評価結果

サービス項目中心の評価

基本情報

【事業所名称】

ゆめ工房さくら

【サービス種別】

多機能型事業所

生活介護
就労継続支援B型

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)利用者の尊厳と人権の尊重
2)利用者の力と能力の発揮
3)利用者の安心と安全
4)地域との連携
5)より質の高いサービスの提供

職員に求めている人材像や役割

利用者の尊厳と人権を大切にし、本人主体を尊重する姿勢。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

法人の理念に沿って、利用者一人ひとりにあわせた支援を心がけてほしい。                                  
福祉職員としての意識を常に持っていてほしい。

全体の評価講評

特によいと思う点

2021年に市から社会福祉法人としての認可を受け、「社会福祉法人小金井さくら会」として事業を開始しており、組織力向上に向け、ガバナンスとコンプライアンスの強化に取組んでいる。承認権限規程による役割の明確化をはじめ、各種規程類の整備を進めており、職員倫理綱領と行動規範を新たに作成した。また、地域住民による「運営協議会」を設置し、法人経営の透明性を図るとともに、苦情対応規程を見直し、毎月オンブズパーソンが利用者の相談に応じる体制を整えた。権利擁護に関する講演会の実施等、法人としての体制整備を着実に進めている。

利用者とのコミュニケーションは障害特性や日々の浮き沈みを考慮しながら取っており、職員と一緒に気持ちの整理をしていく時間を設けるといった配慮を行うことで関係性を深めている。発語の無い人や、話したい想いはあるが人前で話すことが出来ない人については、朝礼の時間の中で自分の想いを表現する機会を設けており、人前でも意見を出していけるよう働きかけている。話せたという成功体験を積み重ねていくことで、積極的に自分のことを話すようになった利用者もいるなど、和気あいあいとした雰囲気が積極的な自己表現に繋がっている。

生活介護、就労継続B型共に事業所内外で様々な受注作業や委託業務などを行っており、利用者の意欲向上に繋げている。事業所内ではダイレクトメールの封入封緘作業やもみ殻詰め、シール貼りなどの受注作業や自主生産品である製菓製造を行っており、作業を細分化することで効率性を高めている。事業所外では市からの委託業務として近隣の高校や企業、地域住民宅から古紙を回収して業者に納品する仕事や公園清掃、近隣住民宅の草取りなどを行っており、地域住民と直接関わることで自分たちの役割を認識し、自己有用感を高めていけるよう支援している。

さらなる改善が望まれる点

利用者の記録は手書きをメインに連絡帳、サービス提供記録、業務日誌等に記載されており、内容も作業や様子に関わることが中心となっている。個別支援計画に沿った記録とすることは課題と認識しているが業務に追われ、改善には至っていない。まずは、連絡帳、サービス提供記録、業務日誌の精査を行い目的を明確にした様式とし、利用者支援はケース記録に一本化する等、記録の整理が必要である。併せて法人が導入したクラウドシステムを活用してICT化を進め、記録の体系化と充実、及び事務作業の軽減につなげていくことが期待される。

工賃支給については工賃規定に則っとり単価と時間数に応じて支給されており、生活介護、就労継続B型共に支給されている。利用者には契約時に説明を行っているが、計算や内容が難しいといった声が上がっており、家族からも年に一度は支給についての説明が欲しいといった要望が出ている現状がある。事業所としても工賃はどうあるべきかという問いを抱いており、利用者、家族共に分かりやすい説明が出来ていないという認識を持っているため、今後利用者が自分の仕事と工賃を結び付けることが出来、更なる意欲向上に繋げていける仕組み作りが期待される。

利用者の高齢化が進んできており、これまで出来ていたことが出来なくなり、排泄支援や歩行介助、送迎対応、服薬支援といった直接介助が必要な場面が増えてきている。今後も転倒や疾病、通所困難など高齢化によるリスクは高まっていくことが予想されるため、職員の介助スキルの向上と共に、想定されるリスクの洗い出しが必要となってきている。また、現在も服薬支援は行っているが、チェック表を使用していないなど増加する支援に対して仕組みの整備が十分に行えていない状況にあるため、支援内容に応じた仕組み作りを行っていくことが求められる。

