評価結果

サービス項目中心の評価

基本情報

【法人名称】

医療法人社団芙蓉会

【事業所名称】

グループホームあおぞら

【サービス種別】

認知症対応型共同生活介護【認知症高齢者グループホーム】(介護予防含む)

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)老人は国の宝                                                                            2)三方(入居者、地域、職員)良し                                                                  3)和んで 和 笑って 和 つながって 和(グループホームあおぞら)                                       4)ご入居者お一人お一人の自由な意思選択を最大限尊重し、地域の中で安らぎと喜びのある生活が送れるよう支援します。     5)スタッフ全員参加の介護

職員に求めている人材像や役割

・「三方良し」の精神を大切に、法人の一員として社会人の一人として地域の一員として、ご入居者の日常生活を支援できる職員であること、高齢者福祉事業の役割を自覚し、人生の先輩として敬う心を持ちながら、活気ある楽しい生活をお過ごしいただけるように支援できる人材を求めています。
・実務的な面では、「自立支援」の考えを大切にチームケアの実践、ケアの質の向上、地域との関わりの充実を目指しています。また、ご入居者とご家族も含めた周りの方々にも信頼していただくことができるような職員であることを求めています。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

(運営理念)
・私たちはご入居者の皆様の人格を尊重し、より良い人生を応援します。
・私たちはお一人おひとりにまごころサービスを提供します。
・私たちはアットホームな雰囲気の中でに入居者の皆様とともに歩みます。
・私たちはチームワークを大切に安心できる暮らし・看護・介護の提供を心がけます。
・私たちは向上心を持ち、常に知識と技術の習得に努めます。

全体の評価講評

特によいと思う点

事業所には2つの広報誌があり、ホームページで紹介され併設する病院や地域の自治会にも配布されている。一つは“和んで「和」笑って「笑」つながって「輪」あおぞらだより”である。あおぞらだよりは入居者の暮らしや楽しいイベント等を伝え、地域との情報交換を行うことを目的としている。また「中庭だより」は「中庭ボランティア隊」によって作成され、中庭ができた頃からの発行で歴史が長い。「中庭の足音」の欄には、季節の便りや花の名前の紹介がある。2つの広報誌は事業所に訪れてみたい、中庭を鑑賞したいという意欲の湧く内容になっている。

一人ひとりの歴史や有り様を受け入れ、個性を大切にして支援する姿がある。入居当初、様々な問題と言われる行動が発生する。住み込みで働くつもりで訪れた事業所で生活が始まり、持ち込んだ工具で床等を叩きまわる人、監禁されていると感じ警察に駆け込んだ人、表情のない人様々である。職員は思いを寄せ、無理強いせず時間をかけて居場所を見つけ、落ち着いて慣れていけるよう支援に努めている。訪問時、ある入居者の「学ばせてもらってます」との丁寧な笑顔の挨拶に、尊厳が守られ誇りをもって生活する様子を垣間見ることができた。

日々の暮らしの中で身体を動かし楽しむこと、脳を活性化させることを大切にしている。日常生活には様々な身体を動かす機会がある。毎朝中庭を通って歩き新聞を取る、ゴミを出す、モップをかける、食事作りや洗濯物たたみ等々である。さらにイベントでは風船飛ばしゲーム・魚釣りゲーム・金魚すくい、ボーリング大会等、身体機能や認知機能の向上も期待できる楽しみがあり笑い合い、笑いの効果も享受している。さらに希望に応じて専門的な研修を受けた職員による学習療法を用いて、読み書き練習や計算を、会話を楽しみながら行い脳を活性化させている。

さらなる改善が望まれる点

介護業務に必要なスタッフ業務マニュアルや感染症マニュアル等々様々なマニュアルが整備されている。職員の英知を集め、介護業務を行なう中で求められる医療的ケアや感染症対応等、手近なところにいつでも見ることのでき、活用できるマニュアルの整備が求められている。さらに事業所の自己評価「改善の必要のある点」にはマニュアルの定期的な見直しについて整備を兼ねて期間を設定して行う必要がある、との記入がある。今後の進捗状況に期待する。

「老人は国の宝」という理念を掲げ、認知症はあっても周囲との心豊かな関係性を築き、一人の人間として可能性を大切にしたい、という思いを持ち運営されてきた事業所も20年という時間が経過した。職員アンケートには、物が多いので、必要なもの不要なものを分けて片付けることでもう少し快適になるのではないかといった率直な意見が記入されている。収納スペースは多く、だからこその在庫整理、誰が判断し処理は誰が行うのか、ルールを決め実践する時期に来ていると理解している。職員全員で管理がしやすく、さらに快適になる取り組みが期待される。

