練ではタイピングなど一般的なスキルを学んだあとに、個々の目標に応じてメール管理や表計算、コミュニケーションソフトの活用といった就労に必要なスキルやネットショッピングの検索方法など日常生活の中で活用できるスキルの習得に向けた訓練に移行している。また、就労移行においても必要に応じて歩行訓練を行い、就労の基本となる生活力の向上を図っている。
利用者が主体的に訓練に臨めるよう目標を明確にしていくための働きかけをしている
利用目的は復職や資格取得に向けた進学のためのスキル習得、家事スキルの習得、趣味の充実を図るためにパソコンスキルを学ぶなど様々であり、訓練開始段階で目標が明確な場合には訓練を通して出来ることを増やしていき、本人が主体的に学んでいける環境を整えていけるようサポートしている。訓練開始時に明確な目標が定まっていない場合には、定期的な面談を通して丁寧に話を聞き取り、汲み取った現状の課題に応じた訓練内容の提案を行い、意欲向上に繋げている。また、訓練中に目標が変化していった場合には都度カリキュラムの変更を行っている。
訓練で使用した機材は都度消毒を行うと共に、訓練終了後には全館の消毒を実施している
事業所では清潔な訓練環境となるよう清掃を外部業者に委託して行っており、併せて毎日訓練終了後に全職員で館内の消毒を実施している。訓練で使用したキーボードや机、椅子は都度消毒を行っており、利用者自身にも手指消毒の意識を高めていく働きかけとして携帯用のスプレーボトルを配布し、無料で消毒液の補充を行っている。一方でコロナ禍の影響で在宅でのリモートワークやリモート面接を行う機会が増えてきており、家庭内での通信環境が整っていない利用者に対しての支援を今後どうしていくが課題の一つとなっている。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
看護師が訓練にも従事しており、日常的に利用者の健康状況を把握することが出来る
ADL訓練や点字、パソコン訓練には看護師も支援員として従事しており、利用者と日常的に関わり合いを持ちながら健康状況の把握を行っている。訓練中に顔色が悪い、集中力がないといった様子が窺えた場合には声掛けを行い、訓練日を調節できる旨を伝えた上で早退や静養等の対応を行っており、体調面での不安がある場合には必要に応じて個別面談の時間を取るようにしている。また事業所には医務室兼静養室が用意されており、体調不良時には横になって休むことができ、切り傷や軽い火傷など簡単な処置であれば受けることが出来る。
看護師による健康相談を随時行い、栄養面や運動面、健康維持に関する助言を行っている
看護師による健康相談を随時行っており、健康診断の結果やお薬手帳を確認しながら服薬内容や栄養面、運動面に関する相談に対して助言を行っている。コロナ感染だけでなく、季節性の風邪予防についても早寝早起きなど生活リズムを整えていくことや、関節の保温を行うと良いなど個々の状況に応じた助言を行っている。また、利用者からの要望としてコロナワクチンの申し込み方法や罹患時の対応などコロナ感染に関する情報について求められることがあり、パソコン訓練等を通して健康面に関する情報提供も適宜行っている。
公認心理士の資格を持った職員を中心に、障害受容に向けた働きかけを行っている
全利用者を対象に毎月面談を実施しており、訓練状況だけに留まらず、不安に感じていることや抱えているストレスについて相談に乗り、目標に向かって訓練を継続していけるようサポートしている。相談業務に当たっている職員は公認心理士の資格を保有しており、専門的な見地からメンタル面のケアを行っている。特に訓練開始間もない頃には障害を受け入れ切れていない利用者もいるため、面談の機会を増やして丁寧に話を聞き取りながら障害受容に繋げていき、前向きに訓練に臨んでいけるよう働きかけている。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
実生活に沿った訓練となるよう必要に応じて家庭訪問を行い、家庭環境を把握している
ADL訓練では必要に応じて家庭訪問を行い、家具の配置や間取り、使用している電化製品の種類といった家庭環境を把握した上で訓練内容を決めている。現在はコロナ禍ため家庭訪問の機会は少なくなっているものの、自宅の画像や使用している電化製品の説明書を使いながら訓練内容を調整しており、出来る限り実生活に沿った訓練となるようにしている。また、利用開始時には自宅から事業所、最寄り駅から事業所までの歩行状態を職員が見守りながら評価を行っており、自宅から通勤先までのルートについても確認を行い、利用者の安心感に繋げている。
