評価結果

標準の評価

基本情報

【事業所名称】

フレッシュスタート目白

【サービス種別】

就労継続支援B型

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

□法人理念
  「障害がある人もない人も、お互いの人格と個性を尊重し、相互に助け合える社会を共に作っていく」

□事業所が大切にしている考え
  1.主たる支援対象者は高次脳機能障がい者としつつ、多様な障がい者を受け入れる。
  2.利用者が主体的に運営に参加する。
  3.利用者が就労を継続することで社会参加の意識を高める。
  4.高次脳機能障がいの特徴を考慮し、居場所づくりの役割も果たす。
  5.リユースショップを運営し、地域の人々との繋がりを深める。

□サービス提供の考え方
  ひとりひとりのできることを活かせるよう作業の切り出しをしている。毎日、朝の会で作業割り振りをする際に、本人の
  希望を聞いている。リユースショップを運営し、ショップレジや店頭でのチラシ配りなどを利用者の作業とすることで、
  地域との交流を図っている。地域の理解が進むように「フレスタだより」には障がい理解を促進する記事も掲載して
  いる。

職員に求めている人材像や役割

・職場における自分の役割を的確にとらえるとともに、常に周囲の状況を把握し、職場全体の運営が滞りなく行える様、
 互いに 努力する。
・常に、業務は主体的に取り組み、業務内容は自らが管理する。
・事業所や職場改善のため、積極的に改善提案を行う。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・報告・連絡・相談を基本に、自分の考えを発言する、文章化する、提案することができる。
・学習や研修などへ積極的に参加し、スキルアップを心がける。

全体の評価講評

特によいと思う点

情報共有とチームワークで建設的な意見が話し合える風通しの良い職場づくりに努めている。日常で気づいたことは、毎夕の振り返りで自由に発言し、その日の課題解決方法を話し合う雰囲気が醸成されている。非常勤を含む四半期ごとの合同スタッフ会議では研修を行ったり、「事業所の役割とは何か」など、参加者の意見交換を活発に行い、サービスの質の向上や業務改善に努めている。利用者支援では、作業の割振りは、本人希望で選べ一人ひとりに合った作業にするなど利用者とのコミュニケーションを図り、利用者意向の尊重と自立を最優先に支援している。

障がい者就労や障がいについての理解を広めるため「フレスタだより」を年4~6回発行し、地域へ各回2,000部配布している。A4表面には、高次脳機能障がいの特徴や就労継続支援B型事業所など福祉に関する情報、利用者からのメッセージ、年始には利用者の1年の抱負、裏面にはリユースショップのカレンダーやセール情報を掲載している。顧客に顔を覚えてもらうことで、利用者は地域の一員として活躍している実感を得ている。法人理念の「お互いの人格と個性を尊重し、相互に助け合える社会を共に作っていく」の実現に向け情報発信している。

事業所では、リユースショップを中心として緑化作業や自主製品製作など多様な作業を提供しており、午前・午後の作業開始前に利用者の意思で選択できるようにしている。利用者が司会をする朝の会・帰りの会は、その日の体調や気分、自分の考えを発表する場となっており、利用者一人ひとりが居場所や役割をもち、主体的に活動できるよう支援している。また、月1回開催の利用者会では事業所での決まりごとのほか、対人関係における対処法やショップ運営にかかわる意見交換が活発に行われるなど、利用者の主体性を尊重した取り組みとなっている。

さらなる改善が望まれる点

リスク管理として利用者・職員の安全確保は、感染症・食中毒、地震・火災・事故など緊急時の対応を定めた「危機管理マニュアル」で発生時に備えている。新型コロナ対策については感染予防、サービスの継続を基本方針とした「新型コロナウイルス感染症発生時の事業継続計画」を策定している。災害対策としては、防災訓練は年2回行っており、地域との連携した訓練は課題となっている。一方、大規模災害に備えた地域との連携や連絡体制、事業復旧の手順などの事業継続計画を策定及び利用者・職員への研修や訓練の実施について期待される。

利用開始時のフェイスシートには、家族関係図や連絡先、主治医、障害手帳、病歴、服薬、計画相談などの現状を把握して記載している。また、アセスメントにも過去の就労経験や成育歴を記載されており、基本情報となることからフェイスシート書式についての検討が待たれる。また、アセスメントの「一般就労希望」「事業所でやりたいこと」などの内容は個別支援計画に反映されているものの、主たる作業についての長期・短期目標の課題を導き出すアセスメントとなっていない。個別支援計画と連携したアセスメント書式の検討に期待される。

事業所は開設当時は高次脳機能障害者を中心に受け入れていたが、現在は身体障害者、精神障害者など様々な障害特性を有する利用者を受け入れている。また、開設当時からの経験豊富な職員が日々の支援を行っている。また、利用者個別支援のあり方などについては職員の振り返りやグループウエアで情報の共有を図ることができている。さらに利用者支援マニュアルが作成され、接遇などの支援の標準化を図っている。一方、職員の経験による個別支援のノウハウを継承し、新採用職員向けに利用者ごとの個別支援マニュアル作成に期待される。

事業者が特に力を入れている取り組み

法人及び事業所は、第3次長期計画(2019~2023年)を策定している。基本方針として「事業運営上の支援対象は高次脳機能障がい者とする」「事務局体制の強化や広報活動の充実などの組織運営」など、中長期視点での課題に対する取り組みを行ってきた。この計画に基づき単年度の事業活動計画を作成し、訪問看護による利用者の健康管理、事務所の個人情報保護及びショップ品の管理保管、工賃の維持・拡大などの課題解決に取り組んでいる。結果として、訪問看護の導入、同一建物内のスペースの確保、新規委託事業の開発など成果をあげている。

支援に必要な利用者ごとの個人情報は、様々な手段で職員間の情報共有が図られている。。利用者ごとの基本情報やアセスメントシートなどは、個別ファイルにまとめられていつでも閲覧できるようにしている。また、毎月の職員会議や毎夕の振り返りで日々の利用者の様子についてのケース検討などでの情報交換も行われている。これらの情報はヒヤリハットや気づき、ショップの売り上げ、毎日の業務特記事項などとともにシステムのグループウエアに毎日記録され、パソコンや職員のスマホから暗証番号のセキュリティをもとに情報を閲覧することができている。