事業者が特に力を入れている取り組み

法人として職員の支援力向上に力を入れており、昨年度は毎月1回から2回、外部のスーパーバイザーを招いて、利用者の心理検査と研修を実施している。心理検査を実施することで根拠をもった科学的な支援につなげることを目指しており、利用者の支援ニーズをより的確に把握するために、フェースシートとアセスメントシートの見直しも行った。年度末には、全職員参加の下、事例発表会を行い具体的な意思決定支援について、職員間で理解を深めており、構造化や視覚的支援の実践につながっている。

事業所では事業計画や年間予定、進歩状況について家族と情報共有を図る法人全体の保護者会に加えて、事業所単体での保護者会を実施しており、事業所での取り組みを共有することで安心感に繋げていけるよう努めている。保護者会ではスライドを使用してコロナ禍の作業や昼食風景、現在受注している仕事内容、活動内容を丁寧に説明しており、新たなにスタートした体を動かす体操については改めて活動の目的や内容、実施したことによる効果や改善点などを共有している。説明後には質疑応答の時間が設けられ、家族の不安を解消していけるようにしている。

生活介護では、受注作業や古紙回収、クラブ活動、個人活動、創作活動、体を動かす活動など多様な活動を展開しており、利用者が意欲的に通所出来る環境を作っている。生活介護ではあるが受注作業を基本としており、時間数に応じて工賃も支給されている。クラブ活動はスポーツ、アート、音楽から好きな活動を選択することができ、法人内他事業所の利用者とも交流を図ることが出来る。個別活動では個々の趣向や得意なことを中心に織物やパズル、知育アプリなどを楽しむことができ、作業がしたいという人にはシール貼りなど類似する活動を提供している。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:登録利用者全員
  • 調査方法:アンケート方式  
    個別聞き取り調査及びアンケート調査
  • 有効回答者数/利用者総数:25/31(回答率 80.6% ) サービス毎の利用者総数
      利用者総数 共通評価項目による
    調査対象者数
    共通評価項目による
    調査の有効回答者数
    利用者総数に対する
    回答者割合
    生活介護 13人 13人 11人 84.6%
    就労継続支援B型 18人 18人 14人 77.8%

登録利用者31名中、25名から回答を得ることができた。「困った時の支援は受けていますか」「職員の接遇は適切ですか」「個人の気持ちは尊重されていますか」の項目では、回答者全員が「はい」の回答となっている。総合的な満足度では、15名が「大変満足」8名が「満足」の回答であった。もっといろんなことを覚えたいのでこれからもお世話になります、やりたいことやらせてもらってます、行事とかも楽しく参加しています、職員さんとお話するのも楽しいです、皆で作業するのが楽しいです、学校より事業所の方が楽しいです、などのコメントがあがっている。利用者調査を補完するものとして実施した郵送による家族アンケート調査では、23名から回答を得ることができた。「職員の対応は丁寧ですか」「計画を作成する時は、本人や家族の状況や要望を聞かれていますか」の項目において満足度が高かった。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 25名 (100%)

回答者全員が困った時の支援は受けていると回答している。作業でわからないことは教えてもらってます、高い椅子だと足がとどかないので台を用意してくれたりします、年齢に合った作業をやらせてくれるので助かります、困る事はないけれど助けてくれます、などのコメントがあがっている。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 24名 (96%)
無回答・非該当 1名 (4%)

24名が事業所の設備は安心して使用できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。使い方のわからないものは職員に聞いています、との回答があった。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 23名 (92%)
どちらともいえない 2名 (8%)

23名が利用者同士の交流は楽しいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。音楽クラブとかで楽しくしています、仲良くおちゃべりしたり楽しくやれています、スポーツクラブで楽しくしています、一緒に給食を食べるのが楽しいです、などのコメントがあがっている。

4.【生活介護】
事業所での活動は楽しいか

はい 11名 (100%)

回答者全員が事業所での活度は楽しいと回答している。公園清掃です、作業は楽しいです、編み物で帽子を作っています、などがあがっている。

16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか

はい 13名 (93%)
いいえ 1名 (7%)

13名が事業所での活動が自身のスキルアップに役立っていると回答している。センターのそうじをやっているのでそうじは上手になりました、ラベル貼りとかすいすいできるようになりました、細かい作業とかもできるようになりました、手芸とかもやらせてもらって得意なことを伸ばせてます、リサイクルバック作りが得意になりました、などのコメントがあがっている。

17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

はい 7名 (50%)
どちらともいえない 3名 (21%)
無回答・非該当 4名 (29%)

