評価結果
基本情報
【法人名称】
【事業所名称】
世田谷区立玉川福祉作業所
世田谷区立玉川福祉作業所/世田谷区立玉川福祉作業所等々力分場
【サービス種別】
多機能型事業所
| 就労移行支援 |
| 就労継続支援B型 |
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)利用者の自己選択と自己決定
2)利用者の人権を尊重し、一人ひとりの個別ニーズに応じた支援計画の作成
3)多機能型事業、本園・分場の特性を生かした一体的事業推進
4)地域住民並びに地域関係機関とのネットワークづくりと連携の具体化
5)住み慣れた地域で安心と安全な環境を整え、利用者の自立と社会参加を促進する
【理念】 自分(じぶん)が選(えら)んで自分(じぶん)で決(き)める、私(わたし)らしい生活(せいかつ)づくり
〈 Smile is best! 〉 えがおが いちばん!
職員に求めている人材像や役割
(1)利他的であること:人や社会のためという気持ちを持っている。利用者の気持ちに寄り添い共感できる。
(2)感謝できる人:いたずらに不平不満を持つのではなく、常に感謝の気持ちを持っている。
(3)礼儀正しい人:礼儀をわきまえ、丁寧な言葉づかいができる。
(4)向上心の高い人:目標を高く掲げて達成する意欲をもち、行動できる。
(5)専門職としての自覚を持っている人:この仕事の社会的使命、社会的責任を認識している。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
1)「利用者の生命・健康・尊厳を守る」という大前提のもと、利用者の気持ちに寄り添い、共感できる人間性を持っている。
2)専門職であるという自覚と向上心を持っている。
3)常に感謝の気持ちを持ち、礼儀正しく丁寧な言葉づかいである。
4)チームワークを大切にできる。
全体の評価講評
特によいと思う点
作品ありきで利用者に製作を一方的に任せるのではなく、利用者を作家として位置づけ、その一人ひとりから発せられる表現を、コンサルタント、デザイナー、カメラマン等の外部の力を借りながらもプロデュースし、商品化に結びつけ、irodoriとして商品ブランドを確立させている。インスタグラム等のSNSで全国発信を行い、すでに多くのファンを獲得するに至っている。コロナ禍の販売不振の対策で、作業所内に各作家の作風にフィーチャーした一坪ショップを設けたが、直接作家に会うことができる店として評判を呼びさらに固定客が増加している。
利用者に対しては、個別支援計画を踏まえ毎月モニタリングを行っている。所定のモニタリング表に基づき、目標がどの程度達成されたかについて職員と利用者で振り返りを行い評価して、必要があれば個別支援計画の修正を行っている。きめ細かいモニタリングによりニーズに応じて個別支援計画が適切に見直され、利用者の支援の改善につなげようとしている。また毎月のモニタリングの過程で職員と利用者がコミュニケーションをとることも、利用者に応じた適切な支援につながっていると言える。
利用者の私らしい生活の実現に向け、ニーズ調査を実施し、毎月モニタリングを行い的確な支援計画の遂行にあたっている。満足度調査も毎年行い、利用者・保護者・職員が理念・方針の達成に向けて相互に取り組んでいる。職員の業務改善アンケートを活かし、マニュアルの見直し・改善につなげている。新人研修ではマニュアル作りを取り入れ、業務内容や進め方などの理解促進に役立てている。提案された内容は業務や支援の標準化などの参考となり職員間でも浸透しており、支援活動の中で身につく形で具現化され活かされてきている。
さらなる改善が望まれる点
SNS等を使った地域・社会に向けての広報宣伝もさることながら、家族に向けた個別対応の情報発信も連絡ノート等を利用しながら積極的に行っている。その際に役に立てると期待できるのが「にやりほっと」である。現状では職員ミーティングの際に発表される利用者の日常のワンシーンを切り取った「ちょっといい話」だが、それだけではもったいない。例えば、これをデータベースとしてサーバーの一角に留置することで、家族との面談や何かのイベントや広報誌の記事の材料として有効に活用できる。伸びしろのあるコンテンツである。
利用者への工賃の考え方を整理し職員間で共有して支援活動の運用にあたっており、公平性に配慮した内容であるが分かりやすさという観点からは利用者・保護者にとっては難解な部分も多々あるとの指摘がある。職員からも工賃の仕組みを指摘する声が多く見られ、公平性に配慮するが故の詳細な説明がかえって難しさを増幅させている面も否めない。利用者・保護者が理解し納得ができ、職員も説明しやすい工賃システムのさらなる改善が望まれる。公平であることは重要な視点であり、さらに誰もが分かりやすく共有しやすい説明ができる工夫を検討されたい。
過去の第三者評価の提言に基づき、東京都の補助事業の事業支援コーディネーターの支援を得ながら、マニュアルの整備に取り組んだ結果、各種のマニュアルが備えられることとなった。業務の手順や注意事項は、マニュアルにまとめられており、そのデータは共有サーバーに保管、更新があった場合は朝礼などで周知される等職員間で経験やノウハウの共有が進んでいる。今後、各種のマニュアルの担当者を配置、記載項目の体系的な整理、カテゴリーごとのデータの整理などマニュアルへのアクセスや使いやすさの向上のため管理方法の工夫を期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
事業計画に事業所が目指す構想を取りまとめ、年度初めの職員会議で配布し、重点課題などを伝え、リーダー層の共通認識のもと職員一人ひとりの意識を高め、日常の障害者支援が滞りなく安全に安心できる環境の中で進むよう取り組んでいる。事業計画書を毎年更新し配布しており、事業所の取り組みの方向性を確認・共通意識化して周知している。利用者に向け事業所の理念「自分で選んで自分で決める、私らしい生活」の達成に向けた取り組みを分かりやすく伝え、保護者との共有にも努め、利用者・保護者・職員が共通した考えで支援活動にあたっている。