事業所では本年度より週3回の訪問看護を導入し、利用者自身が健康管理に関心を持つきっかけとなるよう取り組んでいる。持病がある人、アレルギー症状がある人など一定の条件を満たし相談を希望する利用者は、訪問看護事業所と連携している医師の確認書を基に血圧などのバイタルチェックや医療面の相談をすることができる。必要に応じて栄養バランスのいい食事についても助言を行い、身体的な悩みについて専門的に相談できる機会となっている。利用者の日常の健康状態を把握することで体調変化に気づけるようにして、利用者の健康維持を支援している。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:利用者定員20名・登録者数27名(男性20名、女性7名)、平均年齢47.6歳を対象に3名の評価者による個別面談方式の聞き取りで調査を実施した。
  • 調査方法:アンケート方式  
    調査当日には、朝の会の場所で評価者の自己紹介を行い、第三者評価の目的や意義、守秘義務などについて説明を行った。相談室などの個室2か所に分かれ、個別聞き取りで調査を実施した。当日の欠席者には評価機関への返信用封筒を添付したアンケート方式とした。
  • 有効回答者数/利用者総数:13/27(回答率 48.1% )

「現在利用している事業所を総合的にみて、どの程度満足していますか」との質問に対して、「大変満足」9名、「満足」3名、「どちらともいえない」は1名であった。満足群は12名で全体の92%を占めている。「困ったとき職員は助けてくれている」「他の利用者との交流など仲間との関わりは楽しい」「職員の言葉遣いや態度、服装などが適切」「けがをしたり、体調が悪くなった時の職員の対応は信頼できる」「利用者同士のいさかいやいじめ等があった場合の職員の対応は信頼できる」「職員が利用者の気持ちを大切にしながら対応してくれている」などの質問では全員から満足感が得られている。また、他の質問でも高い満足感が得られている。コメントとして、「皆で作業分担を決めるなど、職員と利用者の関係は良好で一体となっている」「職員は優しいし、皆と一緒に過ごすのは楽しい」「職員は、嫌な顔をせずに対等に対応してくれて、ダメな時はダメと注意をしてくれる」「重い物を持ってくれたり、助けてくれる」「自分のペースで仕事は出来ている」などのコメントがあがっている。また、「言語のリハビリをやって欲しいと要望はしている」といった声が一部にあがっている。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 13名 (100%)

「あなたが困ったとき、職員は助けてくれていると思いますか」との質問に、13名全員から「はい」の回答が得られた。「作業の時は、職員が傍についてくれて、次に進めるように声かけをしてくれる」「仕事のやり方とか教えてもらっている」「仕事をしやすく職員が工夫してくれる」「仕事を教えてくれたり、身支度を良く見てくれる」「職員は、良く話を聞いてくれる」「スタッフはすばらしいとは思うが、仕事の時に聞きたいことがあっても声をかけづらい。皆が質問しているから順番を待つことになる」などのコメントがあがっている。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 12名 (92%)
どちらともいえない 1名 (8%)

「あなたの身の回りにある設備は安心して使えますか」との質問に、12名から「はい」の回答が得られた。「どちらともいえない」には1名の回答があった。「安全に作業は出来ている」「いたるところに目印をつけてくれ、フォローしてくれる」「危ないと思った事はない」「安全に過ごせており、大丈夫です」「段差なども困ったことはない」などのコメントがあがっている。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 13名 (100%)

「あなたにとって、フレッシュスタート目白の他の利用者との交流など、仲間との関わりは楽しいですか」との質問に、13名全員から「はい」の回答が得られた。「朝夕に一人ひとり自分の事を皆に伝えるので、分かり合っている」「皆と会うのが楽しみになっている」「ここは、自分に合っている」「気の合う人とか、同じ作業をする人と話したりしている。明るくて話しやすい人がいる。毎月、誕生日会をしていて、色々やってくれる」「皆と一緒に過ごすのは楽しい」などのコメントがあがっている。

16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか

はい 12名 (92%)
いいえ 1名 (8%)

「フレッシュスタート目白での活動は、あなたの就労に向けた知識の習得や能力の向上に役に立っていると思いますか」との質問に、12名から「はい」の回答が得られた。「いいえ」には1名の回答があった。「職員の支援で仕事の種類が増えてきた」「作業は一通り何でもできるので、就職活動をしている」「工賃よりも社会とのつながりをなるべく切りたくない。数件見学し、ここが一番明るく楽しかったので利用を決めた」などのコメントがあがっている。また、「長く働いている人にいい仕事が回ってくる感じ」といった声があがっている。

17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

はい 12名 (92%)
どちらともいえない 1名 (8%)

「あなたは、工賃等の支払いのしくみについて、職員の説明がわかりやすいと思いますか」との質問に、12名から「はい」の回答が得られた。「どちらともいえない」には1名の回答があった。「説明はあります」「初めと比べて時給が上がっている。自分にとって、すごくいい」「時間給で貰っている」「工賃は時給で貰っているが、まあまあだと思っている」「賞与も出るので、びっくりしたが励みになる」などのコメントがあがっている。また、「説明はなかった」「時給について朝会で話があったが、詳しくはわからない」といった声があがっている。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 12名 (92%)
いいえ 1名 (8%)

「あなたは、フレッシュスタート目白の生活スペースは清潔で整理された空間になっていると思いますか」との質問に、12名から「はい」の回答が得られた。「いいえ」には1名の回答があった。「部屋はバックヤードも兼ねているなど手狭だが整理はされている」「作業を終えると片付けており、職員全員で月2回位整理している」「掃除は職員がやっている」「狭い場所だが、それなりに整理されている」などのコメントがあがっている。また、「提供品が多くて、整理できていない」といった声があがっている。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 13名 (100%)

「あなたは、職員の言葉遣いや態度、服装などが適切だと思いますか」との質問に、13名全員から「はい」の回答が得られた。「職員は、みんなしっかりしており、対応はきちんとしている」「言葉使い、態度など職員はきちんとしている」「職員とは、同じ世代であり話合い、分かり合っている」「職員に悪い人はいないし、しっかりしている」「職員は、みんなの面倒を良く見てくれている」などのコメントがあがっている。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 13名 (100%)

「あなたがけがをしたり、体調が悪くなったときの、職員の対応は信頼できますか」との質問に、13名全員から「はい」の回答が得られた。「外の作業の際に暑さ対策してくれる」「朝体調は把握してもらっており、入院した時は連絡をとってくれた」「体がだるいなどの時は、職員は無理をしないでと言ってくれて早退することもある」「仕事をしていて目が疲れたり、手を怪我した時などに配慮してくれる」「疲れやすいので、職員に話して作業を変えてもらっている」「安心です」などのコメントがあがっている。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 13名 (100%)