工賃の支払いの仕組みについては、7名がわかりやすく説明されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。先月ボーナスもらいました、計算とかお金のことは難しいです、毎回同じ額をもらっています、などのコメントがあがっている。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 23名 (92%)
どちらともいえない 1名 (4%)
無回答・非該当 1名 (4%)

23名が事業所内の清潔は保たれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。あちこち分担して掃除しています、床そうじとか台所そうじとか好きなので手伝ってます、皆で協力してそうじしています、掃除機を使ってきれいにしています、などのコメントがあがっている。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 25名 (100%)

回答者全員が職員の接遇は適切であると回答している。やさしくて楽しいですよ、皆さん丁寧に対応してくれます、素晴らしいです、などがあがっている。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 21名 (84%)
無回答・非該当 4名 (16%)

21名が緊急時の対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。持病とかちゃんと理解してくれているので安心してます、具合の悪い時は早退したりします、クスリをのんで落ち着けるようにしてくれます、特に具合が悪くなったことがありません、などのコメントがあがっている。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 17名 (68%)
無回答・非該当 8名 (32%)

17名が利用者間のトラブルへの対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。たまにストレートにものを言ってしまうので対応してもらってる、ちょっかい出しすぎて怒らせちゃう時とかは間に入ってもらってます、ケンカなどはありません、との回答があった。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 25名 (100%)

回答者全員が個人の気持ちは尊重されていると回答している。面談とかでよく話はきいてもらってます、大事にしてくれています、などがあがっている。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 7名 (28%)
どちらともいえない 1名 (4%)
無回答・非該当 17名 (68%)

7名がプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。特にコメントはあがっていない。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 18名 (72%)
無回答・非該当 7名 (28%)

個別支援計画作成時に本人の気持ちや状況を聞かれていると回答したのは18名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。お兄さんとお姉さんが一緒に話を聞いてくれました、一緒に作ったのは覚えてるけど中身は覚えてない、面談の時にいろいろ聞いてくれました、公園清掃も自分でやりたいと言った、などのコメントがあがっている。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 17名 (68%)
無回答・非該当 8名 (32%)

17名がサービス内容や計画に関する説明はわかりやすいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。特にコメントはあがっていない。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 14名 (56%)
どちらともいえない 1名 (4%)
無回答・非該当 10名 (40%)

14名が不満や要望への対応はされていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。ちゃんと対応してくれたので嬉しかったです、嫌な思いをしたことはないです、ちょっと諦めている所もあります、などがあがっている。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 17名 (68%)
無回答・非該当 8名 (32%)

17名が外部相談窓口について相談できることを伝えられていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。ポスターで知りました、会ってお話しました、先月来てくれました、などがあがっている。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
長年に亘り地域で障害者支援を行い、社会福祉法人化により経営力の強化が図られた

1966年に発足した「小金井市手をつなぐ親の会」が母体となり1984年に最初の作業所を開設、1990年には市内で3か所の作業所運営を行っていたが、2006年に特定非営利法人の法人格を取得し、就労継続支援B型事業として「ゆめ工房さくら(以下、事業所)」と「フラワー工房さくら」をスタートさせた。その後、事業所は生活介護事業を開始し多機能型事業所としての運営を行うとともに、法人の社会福祉法人化を進め、2021年2月に市の認可を受け「社会福祉法人小金井さくら会」となるなど、更なる経営力の強化が図られている。

ウエブサイト、広報紙「さくら」に加え、地域での講演活動等で情報発信を行っている

法人の沿革や理念をはじめとした経営方針、講演等のお知らせ、各事業所の活動内容等は、法人ウエブサイト、年2回発行する広報紙「さくら」で情報発信しており、長年に亘る小金井市での活動により、特別支援学校等の保護者や自治体含めた関係機関からの認知度は高い。ウエブサイトの更新は法人で行っており、自主生産品の焼菓子等ネット販売を検討しているが、体制整備が課題となっている。また、生活介護では毎月「生活だより」を発行するとともに、B型は「SKBだよりさくら会」を不定期発行し、利用者の活動の様子等を家族に伝えている。

コロナ禍のため説明会等の開催は控えているが、見学希望者が増えている状況である

建物の老朽化等で移転が課題となっていたが、2024年度を目途に移転し、新規建物での運営を行うことが決定している。特別支援学校の保護者の中では事業所移転の情報が伝わり、見学希望者が増えている状況である。コロナ禍ということもあり事業所公開日を控えているが、今後は状況を見ながら説明会等の開催を予定している。今年度は3名の新規利用者を迎え、その内2名は新卒者であるなど今後、若年齢の利用者が増えていくことを予想しており、法人の事業所間で利用者の循環を図る等、事業所の特徴を明確にした運営体制の構築に取り組んでいる。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
事業所のルール等、利用者に向けた分かりやすい説明書の作成が必要であると考えている