家族構成や家庭環境を把握すると共に、要望に応じて家族と話をする機会を設けている
事業所での訓練は基本的に本人主体で行われているため、直接家族と関わることは少ないが、家族構成や家庭環境については面談を通して把握をしており、欠席の連絡を家族がしてきた場合等家族と話す機会が合った場合には本人の様子について聞き取りを行なうようにしている。また、就労移行では利用者の年齢が10代の場合など家族が希望する場合には面談に同席することも可能となっている他、利用者本人から家族に自分の意向を伝えるサポートをして欲しいといった要望があった場合には面談時に訓練内容や今後の方向性について話をするようにしている。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
社会参加のきっかけとなるよう利用者が居住している地域の情報を提供している
担当職員を中心に利用者が居住している地域の図書館やスポーツセンターなどの公共施設やランニングイベント等余暇に関する情報を収集し、要望に応じて提供している。ホームページ上でも生活情報関連やパソコン関連、各種関係団体のリンク集を掲載しており、美容関連やバリアフリー映画、視覚障害者向けのラジオ放送などの情報を得ることが出来る。劇に入る前にあらすじ等内容についての説明がある視覚障害者向けの演劇もあり、実際に観覧した利用者もいるなど、利用者が積極的に社会に出ていくきっかけとなっている。
店舗での買い物訓練や朗読ボランティアの受け入れなど様々な社会資源を活用している
ADL訓練では要望に応じて事業所近辺のスーパーに出かけていき、一般的な店舗の商品把握や会計の方法などを理解する買い物訓練を実施しており、訓練を通して地域に出ていくハードルを下げ、自宅周辺の施設にも積極的に出かけられるよう働きかけるなど、利用者の生活範囲を広げていくための働きかけをしている。また、訓練とは異なるが、週に2日対面朗読のボランティアが来所しており、利用者からの評判も良い人気の取り組みとなっているなど、様々な社会資源を活用して利用者の生活を充実させていけるよう努めている。
7.【自立訓練(機能訓練)】利用者が自立した生活を地域で送ることができるよう、機能訓練や生活についての相談等の支援を行っている
- 利用者が訓練する意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に目標とする力を身につけることができるよう工夫している
- 自立した生活に向けて、利用者一人ひとりに応じた機能訓練や日常生活訓練等を行っている
- サービス終了後の生活環境(住居及び就労先等)を想定し、支援を行っている
- 地域で安定して生活することができるよう、サービス終了後も相談等の支援や関係機関との調整を行っている
【講評】
訓練状況に応じて丁寧なサポートが出来るよう個別又は少人数での訓練を実施している
ほぼ全ての利用者が希望するパソコン訓練では、個々の訓練状況に応じたサポートを取れるよう概ね1対2での対応としており、音声機能が付いた教材を使用しながら確実にスキルアップが図れるようカリキュラムを組んでいる。現状スマートフォンの取り扱いについての訓練がパソコンと同様に需要が高くなってきており、今後ロービジョンの訓練の一環として行っている訓練を独立した訓練に移行していくかについて検証を重ねているなど、時代の変化に合わせて訓練の内容を都度調整していき、可能な限り利用者の要望に応えていけるよう努めている。
裁縫や調理などのADL訓練を通して生活レベルの向上を図っていけるよう支援している
ADL訓練では、生活レベルの向上を図れるよう同じ訓練でも個々の状況に応じて内容を調性している。例えば調理では主婦に対しては大人数の料理をメインに訓練を行い、男性の場合には時短料理をメインに行うなど、想定される生活スタイルに応じた訓練内容を提案している。また、裁縫は男性にも需要があり、ボタンを自身で付けられるようになったことでそれまで被り物やチャックの衣類が多くなっていた利用者が新しいファッションに挑戦するようになったなど、一つの訓練をきっかけに利用者の生活の幅を広げていくことが出来ている。