年度ごとに対面でのアンケートを行い利用者の希望や意向などを把握し、私らしい生活につなげる支援計画の策定に活かしている。また毎月利用者面談を実施し、希望に沿った個別支援計画が実践されているかを確認して計画内容の見直しなどに反映している。利用者・家族満足度調査を毎年行い、支援活動の改善に取り組んでいる。職員面談を通じて就労環境の向上に努めるとともに、業務改善アンケートを活かし業務の進め方の工夫やマニュアル改定などを検討するなど、働きやすさ・やる気のさらなる高まりを目指している。
過剰な支援サービスを提供することで利用者の力を削がないよう、自分でできることは自分でしてもらっている。例えば、食事の後のテーブルや椅子の消毒は各自で行ってもらっている。ただし、支援者としての準備はしっかりし、除菌スプレーが使えない利用者には除菌シートを用意するなど合理的配慮をしている。また、事業所は「自分で選んで自分で決める私らしい生活づくり」を理念にしており、利用者会での話し合いを中心にしてルール作りがなされ、行事やレクリエーションの企画が立てられるなど、自主性を伸ばしていける支援に取り組んでいる。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:2022年7月1日現在の施設の利用者を対象とした。
- 調査方法:アンケート方式
自記式と面接調査法(面接調査者が聞き取り、調査票に記入)を併用 - 有効回答者数/利用者総数:52/54(回答率
96.3%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合就労移行支援 0人 0人 0人 0.0% 就労継続支援B型 54人 54人 52人 96.3%
総合満足度(大変満足、満足を合計した割合)は、(90%、47人)となっている。
就労移行支援の満足度(大変満足、満足を合計した割合)は、(0人)となっている。
※調査時点では就労移行支援利用者不在のため。
就労継続B型の満足度(大変満足、満足を合計した割合)は、(90%、47人)となっている。
●各設問のうち、「はい」の比率が高かった上位は、以下の項目であった。
問1.あなたが困ったとき、職員は助けてくれていると思いますか
(88%、46人)
問5.あなたは、事業所の生活スペースは清潔で整理された空間になっていると思いますか
(85%、44人)
問4-13.施設での活動は、あなたの就労に向けた知識の習得や能力の向上に役に立っていると思いますか
(83%、43人)
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 特筆すべき意見なし。
2.事業所の設備は安心して使えるか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 特筆すべき意見なし。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 楽しいです。 などの意見があった。
11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
PCを使う作業など。 やくにたっているとおもいます。 などの意見があった。
17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
よくわかりません、一生懸命働いたらもらえる。 などの意見があった。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 特筆すべき意見なし。
19.職員の接遇・態度は適切か
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 特筆すべき意見なし。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 信頼できることもあります。 などの意見があった。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 信頼できることもあります。 などの意見があった。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 製作したものをみて、いいねなど声をかけてくれる。 などの意見があった。
23.利用者のプライバシーは守られているか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 分かりやすく守ってくれているとおもいます。 などの意見があった。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 要望をきいてくれます。 などの意見があった。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> 計画書を見て、説明を受けた。 などの意見があった。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> モニタリングで製作した作品について話している。 などの意見があった。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
<就労移行支援> 意見の記載なし。 <就労継続支援B型> ポスターは見たことがある、いるのは知っている、会ったことがある、困ったことはない。 などの意見があった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者の意思などを把握し、計画の適切な実践を確認して意向に沿って支援を進めている
自ら選んで自分で決める、利用者の自分らしい生活に向け、意思や価値観などを尊重した支援活動を基本とする意識が大切にされている。利用者のニーズ把握に向け年度初めに対面式でアンケートを行い、個別支援計画の作成に反映している。また毎月目標やニーズがどこまで達成されているかなどのモニタリング面談を行い、目標に向けた支援活動が進められているかを確認し、達成状況などを確認し、全体でサービス内容の見直しなどに活かしている。また、毎年、利用者・家族アンケートで満足度や利用者意向を把握し、職員とも共有して運営に活かしている。
地域ニーズを把握して、利用者の高齢化など今後の課題にも取り組んでいる