「あなたは、利用者同士のいさかいやいじめ等があった場合の職員の対応は信頼できますか」との質問に、13名全員から「はい」の回答が得られた。「ここでは、皆な仲良くやっている」「チョットしたトラブルはあるが、すぐに職員が対応してくれている」「争いごとが少なくなった。今年に入ってからはないと思う。スタッフの対応は安心できると思う」「うるさい人はいるが、個性なのでうまくやっている」「嫌な人はおらず、争いもなく皆な仲良くやっている」などのコメントがあがっている。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 13名 (100%)

「あなたは、職員があなたの気持ちを大切にしながら対応してくれていると思いますか」との質問に、13名全員から「はい」の回答が得られた。「全職員が、一人ひとりを気遣ってくれている」「職員は、いつも気にかけてくれ感謝している」「休憩したらとか気遣ってくれている」「利用者に寄り添ってくれている」「家族の事とか相談に乗ってもらっている」などのコメントがあがっている。また、「利用者の人数に対して人手が足りていないと思う。わからないことを聞く人が沢山いて、聞けるまでの時間が長すぎる」といった声が一部にあがっている。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 12名 (92%)
どちらともいえない 1名 (8%)

「あなたのプライバシー(他の人に見られたくない、聞かれたくない、知られたくないと思うこと)を職員は守ってくれていると思いますか」との質問に、12名から「はい」の回答が得られた。「どちらともいえない」には1名の回答があった。「障害を持っている人が多いので、プライバシーは守られている」「守られており、嫌な思いはしたことはない」「自分からなんでも公言するタイプなので心配していない」などのコメントがあがっている。また、「場所が手狭なので、相談したい時に話しにくい時がある」といった声があがっている。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 10名 (77%)
どちらともいえない 1名 (8%)
無回答・非該当 2名 (15%)

「あなたのサービスに関する計画(目標)を作成したり見直しをする際に、フレッシュスタート目白はあなたの状況や要望を聞いてくれますか」との質問に、10名から「はい」の回答が得られた。「どちらともいえない」には1名の回答があった。「就職に向けて取り組んでいく事を決めている」「短期目標とかを一人ひとりが立てていて、それに向かってやっている」「自分に合った作業をやらせてもらっている」などのコメントがあがっている。また、「計画のことはわからない」「覚えていない」などのコメントがあがっている。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 11名 (85%)
どちらともいえない 1名 (8%)
無回答・非該当 1名 (8%)

「あなたの計画やサービス内容についての説明は、わかりやすいと思いますか」との質問に、11名から「はい」の回答が得られた。「どちらともいえない」には1名の回答があった。「自分の計画書の内容は理解している」「仕事の事とかわかりやすく説明してくれる」「いろんな仕事があるので、出来ることを増やしていきたい」などのコメントがあがっている。また、「忘れてしまいました」といった声があがっている。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 11名 (85%)
どちらともいえない 2名 (15%)

「あなたが不満に思ったことや要望を伝えたとき、職員は、きちんと対応してくれていると思いますか」との質問に、11名から「はい」の回答が得られた。「どちらともいえない」には2名の回答があった。「半年ごとのモニタリングの時に、職員と話し合っている」「自分だけの意見ではなく、周りからも意見を聞いて職員に伝えるようにしている」「悩みや相談がある時は、そのままスタッフへ言っている」「仕事のことで思ったことを日常的に言っている。スタッフと話しながら決まっていったりする」などのコメントがあがっている。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 10名 (77%)
いいえ 2名 (15%)
無回答・非該当 1名 (8%)

「あなたが困ったときに、職員以外の人(役所や第三者委員など)にも相談できることをわかりやすく伝えてくれましたか」との質問に、10名から「はい」の回答が得られた。「いいえ」には2名の回答があった。「相談窓口は掲示してあるので知っている」「(苦情解決窓口の掲示物)貼ってあるけど、地元の方で相談している」「知っているが、困り事を他の人に話してもしょうがないので、次の日にはスタッフに話す」「苦情の第三者窓口は聞いている」「相談窓口は知っているが、相談したことはない」などのコメントがあがっている。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
理念は事業活動計画の冒頭に掲げ、職員が一体となって利用者支援に取り組んでいる

2018年に開所したフレッシュスタート目白(以下、事業所)は、NPO法人VIVID(以下、法人)が運営する就労継続支援B型の事業所である。「障がいがある人もない人もお互いの人格と個性を尊重して相互に助け合っていける社会を共につくっていく」という理念を年度の事業活動計画の冒頭に掲げ、職員が一体となり利用者支援に取り組んでいる。理念はホーページやパンフレット、所内に掲示し、利用者には利用者会で理念を分かり易く説明する機会を設けるなど、理解と共感を持てるようにしている。家族には契約時や面談の場で知らせている。

法人、事業所の経営会議メンバーのリーダーシップにより理念に沿った事業展開している

法人は、相談支援事業所を設置しており事業所と連携した運営を行っている。管理者など役職者の役割は、運営規程及び法人組織図で明示されており、経営会議メンバーによるリーダーシップで理念に沿った事業を展開している。年度始めに理念に基づいた基本方針を掲げた事業活動計画を職員に配布・説明するなど共通意識を深め、毎日の支援の振り返りには必要に応じて相談支援の職員も参加して利用者支援の向上に取り組んでいる。今年度から利用者の健康の意識を高めるための訪問看護の導入や8月末には、同じビル2階に事業所拡張の賃貸契約を行っている。

重要事項は、経営会議で決定して全職員参加の合同スタッフ会議で報告・共有している

事業運営や活動計画などの重要案件は、経営層である代表理事、副代表、事務局長、管理者で構成する経営会議で策定して理事会で決定した議案を総会で決定している。策定において、常勤会議で出された意見を参考に、利用者ニーズや福祉の動向及び経営状況や事業の運営、利用者支援の状況等の振り返りを行い、意見交換を行い検討している。決定事項は、法人全職員参加の合同スタッフ会議で決定経緯を含め報告・共有している。利用者には利用者会や朝の会で知らせ、家族へは「お知らせ」や毎月のフレスタ通信、法人の広報誌VIVIDレターで伝えている。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者会や職員面接などで要望や意向を把握し、解決すべき課題を明らかにしている