様々なIC機器や家電製品の使用について本人に合った機種や使い方の提案をしている
機能訓練ではパソコン以外にも家電製品やスマートフォン、タブレットなど生活に役立つ様々な機器類の操作を学ぶことが出来る訓練を提供している。家電については実際に家庭内で使っているものがある場合には説明書をもとに分かりやすく使い方を伝えている他、利用者から具体的にどこが分からないのかを聞き取り、本人に合った使用方法や別の機種の購入を提案するといった支援を行っている。また、スマートフォンの使用については必要となるアプリケーション絞って基本的な操作を学び、その後は自身で応用に移っていけるようサポートしている。
10.【就労移行支援】就労に向けて、必要な知識の習得や能力向上のための訓練等の支援を行っている
- 利用者が働く意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に就労に結びつくことができるよう工夫している
- 生活リズムや社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援を行っている
- 就労に向けた職場見学や実習等、実際に職場にふれる機会をとりいれた支援を行っている
- 就労支援機関と密接な連携をとり、利用者が力を発揮できる就労先に結びつくよう支援を行っている
- 就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行っている
【講評】
マッサージスキルの維持向上に向けて利用者同士や職員を相手に訓練を行っている
コロナ禍の影響で依然として外部の人を対象にした施術訓練は実施出来ておらず、利用者
同士や職員相手にスキルの維持向上のための訓練を実施している。昨年度に引き続きアロマやハンドマッサージ、オイルマッサージの訓練を実施しており、付加価値を高めて就職に結びつけられるよう取り組んでいる。対外的な訓練を行なえていない現状もあり、顧客への問診等コミュニケーション能力に課題を抱える利用者が多く、現在は顧客が訴える主訴を汲み取り、実際に異常を来たしている患部を説明しながら施術が行うことを念頭に置いた訓練を重ねている。
関係機関と連携を図りながら面接への同行・同席支援や就職先の開拓に力を入れている
事務職、マッサージ職共に利用者の就職をサポートしていけるようハローワークやエージェントと連携を図りながら面接の同行・同席支援を行っている。面接同席時には通勤経路の歩行訓練を実施する旨や、支援機器の貸し出し制度を利用することが出来る旨を職員から伝え、バックアップ体制が取れていることを理解してもらうことで採用に繋げていけるようサポートしている。また、企業内のマッサージルームの立ち上げに向けて運営方法についてのアドバイスを行い、実際に立ち上げを行った企業に利用者が就職するなど、就職先の開拓にも力を入れている。
利用者、企業双方からの相談に随時応じ、互いに納得した状態での職場定着に繋げている
就職後も職場定着を図っていくため、利用者や企業側からの相談には随時応じている。企業側からの相談としては本人との接し方に不安を抱えているといった内容が多く、声のかけ方や書類での伝え方などについて助言を行うと共に、何かあれば本人に直接聞いて問題ないということを伝え、企業側と本人とがより良い関係性を作っていけるようサポートしている。また、本人から仕事を任せてもらえないといった相談があった場合には、状況に応じて改めて本人に合った仕事をマッチングして再就職を図るといった対応を取る場合もある。
【講評】
契約書や同意書において個人情報の取り扱いについて説明し、同意を得ている
視覚障害に特化したサービス提供という事業所の性格上、ハローワークや就労希望先の企業、相談支援事業所等、利用者に関する情報をやりとりする場面は両事業ともにそれほど多くはない。個人情報の取り扱いについては、契約書や同意書を兼ねている利用申請書の中で、限られた範囲内でのみ使用すること、他の援助機関と連携して支援を行うこと等について説明し、同意を得ている。なお、次年度は職員個々のパソコンについて、ネットワーク上での管理方法を見直していきたいと考えている。
プライバシーの配慮は最重要課題として意識し適切に対応するよう努めている
