評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
昼食前のリラックスタイムは、利用者が傾眠がちになるので、夜の睡眠への影響がないよう、職員は意識して見守っている。そんな時、利用者Aさんの傾眠の様子に気付いた職員が、Aさんの傍に行って優しく肩に触れ、目線を合わせて声をかけて覚醒するように働きかけていた。職員がAさんの手を擦っていると、Aさんも職員の手を擦ってマッサージをするような動作をして、その後穏やかな表情で「おしまい」と呟いた。職員はそれに合わせて「気持ちが良かった。Aさんからマッサージしてもらったのは初めてです。ありがとう」と答えていた。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
Aさんの傾眠に気づいた職員は、傍に近づき優しく肩に触れて声をかけていた。その様子はAさんを驚かさないように、自然に覚醒へ導くような働きかけであった。瞬間的にAさんの瞳が大きくなって、覚醒したのかと思われたがまた傾眠しそうになった。そこで、職員が手を握って軽く叩くように刺激を与えると、再度Aさんの瞳は大きくなり、ふざけるように職員へ拳をぶつけてきた。職員もそれに応じるような動きをすると、今度はAさんが「こわーい」と軽く手を引いてしまった。職員は慌てずにAさんの手を取り、揉むように触っていると、Aさんが職員の手の平のツボを押すような動作をして、指先を一本一本つまんでハンドマッサージのような動きを見せた。職員は一連の働きかけで自然な形でAさんの傾眠を防いだだけではなく、Aさんの様子に併せて一つひとつの動作を選んで、Aさんの持てる力を引き出している様子が見られた。その結果Aさんは傾眠前より遥かに穏やかな表情で、落ち着きを取り戻していた。傾眠することなく、かつ、職員と関わりあえて自分が相手を喜ばせたことへの満足感が表れていた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
Aさんに限らず、昼夜逆転になりやすいご利用者様は多い為、日中は程よい刺激がありつつ、穏やかに過ごしていただけることが共通の課題となっています。認知症の方への声掛けにおいて、正面からというのは基本ですが、難聴も加わると、声のトーンや、傾眠中は、驚かせないように職員それぞれが工夫を行っているところかと思います。Aさんは、ADLの低下で車椅子生活となり、身の回りのこともほとんど介助が必要となっていますが、とても優しい方で、常に職員を気遣ってくださいます。そんなAさんの役割を引き出し、傾眠予防の効果にもつながったことへの解釈は、とても心温まるエピソードとなりました。役割のケアというと、家事等の活動に目を向けがちですが、小さな変化や行動にもケアの効果が出ているのだと気づかせていただきました。
1.家族への情報提供はあるか |
どちらともいえない:0%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
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2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
はい 85%
どちらともいえない 8%
無回答・非該当 8%
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3.職員の接遇・態度は適切か |
どちらともいえない:0%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
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4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
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5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 62%
どちらともいえない 23%
無回答・非該当 15%
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6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
はい 77%
どちらともいえない 15%
無回答・非該当 8%
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7.利用者のプライバシーは守られているか |
はい 69%
どちらともいえない 23%
無回答・非該当 8%
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8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
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9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
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10.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 77%
どちらともいえない 15%
無回答・非該当 8%
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11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 46%
どちらともいえない 31%
いいえ 15%
無回答・非該当 8%
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