利用者の意見・要望は、日々の支援の中で聞き取っており、作業の割り振りは本人の希望を聞いて選べるようにしている。毎月の利用者会では、作業の仕方のアイデアなどが出されている。職員からは、事業所の職員会議などや半年ごとに経営会議メンバーとの個別面接を行い意見・意向を聞いている。福祉事業の動向や地域の福祉ニーズは、高次脳機能障害連絡会や区立障害者福祉センター、WAMネットなどから収集している。これら情報からのニーズや利用者の増加、事務所スペース拡大等の課題は、経営会議や常勤会議で検討して事業運営の改善を図っている。

事業活動計画は、前年の事業活動報告の課題を洗い出すなどの意見交換でまとめている

法人は、第3次長期計画(2019~2023年)を策定している。内容は、基本方針として①事業運営上の支援対象は高次脳機能障がい者とする②事務局体制の強化や広報活動の充実などの組織運営③区内の高次脳機能障がい支援団体とのネットワークづくり④運営方針として、法人事務所及びフレッシュスタート目白の拡張及び5年間の収支計画等となっている。年度の事業活動計画は、現場職員が参加する常勤会議で前年度の事業活動報告の振り返りを行い課題を洗い出し、職員間で意見交換しながらまとめて経営会議・理事会で策定し、総会で決めている。

重点目標は、相談支援事業との連携、経営基盤の強化、支援力の向上となっている

事業活動計画の内容は、理念と基本方針、重点目標として①法人の高次脳機能障害相談支援事業との連携②経営基盤の強化③職員の支援力の向上となっており、計画に合わせて予算編成をしている。計画の実施は、職務役割を明らかにして年間・月間の予定表を計画して推進している。計画の進捗状況は経営会議及び職員会議で毎月確認しており、課題の再発見と改善策の検討など計画の見直しをしている。非常勤を含む法人職員参加の四半期ごとの合同スタッフ会議でも運営・利用者支援の状況を確認するなど意見交換や情報共有している。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
障がい者の尊厳を守る倫理綱領と行動に職員の責任と自覚を持つ行動指針を定めている

守るべき法・規範・倫理は、就業規則で定めている。倫理綱領で障がい者の尊厳を守ること、職員行動指針では職員が専門的役割を自覚して利用者の豊かな人生を自己実現する使命を果たすことや自らの行動に責任と自覚を確立することを定め合同スタッフ会議で説明している。苦情相談は、重要事項説明書に明記した区と東京社会福祉協議会の苦情相談窓口を利用開始時に利用者・家族に説明し、所内に掲示し意見箱を設置している。苦情等は日々の支援や個別相談で把握、対応している。なお、職員から「第三者委員の選任があると良い」との意見が上がっている。

虐待防止研修やセルフチェックの実施、毎夕の振り返りで言動等の注意を話し合っている

虐待防止対策は虐待の内容と相談・通報、虐待防止チェックリストや行動・抑制の制限、風通しの良い職場づくり等を定めた「権利擁護虐待と防止規程及びマニュアル」を作成し、実施している。今年度から「虐待防止委員会」を設置して支援の在り方を検討している。取り組みとして、合同スタッフ会議での虐待防止研修やセルフチェックの実施、毎夕の支援振り返りミーティングや常勤会議で職員の言動が規範・倫理に抵触するような場合には注意し合うようにしている。利用者会では相互の呼び方や乱暴な言い方を気をつけるよう話し合っている。

障がい者が働いていることの理解を深める「フレスタだより」を地域に配布している

ホームページで収支報告、活動報告を掲載し事業の透明性確保や障がい者が働いていることの理解を深める情報を掲載した「フレスタだより」を地域に配布している。リユースショップを運営しており、利用者が店舗での接客や店頭チラシ配りなど住民との交流を図っている。また、地域交流として作業支援や月に1回の創作活動にボランティアに来てもらい、福祉人材育成への社会福祉士実習生を受入れている。地域連携では高次脳機能障害者支援員連絡会や自主製品制作の福祉事業所連絡会に参加しているが、地域貢献では、何が期待されるのか模索中としている。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
地震・火災・事故などの緊急時の対応は「危機管理マニュアル」で発生時に備えている

利用者・職員の安全確保は、地震・火災・事故・不審者侵入など緊急時の対応を定めた「危機管理マニュアル」で発生時に備えている。事故防止対策は「事故対応マニュアル」で事故対策のポイントや防止の具体的な方法、事故の評価と再発防止策などを定めている。日々のヒヤリハットは気づき時に記録して職員間で共有し、分析して合同スタッフ会議で改善策を検討するなど事故の未然防止に努めている。防災訓練は独自に年2回行っているが地域住民と連携した訓練が今後の課題である。災害に備えた事業継続計画は検討中となっており早期の作成に期待される。

コロナ感染に向けた対策を「コロナ感染発生時における事業継続計画」にまとめている

感染症対策は「感染症予防及び発生時の対策と蔓延防止対策マニュアル」で、感染予防の日常の観察、感染症発生時の対応を決めている。また、新型コロナウイルス感染症予防対策として空気清浄機の設置や体温チェック、手洗い・うがい、マスク着用を利用者に促して励行している。コロナ感染の状況により、通所を控え在宅勤務とする利用者やリユースショップの客足にも影響があることから、コロナ対策は重点課題として、利用者・職員の安全確保、サービスの継続を基本方針とした「新型コロナウイルス感染症発生時における事業継続計画」を策定している。

守秘義務規定を作成し、利用者の個人情報は暗証番号を設定したシステム管理している

利用者情報の目的外使用や漏洩禁止を明記した「個人情報に関する守秘義務規程」を作成している。利用者には契約時に写真の利用など含めた個人情報使用を説明して同意を得、職員やボランティア、実習生からも守秘義務誓約書を得ている。個人情報は鍵のかかるキャビネットで保管しているが、狭い場所なので職員は個人情報の管理に気配りしている。利用者情報の管理はグループウエアを活用して、情報ファイル閲覧は暗証番号を設定している。災害発生時のための緊急持ち出しファイルは服薬情報などを含めた利用者情報をまとめてロッカーに保管している。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
半期ごとの役職者と職員の個別面談を踏まえたランク付評価結果を昇給に反映している

職員の採用は、現職員の紹介が多く個別面接をして採用している。事業所の職員配置は、常勤、非常勤職員の8名体制であるが、常勤1名が長期休職中であり、他も親の介護・子育て中で早退するケースも多く、慢性的に人手不足の状況となっており求人サイトで募集している。法人の人事制度として役職・必要経験年数・業務内容・期待される能力・資格取得の推進を明記したキャリアパスを定めている。業績評価は半期に一度、経営層と職員の個別面談を行い、ランク付評価で昇給に反映しているが人事考課制度の内容についての精査が課題と感じている。

