評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1) 共に生きる
2) 感じる・・・相手の立場に立ち、その思いに共感します
3) 創る・・・ご利用者の自立を支援し、その自己実現を目指します
4) つながる・・・様々な立場の人と誠実に協働します
職員に求めている人材像や役割
法人の理念に基づき、利用者の人権、品質および顧客本位を遂行するために自分の役割を自覚し、責任を持って業務を遂行できる職員
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
常に利用者の視点に立った支援を意識した行動が取れること。
短期入所の職員としての視点に加え、センター職員、法人職員として幅広い視野を持つこと。
全体の評価講評
特によいと思う点
家族や日中サービス事業所や相談支援事業所などから心身状況を把握した上で、受入れ体制を整えている。使い慣れた生活備品などの持込にも対応しており、自宅の延長になるような環境作りにも心がけている。また、利用期間中は日中活動への参加や通学など、自宅と同様に過ごせるようにしており、さらに複合施設内で開催されている各種の催し物への参加なども促している。希望によっては居室で趣味活動を行ったりする時間も設けている。また、食事や入浴などは一定の時間を設けているが、自由に過ごしてもらうことを原則としている。
利用者の個別支援のため、契約締結時に意向を聞き取り、利用開始前には利用者家族に電話をして意向などを聞き取っている。連絡ノートやお知らせなども使用して家族からの情報を得ている。センターの他の事業所と連携がよく、利用者一人ひとりを多角的に支援することが可能である。区の意向もあり、緊急時の受け入れや延長対応も必要とされる。利用者アンケートでも利用中の様子や食事内容などを知らせてくれる、何かあれば連絡をくれるとの声があがっている。利用者の受け入れに対して個別の丁寧な対応をしていることが伺える。
港区立障害保健福祉センターでは、指定管理者に運営を委託され、短期入所事業、生活介護事業、就労継続支援B型事業、放課後等デイサービス、地域活動支援センターなど、障害福祉に関する事業所が同一建物内で連携を図り運営が行われている。このことから、センター内で各事業所を一貫した管理体制が可能となり、港区の計画に基づき、法人の理念の基に運営が行われ、委員会活動や連絡会議、防災訓練など一体的な運営が行われており、それぞれの事業所が持つ事業特性が共通の社会資源として利用者に活用されている。
さらなる改善が望まれる点
港区では、短期入所の利用予約は電話による方法とWEBによる方法が用意されており、WEBによる方法では「みなと障害者支援アプリ」を活用し、予約をオンラインで行うことができ利用希望者の利便性の向上が図られている。しかし、今般実施した第三者評価の利用者アンケートの回答の中では、毎月1日の9時にWEBでの申し込みが開始されるが、開始直後は画面が動きにくく、開始わずか10分程度で1か月分の予約が埋まってしまうなどの区民の意見が寄せられている。今後事業所では、区民の声を基に港区との協議が行われることを期待したい。
職員の育成に関して、事業計画では外部研修への参加や施設内勉強会を設定している。外部研修に関してはコロナ禍でもあり、開催が縮小していることもあって受講数として不十分な結果であった。また、職員自己評価では、職員の知識不足やキャリアアップが不明確などの声があがっている。人材育成に関しては研修の受講とともに育成方針と育成計画の明確さが必要と思われる。事業所として職員のあるべき姿を明示し、対応する人材育成計画を策定して、評価に繋げることで人材育成することを期待したい。
法人理念は「共に生きる」としており、実践の基準として「感じる、創る、つながる」の3項目それぞれに行動基準を設けている。職員は社員証の裏側に貼付して携帯している。利用者・家族に対しては契約締結時に契約書や重要事項説明書などで周知している。入職時研修では理念等についてじっくり周知し、その後においては法人の研修等に理念の周知が組み込まれている。ただし、港区の障害者福祉施策の理解については役職者までとなっていることを踏まえ、一般職や専門職にも周知を図ることを目指している。
事業者が特に力を入れている取り組み
稼働状況に関しては、利用者アンケートにおいて予約が取れないなどの声が上がっており、需要が供給を上回っている状態である。恒常的なレスパイト需要や虐待や急な冠婚葬祭など緊急時需要がある。また、キャンセルがあっても予約システムに反映されない、わかりにくい状況だったため、システムの改善を図った。利用枠の拡大には夜勤と宿直の2名体制から夜勤2名の体制とすることで受け入れ枠を拡大したいとしている。安心・安全なサービス提供も含めて数値目標を設定し、職員全体で意識することで達成に向けて力を入れていることが伺える。
事業所では、利用者の健康状態や状況の変化を適切に把握するため、利用の都度、利用申込書(兼個別支援計画書追加)の提出を求めている。また、事業所では短期入所の事業性から不特定多数の年齢も性別も障害も個性も異なる利用者が利用することから、個別支援計画を作成し、個別性のある支援を行なっている。個別支援計画の作成にあたっては、フェイスシートと利用申込書(兼個別支援計画書追加)、利用者・家族の意向を反映させ、ケース会議で援助方針・支援方法が協議・決定される。その後、利用者・家族の同意のうえ支援を開始している。