区の施設長会や支援協議会・支援ネット、関連施設との情報交換を積極的に行っている。そうしたネットワークを介して、地域の福祉状況や支援ニーズを把握している。利用者の高齢化による介護という分野を視野に入れた取り組み、ライフステージの変更が課題と考え、法人内の他施設や関係機関などと連携し利用者や保護者の高齢化問題に対処できるよう進めている。職員向けの業務改善アンケートでは、調査結果をもとにして、対応マニュアルの策定や改訂などにつなげている。
目指す構想をもとに事業計画を整え、障害者支援の課題などに向け対応を進めている
事業方針の中で事業所の目指す構想を示し、年度ごとに事業計画として取りまとめている。法人全体で事業分析を行い、結果に基づいて中期計画策定に活かしている。また区の方針を受け、施設間連携に取り組み、地域の生活拠点としての機能強化を進め、併せて職員のスキルアップを展開していきたいとしている。半期ごとに事業計画の進捗状況を確認し、随時見直しを図っている。法人内の他施設や関係機関などと連携し利用者や保護者の高齢化問題に対処できるよう進めている。利用者状況やニーズなどに合わせつつ、社会資源の整備も必要と考えている。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
研修やセルフチェックシートを活用して倫理・規範を職員に周知している
倫理・規範については、入職時に法人全体で新人研修を行っており、さらに個人情報保護については、入職時に誓約書を取りつけている。法人で倫理・規範・規則等を記載した職員ハンドブックを毎年改訂し、年度初めに職員に配布して職員会議等で振り返りを行っている。事業計画にも職員として守るべき事項を記載し毎年確認している。このほか、全社協による虐待防止のための職員セルフチェックシートを活用し、年1回チェックを実施している。虐待に関しては、どういった言動が問題になるかをきめ細かく確認している。
利用者の意見を汲み取りつつ利用者の権利擁護のための取り組みを行っている
利用者からの相談や苦情に対応できるよう、施設内に苦情解決制度についてのポスターを貼り、「玉手箱」と呼ぶ意見箱を設置している。コロナ禍の前までは、入所式に第三者委員に出席してもらい利用者に紹介していた。また、利用者で組織する利用者役員会や係の活動等があり、利用者が施設運営に携わり意見を言える機会を作っている。年に1回の利用者満足度アンケートは、要望を出しやすくするため第三者による聞き取りを行っている。さらに、不測の事態に備え家庭や区の関係機関と連携して対応できる体制を作り、利用者の権利擁護に努めている。
感染対策に配慮しつつ地域と連携した活動に積極的に取り組んでいる
地域に根ざした福祉は法人理念でもあり、地域への広報誌の配布、SNSの活用、作業紹介のDVDや冊子の制作等の情報発信を行っている。地域向けセミナーを開催するほか、町会に入り防災訓練をともに行っている。ボランティアは、担当窓口を置き積極的に受け入れており、作業補助等に参加してもらっている。ボランティア受け入れマニュアルも整備されている。以前は、夏に小中学生の職業訓練を受け入れていたが、現在はコロナ禍で受け入れの実施が難しい。今後は感染症対策に配慮しながら、少しずつ地域との関係の回復を図ろうと考えている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
家庭や地域とも協力して法人全体でリスクに備える体制を整えている
法人に災害対策室が設置され、各事業所から代表者が参加して防災の検討を行っている。法人で感染症や災害に関するBCPを作成し、状況に合わせ見直しを行っている。また、災害、不審者、感染症、業務中の事故それぞれについてマニュアルを作成し訓練を実施している。施設がある地域周辺は、特に水害リスクの高い地域であるため、町会の防災訓練にも参加し共助の関係を作っている。世田谷まちづくりセンターを防災拠点として地域との連携に努めており、台風が近づいているときは、事前に家庭に連絡するなど、家庭とも連携して災害に備えている。
防災訓練やヒヤリハット記録等を通じて施設でリスクマネジメントに努めている
防災訓練は月1回実施し、消防署に実施報告を提出している、年2回は伝言訓練も行っている。防災訓練では、さすまたや寝袋を使った訓練も行い、コロナ禍の前は年2回、暗い中で防災食を食べる訓練を行ったこともあるなど、実際の場面を念頭に具体的な取り組みをしている。また、ヒヤリハットの記録をとり、運営会議や職員会議で振り返りを行い、必要に応じてカンファレンスを開催して再発防止のための方策を検討・実施している。ヒヤリハットの記録の集計も行っており、集計結果を見やすくまとめ、積極的に活用していくと有用だと考えられる。
法人の規則に則り、職員への周知を徹底して情報管理を適切に行っている
情報管理は法人の文書規程に基づいて行っている。紙媒体のファイルは利用者関係、経理関係等のカテゴリー別で年度ごとに整理して、文書規程に則り保管・廃棄している。正規職員はパソコンを1台利用できパソコンにパスワードを設定している。パソコンは置き場所を決め、所定の場所にしまって帰ることとしパソコンの持ち帰りはしないこととしている。利用者の個人情報については、入所時に同意書をとったうえ、写真や動画については使用許諾書を毎年とっている。職員会議で個人情報保護に関する全体研修を行い、職員に情報管理について周知している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
法人全体で人事考課制度やキャリアパスが整備され、人材の適切な配置に努めている
職員の採用は、法人の人材対策室が中心になって福祉人材センターやハローワークとも連携して行い、法人の運営会議で適材適所の人員配置を行っている。法人全体で人事考課制度が定められキャリアパスが作成されており、入職時に法人全体で3日ほどかけ新人研修を行い、キャリアパスについて周知している。人事考課制度に基づき、年2回職員の個人面談を行い、目標管理シートを使って、施設目標を踏まえたうえで個人目標の達成度を確認する。なお、施設では、同性介助を基本とする観点から、男性職員配置のバランスについても考慮している。
外部研修のほか独自の職員育成への取り組みを導入し、人材育成を行っている
非常勤も含めた職員を外部研修に送っており、研修参加のためのシフト変更も行っている。外部研修の参加者は、研修報告を作成し職員会議で伝達研修を行う。法人独自の取り組みとして、先輩職員が新人職員をサポートする「エルダー制度」があり、新人は1か月間、先輩職員と毎日時間をとって振り返りを行う。先輩職員にとっても、自分にとっては当たり前のことでも新人には理解できない場合もあるので伝え方が重要といった気づきの場になっている。さまざまな研修により、職員の利用者に対する声かけや支援スキル等が向上したと施設では考えている。