新卒の利用者については、高等部1年時から実習をして事業所とのマッチングを確認しており、作業や人間関係等含め受け入れが可能か、学校の進路指導担当者も交え検討をしている。事業所では生活介護と就労継続支援B型との垣根を設けず、柔軟な支援体制をとっているため、基本的に断わらないことを方針としているが、階段での移動や狭さ等の環境面から車椅子や肢体不自由な人への対応は難しいとしている。契約は家族と本人を交えて行うが、事業所のルール等、利用者に向けた分かりやすい説明書の作成が必要であると考えている。

サービス開始当初は事業所に慣れることを目標とし、その人に応じた環境設定をしている

医療・健康状態、家族構成、キーパーソン等の基本情報、生活歴・療育歴等は「フェースシート」で把握しており、サービス開始前に家族に記載を依頼する。それらの情報と面談で把握した利用者、家族の要望、実習時の様子をもとに「個別支援計画」を作成して契約時に説明しており、当初は事業所に慣れることを目標に設定し、万遍なく作業に入る環境をつくっている。その過程で利用者が出来るようになったことや苦手なこと等把握し、必要に応じて席を工夫したり、音に刺激を感じる人は別室で対応するなど、その人に応じた環境設定を行っている。

家族の高齢化に伴う生活環境の変化等には相談支援事業所と連携し対応している

長年、通所している利用者も多く、中には家族の高齢化等で他施設のミドルショートや緊急ショートを利用しながら通所している利用者もいる。法人内には相談支援事業所があり、利用者、家族の状況を理解している相談支援専門員と連携して本人に合う入所施設やグループホーム等の退所先を探しており、昨年度は2名が障害者支援施設に入所した。また、家族が退職し、田舎に戻るというケースでは、移転先で通所できる通所事業所を探し、利用者情報の引継ぎを行った。親の高齢化を見据えた利用者の生活環境整備の必要性は、講演会等で伝えている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
フェースシートとアセスメントシートの内容を変更し、支援ニーズの分析を行っている

外部のスーパーバイザーの助言を受け、昨年度、法人内B型事業所と共同でフェースシートとアセスメントシートの内容を変更しており、フェースシートには生育歴と療育歴の記載欄を加えることで、課題となる行動の背景やいつから始まっているのか等を確認できるようにした。また、アセスメントシートは1と2に分け、1は食事、清潔、排泄、人間関係、日常生活、健康管理、2は金銭管理、自己選択、移動、行動障害、危機管理、就労等の自立度を詳細項目に沿って確認し、本人・家族の希望等に基づき支援ニーズを把握する内容としている。

心理アセスメント結果から言葉の理解と視覚情報処理の状態を判断し支援内容に反映した

アセスメントシートの改定に加え、心理テストを取り入れることとし、若年齢の利用者から始めている。心理アセスメント結果(認知発達状況)から、言葉の理解状況と視覚情報処理の状態を判断しており、会話ができていても理解につながっていないことを発見し、絵カードを使用するなど視覚的情報の提供を始めた利用者もいる。個別支援計画は、全利用者に対し年度末にアンケートを行い、将来の夢や次年度の目標を確認するとともに、希望者とは三者面談を行い作成しており、本人のやりたいとを目標とし、支援内容を定めている。

利用者の記録が散在しており、記録の整理と記録内容の検討が望まれる

利用者ごとに作成している「連絡帳」と「サービス提供記録」をケース記録として活用しており、サービス提供記録に午前中と午後の仕事内容、利用者の様子、来所と帰所時刻、送迎状況、昼食(給食・弁当)状況等を記載し、利用者からサインを得ている。また、「業務日誌」の備考欄にも全員ではないがその日の利用者の様子を記載するほか、請求事務に必要な記録もつけており、個々の利用者の記録が散在している様子が伺える。記録内容は利用者の様子がメインとなっており、個別支援計画の内容に沿った記録という点では検討が必要となっている。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
ライフステージに合わせて作業面や情緒面の安定に向けた支援を提供している