新規の利用申し込み者については、事前に施設見学を促し、リーフレットなどを用いて施設での生活を分かりやすく伝えたり、浴室やトイレなどの使い勝手を丁寧に説明することを心がけている。全室個室であることから利用者の意向に沿った居室環境作りができるようにしている。食事・入浴などの決められたプログラム以外は外出も含めて自由とされており、思い思いの時間を過ごすことができるようになっている。居室で趣味活動を行ったり、共有スペースで過ごしたり、長期の入居者と一緒に日中活動に参加できるようにもしている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:調査実施日前の1か月間に当施設を利用している利用者30名を調査対象とし、アンケートの回答を得たのは11名であった。回答者の属性は、男性8名、女性3名。年齢別では20歳未満5名、20歳代4名、30歳代1名、40歳代1名であった。
- 調査方法:アンケート方式
施設と評価機関名の挨拶状を、アンケート用紙、返信用封筒を同封して対象者の自宅などに郵送し、回答は評価機関宛に直接送付してもらった。 - 有効回答者数/利用者総数:11/30(回答率 36.7% )
回答者の属性は、「利用者が家族と相談」が36.4%、「家族が代弁」が63.6%であった。施設の総合的な満足度は、対象者の63.6%が「大変満足」または「満足」と回答しており、「どちらともいえない」が27.3%、「不満」が9.1%であった。
項目別で見ると、<サービスの提供>の3設問のうち、「身の回り設備の安全性」は90.9%の大変高い満足度であった。
<安心・快適性>の4設問のうち3設問において、大変高い満足度であった。特に「施設内の清潔な環境」では、90.9%の大変高い満足度が得られている。ただし、「利用者同士のトラブル対応」については、さらに高い満足度が望まれる結果であった。
<利用者個人の尊重>の4設問のうち、「職員の利用者の気持ちの尊重」では81.8%の大変高い満足度であった。ただし、「サービス利用時の要望の傾聴」については、さらに高い満足度が望まれる結果であった。
<不満・要望への対応>の2設問のうち、「外部の相談窓口の案内」については、さらに高い満足度が望まれる結果であった。
アンケート結果
1.利用中の生活はくつろげるか
「はい」が63.6%、「どちらともいえない」が27.3%、「いいえ」が9.1%であった。自由意見では、「小さい子どもの叫び声や泣き声が苦手で、小さい子どもが同じ日にいると騒がしすぎることがある。走り回ったり、部屋に入ってきてしまう」という声が聞かれた。
2.事業所の設備は安心して使えるか
「はい」が90.9%、「どちらともいえない」が9.1%であり、大変高い満足度であった。自由意見は特になかった。
3.利用時の過ごし方は個人のペースに合っているか
「はい」が45.4%、「どちらともいえない」が36.4%、「いいえ」が18.2%であった。自由意見では、「手のかかる人がいると放っておかれる(人手が足りない?)」、「外出がなく楽しみが少ない」、「自発的に好きなことをすることがない(他者からの働きかけが必要になる)」という声が聞かれた。
4.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」が90.9%、「どちらともいえない」が9.1%であり、大変高い満足度であった。自由意見は特になかった。
5.職員の接遇・態度は適切か
「はい」が81.8%、「どちらともいえない」が18.2%であり、大変高い満足度であった。自由意見では、「快く笑顔で迎えてくれる」、「対応がとても良く安心しています」、「職員が一生懸命やってくれる」という声が聞かれた。
6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」が81.8%、「どちらともいえない」が18.2%であり、大変高い満足度であった。自由意見では、「わからない」という声が聞かれた。
7.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」が45.4%、「どちらともいえない」が36.4%、「無回答・非該当」が18.2%であった。自由意見では、「そういうことがなかった」、「わからない」という声が聞かれた。
8.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」が81.8%、「どちらともいえない」が18.2%であり、大変高い満足度であった。自由意見では、「入所者に寄り添ってくれていると思う」という声が聞かれた。
9.利用者のプライバシーは守られているか
「はい」が72.7%、「どちらともいえない」が18.2%、「無回答・非該当」が9.1%であり、高い満足度であった。自由意見は特になかった。
10.サービスの利用に当たって、利用者の状況や要望を聞かれているか
「はい」が45.4%、「どちらともいえない」が36.4%、「いいえ」が9.1%、「無回答・非該当」が9.1%であった。自由意見では、「一緒に相談しながら良い方法を考え実行してくれます」という声が聞かれた。
11.サービス内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」が72.7%、「どちらともいえない」が18.2%、「無回答・非該当」が9.1%であり、高い満足度であった。自由意見は特になかった。