職員の気づきや創意工夫などを活かしながら、組織力の強化に努めている
事業ごとの会議や各プロジェクト会議でチームによる運営を促進している。職員会議では毎月テーマを決めて研修や発表を行い、終礼で日々の気づきや特記事項について発表しあっている。また、ヒヤリハット報告のほか「にやりほっと」として利用者についての話題を取り上げ、利用者の強みに着目した支援につなげようとしている。新人研修の一環としてマニュアルを作るのを課題にしており、マニュアル作りを通じて新人が業務を理解する機会になると同時に、その過程で新人が職員に聞きに行くことが職員全体のコミュニケーションの促進にもなっている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
利用者の高齢化・重度化対応の充実
・開設から40年を経て当初からの利用者が高齢になっているため、認知機能の低下や医療ニーズの増加への対応が求められており、平成29年より「高齢グループたんぽぽ」の活動をつくり、状況にあった作業や過ごし方に取り組んできたが、すでに、通常の作業所の流れで過ごすことが難しくなっている利用者がいた。
【取り組み】
・健康状態や本人を取りまく環境を、電話やメール等で関係者で共有し、本人、家族、相談支援センター、ケースワーカー、ケアマネジャー等で、本人の意向を確認しながら方向性を確認した。入所施設の体験利用やショートステイ、デイサービス利用と作業所の通所を併用しながら、本人の受け入れ状況を確認した。
【取り組みの結果】
・入所施設への異動では、見学、面談、体験入所、本人同意等、時間を要するため、コロナ禍により予定通り進まないこともあったが、3名の入所施設への異動を支援した。
【振り返り(検証)・今後の方向性】
・高齢化・重度化は引き続き課題であり、関係機関の協働を進める。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
障害者の高齢化・重度化は、昨今の障害者施設では大きな課題であり、これを重点課題として取り組んだことは意義があると言える。次のライフステージへの移行を支援するにあたっては、当事者自らが選択できること、関係機関との連携のもと行うことを重視した。また高齢化した保護者による支援力の低下にも配慮した。その結果、介護保険の活用も見据え関係機関と連携しながら、3名の利用者の移行を支援できた。移行の際は、作業所を「卒業」するセレモニーを行い施設異動について本人の理解を深めることにも配慮したということである。取り組みを通じ、医療職との情報共有が進み配置医師への相談につなぐ手順が明確になったこと、障害サービスから高齢サービスへの円滑な移行の経験が蓄積されたこと、といった成果も報告されている。障害者の高齢化・重度化は、今後ますます重要かつ深刻な課題になるものと考えられ、昨年度の経験と成果をいかしつつ、引き続き取り組みを続けることが期待される。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
感染症や災害への対応力の強化
・自粛期間中に取り組んだ在宅支援(テレワーク)をはじめとして、緊急事態となっても作業所とつながる安心感や所属意識が継続できるような支援の方法を広げていこうとした。
【取り組み】
・感染症対策を理由として休んでいる利用者に対して、在宅での作業を提供しテレワークの体制を整備した。そのためにICT化の推進、必要な情報の発信と情報共有、個別面談等でのオンラインの活用を行い、等々力分場における在宅でのサービス提供を実施した。
・2021年8月から準備し、12月よりサービス提供を開始できた。在宅サービス利用者は1日に2回、電話連絡を行うこととした。
【取り組みの結果】
・在宅でのサービス提供を実施したことで、利用者の生活リズムが整い日に2回の電話連絡も対応できるようになり、自立を支援できた。
【振り返り(検証)・今後の方向性】
・感染症対応があっても、充実した日中活動が送れるよう、対策の標準化を図っていく。まずは、職員の感染症に対する理解を深め、利用者自らが、作業終了後にテーブルを消毒するなど引き続き取り組んでいる。他の利用者についてもすでに取り組みを始めている。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
感染症対策のために出勤を控える利用者もいる中で、利用者が在宅で作業できる環境を整え実施できたことは有意義であった。ICT化の推進によるテレワーク環境の整備、作業にあたって必要な情報の共有、1日2回の電話連絡による状況確認と支援等、必要な準備を適切に進め、タイムリーに実現にこぎつけたと言える。利用者も在宅作業に慣れ順調に進んでいるのは成果である。今後は、在宅作業の標準化を図っていく意向であり、手順や注意事項をマニュアルにまとめ、職員間で経験の共有が進み、他の利用者も必要な場合は在宅作業ができるようになることが期待される。あわせて、在宅作業も念頭に障害者自らの感染対策に対する意識の向上も図れると望ましい。また、感染症対策の一環として社会で在宅作業が進む中、障害者の在宅作業支援の成功事例として、関係施設ともノウハウを共有することで障害者の在宅サービスに関する可能性が広がっていくことも期待される。
サービス分析結果
【講評】
紙媒体としてパンフレットや広報誌を用意し、インターネットを利用して広報している
利用希望者向けに紙媒体として、施設パンフレットと広報誌を作成・準備している。施設パンフレットは事業所に訪れる方々に手渡しする他、区内関係機関の各窓口に置かれ、気軽に区民に手にとってもらえるようにしている。また、定期発行物として「広報たまがわ」は毎回300部ほど発行され、関係機関に配布されている。電子媒体としては、インターネット上にホームページを開設している。その他、インスタグラム等のSNSによる情報発信を頻繁に行っている。
利用希望者の気持ちに届くよう、表現や内容は常にわかりやすさをモットーにしている