個々のライフステージに応じて作成された個別支援計画をもとに、作業面や生活の質の安定、情緒面も含めた健康の維持向上について支援を行っている。作業面では入所間もない頃や年齢が若い利用者には様々な作業にチャレンジする機会を提供し、一つ一つの仕事を丁寧に行っていけるようサポートを行い、高齢の利用者に対しては無理のない範囲で仕事を提供することで意欲を失わないよう働きかけている。情緒面では本人の気持ちをノートに書いて整理しながら、不安なことがあれば自分から職員に相談していけるよう時間をかけて関係性を築いている。

障害特性に応じて単語、筆談、絵カードなどを使ってコミュニケーションを図っている

利用者個々の障害特性に応じて単語での投げかけや筆談、絵カードなどのツールを活用しながらコミュニケーションを図っている。発語の無い利用者については気持ちを盛り上げていきながら、出来る限りオープンクエスチョンでの投げかけを行うことで、利用者が自分の想いを自由に表現していけるよう働きかけている。また、話したい想いはあるが中々人前で話が出来ない利用者に対しては、朝礼などで話す機会を設けて無理のない範囲で想いを伝える経験を積み重ねていくことで、少しずつ自分の意見を出していけるよう支援している。

自立生活を支えていけるよう各種サービスや手続きについての情報を提供している

地域の中で充実した自立生活を支えていけるよう、個々に必要となる情報を提供している。ガイドヘルパーや短期入所、訪問系サービスなどの各種サービス利用については行政や相談支援事業所に繋いで、実情に即したサービスを受けられるようサポートしている。一人暮らしへのチャレンジや継続については住居やライフラインの手続き、給付金についてなどの情報を提供しながら本人の希望する生活が送れるように支援している。また、現在はコロナ禍のため積極的には行っていないが、地域のイベントについても必要に応じて情報提供を行っている。

2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
  • 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
  • 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っている事業所のみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
作業工程を細分化することで、役割を持って作業に携わっていけるよう配慮している

事業所ではダイレクトメールの封入封緘、シール貼り、もみ殻詰めなどの受注作業に加え、古紙回収、近隣大学の畑を使用しての落花生栽培、近隣住民宅の草取り、自主生産品として製菓製造、公園清掃、障害者支援センター清掃などの作業を提供している。障害程度や得手不得手に関わらず誰もが作業に関わっていけるよう工程を細分化しており、例えばダイレクトメールの作業であれば数を数える人、順番に封入出来るようにセットする人、封入する人、封をする人などに分かれて作業を行うことで、それぞれが役割を持って取り組んでいけるよう支援している。

一人でクールダウンが出来るスペースを複数用意し、情緒の安定に繋げている

感染症対策として常時室内の換気を行うと共に、二酸化炭素濃度測定器、大型空気清浄機、加湿器、扇風機などを活用しながら、室内の清浄化を行っており、併せて朝、夕、休憩中にドアノブや手すりなどの消毒を行っている。障害特性から高揚して大きな声を上げてしまう利用者や、気分が急激に落ち込んでしまう利用者もいるため、感情のコントロールについての助言を行いつつ、場面転換が早く出来るように更衣室のソファーなど一人でクールダウン出来るスペースを複数用意しており、自身で情緒面の安定を図っていくための方法として活用している。

一口大にカットや食事の見守り対応など個別の配慮については可能な範囲で対応している

食事は近隣の障害者支援センターから運ばれてきており、以前は利用者が係業務として配膳を行っていたが、現在は感染対策から職員が配膳を行っている。事前に献立を確認してどうしても食べられないものがある、お腹の調子が悪いといった場合については弁当に切り替えることが出来るようになっている。アレルギー対応も行っている他、一口大にカットする、ネギなどの添え物を省くといった事業所内で出来る個別の配慮についても可能な限り対応している。また、食後はテレビや動画鑑賞、読書、スマートフォン、談笑などそれぞれ好きな時間を過ごしている。

3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
看護師や嘱託医と連携を図りながら利用者個々の健康状況を把握している

日々の体温チェックを行うと共に、週に一度看護師が来所して全生活介護利用者と就労継続B型で気になる利用者のバイタル測定を行っている。健康診断は39歳以下の利用者は一括で同行支援を行っており、40歳以上の利用者は自身や家族と共に受診を行い、結果を共有している。診断結果をもとに個別面談を行い、家族とも相談しながら通院に繋がるケースもある。その他月に一度嘱託医による健康相談や年に一度の歯科検診、月に一度の体重測定など、医療職と連携を図りながら利用者個々の健康状況を把握し、必要な対応に繋げている。