12.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」が54.5%、「どちらともいえない」が27.3%、「いいえ」が9.1%、「無回答・非該当」が9.1%であった。自由意見では、「こちらの要望になんとか応えようとしてくださるのをいつも感じていて、ありがたいと思っています」という声が聞かれた。
13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」が18.2%、「どちらともいえない」が45.4%、「いいえ」が18.2%、「無回答・非該当」が18.2%であった。自由意見は特になかった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
事業所を取り巻く環境について情報収集し、課題抽出している
利用者の意向調査を年1回実施している。職員の意向に関しては年1回の施設長との面談を実施して確認している。福祉ニーズの把握は施設長が自立支援協議会のメンバーとして情報収集を図っている。港区が設置している施設であるため厚労省の官報、都からの通知、港区の福祉計画などに触れる機会が多くある。港区の職員からのメールや電話、来所もある。事業所の経営状況は業務調整会議や法人の全施設長会議で報告している。事業所として対処すべき課題に関しては職員会議で抽出している。
中長期計画から課題を抽出し事業計画の策定、予算編成への流れができている
法人の中長期計画のほか、指定管理者であるため港区の障害者福祉計画もある。事業所は両者を見込んで課題を抽出し事業計画の策定をしている。利用料金及び指定管理料の範囲内で事業を推進している。受託している法人の友愛十字会では事業計画の策定や事業報告をして年度の振り返りを行って次年度に反映させている。
事業計画は数値目標の進捗確認などで実行に向けた取り組みの体制ができている
事業計画は、重点事項として経営財務、品質、人材育成を大項目、さらに細目を定め、具体的に数値目標を設定しており、毎月の職員会議及び業務調整会議で進捗の確認をしている。また、法人の施設長会議においても進捗を確認し、対応を検討している。さらには新たな課題抽出もしている。利用者数実績を中心に確認をしている。さらに数値目標を精査したいとの意向である。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
福祉サービス事業者として守るべきルールを明確にして職員に周知し確認している
倫理行動基準、虐待防止規程、個人情報保護規程などを整備している。入職時研修において守るべき法令、規範、倫理について学んでいる。その後においては法人の育成委員会が階層別教育、福祉職員キャリアパス対応型生涯研修を実施している。区立障害保健福祉センターの教育委員会の活動として接遇研修、虐待防止研修のなかで倫理研修をしている。守るべきルールの策定及び周知と定期的な確認が実施されていることが伺える。
意見・苦情の収集や虐待防止の体制を整備し、実行している
センターの各所にご意見箱を設置している。苦情解決委員会が確認しており、担当の事業所に振り分け、ケースによって職員も一緒に対応を検討し、ミーティング等で報告している。出た意見は利用者の声として記録に残している。意見に対する回答は1カ月間掲示している。虐待防止委員会を企画運営し、また、虐待防止のチェックリストを年2回実施している。また、虐待防止の体制整備のチェックを年1回実施している。虐待発見時の通報体制について掲示しており、港区障害者福祉課と連携をしている。
地域の福祉ニーズに応えるために事業所の情報発信をしている
事業の透明性を確保するため、ヒューマンぷらざ通信や掲示板などで活動内容を広報している。また、利用中の様子を撮影して利用者家族に配布している。コロナ禍で中止しているが、今後はセンター内の他の事業所と連携してボランティアや実習生の受け入れを検討する必要があるとしている。地域貢献の取り組みは、港区短期入所事業所連絡会において、課題の抽出や障害者支援への理解を求めている。また、港区の意向もあり、緊急時の受け入れが必要な利用者への対応も行っている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
不適合サービスシートを使用してリスクへの対応や分析をしている
不適合サービスシートに不適切なサービス提供やヒヤリハット・事故報告などを記録している。すべての事象について再発防止策の必要性などを確認し施設長が最終判断をしている。また、年1回集計して分析をしている。現状の重大なリスクである感染対策や災害対策などを行っている。事故発生時には再発防止策も含めて事件・事故等危機情報連絡票を区及び都に報告している。今後は事業所として、リスクを洗出し、発生可能性と影響額で評価し、優先順をつける作業を定期的に実施することも良いと思われる。
被災時でも継続した利用と安全確保のため事業所に合った事業継続計画の策定が望まれる
災害によって、電気、ガス、水道等のライフラインが寸断され、サービス提供が困難となった場合には、利用者の生命・身体に著しい影響を及ぼすおそれがある。その場合でも最低限のサービス提供が維持できるよう、事業継続計画を策定する必要がある。令和6年4月より義務化されるが、早期且つ適切な計画策定及び適時の改訂が望まれる。現在、事業継続計画検討委員会を立ち上げて勉強会などで対応を進めている。また、区が福祉避難所として指定しているため、その対応についても検討をしている。