重点目標に職員の支援力向上をあげ、研修計画を立てて職員育成に取り組んでいる

法人重点目標に職員の支援力向上を掲げて職員育成に取り組んでいる。研修計画は、障がい理解や支援方法の他に、販売や物づくりの研修に参加して合同スタッフ会議で報告している。年4回全職員対象の内部研修は、スタッフを講師として「人権擁護と虐待防止」「個人情報保護と情報開示」「苦情相談・解決」「危機(事故、感染、災害等)への対応について」などをテーマにしている。オンライン研修として障害のある人への社会的障壁を取り除く「社会モデル研修」などのWeb研修を行うなど、研修動画と契約して職員はいつでも受講できるようにしている。

「事業所の役割とは何か」など、一人ひとりが思っていることを出し合い確認している

事業所では建設的な意見が言えて働きやすい「風通しの良い職場づくり」を目指している。日常の気づきは、毎夕の振り返りで自由に意見交換ができる雰囲気があり、当日の課題の解決方法を話し合うことで、利用者支援の向上につながっている。合同スタッフ会議では、「事業所の役割とは何か」など、一人ひとり思っていることを意見交換している。職員面談で、年度始めは目標や支援スキルを高めること、後期では達成状況の確認をするとともに職員の意見や家庭事情などの相談に応じている。また、年休は全職員が公平に取得できるようにしている。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

目標は、利用者数を増加させることで年間の延利用者数を3,797人、年度末登録数を26人、一日平均利用者数16人としている。背景は、コロナ禍で通所を控える利用者もおり、リユースショップの客足も新型コロナウイルスの流行に左右されて、経営面を安定させるために避けられない課題としている。新規利用者増の取り組みについては、当面は①新宿区からの補助金基準に合わせ、利用登録者数における区民の割合が6割を上回るようにするため、新規利用者は新宿区民に限定している②緊急事態宣言中は、密を避けるため午前と午後の2部制による通所としている③安定して通所してもらうために生活面に課題のある利用者へのフォローアップと在宅支援を行っている。結果として昨年度の年間延利用者数は3,639人、年度末登録者数25人、一日平均利用者数15.1人と前年度と同じ数字となった(新規契約2人と、退所者1人)。今後も実現可能な数値目標を設定し、継続して利用者の増加に取り組んでいくとしている。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

利用者数の目標を数値化し明確にしている。2021年度の重点目標の一つに、事業所の経営の基盤を強め法人経営の安定化を掲げている。事業所の収入は、訓練等給付費に加え自治体からの補助金により、利用者数の確保、安定した工賃支給がカギとなっている。利用者の新規獲得は、病院のソーシャルワーカーや高次脳機能障がい訓練施設、特別支援学校などと連携を密に取り、必要とする人に通所してもらうようにしている。取り組みとして、利用者が定着して安定的に通所するために、利用者一人ひとりの希望や強みを生かした作業が行なえるように丁寧な利用者支援に努めている。コロナ感染において、通所を控える利用者もおり、リユースショップの客足もコロナの流行に左右される状況の中で売り上げの確保を目指し、さまざまな工夫で収益を上げている。利用者の増加の結果は目標に届かなかったが、2020年度実績である延利用者数を3,643人、年度末登録数を25人、一日平均利用者数15.1人とほぼ同じ実績であった。本年2022年度の目標は、延利用者数を3,696人とし積極的に継続して取り組んでいくとしている。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

新型コロナウイルス感染拡大により、イベント等の開催が見送られ自主製品の売り上げが減少した。利用者の働くモチベーションを上げ、平均工賃月額の向上による給付費の増加を目指すために、「工賃の維持・向上」を目標に掲げた。具体的な取り組みとして、リユースショップのセールや保育園清掃、着物のほどきなどの新たな委託作業の受注を開発した。結果として精算前工賃時給260円に決算などの調整時給を加え、平均時給は550円とアップすることができた。今後の取り組みとして、リユースショップのスペースが限られており、利用者の大幅な増加が厳しい状況の中、委託事業や自主製品の新規開発を目指していく。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

工賃の維持・向上は事業所運営にとって必須の目標となっている。リユースショップ店舗スペースは限られており、臨時のセールや宣伝のポスティングを行っているものの飛躍的な増加は期待できない。また、高次脳機能障害・精神障害を有する利用者が毎日安定して通所することは難しく、定員20名に対しての平均通所はおおよそ16名となっている。これらの限られた環境の中で、新たな自主製品の拡大、地域と連携した委託作業の開発に向けて、利用者、職員とともに継続して目指している。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
充実したホームページやリーフレット、各広報紙などの媒体で積極的に広報活動している

事業所では高次脳機能障害者を主に受け入れており、新規利用者は相談支援事業所、地区保健センターからの紹介が大半を占めている。利用案内の情報はホームページや事業所リーフレットなどの媒体で知らせている。また、年2回発行の法人広報紙「VIVID LETTER」は高次脳機能障害相談支援、事業所活動などを紹介し、法人会員、行政、相談支援事業所などに配布している。さらに不定期発行の「フレスタだより」では高次脳機能障害の啓蒙活動、事業所リユースショップのセールの案内を:掲載して、地域に各回2000枚をポスティングしている。

ホームページや事業所リーフレットで利用開始の流れなど理解できるように作成している

事業所リーフレットは利用希望者が理念や作業などの内容、一日の活動予定、利用開始までの流れを理解できるように作成して、見学や問い合わせの際に配布し、ホームページからも随時ダウンロードできるようにしている。ホームページでは作業内容、一日の活動の予定、余暇活動、工賃などを紹介した「事業所紹介」、利用の対象者、利用にあたって必要なもの、実習など紹介した「利用について」を掲載し、新規利用者が利用のイメージが持て、見学の問い合わせがメールでできるように工夫されている。さらに活動を伝えるのにTwitterを利用している。