歯磨きの方法や間食、手洗いについてなど健康を維持していくための助言を行っている

利用者個々の年齢や健康状態に応じて、医療職とも連携を図りながら必要な助言や指導に繋げている。利用者が感染症対策を意識していけるよう手洗いについては絵や歌などを使いながら正しい方法を学び、職員と一緒に練習していく機会を設けている他、家族の要望に応じて爪切りを行うなど、手指の衛生状況を保てるようにしている。また、看護師から歯磨きの方法についてや体重増加に応じて間食についての助言を受ける機会を定期的に設けていくことで、自宅でも自身の健康について意識していけるよう働きかけている。

服薬は事前に預かった薬を毎日職員がセットして服薬支援を行っている

てんかん発作を持っている利用者については個別マニュアルを作成して頓服薬の使用方法や使用基準について整理している。服薬支援が必要な場合には、事前にまとめて薬を預かり、毎日ウォールポケットに薬をセットして服薬を行っており、空袋については持ち帰る、事業所で破棄するなど要望に応じて対応している。服薬チェック表については作成されておらず、高齢化のため徐々に服薬対応も増えていることから今後作成する予定になっている。その他災害時用に全利用者から三日分の薬を預かっている他、点眼薬については冷蔵庫保管を行っている。

4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
個別面談や連絡帳、電話連絡などで家族の要望を把握し日々の支援に活かしている

家族とは主に連絡帳を使って情報共有しており、家庭での様子や健康状況、週末の過ごし方などを把握し、利用者とのやり取りや健康面での配慮に繋げている。家族からの要望についても面談時や電話連絡等で把握を行い、外活動への参加や本人の疲れ具合から事業所内での作業を増やして欲しいといった要望については出来る範囲で対応しており、家族調査でも本人の能力や個性に合わせた支援を提供してもらっているといった声が上がっている。また、生活介護では定期的に「生活たより」を発行しており、活動や行事の様子を家族に伝えている。

家族からの情報を元に課題の根本要因を分析し、科学的な支援に繋げている

個別支援計画の作成時には希望に応じて家族も交えた面談を行い、面談を希望しない場合にも書面や電話にて家族からの要望を聞き取り、支援に活かしている。また、フェイスシートやアセスメントシートを成育歴を把握できる内容に改定を行い、利用者個々のバックグラウンドを知ることでどこから課題が生じているのかを分析した上で支援に当たっていけるようにするなど、家族からの情報と外部の心理アドバイザーからの助言を照らし合わせながら科学的な支援に繋げている。

保護者会を通して活動や作業の様子を丁寧に説明し、支援の理解を深めている

家族と直接関わる場として保護者会を開いており、スライド使いながら事業所の方針や活動の様子を細かく伝えている。主な内容としては新しい利用者や職員の紹介、作業や昼食風景、現在行っている仕事の種類についてとなっており、身体を動かす活動については目的や内容、活動を行ったことによって得られた効果などを丁寧に説明することで、コロナ禍でより見えづらくなっている利用者の様子を家族と共有している。事業所からの報告のあとには質疑応答の時間を設け、家族の不安や疑問について真摯に応えることで信頼関係を築いていけるようにしている。

5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
様々な外活動を展開し、社会資源を活用しながら様々な経験を積んでいくことが出来る

事業所では受注作業や自主生産品である製菓に加えて地域の一員として生活していけるよう様々な外活動を展開している。古紙回収は市からの委託業務となっており、近隣の高校や企業、近隣住民宅、利用者の家族から古紙を回収し、業者に納品している。その他、5カ所の公園清掃、3カ所の砂場清掃、障害者支援センターの清掃など周辺地域の社会資源の清掃業務を幅広く行っており、安定した工賃支給にも繋がっている。また、コロナ禍のため宿泊旅行や一日外出については休止としているが、今後は情勢を見ながら順次再開していけるよう検討を重ねている。

地域住民との交流を通して、自身の役割や自己有用感を高めていけるよう働きかけている

事業所内で市の指定ゴミ袋を販売しており、地域の人が購入に来た際には、利用者も積極的に交流して地域住民との関係を深めており、併せて銀行等にもゴミ袋の配達に行くなど事業所の存在や障害への理解促進に繋げている。また、近隣住民宅の草取りの依頼を受けるなど、利用者が直接住民と関わりながら、自己有用感を高めていける機会を設けている他、近隣大学の畑を借りて野菜の栽培を行っており、収穫物を事業所内で調理して食べるといった活動を行うなど、地域資源を活用して様々な体験を積み重ねていけるようにしている。