事業所の取得するセンシティブ情報は安全に管理され活用可能である
事業所が取得する個人情報はセンシティブな情報であり、取得の方法や管理への対応は重要である。情報の収集、利用、保管、廃棄に関しては港区の情報セキュリティ基準に準じて運用をしている。利用者データはスタンドアローンのファイルサーバに保管し、外部ネットワークなどとは遮断している。外部にデータをメールで送付する場合には役職者の承認のもと、事業所又は施設長のアドレスで送信することとしている。個人のデバイスの使用はない。また、紙の情報は施錠できる書庫に保管し、データにはアクセス権限を設定してパスワード管理をしている。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
事業所に必要な人材確保のための体制を整備し、配置、異動の工夫をしている
人材確保に関してはハローワークや人材紹介会社などを利用しているが、応募は少ない。職員からの紹介促進制度や法人全体での採用など多方面からアプローチをしている。また、法人には人材確保のための専従の職員を配置している。採用時には面接と小論文、現場の体験と適性を慎重に判断している。配置や異動に関しては、職員の自己申告に基づき、施設長が面談をして施設長意見調書を作成して希望を聞いて可能な限り反映している。
個別面談などを通して評価及び人材育成をしているが求める職員像の明示が期待される
職員の評価は、人材開発制度にて職員の自己申告書及び施設長意見調書で評価し、年度末に常務理事、施設長による合議で給与格付けを決定している。個人別のワークプランで面談し進捗を確認しており、キャリアプランについて話し合っている。業務の都合などで研修に参加できない職員には動画撮影し後日確認できるように工夫をしている。職員自己評価では、職員の育成計画の策定及び育成への取り組みに関する評価がリーダー層、一般職共に低く出ている。今後は人材育成計画をより明確なものとし、法人の求める職員像を確定し、職員への明示を期待する。
福利厚生や活発なコミュニケーションなどで職員の意欲向上に取り組んでいる
安心して働ける職場環境への取り組みは、健康診断と合わせてストレスチェックもしている。有給休暇や時間外勤務なども把握し対応をしている。短期入所は利用者が就労のため日中いない場合もあり、時間単位の有給休暇取得にも対応している。ワクチン接種後の休暇やコロナり患後の休暇も設定している。職員自己評価においては有給休暇が取りやすい、職場に余裕があるとの声があがっている。福利厚生は福利厚生サービス事業者に入会しており、利用が可能である。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
・短期入所事業所へのニーズは多くの利用者を受け入れることであり、そのためには当事業所の利用稼働率の向上が喫緊の課題となっている。また、多くの利用者を受け入れるにあたり、無事故で安全、安心なサービス提供が必然となることを踏まえ、「安心・安全な運営」「利用稼働率の向上」などをテーマとして掲げて取り組んだ。具体的には、事業計画の重点課題に稼働率と目標値を設定し、毎月の会議で進捗を諮った。また、安心、安全なサービス提供のために不適切な支援がないかを振り返り、支援の質の向上、改善に努めた。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
・利用者受け入れ数は年度当初に設定したものの、コロナ渦の緊急事態宣言等による利用自粛もあったこともあり、中間事業報告目標値の見直しを行った。また、前々年度は下方修正を余儀なくされたが、昨年度は目標値を変えず目標を達成することができている。安全、安心なサービスでは、事業所で行っている日々の支援や行事の様子を掲示板で毎月掲載し、可視化した。さらに、不適合サービスの件数や内容を精査し改善につなげた。
・上記の結果を踏まえ、昨年度達成した利用者受け入れ数の目標値をさらに上げ、受け入れ数増を目指す。年度事業報告作成時に具体的な支援目標値を設定する。また、安全、安心なサービス提供では事業所の様子の可視化を継続する。不適合サービスについては、年度終了時に集計し昨年度と比較して件数を減らすよう目標を設定し、職員の危機意識向上につなげる。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
・利用者意向調査の「事業所に期待する」には、「宿泊するだけではなく外出等を実施し、より楽しく過ごしたい」という声が聞かれたことを踏まえ、「余暇活動の充実に取り組んだ。具体的には、休日、平日、日中などを問わず短期入所事業所を長期間利用する利用者に対して、近隣への散歩や買い物を実施した。また、外出が困難な状況の場合は、館内で創作活動を実施するなど工夫し余暇活動の提供を行った。さらに実施記録を残し、会議において毎月確認し実施の進捗状況を諮った。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
・当日の利用状況や職員体制などによって実施できない期間もあったが、安全な支援提供ができる可能な範囲で実施ができた。また、コロナ渦であることを踏まえ、目標値を設定せず可能な範囲での実施に留まった。