利用希望者の見学は開所中に希望の日時で行い、見学後、希望によって実習を行っている

見学は保健センターの保健師、相談支援事業所など支援機関からの申し込みが多いが、直接の問い合わせ見学も受け付けている。見学の日時の希望については、本人の意向を尊重して開所時間中に調整して、主に施設長が対応している。最初にリーフレットなどで事業所の概要を説明し、その後、事業所内の活動の案内を実施して、見学者記録に氏名、連絡先、紹介者などを記録している。見学の後、実習を希望する場合には、「実習申込書」で利用者の状況を把握し、「実習のしおり」で法人理念、諸注意、個人情報保護、実習回数(5回)を説明している。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
実習終了時に利用意向を確認、利用開始時に契約書、「利用のしおり」など説明している

利用希望者実習終了時の個別面談で利用の意向を確認している。利用開始の契約時には、契約書や重要事項説明書のポイントや「利用のしおり」で持ち物、昼食、外出などのルールと工賃について説明して同意を得ている。利用者の写真や動画の使用など個人情報使用同意書を説明して同意も得ている。利用者の支援に必要な情報は、相談支援事業所のサービス等利用計画や利用者聞き取りを行い、緊急連絡先、医療に関する状況、収入・病歴など利用者の基本情報を把握している。また、実習中の様子から作業内容、週当たりの通所日、時間などを決めている。。

関係機関や面談などで得た利用者情報は基本情報やアセスメントシートにまとめている

利用者に関する情報は、相談支援センターなどの関係機関や個別面談、実習中の様子などから「基本情報」に緊急連絡先、医療や障害、収入に関する状況などまとめ、「アセスメントシート」に①歩行などの日常生活や意思表示などのコミュニケーション②過去の就労経験、成育歴③利用者の意向としての得意なこと、苦手なこと、就労希望、支援する際に気を付けて欲しいことなどの現状を把握してまとめ支援に反映している。利用者情報は「基本情報」と「アセスメントシート」に分けているが、今後、フェイスシートとしてまとめて記載することに期待される。

利用者の生活習慣や障害特性を理解して、安定した通所で作業ができるよう支援している

利用者の障害特性、生活習慣などの情報は全職員で情報共有を図り、コミュニケーションの取り方など支援に活しており、夕方の振り返りで利用者の日々の様子について情報交換している。週当たりの通所日数・時間は本人の生活リズムを尊重し、無理のない範囲で決めて、今後の個別支援計画の目標に「通所日数や時間を増やして安定して通所できる」を掲げている。また、作業内容は実習中に一通り体験して利用者本人に選択してもらい、職員の見守りの中、作業内容の調整を行って利用者が無理なく作業でき、達成感が持てるように支援をしている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
個別支援計画の目標を導き出すためのアセスメント書式の内容について検討に期待される

利用者の心身状況や生活の状況などの情報はアセスメントシートに利用開始時に聞き取ってまとめている。また、「希望する暮らし」「一般就労希望」「事業所でやりたいこと」など一部の内容は個別支援計画に反映されているものの支援目標の長期・短期目標を導き出すアセスメントとなっていない。個別支援計画と連動したアセスメント書式の検討に期待される。個別支援計画のモニタリングは、半年ごとに本人とケース担当職員が目標の達成度を評価して、今後の課題を明らかにし、サービス管理責任者の確認の後、次期の個別支援計画作成につなげている。

個別支援計画は担当職員が原案を作成し、職員個別支援会議に諮り利用者に提示している

利用者ごとのケース担当制をとっており、個別支援計画の原案は担当職員が作成し、常勤職員の個別支援会議に諮り、サービス管理責任者の確認を得て、利用者との面談で最終決定している。利用開始時の個別支援計画は実習時の様子から暫定的に作成して、半年ごとの個別支援計画モニタリング時に本人との面談で作成している。個別支援計画の内容は、事業所への本人及び家族の希望、長期・短期の具体的な支援内容と担当を決め、半年ごとにモニタリングでサービス実施の状況、本人の意見で目標の達成、継続、変更の評価を行っている。        

日々の様子はクループウエアに記録してパソコン等から閲覧できるシステムとなっている

利用者の基本情報、アセスメントシート、支援計画、サービス提供記録、契約書などを個別ファイルにまとめ、いつでも閲覧できるようにしている。また、日々の利用者状況はグループウエアに利用者の出欠、作業内容、様子などを毎日記録し、ヒヤリハットや気づき、ショップの売り上げ、毎日の業務特記事項などとともに、職員のパソコンやスマホから情報を閲覧ができるシステムとなっている。さらに、毎月の常勤職員の個別支援会議で利用者ごとの支援に関する意見交換を行い、三か月に一度の合同スタッフ会議で支援に関する情報交換を行っている。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
多角的な視点で話し合い、利用者一人ひとりの状況に合わせて目標の達成を支援している

事業所では、個別支援計画をまとめてファイリングして職員間で共有している。利用者は一般就労を目指す人や事業所での作業を充実させたい人、生活面に課題がある人など様々で、それぞれの状況に合わせて支援を行っている。職員は、毎日夕方の振り返りで利用者一人ひとりの様子を共有し、支援目標の達成に向けてどのように支援していくか話し合っている。職員間で対等に意見を出し合える職場風土を重視し、利用者についての気づきや特別な支援課題のある利用者への対応などについて、多角的な視点で話し合いを重ねながら組織的に支援を行っている。

利用者の障害特性やペースに応じて声かけなどのコミュニケーション方法を工夫している

高次脳機能障害を主として、視覚・聴覚・発達障がいなど多様な障がいのある人を受け入れている。視覚障がいのある利用者へは、先に名前を呼び、名前を名乗ってから話し始めるなど配慮し、トイレでは壁に凹凸のシートを貼り位置の確認ができるなど工夫している。聴覚障がいのある利用者には正面に回って話しかけたり、小さなボードで筆談している。欠席時の連絡でLINEの活用により意思を発信しやすくなった利用者もいる。また、選択肢を3つ以上提示したり、Yes・Noで答えやすい質問方法を使うなど利用者の特性に合わせて対応している。

利用者の社会参加や自己表現、利用者同士の障がい理解につながる情報を提供している

音楽コンサートの招待ポスターや作品展への応募チラシなど利用者の社会参加や自己表現につながる情報を掲示している。その他、参加している消費センター悪質商法被害防止や新型コロナ感染症等に関する情報のほか、高次脳機能障がいについての講演会など生活面や障がい理解に関するチラシを掲示している。利用できる制度等については、利用者からの個別の相談に随時応じ、相談支援専門員との連携により情報提供している。事業所はリユースショップの顧客との関係づくりに積極的に取り組み、利用者間でも互いに声をかけ合うことの大切さを伝えている。

