評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
病棟の居室で午後の時間に、職員がベッド上のAさんにエクササイズを行っている場面を選定した。職員は、エクササイズの方法や手順が載った写真を携行し、これを見ながらエクササイズを行っている。この写真はリハビリテーション科の職員が作成したものである。職員はAさんの両足を開いたり、伸ばしたりしている。その度にAさんは声を上げたり、顔をよじったりしている。エクササイズを行っていくうちにAさんの足の拘縮は緩んだようで、関節可動域が拡がった。職員は写真通りのエクササイズを一通り済ませると、次の利用者のベッドに移動した。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
職員が各ベッドを廻って、横臥する利用者に手技でエクササイズ(ストレッチ体操・四肢の屈伸等)を行う。職員が「体操しますよー」「足を伸ばしますよー」とエクササイズ開始の声かけをし、エクササイズし易いように体位を変換した。右肘の屈伸から始め、「1,2,3…」とカウントする。次に、「どんぐりころころ」、「森のくまさん」などの歌のワンフレーズを歌い、利用者に続きを歌ってもらうなど、利用者の反応を確かめながらエクササイズへの参加を促した。エクササイズは筋力の維持や側弯予防に有効であるが、変形や拘縮が見られ始めている利用者にとっては楽しい活動とは限らない。職員の一方的なリハビリ活動にならないよう途中で利用者の馴染みの歌を唄い、唄ってもらうことで興味を引き出すなど、一緒に楽しく参加してもらえるような工夫をした。カウントの時は「おしまい」と途中でやめたがっていた利用者も、歌を唄いながらエクササイズに参加し、両上下肢の全てのエクササイズをこなした。職員が終了を宣言した時、利用者も「おしまい」「おわり」と力強く発声した。エクササイズ中、Aさんは痛がっているようには見えなかったが、職員が側から離れると安心したような表情を浮かべた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
重症心身障害児者は、運動機能に重度の障害があり、自ら身体を動かすことができない利用者が多くいます。身体を動かさないままの生活が継続すると、関節が拘縮しADLの低下につながる恐れがあります。見学場面の活動は「エクササイズ」でしたが、拘縮の予防と改善を図るため、ROMエクササイズを定期的に活動に取り入れています。全ての職員が確実に実施できるよう、実施の手順と注意点を記載した個別のマニュアルを利用者一人ひとりに対し作成しています。
筋緊張が強いAさんにとってエクササイズは、苦手な活動の一つです。エクササイズを実施している間、Aさんの気持ちが少しでも和らぐよう回数を一緒に数え、好きな歌を唄いながら、プログラムを完了できるよう支援しました。Aさんも最後まで頑張れたようで、エクササイズ終了後に安心したような表情を浮かべたのは苦手な活動が終わりホッとした気持ちの表れだと思われます。
エクササイズの時間は、職員にとっても利用者と一対一でゆっくり関わることのできる貴重な時間になっています。利用者の状態について丁寧に観察し、必要なエクササイズも無理強いすることのないよう利用者の意向を確認しながら支援にあたっています。
1.子どもの様子や支援の内容についての十分な説明があるか |
|
2.家族への精神的なサポートの取り組みは十分か |
はい 67%
どちらともいえない 20%
無回答・非該当 9%
|
3.緊急時の対応体制は信頼できるか |
|
4.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
|
5.職員の接遇・態度は適切か |
どちらともいえない:2%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
|
6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
|
7.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 53%
どちらともいえない 11%
無回答・非該当 36%
|
8.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか |
|
9.子どものプライバシーは守られているか |
どちらともいえない:4%
いいえ:0%
無回答・非該当:5%
|
10.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか |
どちらともいえない:5%
いいえ:0%
無回答・非該当:2%
|
11.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
|
12.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 78%
どちらともいえない 7%
無回答・非該当 15%
|
13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 55%
どちらともいえない 16%
無回答・非該当 24%
|