・昨年度は目標値を設定せず可能範囲での実施を試みたが、上記の結果を踏まえ、今年度から具体的な実施回数の数値を設定し実施の進捗の管理に取り組んでいる。また徐々にコロナ渦による生活の制限も軽減されたことにより、外出不可な時期が少なくなり近隣への外出が可能となった。よって目標値を設定し継続している。
サービス分析結果
【講評】
法人や区のホームページ、事業所パンフレットを通じて、事業所の紹介が行われている
法人のホームページには、港区指定管理事業として「港区障害保健福祉センター」の紹介が行われ、詳細は区のホームページで公開されおり、事業内容や対象、問い合わせ先などが紹介されている。また、事業所パンフレットでは、利用対象者や支援方針、費用、申込方法、一日の流れ、食事、必要な持ち物などが具体的に明記されており、写真を取り入れ全体的に分かりやすくまとめられている。パンフレットは見学者に配付したり、港区障害保健福祉センターの受付窓口等に置かれ、利用希望者がいつでも自由に入手できるようにしている。
利用予約は、電話とWEBを活用することができ利便性の向上が図られている
事業所では、利用希望者に事業所の内容を詳しく説明するものとして、「事業案内」を作成している。事業案内では、利用手続き、利用日数、利用料金、申込方法、サービス支援内容など、利用する際に必要な情報が分かりやすくまとめられている。また、利用予約は電話による方法とWEBによる方法が用意されており、WEBによる方法では「みなと障害者支援アプリ」を活用し、区立施設で実施する短期入所の空き情報の確認と予約がオンラインで行うことができ、利用希望者の利便性の向上へと繋がっていることがうかがえる。
利用希望者の見学が個別に行われ必要な聞き取りが行われている
利用希望者の見学依頼は、相談支援事業所や併設をしている工房アミ(生活介護事業)、利用希望者家族からの直接依頼などに分類される。見学依頼は全て受け入れており、見学では事業所パンフレットや事業案内等を用いながら、短期入所の利用対象者や利用手続き、支援の方針、利用日数、利用料金、一日の流れ、必要な持ち物などを丁寧に説明している。また、見学の際には面接用紙(暫定支援計画)に記録を行い、利用につながるケースに対応できるよう、利用者の健康状態や障害特性など、必要な聞き取りが行われている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用開始前の個別面談において、支援に必要な利用者情報の聞き取りが行われている
利用希望者及び家族からの利用の意向に伴い、利用前の契約時に面談を実施し、支援するうえで必要な情報の聞き取りを行いフェイスシートの作成を行なっている。フェイスシートでは、基本情報、障害福祉サービス受給者情報、家庭情報、緊急、発作、服薬情報などについてまとめている。また、利用者の生活状況や行動特性、意向などを可能な範囲で聞き取りを行うことで利用者の支援に活かしている。契約では、利用契約書、契約書別紙、重要事項説明書、個人情報同意書等の内容を十分に理解してもらったうえで、必要書類に同意を得ている。
利用開始時の不安が軽減できる取り組みが行われている
サービス提供の開始にあたり、利用申込書(兼個別支援計画書追加)、フェイスシートに基づき、個別支援計画書を作成し、利用者及び家族の同意を基に支援を開始する。サービス開始時には利用者を取り巻く環境が急激に変化するため、緊張や戸惑いに対する適切な対応が図れるよう対応を行い、少しでも不安等が軽減できるよう支援を行なっている。また、利用者の不安やストレスが感じられる場合は、家族等に連絡を行い双方での情報交換や働きかけを通して、事業所の生活リズムや他の利用者との関係性に馴染めるよう関係者間で協力し、支援を行なっている。
サービス終了時には、移行先でも継続した支援が受けられるよう取り組んでいる
サービスが終了になる場合(契約終了)でも、利用者の不安を軽減しながら、円滑なサービスの移行ができる体制を整えている。利用者の質問書などがある場合には回答書を作成し、移行先機関への必要かつ適切な情報提供を行なっている。また、当法人では多事業展開をしていることから、法人内でのサービス移行も可能であり、継続性に配慮した円滑な移行体制が整備されている点は法人の強みであると言える。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者等の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者等の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の最新の状況が利用申込書によって確認され情報が共有されている
当事業所では、サービス提供のプロセスにおける実施手順が文書化され、職員の共通理解の下にサービス提供ができる仕組みを整えている。利用者は利用の度に、利用申込書(兼個別支援計画書追加)を記入し、提出することとなっている。利用申込書(兼個別支援計画書追加)は、表面が①利用者氏名、②利用日時、③利用中の外出先が記載される。また、今回の利用にあたって、支援の追加や変更がある場合は、裏面の記入が求められ、裏面では④食事形態と禁食、⑤支援(食事・排泄・入浴・服薬)欄が設けられ、必要に応じて記入する仕組みとなっている。
個別支援計画の作成が行われており多職種での協議と情報共有が行われている