2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
  • 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
  • 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っている事業所のみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
朝の会での司会や作業の選択を通して、利用者が主体的に取り組めるように支援している

事業所では、リユースショップの接客は、希望する利用者ごとに担当日が決まっているが、その他の作業については午前・午後の作業開始前に「どの作業をしたいですか?」と確認し、利用者が選択して決められるようにしている。毎日の朝の会、帰りの会では利用者が順番で司会を行い、利用者の希望をもとに課題達成に向けた発語練習の機会として他の人よりも司会の回数を増やすなど個別の支援にもつながっている。自らの気持ちや考えを発表する場を日常的に設けることで、利用者一人ひとりが居場所や役割をもち、主体的に活動できるよう支援している。

毎月の利用者会で、一人ひとりが仲間として安心して過ごせるよう発言を働きかけている

月1回利用者会を開催し、利用者が運営の主体となるように支援している。議題は、利用者からの要望や作業内容、トラブルがあった際の解決法など様々で、職員は話し合いが進むよう司会進行をしながら見守り、必要に応じて助言している。また、利用者会ではコミュニケーションを考える場として、「障がい特性はそれぞれであり、周りの状況に気づかないこともある」ことを説明し、伝え方の工夫や必要な時には謝ることも大切などを伝え、利用者同士の理解を促している。職員は、利用者が事業所の一員として安心して発言できるよう働きかけている。

定期的に作業室の整理を行い、作業スペースの拡充や利用者の安全確保を図っている

事業所では、新型コロナ感染症対策として室内に空気清浄機を設置し、ドアノブや作業机など共用部分の消毒を行っている。換気扇が2か所にあるほか、リユースショップのドアの開閉もあり、事業所内は換気された状態が保たれている。作業室はショップのバックヤードも兼ねており、必要な物品が数多くあり手狭となっていたこと、利用者の中には身体障がいのある人もいることから、月1回職員が半日かけて整理し、利用者の安全確保を図っている。今年度は、新たに建物内の1室を契約して事務所の一部を移動することで作業スペース拡大につながっている。

3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
利用者の日々の健康状態について職員間で情報共有して、無理のない通所を支援している

利用者の利用目的や障がい特性から、通所は週に数回、半日利用という場合も少なくない。職員は事業所において利用者が安全に過ごせることを重視しており、体温測定を毎日行い、顔色や到着時間に普段との違いがないか、朝の準備がスムーズに行えているかなど利用者の健康状態を観察している。朝の会では気分調べとして10種類以上の顔の表情シートを活用し、今日は何番の気分か利用者自ら発表しているほか、作業前にはラジオ体操も行って体を動かす機会を設けている。作業や活動が無理なく安心して行えるよう、職員間で情報共有しながら支援している。

通院や服薬管理は自己管理であるが、希望により頓服薬の預かりなどの支援を行っている

通院、服薬に関しては基本的には自己管理となっているが、利用者の希望により相談に応じ、状況によっては相談支援専門員などの関係機関と連携して支援を行っている。「てんかん」のある利用者には発作記録票を活用したり、希望により頓服薬を預かり、定期的に使用期限や残数の確認を行っている。食事は利用者自身で用意することとなっており、昼食時には作業室の机の消毒とパーテーションの設置、黙食を実施している。体調不良時には個室で横になって休憩できるようにしているほか、必要に応じて早退や受診を促すなど状況に合わせて対応している。

週3回の訪問看護を導入し、医療や健康に関する専門的な相談ができるようにしている

事業所では利用者自身が健康管理に関心を持つきっかけとなるよう、本年度より週3日の訪問看護を導入している。持病がある、アレルギー症状がある利用者など一定の条件を満たして相談を希望する場合には、訪問看護事業所と連携している医師の確認書をもとに血圧などのチェックや医療面の相談をすることができる。訪問看護師は必要に応じて栄養バランスのいい食事についても助言を行っている。利用者の日常の健康状態を把握していることで体調変化に気づきやすく、身体的な悩みについて専門的に相談できる機会となり、利用者からの信頼も得られている。

4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
支援対象は利用者本人であるとの意識をもち、家族との連絡には利用者の同意を得ている

利用開始時に本人の意向を尊重しながら、家族の希望を確認している。家族へ連絡する必要がある時は利用者から了解を得ており、家族からの情報を支援に活かしている。利用者の同意のもとLINEでつながることができた家族とは連絡が取りやすくなり、心配事や要望などの把握が行いやすくなっている。家族から自宅での利用者の様子で心配なことについて配慮等の要望を受けた場合は職員間で情報共有している。職員はあくまで支援する対象は利用者本人であることを大切にし、本人と家族の意向が異なる場合は本人の代弁をするよう心がけている。

月1回の「フレスタ通信」などを通して利用者の作業や活動の様子を家族へ知らせている

利用者の日常の様子や施設の活動状況については、利用者の同意のもとで家族へ知らせており、必要に応じて電話やLINE等で連絡を行っている。月1回発行の「フレスタ通信」をはじめ、年4~5回の「フレスタだより」、年2回「VIVID LETTER」を同居している家族にも見てもらうことで、事業所での作業や活動の様子や法人の事業計画などを知らせて家族からの理解を得ている。相談支援専門員が来所してサービス等利用計画のモニタリングを行う際に家族が同席するケースもあり、利用者の希望に添って職員が同席し情報共有を行うこともある。

5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
地域に開かれたリユースショップの運営を通じて、住民との交流の機会をつくっている

事業所は、利用者が自立して社会生活を営んでいくための支援を行っている。リユースショップとして地域に開かれていることが事業所の最大の特徴であり、住民からの提供品の受け取りや接客を通じて地域の人々と交流する機会にもなっており、ショップの接客は利用者に人気の仕事となっている。地域の中で役割をもって働くことで、利用者一人ひとりのやりがいや自信につながっている。そのほか、レクレーションとして地域のボランティアの協力を得ながら月1回創作の日を設けており、利用者にとって多様な体験ができる楽しみなプログラムとなっている。

年4~5回発行の「フレスタだより」で、地域住民へ障害理解への情報を発信している

法人は「お互いの人格と個性を尊重し、相互に助け合える社会をともに作っていく」ことを理念とし、障がい者就労や障がいについての理解を広めるための情報やセールのお知らせを記載した「フレスタだより」を年4~5回発行し、近隣に各回2,000部配布している。高次脳機能障がいや合理的配慮などの用語の解説や「地域のみなさまへ」と題した利用者からのメッセージ、年始には利用者全員のメッセージを記載している。ショップの顧客に顔と名前を覚えてもらえることで、利用者は地域の一員として活躍している実感を得ることができている。