利用希望者の気持ちに届くよう、利用者の特性を考慮した情報の表記や内容をわかりやすいものにしている。特にパンフレットや広報誌など紙媒体になっているものについてはその編集に様々な工夫を施している。例えば、写真やイラストを多く取り入れたり、漢字には読みがなをふるなどしている。文章はできるだけシンプルでかつ簡潔な表現をとるようにしている。インターネット上のホームページやインスタグラムなどについても同様で、動画をアップするに際してもシンプルな画像となるようにしている。
多くの人に事業所に関心をもってもらうために新鮮で楽しい情報の提供に努めている
利用希望者やこれから事業所を応援してくれる人たちに向け、継続的に事業所に関心をもってもらうことを意図し、事ある毎に事業所の情報をきめ細かく発信している。特に電子媒体を大いに活用し、できるだけ新鮮で明るいニュースを流すようにしている。また、利用希望等の問い合わせや見学などの要望があれば、随時対応している。見学に訪れる人にはパワーポイントで作成した“紙芝居”風な説明を行うなど工夫もできている。利用希望者にはできるだけ、現在支援に関わっている専門職等の同行をお願いしている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用についての重要事項等は利用に至るまでの間に繰り返し伝えて、同意を得ている
見学時に大方、利用についての基本的ルール、重要事項等は説明をしている。また、利用に際しては、1週間程度の実習をすることを前提にしており、その中でも利用の仕方等については繰り返し伝えている。利用開始の際の利用契約を取り交わす中でも、書面を前にして、特にサービス内容や利用者自己負担金等については念入りに丁寧な説明を行い、合意を得ることにしている。なお、こうした説明の際には必ず家族が同席してもらうようにしている。その中で家族からの情報も得やすく支援に活かせることもある。
利用前から情報を収集し、意向を十分に落とし込んだ支援計画を作成し、同意を得ている
サービスを利用するにあたっての利用者や家族等の意向については、見学時の段階から面談や相談支援事業所とのやり取りなどを通じて意向についての情報を収集・集約して、把握するようにしている。個別支援計画にその意向を落とし込みながら作成し、利用者・家族にそれを提示することで確認し、同意を得ている。利用者・家族の意向は時の流れと同じように変化するものとして捉え、その時々の意向を見逃さないようアセスメントや記録には力を入れている。
丁寧なアセスメントとそれに基づく支援で、新しい環境のストレスや不安を軽減している
利用開始時、利用者は不安やストレスを多く抱える傾向にあるため、事業所ではできるだけストレスが軽減できるような配慮をしている。そのためにはまず、家族や相談支援事業所等から利用者についての事前情報を収集し、事業所が定めた数種類の書式に落とし込み、情報の整理をするようにしている。整理された情報をもとにして、事業所として何ができるかを検討し、利用者のストレス軽減に向けた具体的な取り組みを行っている。例えば、食事の時、騒がしい場所が苦手だという利用者の場合、奥の席で静かに食事を取ってもらうように配慮している。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
記録の書式を目的別に用意し、支援のためのアセスメントを行い、計画を作成している
事業所では利用者の心身状況や生活状況等の情報を整理し、把握するため目的別、場面別に多くの書式を整備し、活用している。主立ったものでは、利用者の基本事項をまとめたフェイスシート・毎日の利用者の記録を記したケース記録・利用者の既往歴や現在の健康状態を記した健康管理シートなどがある。フェイスシートや健康管理シートは毎年更新して、情報の信頼性・正確性を維持している。また、利用者一人ひとりのニーズや課題を抽出するためのツールも用意されており、個別アセスメント・ニーズアンケートなどにより支援計画作成につなげている。
個別支援計画はマニュアルに沿って作成されていて、きめ細かいニーズ把握がされている
支援を行う上での要である個別支援計画は、利用開始後速やかに作成され、その後6か月経過する毎に更新されている。作成に先立って家族面談を実施し、家族の意向を十分にくみ取ったうえで、毎月行われる利用者モニタリングの結果と合わせて、個別支援計画作成に活かしている。年度初めにはニーズアンケートを行っており、年間を通じてきめ細かいニーズの把握が行われている。こうした一連の流れは個別支援計画作成マニュアルおよびモニタリングマニュアルによって定められて実施されている。
記録等は事業所のサーバーで管理しており、職員間の情報共有は十分になされている
大半の記録は事業所が運営するクラウド型サーバーによって管理されている。常勤職員は所内からであればいつでもだれでもアクセスでき、書き込み・閲覧ができる。既製の専用ソフトではなく、誰もがなじみのある汎用ソフトをベースにしているため、構えることなく使え、使い勝手が良い。支援を行う中で面談記録は重要なため閲覧を周知徹底するため、職員終礼で必ず触れるようにしている。また、緊急の引き継ぎや申し送りなどについては、顔をみて行うこともある。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
個別支援計画に基づいて支援ができているかを毎月チェックしている
個別支援計画に基づいて支援が行われている。それを確実なものとするため、毎月行われるモニタリングでの面談時に計画が実際の支援に合致しているか否かのチェックを利用者と共に行っている。毎月モニタリングが行われるのは、1ヶ月の期間程度が利用者にとって個別支援計画の内容を記憶保持できる程よい期間であるためである。
視覚ツールを使って気持ちが通うコミュニケーションを心がけている
利用者一人ひとりの障害や特性に合わせてコミュニケーションの仕方を工夫している。聴覚に課題を抱える利用者には筆談を用いたりする他、利用者支援のあらゆる場面でイラストや写真などの視覚ツールを利用したり、マカトン法を用いた会話のやりとりを実践している。職員は日常的に利用者とのやりとりの際には簡潔で肯定的な言葉かけを心がけており、アイコンタクトなどきめ細やかな技法を組み合わせて利用者と対峙している。作業場面での指示伝達だけでなく、事業所内で自由に行き交うコミュニケーションも大切にしている。