個別支援計画の作成にあたっては、フェイスシートと利用申込書(兼個別支援計画書追加)、利用者・家族の意向を反映させ、ケース会議で援助方針・支援方法が協議・決定される。その後、利用者・家族の同意のうえ支援を開始している。個別支援計画の見直しは、概ね1年に1度行なっており、支援に変更がある場合は、利用申込書(兼個別支援計画書追加)に記入し、都度変更が行われている。
様々な会議体や家族との連絡ノートを通じて利用者の情報共有化が図られている
利用者に関する情報は、ケース記録や引き継ぎノート、業務日誌において日々情報が共有されており、会議体では業務連絡会議、職員会議、ケース会議を通じて職員間で情報共有されている。また、利用者家族との情報共有は、連絡ノートを日々作成しており、これに家族からサインをもらう形で情報が共有されている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援方針を作成している
- 支援方針は、利用者等の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 支援方針を利用者等にわかりやすく説明し、同意を得ている
- 支援方針は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 支援方針を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 支援方針に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 支援方針の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援方針をいかしながら、利用者に合った自立生活を送るための支援をしている
- 支援方針に基づいて支援を行っている
- 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 必要に応じて、さまざまな情報を提供し、または相談に応じる体制を整えている
【講評】
利用者とのコミュニケーションについては一人ひとりの個別対応を大切にしている
事業所では様々な障害を抱えている利用者と接することを踏まえ、日々の関わりからコミュニケーション手法を導き出して個別の手順書を作成するケースもあり、利用者一人ひとりの個別対応を大切にしている。利用者によっては利用調査票をもとに、筆談・ホワイトボードなどによる会話にも取り組んでいる。それらは日々の申し送りやユニット会議において共有することに取り組んでおり、利用者との円滑なコミュニケーションが図れるように配慮している。また、毎朝の挨拶や声かけなど個別の対応で、利用者の精神状態の安定を図っている。
利用者の特性に配慮して生活の継続性を踏まえた支援に取り組んでいる
事業所は新規の利用者に加えリピート利用者も多く、利用者の状態は都度フェイスシートを見直して変化を適切に把握できる仕組みが整っている。また、利用期間中は日中活動への参加や通学など、自宅と同様に過ごせるようにしており、さらに複合施設内で開催されている各種の催し物への参加、外出援助、地域の行事への参加など、生活を豊かにする豊富な各種の活動に関して、意向に沿って参加してもらえるように支援している。周辺のさまざまな社会資源などを活用して、生活の継続性を踏まえた支援に取り組んでいる。
2.利用者の主体性を尊重し、利用中の生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている
- 利用者の状況や希望に沿って生活を楽しめるように取り組んでいる
- 室内は、利用者の状況に応じて快適で落ち着ける環境・空間にしている
【講評】
できる限り自宅での生活に近いスタイルで過ごしてもらうようにしている
短期間の利用であることも踏まえ、できる限り自宅での生活に近いスタイルで過ごしてもらうようにしている。嗜好品については、ルールを設けて原則自由とされている。価値観や生活習慣を尊重することを大切にしていることや、限られた利用期間であることも踏まえ、できる限り自宅に近い生活を過ごしてもらうように取り組んでいる。短期入所の利用者を対象とした催し物は特に開催されていないが、行事などが開催されている場合には無理強いはしないが参加を呼びかけている。
共有スペースは思い思いに過ごせるように十分な広さが確保されている
趣味活動などの持ち込みにも対応しており、思い思いに生活できるようにしている。居室は全室個室になっており、日中であっても居室で思い思いに過ごしてもらえるようにしている。食堂を兼ねている共有スペースは、十分な広さが確保されており、居室以外で過ごす際に利用者同士が団らんできるように整備されている。外出は、行き先、連絡先、所要時間の確認を行い原則自由としている。土日や休日には、支援員が付き添って、外出、買い物、近くの公園での散歩などを楽しむ機会を設けている。
3.利用者一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている
- 利用者の意向を尊重しつつ、自分でできることは自分で行えるよう働きかけている
- 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
【講評】
必要に応じて支援を提供する流れが定着している