自主製品販売や作品展示イベントへの参加など地域とのつながりを意識して支援している

事業所ではリユースショップの仕事のほか自主製品づくり等を行っており、区主催の共同バザールや障害者福祉センター祭をはじめ、新宿区障害者福祉事業所等ネットワーク主催のデパートでの自主製品販売や障がい者週間イベントへの作品展示など利用者が地域に出て活躍する機会を提供している。福祉施設への音楽コンサートなど招待イベントや作品募集のポスターを掲示している。近隣の小学校学童クラブのハロウィン企画に利用者が参加するなど地域との関係性を築いていく取り組みを積極的に行っている。

12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
  • 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
  • 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
  • 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
  • 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
  • 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
多様な作業メニューを提供することで、利用者が得意なことを活かせるよう支援している

事業所はリユースショップでの接客、提供品の値付け、店頭チラシ配布などを行っているほか、緑化事業やコーヒー豆の選別、自主製品の製造販売として犬用クッキーの製造やビーズ製品、刺し子など多様な作業があり、午前・午後の作業開始前に利用者自身が興味のあるものや得意な仕事を選択できる。写真付きで今日の作業配置を示したホワイトボードには、前日の売上なども記入し利用者の意欲向上を図っている。今年度は、近隣の幼稚園清掃の仕事を新たに請け負っており、利用者の主体性を引き出せるよう作業メニューをさらに増やしたいと考えている。

利用者の希望で顧客アンケートを実施するなど、主体的な取り組みに力を入れている

利用者からの希望から、顧客ニーズを把握して運営に活かす主体的な取り組みとして100人へアンケートを実施し、「なぜフレッシュスタートで購入するのか」等の質問に対し、福祉へ貢献したいことや環境への配慮などの回答が得られ、利用者の意欲向上につながっている。利用者と職員による「価格検討委員会」を定期開催し、商品の適正な価格設定に利用者が参画している。緑化事業については数名での参加が定番であるが、合理的配慮として夏季の移動にタクシー利用も可能とした。全員参加の植え替え作業によってでチームワークを発揮することができた。

コロナ禍ではあるが商品開発や受注先の開拓に取り組み、工賃アップにつなげている

工賃規程に基づき支給のしくみを書面で説明している。希望者には明細書のコメント欄へ時間数など詳細に記載し理解を得ている。事業所では自主製品の開発や委託販売、ウェブ上での販売を行っているほか、区の受注センターへ登録するなどさらなる工賃アップに向けて取り組んでいる。コロナ禍ではあるが創意工夫で今年度も工賃収入を伸ばし、利用者の時給アップが実現しており、利用者からはやりがいや達成感があるとの声も聞かれている。就労希望者には外部実習やステップアップの支援を行い、就労後も職場訪問をするなど定着のための支援を行っている。

【講評】
契約時に、個人情報同意書で利用者情報の提供範囲について説明して同意を得ている

利用開始時に個人情報同意書をもとに、利用者支援に必要と判断される事項について、外部に情報提供を行う場合があることを説明して同意の署名・捺印を得ている。また、利用者の写真を広報活動に使用する場合には「写真及び動画利用の承諾書」で説明しており、同意を得ていても外部に配布している「フレスタだより」などに活動の様子として掲載する場合には現物を該当者に提示している。事務室が利用者の作業場所と至近の距離にあり電話の内容が漏れ聞こえることが課題となっていたが、別の独立した部屋に移転することになり解決できることになった。

狭いスペースの中、個人所有物の管理など様々な工夫でプライバシー確保に努めている

事業所にはリユースショップや自主製品、受注製品などの多くの品物が置かれ、スペースの確保が課題となっている。限られた場所でのプライバシー保護に対して様々な工夫をしている。個人の所有物の管理として利用者ごとの書類等は個人ごとの引き出しや荷物置き場の棚が用意されている。また、トイレの前には暖簾で目隠ししており、排せつ介助が必要な場合や身体的な相談などについては同性職員が羞恥心に配慮して支援している。利用者個別面談は相談室で行っているが声が漏れてしまうなど懸案となっていたが、別の部屋の確保ができる見通しとなった。

利用者ミーティングなどで意見交換を行い、利用者相互の障害の理解が生まれている

利用者の意思を尊重した支援に努めており、毎日の午前、午後の作業開始時の利用者の意向発表の機会、希望による担当職員との個別面談、体調による当日の作業の選択などを行っている。利用者の年齢、障害特性、生活環境は様々で、利用者の生活環境・習慣などの情報は、利用開始時の面談のアセスメントシートや計画相談などで把握して、支援計画に反映して通所日や時間を本人の生活リズムに合わせて無理なく通所できるように決めている。また、利用者の視覚や歩行などの障害の理解を他の利用者に求め、お互いが助け合う風土が生まれている。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
サービス提供手順として、利用者支援や運営、作業手順等のマニュアルが整備されている

サービス提供の手順として、支援に関しては支援方針や利用者対応、通所受け入れ手順などの「利用者支援マニュアル」が作成されている。また、運営に関してはヒヤリハットや事故報告などの事故対応、倫理綱領や職員行動指針などの「権利擁護と虐待防止マニュアル」「感染症予防及び発生時の対策と蔓延防止マニュアル」などを作成している。さらに、リユースショップ販売や自主製品、受注製品の手順は図式して事業所内に掲示している。今後、地震や風水害などの大災害発生時の事業継続計画の作成に取り組み、利用者、職員へ周知することに期待される。

利用者の障害特性や意思疎通、生活習慣をまとめた個別支援マニュアル作成に期待される

事業所は一日当たりの平均通所者が約16名の小規模事業所で、支援に対する経験豊富な職員が運営しており、利用者一人ひとりへの個別支援のあり方などについて常にグループウエア、職員会議で情報の共有を図ることができている。また、アセスメントや個別支援計画において利用者ごとの支援内容について明らかにしている。しかし、今後、新採用職員などにも対応でき、個別支援のノウハウを継承していくために利用者ごとの障害特性や意思疎通、生活習慣、服薬等の医療情報などをまとめた利用者個別支援マニュアル(一部作成済み)の作成に期待される。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2022年7月19日~2023年2月8日

【評価者修了者No】

H1001001,H1801041,H0701003

評価結果のダウンロード

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