自立生活を実現するための情報や利用者自らが情報入手できる環境づくりをしている
自立した生活を送ってもらうために、利用者一人ひとりが必要とする情報の提供に努めている。家族と離れて自立生活をするための情報について、とりわけグループホーム等についての情報は重要情報として位置づけている。またイベント開催の情報やそれに繰り出すための移動支援事業所の紹介などを近隣の相談支援事業所と協働で行っている。こうした情報の提供は職員による一方的なものだけでなく、仕事以外の交流の場を創出することで、そういう場を利用して利用者自ら情報を取りにいく姿勢も重要だと考えている。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
利用者会を組織し、自主性・主体性を育んでいる
利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場づくりを目指している。個別アセスメント・ニーズアンケートを毎年実施し、利用者の希望に応じて授産作業や係担当、職場実習の計画を立案している。利用者に自主性・主体性をもってもらうために利用者会を組織し、その中で役員決めを行い、行事の実行委員などを立候補した人の中から選挙で選出している。そうすることにより事業所運営に利用者の意見が反映される仕組みを定着させている。また、人前で発言できない利用者のために意見箱(玉手箱)を設置している。
大部屋であることの利点が活かされた過ごしやすく働きやすい環境となっている
時代を感じさせる建物ではあるが、一つの部屋が広く、それの利点を活かしながら快適な活動ができるような環境づくりをしている。メインとなる作業室は大部屋で全体を一望することができ、利用者一人ひとりの動きに目配りがしやすくなっている。建物は古いが空調機器は最新式のものに一新されており、換気もほどよくなされており、常時心地よい空気が流れている。新型コロナ感染症対策のため、作業テーブル・食堂テーブルにはアクリル製のパーティションが設置されていて飛沫が飛ばないようにしている。
おなかも心も満たされる食事の時間になるように取り組んでいる
食事は単に健康を維持するだけでなく、日常の生活に潤いを添えるという観点からも支援の重要な柱となっている。献立は管理栄養士を中心に作成され、家庭にも届けられている。献立表は視覚的にわかりやすいようA3版で食堂の目に入りやすい場所に掲示している。月の中には必ず季節に応じたお楽しみ食や主菜と副菜を半々にしたハーフ&ハーフといった特色ある献立づくりをしている。調理場はガラス戸を挟んで食堂に隣接しており、調理の様子も間近でみることができる。配膳はカフェテリア方式で利用者が一人ひとりカウンターでトレイで受け取っている。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
平時の健康管理、緊急時の対応方法ともマニュアルに沿って行動している
毎月、嘱託医による内科検診が行われ、健康診断は年1回行われている。非常勤の看護師が勤務しており、普段より利用者の健康管理には目配りをしている。既往症や治療中の疾患のある利用者には健康管理シートで、または必要に応じて情報の収集を行っている。また、家庭との連絡ノートできめ細かい体調状況を把握し、日中の支援に活かしている。体調の変化があった場合は家族にすぐ連絡し、事業所での様子を伝え家庭での対応方法について助言をしている。その他急激な体調の変化の場合は、対応マニュアルに沿って行動している。
定時薬を飲み忘れないよう、マニュアルに沿って服薬を支援している
事業所では、利用者が服薬を怠らないよう服薬支援を行っている。事業所で用意している服薬ポケットに各自配薬してもらい、昼食時には自ら取り出して服薬し、空袋を再び服薬ポケットに返すことで利用者の服薬確認を行っている。また、前回の東北大震災の教訓を得て、大震災に備えて3日分の内服薬を事業所で任意で預かる仕組みを作っている。その際には、依頼書および医療情報や処方薬についての薬品情報を提出してもらっている。なお、こうした一連の行為は当該マニュアルに基づいて行われている。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
利用者の意向を尊重しながら、家族と信頼関係を築いている
利用者本人の意向を大切にしながら家族との協力関係を築いている。事業所では個別支援計画に伴う面談が年2回行われている。家族面談に先立って家族に対しアンケートを実施し、面談希望の有無、面談の日時や内容等について予め意向をとっている。どうしても利用者と家族との関係性にしこりや緊張があるなど、同席することがためらわれる場合は双方面談を別々にするなどの工夫をとっている。連絡ノートに記載する内容についても常に利用者の立場を配慮する立場で記述することに努めている。
事業所の様子はインターネットや広報誌を通じて利用者家族に伝えられている
事業所全体の様子や活動の報告はホームページやインスタグラムなどのSNSを通じて配信している。紙媒体では、「広報たまがわ」を年2回発行しており、それらを通じて事業所の活動を知ってもらっている。そうした情報提供は特に家族からは好評で、日中の様子を知ることができて、いつも楽しみにしているとの反応を確認している。家族にとっては家族が知らない利用者の様子や長所を知ることになり、家族の喜びにもつながり、家族との絆が一層深まることが期待される。
個別面談や連絡ノートで知り得た家族からの情報は利用者の支援に活かすようにしている
家族等から利用者の情報を得て、支援に役立てている。特に利用者の家庭での様子については、個別面談や連絡ノートで知るようにしており、日中事業所での行動の変化などがあった場合の理解に役立っている。また、利用者の家庭で何らかの役割を取っていた場合、事業所でもそれに似た役割を取ってもらうようにするなどしている。例として、ある利用者が家庭でエプロンを自ら洗濯していることを知るにあたり、事業所でも洗濯係として役割を果たしてもらっている。情報を得ることで利用者の強みを知り、それを強化している。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
利用者に適した情報を得られるよう、事業所に届く情報はチェックし、公開している