利用調査票をもとに利用者一人ひとりの支援内容を把握して、必要とする支援が提供できるようにしている。個別支援計画書をにも具体的な支援内容を持ち込んでおり、標準化した支援が提供できるようにしている。また、「できることは自分で行う」や「できる限り規則正しい生活をしてもらう」などに着目した支援を原則としている。ただし、利用期間が限られていることや利用者の状態もその都度変化していることから、「できること」と「できないこと」を明確に分けた支援には至っていないことを認識している。
各種の食事形態を用意して利用者一人ひとりに適した食事提供に取り組んでいる
アセスメントや医療情報をもとに利用者一人ひとりの状況を事前面談に把握し、自宅と同様の食事形態で提供している。担当者からのヒアリングにより、心身状況に適した食事提供に取り組んでいる。常食、荒きざみ、きざみ食、ソフト食などを提供しており、状態に沿った食事が提供できるようにしている。自営厨房の運営によって、日々の状況によってもその都度食事形態を変更できるようにしている。
利用者一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている
個浴槽、リフト浴槽、大浴場、簡易浴槽と一般型の4種類の入浴槽を設置しており、利用者一人ひとりの心身状況をもとに入浴支援に取り組んでいる。入浴前には健康チェックを行なったり、健康状態によって入浴できなかった場合には代替方法によって清潔確保に努めている。排泄支援についても利用者一人ひとりの心身状況に沿った支援に取り組んでいる。排泄環境についても車椅子でも十分に出入りできるトイレなどが配置されている。さらに、アセスメント情報をもとに失禁パンツ、皮膚トラブル、漏便などに配慮している。
4.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の健康状態や服薬に関して、利用者や家族から必要な情報を収集している
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制を整えている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
看護師によってマニュアルに従った服薬管理に努めている
入所時には、アセスメントや処方箋と薬を突き合わせることで、持参した薬を確認している。自己管理、服薬確認、服薬介助など、自宅と同様の方法で提供することを原則としている。薬を預かる際には薬庫に保管し、服薬時間に合わせて配薬することを取り決めている。配薬時に再度確認し誤薬防止に取り組んでいる。また、急変時の服薬や軟膏の塗布など、利用者本人が対応できない場合についても事業所で対応することを取り決めている。てんかん発作を抱える利用者については、家族から詳しく聞き取り、看護師と連携して対処することにしている。
緊急時には家族や主治医の指示のもとに対処することにしている
体調変化が見受けられた場合には、家族と連絡を取り合い対処することをルール化している。家族などの連絡先は複数確認して、優先連絡先を把握している。アセスメントには、主治医の連絡先も掲載されており、必要に応じて連絡できるように整っている。緊急対応マニュアルには、利用者の体調変化時の対応方法・連絡先などが明示されており、いつでも閲覧できるように整備されている。また、緊急時には速やかに家族へ連絡を行い、判断を仰ぐことを原則としている。
5.家族等との交流・連携を図っている
- 家族等との交流・連携に際して、利用者本人の意思を確認し、その意向に基づいた対応をしている
- 必要に応じて、家族等への情報提供や相談に乗るなど支援をしている
【講評】
家族などの面会はいつでも受け付けており、自由な時間が過ごせるようにしている
利用期間中の支援内容に変更が生じた際には家族と連絡を取り合い、確認及び理解納得を得たうえで変更することにしている。必要に応じて家族に来訪を促して確認して貰うことにしている。また、家族などの面会はいつでも受け付けており、自由な時間が過ごせるように居室や共有スペースを開放している。不安やストレスなどを感じていることが見受けられた場合には、利用者に確認を得たうえで家族などの面会を促がしリラックスしてもらうことにも取り組んでいる。支援の基本方針として家族を含めたトータルケアを掲げている。
退所時の情報提供を更に充実することが望まれる
サービスを終了し退所する際には生活の様子を伝えるとともに、家族から希望があればケース記録の写しを適宜渡すことで、家庭での生活に引き継ぐ配慮がなされている。ただし、ケア記録を後日郵送することに留まっていることが報告されている。利用開始時には契約書において開示請求権を担保していることから、保護者に伝えたいことの視点を整理して、分かりやすい書式を用いて生活の様子を伝えるように改善することも望まれる。
6.地域で自立した生活を送れるよう支援をしている
- 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 必要に応じて、利用者が地域の資源を利用し、多様な体験ができるよう支援している
- 必要に応じて、関係機関(日中活動事業所、相談支援事業所等)と情報共有を行い、支援に活かしている
【講評】
各種団体等作成のパンフレット、チラシ等を掲示して地域情報の提供に取り組んでいる
事業所では1階のエントランス、各種団体等作成のパンフレット、チラシ等を閲覧できるようにしたり、常置や口頭などによって提供している。各種の在宅サービスを希望する利用者に関しては、相談支援事業所や行政との連携を図って各種のサービスの紹介したりを行なったり、入所中のサマリーを提供することで支援の継続性に取り組んでいる。それらの情報提供や利用者の意思、家族の支援などによって、円滑に在宅生活が継続できるような支援に取り組んでいる。