6.【生活介護】日常生活上の支援や生活する力の維持・向上のための支援を行っている
  • 一人ひとりの目的に応じた創作的活動、生産活動やその他の活動の支援を行っている
  • 自分でできることは自分で行えるよう働きかけている
  • 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
  • 【工賃を支払っている事業所のみ】
    工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
【講評】
創作活動では季節を感じられる作品作りを意識して毎回テーマを決めて取り組んでいる

月に二回行っている創作活動では、母の日のプレゼントや花火作り、鬼のお面作り、絵馬作り、クリスマスツリーなど季節を感じられる作品作りを行っている他、紙飛行機作りを行った後実際に飛ばしてみるなど利用者が楽しめる活動を展開している。作業同様入所間もない頃には様々なことにチャレンジしていき、本人に何が出来るか、何が得意かを徐々に引き出していけるよう働きかけている。また、週に一度行っている個人活動では、パズルや編み物、刺し子、タブレットを使用した知育アプリなど、本人の趣向や得意なことを楽しめる時間を取っている。

体を動かす活動や書道、音楽活動など作業だけでなく多様なプログラムを展開している

受注作業や古紙回収などの仕事を基本に、体を動かす活動や音楽活動、季節行事など利用者が楽しみを持って意欲的に通所していける活動を展開している。体を動かす活動では散歩やすごろく、ペットボトルボーリング、節分玉入れなどレクリエーション要素を交えて楽しく身体を動かすことで、情緒の安定も含めた健康の維持向上に繋げている。月に二回実施している音楽活動では動画を流しながら楽器演奏やダンスを行っており、利用者それぞれが自己表現を楽しんでいる。また、月に一度書道を行い、落ち着いた雰囲気の中で集中する時間となっている。

高齢化により出来なくなってきていることについては家族と相談しながら対応している

作業の準備や片付け、食器の下膳など、自身で出来ることについては過度な支援を行わずに見守りで対応しており、個々の能力を伸ばしていけるよう努めている。一方で高齢化によって出来なくなってきていることが増えている利用者もおり、必要に応じて排泄支援や移動時の歩行介助、送迎対応、車椅子の用意などに繋げている。日々の様子から気にかかることがあった場合には家族に相談して通院に繋げるといった対応も随時行い、やりたいという本人の気持ちを大切にしながら無理せず出来ることをやっていけるよう働きかけている。

12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
  • 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
  • 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
  • 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
  • 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
  • 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
自主生産品の生産ペースは減少しているが、商品は依然として高い人気を得ている

自主生産品である製菓については担当出来る利用者が少なく、コロナ禍で外部販売が難しくなっていることもあり、現在週に一度の生産となっており、完成品は法人内の就労継続B型で運営しているカフェスペースへ納品している。一方で製菓の人気は高く、季節商品については予約で埋まっている状況となっている。今後事業所の移転が計画されており、日中活動の再編について利用者も含めて説明段階に入っている状況にあるため、自主生産品の位置付けをどうしていくかについても検討を重ね、事業所としての明確な指針を出していくことが期待される。

仕事だけでなく楽しみを持って生活していけるよう隔週でクラブ活動を実施している

仕事だけでなく、楽しみを持って日々の生活を過ごしてもらいたいという想いから、隔週でクラブ活動を実施しており、スポーツ、アート、音楽の中から好きな活動を選んで参加することが出来る。アートとスポーツは法人内他事業所と合同で開催しており、公民館の壁画制作や季節に合わせた創作、公園でのキックベースや野球、フーセンバレー、卓球などを行っている。音楽については単独で行っており、講師を招いてリズムに合わせて楽器演奏や手遊び歌などを楽しむ時間となっており、どの活動を選ぶかは毎年アンケートを取って利用者の意向を確認している。

作業工程の細分化を行うことで効率を上げ、高い平均工賃を維持している

コロナ禍で作業の受注量が減り、受注先に頻繁に連絡を入れて受注量を確保していけるよう努めてはいるが、安定して作業を提供出来ない時期もあるなど、受注先の開拓については課題となっている。一方で作業工程の分割を行い、個々に合った工程を振り分けることで効率化を高めることが出来ており、委託業務と併せて平均工賃12000円台を維持することが出来ている。今後も継続して受注先の開拓を行なっていくと共に、自助具の活用や利用者の能力開発といった取り組みを継続して行っていくことで、安定した工賃の支給に繋げていくことが期待される。