利用者が自身に合った地域の情報を得られるよう支援を行っている。例えば、事業所では職員が地域の各プロジェクトに参画しているが、そうした中から利用者に合った情報を提供したりしている。そうしたプロジェクトの一つ「二子玉川街情報プロジェクト」では、作成されたリーフレットを利用者に配布して情報を伝えている。また、東京善意銀行からは招待のあったイベントを随時紹介している。その他、区からのお知らせや他施設から送られてくる広報誌をこまめにチェックし、合いそうな情報はいつでもストックし、利用者に公開している。
地域住民との具体的なプロジェクトで交流を図り、親睦を深めている
利用者が地域の資源を積極的に利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている。事業所は地域のプロジェクトに積極的に関わっており、そのためのリーフレットの作成や配布を請け負ったり、商店街や学校向けに利用者とともに配布している。また、地域の年中行事である防災訓練・地域祭り・歳末夜回り警備・地域清掃などへ参加し、地域住民と交流を深めたりするとともに、事業所主体で入所式・施設祭り・事業所の一般公開などを通じて地域社会・区民との相互理解を図っている。
10.【就労移行支援】就労に向けて、必要な知識の習得や能力向上のための訓練等の支援を行っている
- 利用者が働く意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に就労に結びつくことができるよう工夫している
- 生活リズムや社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援を行っている
- 就労に向けた職場見学や実習等、実際に職場にふれる機会をとりいれた支援を行っている
- 就労支援機関と密接な連携をとり、利用者が力を発揮できる就労先に結びつくよう支援を行っている
- 就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行っている
【講評】
就労準備プログラム・企業見学・企業実習等を通じて、働く意欲をかき立てている
就労継続支援B型で使用している大きな作業室の中に衝立を隔てたスペースが就労移行支援の作業室となっている。就労移行支援では作業種目としての補助的な事務を据えて、それをこなしながら、就労準備プログラム、企業見学、企業実習など、利用者が具体的に働くことをイメージし、意欲につなげるように支援している。個別支援計画は3か月毎に見直され、きめ細かな個別支援が徹底されている。廊下にはすでに就労に成功した修了者が顔写真入りで紹介されているボードが掲示されていて、就労意欲をかき立てる工夫も随所にされている。
現場実習を重視した就労プログラムや社会人マナー等の習得で就労に結びつけている
運営法人が各地で運営している福祉施設や納入業者にお願いしての体験実習を手始めに、就労へのイメージ作りや短期間就労を経て、本人の状態に合わせてスモールステップを用いて就労へ向けての支援を行っている。個別支援計画を基に課題をさらに細分化し、毎月の目標を設定している。一つずつクリアしていくことで、確実なステップアップを図っている。また、社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援も行い、挨拶や身だしなみ等個別支援計画に沿って毎月の目標設定をし、セミナーを実施し、集中支援を行っている。
就労後も職場や家庭を訪問し、アフターケアを行っている
利用者に合った就労先と出会えるよう就労支援センター等就労支援関係機関と連携して支援している。就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行い、定期的に職員が職場や家庭を訪問をしたり、電話をするなどして、息の長い支援に努めている。問題が生じた場合は迅速な対応を心がけ、関係機関とも連携して早期の解決を図っている。平成28年度よりOB会(同窓会)を開始し、就労者同士の情報交換やピアサポート、話し合いやレクリエーションを通じてリフレッシュの機会を提供している。
12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
- 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
- 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
- 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
- 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
- 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
各自の目標の設定に応じて、誰もが参加できるよう工程を細分化する等の工夫をしている
毎年、利用者にニーズアンケートを行い、その年に新たにチャレンジしたい作業種別や今まで以上に頑張りたい作業種別を聞き取り、それを面談等を通じて明確化していくことで目標達成への意欲を喚起している。作業種目も多岐にわたっており、その作業種目も、それぞれの作業工程を細分化することで、誰もが障害程度に応じた作業に従事できるようにしている。例えば、リサイクル作業としてアルミ缶を集めてのアルミ缶潰しがあるが、専用の道具を用いることで誰もが容易に作業を遂行できるようになっている。
利用者の作業スペースは区切られ、そこにはその利用者だけのマニュアルが付いている
新型コロナ感染症対策も兼ねて、利用者一人ひとりのパーソナルスペースが定められており、テーブル番号が座席に印され、利用者の特性に合わせた作業配置がなされている。利用者一人ひとりの作業スペースに作業コーチング票が置かれている。そこにはその利用者が作業を遂行するにあたり、何が苦手で、どのような手助けが必要かが簡潔に記されている。いわば、その利用者だけに通じるオーダーメイドの支援マニュアルである。これを利用することで担当者でない職員もいつでも支援に対応することができるようになっている。
作業工賃支払いの仕組みは公平性に配慮されている