利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援している
利用者の社会資源の活用としては、買い物や外出機会に加え、利用期間にもよるが区が主催する各種のイベントや地域などへ参加するなどの社会参加に取り組んでいる。複合施設全体で開催している各種のイベントや行事など、利用者が職員や家族以外の人と交流が図れる機会を積極的に設け好評を得ている。また、事業所として、日中活動の事業所に見学に行くなどによって、連携を図ることを大切にしている。
【講評】
個人情報保護規程に基づき利用者の個人情報の管理と使用が適切に行われている
法人では「個人情報保護規程」を定めており、これに基づき利用者情報を適正に保護・管理している。利用者には個人情報の保護についての仕組みや使用する場合の詳細な説明を行なっている。また、契約時に「写真等の使用、事業所サービス利用に係る個人情報提供同意書」で利用者の同意を得ており、業務日誌やケース会議議事録など複数の利用者を併記する記録には、利用者の氏名をイニシャルで表記し、個人情報を配付する際はダブルチェックを行い、直接手渡ししている。個人情報を回覧する際は黒く目隠しするなどの対応が行われている。
利用者の意思を尊重し、プライバシーに配慮した支援を行なっている
事業所では、介護を行う家族等の疾病やその他の理由により短期入所施設の利用が必要となった利用者を支援している。そのためには、職員が利用者の要望、価値観、羞恥心等を考察し、利用者の個々の情報を共有するよう努めている。また、入浴やトイレ介助が必要な場合は同性介助を原則とし、おむつ交換時はカーテンを閉める等、羞恥心に対する配慮を十分に行い利用者が安心できる空間を確保している。日常の支援に当たっては、基本的に強制することはなく、必ず意思確認を行うほか、選択肢を設け利用者の意思の尊重に努めている。
利用者の意向を尊重した「その人らしさ」を大切にした支援を行なっている
事業所では、利用者の意向を尊重した「その人らしさ」を大切にした支援を行なっている。また、障害特性から意思表示が困難な利用者に対しても、本人独自のコミュニケーション方法を理解して支援が行えるよう努めている。また、利用者との日常的な関わりの中で無意識的に行われる職員等の不適切な対応については、顧客満足度調査や家族からの意見・要望、職員相互によるチェック体制等により、「不適合サービス」として幅広く抽出し、「是正処置・予防処置」へとつなげている。不適切ケアが適切に改善する仕組みが整っている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
マニュアルが業務の標準化に向けOJTを始めとする新人教育に活用されている
事業所では、①施設概要利用者支援について、②記録、③利用見学、④予約、⑤事前調査、⑥入所・退所、⑦掃除・準備、⑧食事・検食、⑨貴重品の取扱い、⑩服薬、⑪夜勤者など、それぞれの業務内容に応じた手順書やマニュアルが作成されている。これらのマニュアル類は、保管場所一覧表により管理され、職員がいつでも必要な時に閲覧ができるよう整備されている。また、新入職員はマニュアルに基づいたO J Tが実施され、「短期入所要員の適格性確認表」に基づく理解度評価が実施されるなど、マニュアルが教育に活用されていることを確認した。
法人の内部監査などによりマニュアルの運用や質が定期的に評価されている
法人内の他の事業所による内部監査が年2回定期的に実施されている。内部監査ではマニュアルに沿って業務が行われているか、サービスの品質が向上できる仕組みとなっているかなど、点検項目に沿ってチェックが行われている。法人内部監査報告書と事業所内部監査報告書の内容は、職員会議で報告が行われ改善に生かされている。また、法改正やサービス内容に変更が生じた場合等は、業務調整会議で協議のうえ、適宜マニュアルの改訂作業が行われており、サービスの標準化が保たれている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
事業計画の進捗確認のため会議体等の権限と役割を明確にし、職員への理解を促している
組織図及び責任と権限運用規定及び職務権限規定に規定されており、短期入所の係等編成で経営層や一般職の役割と責任を明確にしている。事業計画策定時には理念及び実践の行動基準を都度確認している。また、求める職員像の策定などで項目ごとに紐付けてリーダー層の職員に方向性を提示している。職員会議で職員が議論して業務調整会議で集約する体制となっている。月次の事業所単位の上位会議である業務調整会議では事業計画の進捗を確認している。
重要な案件は職員会議や業務調整会議で決定し、職員に周知徹底している
月1回部門ごとに職員全員が出席する会議が実施されており、また、部門のリーダーが出席する業務調整会議も実施されている。そのため重要な意思決定や周知に関しては十分に職員にいきわたる体制である。職員自己評価でも全員が重要な意思決定の手順が明確であると答えている。利用者・家族とは利用前に必ず電話をして要望などの確認をしている。また、連絡ノートやお知らせ、利用後にも電話などでできるだけ早く連絡することができている。