利用者のニーズに沿ってパソコン、歩行、ADL等の訓練を行っており、活動の多くは個別での関わりとなっている。利用者の私物はロッカーで各自が管理し、個別支援計画の面談や個別相談は、プライバシーが確保できる場所へ移動する等の配慮を行っている。コロナ禍において初期段階では、事業所内の感染者情報について開示範囲が明確に定まっていなかったが、マニュルを整備して全職員に周知を図り、現在は看護師を窓口として統一した対応がとられている。
利用者にとって最善の選択ができるよう関係機関とも連携を図りながら支援している
日常生活上の困りごとを解消したり、就職や復職等に向け必要なスキルの獲得等、訓練の内容は個別性の高いものとなっている。利用期間や通所日数の他、登所時刻についても、午前のみ、午後から等、利用者一人ひとりの希望にできる限り合わせてスケジュールを組むようにしている。個別支援計画の策定にあたっても、家族の状況を踏まえた上で利用者の意向を尊重し、主治医や他の支援者と連携を図りながら、利用者にとって最善の選択ができるよう支援が行われている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の要望に応え、より満足度の高い訓練が提供できるよう取り組みたいと考えている
機能訓練部門では、歩行や点字、パソコン、ロービジョン、ADL等、各訓練において、ガイドラインに沿った指導要領が定められており、毎年見直しを行って加筆・修正している。利用者アンケートでは、ほぼ全ての利用者が希望するパソコン訓練について、一日に複数回の授業を行ってほしいとの希望があり、また、近年の傾向として、スマートフォンの取り扱いについての講習を要望する声が多く、オペレーションソフトやソフトのバージョンアップに伴う教材の変更等、迅速に対応していく必要を認識している。
就労移行支援では自宅学習に加え、リモート環境の整備も含めた訓練を提供している
就労移行支援部門においても事業計画の中で、各訓練の方針が示されている。就職活動支援や就労後のフォローアップ等、極めて個別性の高い支援が提供されており、パソコン上にある利用者の個別ファイルが実質上の支援マニュアルとなっている。従来の自宅学習による訓練の他、コロナ禍においては、通勤だけでなくリモートワークに対応することが必要不可欠な状況であり、コミュニケーションソフトやクラウドストレージの利用等、訓練環境の整備も重要な支援項目となっている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
日常生活能力の向上及び就労社会生活の実現を掲げ、視覚障害者の自立を支援している
「東京視覚障害者生活支援センター(TILS)」は、1983年に公設民営の都立施設として開設された経緯があり、入所機能も完備されるなど東京都における視覚障害者支援の拠点として自立に向けた訓練を提供してきた。2017年法人に民間移譲され、その後は機能訓練と就労移行支援を展開する多機能型事業所として運営を行っており、日常生活能力の向上及び就労社会生活の実現を掲げ、点字、パソコン、歩行、日常生活動作、ロービジョン等の訓練、あん摩マッサージ指圧師の施術技術力向上、就労支援等、専門性に基づいた支援を提供している。
法人の機能強化を課題としており、今後法人理念の明確化を図るとしており期待したい
法人が直接運営する施設は当センターを含め2施設であり、視覚障害者への支援を行う加盟会員施設は198施設にわたる。しかし今まで法人のあり方等検討をしてこなかった経緯があり、法人経営の強化が求められる現状において、法人理念の明確化が必要になっている。理事長は現在センター長を兼ねているが、次年度は理事長職に専任し、センターには新たなセンター長が就任する予定である。今後は法人本部の機能強化と併せて、センターが大切にしてきた「自立」の概念を統一していくことが期待される。
各課会議の再開など職員間の対面でのコミュニケーションの機会を徐々に増やしている
今年度も引き続き、新型コロナウイルス感染症対策を優先し、職員間の情報共有はクラウドのビジネスコミュニケーションツールを活用している。課長会議での決定事項や事業運営の方針、補正予算などの重要事項、日々のスケジュールや申し送り等、全てパソコンで確認できるようにしており、業務の効率化につながっている。一方で、良好な人間関係の構築や各種課題の検討は対面の方が深まることを実感しており、各課会議を再開するとともに、全体会議は必要に応じて実施するなど、職員間の対面でのコミュニケーションの機会を徐々に増やしている。