【講評】
個人情報保護法の研修実施及び事業所内での管理方法等、検討が進むことに期待したい

契約書及び重要事項説明書において、個人情報の開示請求及び利用目的等を示しており、法人の個人情報保護規程に則り対応することを契約時に説明し、個人情報使用同意書へのサインを得ている。今後は、法人広報紙や家族向けお便りなどに利用者の写真を掲載する際には、同意を得た上で掲載していることを紙面上に明記していくことが期待される。また、支援の一環として職員室で利用者が休憩を取っているが、各種記録等もあり、個人情報の管理方法の見直し、及び改正された個人情報法に関する研修の実施により意識向上を図ることが望まれる。

個別支援計画説明の際、同性介助の限界を説明し、了承を得たうえで実施している

鍵付きのロッカーが各利用者に用意されており、着替えが必要な時はカーテンで仕切り対応している。近年は利用者の高齢化と重度化が進行しており、今まで出来ていたことが出来なくなるなど排泄等で直接介護が必要となる利用者が増えている現状がある。事業所は男性利用者の割合が高いが職員は女性が多く、同性介助の徹底が難しいため、必要時には男性利用者の介助を女性職員が行うことを個別支援計画に沿って説明し、同意を得て実施している。事業所移転後はエレベーター設置、バリアフリー化によりより安全性が高まることが期待できる。

利用者間での話し合い等実施したいとしているがリーダーシップが課題となっている

法人内の就労継続支援B型事業所では、行事の行先やお弁当の買物や選択等、利用者本人部会「ソレイユ」で話し合い決定する仕組みがあるが、事業所では個別に利用者の意向を聞きながら、活動内容やおやつの選択等に反映させている。言葉での表現が出来ない利用者もいるが、活動への参加等、参加の意思がない場合は無理に参加は促していない。今後は障害の状況等を勘案し、利用者同士で話し合いができる環境を整備していきたいと考えているが、利用者の多くは職員との交流を望む傾向があり、リーダー的存在がいないことが課題である。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
必要に応じて手順書を作成しているが、手順書の体系化や整理・作成は今後の課題である

作業によってはマニュアルを用意しているが、長年続けている作業が多いため、口頭での引継ぎや分かっている職員に直接質問して対応することが多い。業務手順等は、日々のミーティングや職員会議で検討し見直しているが、手順書としての整備には至っていないため、現在、法人のグループホームが作成した業務マニュアルを参考に、法人として標準化のためのマニュアル作成につなげていくとしている。口頭での引継ぎは職員間で解釈が異なる危険性があり、まずは業務を可視化し、組織として統一した手順を明確にする必要がある。

送迎マニュアルに緊急連絡先を明記しているが、危機管理マニュアル整備が求められる

利用者の安全性を確保するために「送迎マニュアル」を整備し、緊急連絡先等明記しており、送迎車に常備していざというときに備えている。また、職員室に緊急時の連絡先を掲示したり、利用者の転倒リスクやコミュニケーションにおけるリスクなど、ヒヤリハットで把握し、予防につなげている。新型コロナウイルス感染症対策はその都度、発出される国や都の情報を元に対応し、各種情報をファイルにまとめている。感染症マニュアル等の作成等が望まれるものの、マニュアル作成のための時間確保が課題となっている。

法人として各種の規程類の見直し、研修体制の整備等図る等、組織力の強化を進めている

社会福祉法人化に伴い、法人の中長期計画を策定するとともに、各種の規程類の整備を進めており、まずは法人の意思決定の仕組みや職員の役割の明確化、リスクマネジメントの在り方の明確化、給与表適用基準の見直しなど、組織マネジメントの強化に取り組んでいる。また、人材育成に力を入れており、法人として研修計画を作成し、虐待防止研修をはじめ、制度変更や報酬改定、意思決定支援等、オンラインやリモートを活用して職員が研修に参加出来る体制を整えており、法人の業務水準向上につなげている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

このセクションは事業者によって更新される情報です。

評価情報

【評価実施期間】

2022年10月4日~2023年3月24日

【評価者修了者No】

H0201062,H1801039

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