この数年コロナ禍にあり、買い物・家族との交流・地域住民が参加する活動等々、従来当たり前であったことが難しい状況にあった。コロナ禍にあっても真摯に入居者と向き合い日々の支援や活動に努めてきた。周りの病院等にクラスターが発生する中で入居者に陽性者が出なかったことは日頃の活動を通した免疫向上の成果、感染対策充実の成果であろう。今後を見据えコロナ禍でできたこと・難しかったこと等々を振り返り、どうしたら理念にある「三方良し」の生活が実現できるのか、事業所としての方向性を創出する時期にあると考える。取り組みに期待する。

事業者が特に力を入れている取り組み

事業所では職員間の連携をすすめ、チームワークを大切に入居者が安心できる暮らしへの支援に努めている。会議やケアカンファレンスにおいて、職員は話し合いその結果が支援に反映されている。今年始まったケアカンファレンスは提案や改善などその都度検討することができ、意見交換しやすい環境が創り出されている。カンファレンスの結果は明示され、その場にいなくても共有できるという利点もある。職員アンケートの自由記述には、連携の良さ、思いやりや助け合いが多く働きやすい、職員の意見が反映されやすく働きやすいといった声が記入されている。

入居者の高齢化が進む中、事業所では入居者の心身の状況に応じて、食事介助・排泄介助・入浴介助・移乗・移動等々の身体的な介助が行われている。グループホームにおける国の介護職員配置基準は、利用者3人に対し介護職員1人となっているが、事業所は基準よりも多い職員体制を整えている。また職員の中には専門職である介護福祉士の資格を取得している職員が半数以上を占め、事業所として資格取得への協力を行なっている。職員は学びを活かし、一人ひとりに合った安心・安全な介助に努めている。今後さらに医療面での実践的な学びが求められている。

入居者の健康維持に向けて一人ひとりの状況に応じた健康管理が行われている。医療面については隣接した病院から全面的な協力が得られ、夜間にも異変のある時は対応を依頼することができる。こうした法人内での連携は入居者や職員の安心に繋がっている。さらに入居者の高齢化が進み身体機能の低下が見られる中、今年看護師をホーム長として迎え、職員には入居者の体調の変化や心配のある時も相談ができる、大きな存在となっている。ホーム長はケアカンファレンス開催等、業務への改善を図り、医療面での強化に努め、対応が素早く信頼を集めている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:入居者総数18名を対象としている。内訳は男性1名、女性17名、平均年齢87.1歳、平均要介護度2.66、平均入居期間は3年10ヶ月である。
  • 調査方法:アンケート方式,場面観察方式  
    場面観察は新コロナ感染予防に努め、昼食準備の時間、フロア全体を評価者、補助者とで様子をみせていただいた。入居者家族に対してはアンケート用紙を事業所から郵送してもらい回答用紙を直接評価機関に返送してもらった。本評価機関にて集計を行なった。
  • 有効回答者数/利用者家族総数:15/18(回答率 83.3% )

総合的感想では「大変満足」7名(46.7%)、「満足」8名(53.3%)であり合わせて100%が「満足」とし、満足度の高さが窺える。満足度の高い項目は問1「情報提供」問6「利用者の気持ちの尊重」が100%、次に問3「職員の接遇や態度」問8「計画作成」が93.3%であり、次が問3「職員の接遇や態度」が86.7%となっている。また低いのは問11「職員以外への相談」についての項目である。総合的感想では気持ちの尊重や配慮、尊厳を持った対応への感謝の言葉、安心等の声がある。一方でコロナ禍にあり、感謝しつつも、会えない・入れないことへの不安、たまには美容師に髪を切ってほしい、面会を自由に、といった率直な声がある。またホームページや事故報告等への意見もあり関心の高さを窺わせる。

アンケート結果

1.家族への情報提供はあるか

はい 15名 (100%)

「はい」が100%であった。自由意見として、月に一度、文書のみなので詳しい事は分からない・通院で迎えの時、立ち話で聞く・もう少し写真等日常の様子を知りたい・少し連絡不足を感じることがある、といった内容の記載があった。

2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 11名 (73%)
どちらともいえない 2名 (13%)
いいえ 1名 (7%)
無回答・非該当 1名 (7%)

「はい」が73.3%、「どちらともいえない」が13.3%、「いいえ」が6.7、「非該当・無回答」が6.7%であった。自由意見として、1回しか入室できていないのでわからない・コロナ禍で居住スペースには入れないので見ることができない、といった内容の記載があった。