工賃支払いの仕組みについては、サービス利用開始に先だって行われるサービス利用契約時に書面をもって説明している。その後も利用者会の時間を使い、全体に向けて説明を繰り返している。支払い根拠はその月の作業収入を総労働時間で除し、そこに作業評定と個人の労働時間を乗じて算出している。作業評定は正確性・集中性などの作業遂行に必要とされる項目で5段階に評価される。工賃の支払いの仕組みが細かくわかりにくいことは事業所としては認識している。
【講評】
個人情報の取り扱いは十分な説明と同意を行い、書面を取り交わしている
利用開始時には、支援に利用するため、医療情報等利用者の個人情報を事業所の判断で利用させてもらう旨の説明をし、同意を得た上で書面での取り交わしを行っている。説明するにあたっては写真やイラストなどの画像や動画などを用いり、わかりやすい言葉を使い説明している。また、広報誌やインターネット上のホームページやインスタグラムなどのSNSへの利用者の写真の掲載などについてはその都度書面等で了解を得ている。また利用者家族に対しては連絡ノートなどで了承・確認している。
利用者のプライバシーや羞恥心に配慮した上で支援を行っている
事業所に持ち込む私物は安全確保の観点から必要最低限にしてもらうようにしている。利用者が持ち込む私物は男女別にある更衣室のロッカーを使ってもらい自己管理してもらっている。何かの理由で利用者の荷物を確認する場合は、所有者の同意を得るようにしている。同性支援を基本としており、更衣やトイレの介助は同性の職員が行うことにしている。利用者より相談を持ちかけられた時は、できるだけ面接室を使用するようにしている。それができない場合は、人目につかないような配慮をしながら相談に乗っている。
利用者個人の価値観や生活習慣を重視した環境づくりが行われている
利用者が権利を侵されることなく、個人が生き生きと活動できるよう個人の意思を最大限に尊重した環境づくりを行っている。事業所では年度当初にニーズアンケートをとっているが、その回答に「やりたくない」「わからない」の選択肢を設けている。これは支援者からみて否定的な印象であっても利用者のニーズとして受容しようという基本姿勢からくるものである。また、月ごとのモニタリングに際して行われる面談も利用者自身による自己評価の項目が用意されており、利用者の生活実感に寄り添うような支援が行われている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
専門家が入ることで始まったマニュアル作りは確実に職員間で定着している
2019年度に、東京都の事業者支援コーディネーター派遣事業を活用し、コンサルタント業者を入れた。専門家のアドバイスを受けて業務全体を見直し、マニュアルの意義と作成手順を学び、そのことにより職員に求められる業務内容を明確化し、効果的な利用者支援につなぐことが実感できた。はじめは業者先導の試みであったが、今ではすっかりマニュアルづくりが定着し、新規作成作業はもちろん、改訂作業においても事業所・職員が一丸となって取り組んでいる。職員の新人研修時にマニュアルづくりが教材として課せられていることは特筆できる。
職員が日頃感じている視点からマニュアルの見直しを行っている
年に一度行われる職員アンケートでの結果をとっかかりとして、提供しているサービスの基本事項や手順等の改変を行っている。職員アンケートにより、業務一つひとつに具体的に課題が指摘される。これに基づいてマニュアルが見直され、更新されている。また、マニュアルはサーバーの中の共有ホルダーに保管されており、いつでも誰でも閲覧することができるようになっている。なお、マニュアルが更新され、手順等が変更になった場合は必ず朝礼終礼の場面で伝えられ、職員全体に周知徹底されている。
利用者・家族と職員に向けアンケートを実施することでより良いサービス提供をしている
事業所では、複数のアンケートを実施することで多面的に情報を収集し、業務改善に活かしている。その一つは事業所を利用する利用者とその家族に当てたものであり、毎年定例で行うことで緊張することなく回答してもらい、回収率も高い。毎年同じ調査項目を用いる定点観測で、その結果をサービス改善・向上に活かしている。二つ目は職員に向けたもので業務改善を目的としたものである。意向ではなく、業務を目的としたものであることがはっきりしており、そのため職員は答えやすく、積極的な改善案が提起されている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
利用者の意思を尊重する理念を共有し、自分らしい生活づくりを目指している
自らの意思で選んで決める自分らしい生活を送ることを理念とし、「Smile is best」を目指して支援活動が進められている。年度初めの職員会議で事業計画書を配布し、事業所が目指していることを確認・共通理解を促し利用者の支援を行っている。また理念は施設内に掲示され、職員及び利用者がいつでも振り返ることができるようになっている。職員ハンドブックを毎年更新・配布して新たな気持ちで支援活動にあたっている。利用者会では事業計画内容を見える化した資料を用いて説明し、年間行事も伝えて質疑にも答え、理解を深めている。
重点課題の明示や役割分担を明確にし、方向性を職員の共通認識にしようと努めている
事業計画に事業方針・共通課題、重点課題などを明記し、共通認識のもと職員会議において確認し目指している方向性を共有して取り組んでいる。役割分担票を整理し職員の役割や職務を明確にして事業所の基本方針に基づいた支援活動の実践を進めている。また運営会議・職員会議、職員各人の人事考課の際には方向性を確認、取り組む方向性を共通認識化して取り組む課題などに意識を持ってあたれるよう努めている。施設長をはじめとするリーダー層はもちろんのこと、職員一人ひとりが障害者支援活動にどう向き合い取り組んで行くのかが共有されている。
会議体系を整え、協議が行われ、内容などは利用者・保護者へ周知されている
事業所の会議体系が整備され、起案書をもとに稟議を行い、必要に応じて運営会議・職員会議の場で協議がなされている。5S会議・irodori会議、B型会議の他、給食会議・看護師会議、非常勤職員向けの会議を行っている。これらの会議記録の共有により、広く職員に対し、重要な案件についての決定経過を伝えている。利用者に対しては、チームで支援にあたることを基本としてグループワークを実施し、現場の意見を反映させている。事業所での協議内容は適宜利用者会に伝えられ、保護者連絡会を通じて周知されている。