3.職員の接遇・態度は適切か

はい 14名 (93%)
どちらともいえない 1名 (7%)

「はい」が93.3%、「どちらともいえない」が6.7%であった。自由意見として、統一された制服は良好、といった内容の記載があった。

4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 13名 (87%)
どちらともいえない 2名 (13%)

「はい」が86.7%、「どちらともいえない」が13.3%であった。自由意見として、薬の飲み違い時、謝罪と医師の受診、経過連絡があり正直で良いと思う、という内容の記載があった。

5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 10名 (67%)
どちらともいえない 4名 (27%)
無回答・非該当 1名 (7%)

「はい」が66.7%、「どちらともいえない」が26.7%、「非該当・無回答」が6.7%であった。自由意見には、具体的な事例の報告がないので分からない、といった内容の記載があった。

6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 15名 (100%)

「はい」が100%であった。自由意見は特に記載がなかった。

7.利用者のプライバシーは守られているか

はい 10名 (67%)
どちらともいえない 4名 (27%)
無回答・非該当 1名 (7%)

「はい」が66.7%、「どちらともいえない」が26.7%、「非該当・無回答」が6.7%であった。自由意見には生活の様子が見られないので分からない、といった内容の記載があった。

8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか

はい 14名 (93%)
無回答・非該当 1名 (7%)

「はい」が93.3%「非該当・無回答」が6.7%であった。自由意見には今は対面でないので分かりにくい、といった内容の記載があった。

9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 11名 (73%)
どちらともいえない 3名 (20%)
無回答・非該当 1名 (7%)

「はい」が73.3%、「どちらともいえない」が20.0%、「非該当・無回答」が6.7%であった。自由意見には、コロナ禍で文書での説明のみで対面での説明ができていない・対面ではないといった内容の記載があった。

10.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 14名 (93%)
どちらともいえない 1名 (7%)

「はい」が93.3%、「どちらともいえない」が6.7%であった。自由意見には、時々、職員間の連絡、引継ぎがされていない事もある、といった内容の記載があった。

11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 8名 (53%)
どちらともいえない 4名 (27%)
いいえ 3名 (20%)

「はい」が53.3%、「どちらともいえない」が26.7%、「いいえ」が20.0%であった。入居した時に説明があった・そこまでの質問をしたことがない為、分からない・職員以外の人にも相談できることを知らなかった、といった内容の記載があった。

調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面

昼食の準備中である。食堂にはL字型のキッチンに広い流し台があり、調理台がある。キッチン台の前に、木で作成された大きなテーブルがあり、配膳台となっていてトレーが並べられ、箸がセットされていた。最初は3名の入居者がテーブルについて見守り、1名が副菜づくりを職員と一緒に行ない1名はご飯を茶碗によそっていた。職員の「ありがとうございます」の声が何度も聞こえていた。Aさんは職員と一緒にみそ汁を注いだ後、ご飯釜のそばまで行き、右左と顔を向け、動きが止まったように見えた。職員がその様子に気づき、声をかけていた。

選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化

昼食の準備中のことである。Aさんはいつものように、職員と一緒に食事の準備を行なっていた。1名は副菜づくりを職員と一緒に行って、1名はご飯を茶碗によそっていた。Aさんは職員と一緒にみそ汁を注ぎ、職員はいつものように感謝の言葉「ありがとうございます」を入居者に向けていた。Aさんはみそ汁を注いだ後、一瞬次に何をするのがいいのかわからなくなってしまった様子で、釜のそばまで行き、右左と顔を向け、動きが止まったように見えた。職員が気づき、「茶碗をお盆に載せてください」とお願いをすると、ハッとしたように釜の側にある、よそわれたご飯茶碗を各入居者のお盆に載せていった。職員の的確な指示によって安心した様子であった。その後特に何もなかったように、職員と一緒に水をピッチャーに入れ、ポットに注いだ後、自分の食事の席についた。席に着くときは晴れ晴れとした表情が浮かんでいた。Aさんには毎日行う食事の準備に誇りをもっていて、職員の感謝の言葉と的確な指示が動きを支えているように感じた。

事業者のコメント

コロナ禍以前は、入居者様とスタッフが買い物に行き、昼食を作り、一緒にテーブルを囲み、昼食を頂いていた頃もありました。現在、食事に関する支援については「昼食作り」と「配食・配膳」だけを続けています。入居期間が長くなり、体力や下肢筋力が低下したりしてしまうと、お声掛けしても「嫌よ、できないわよ!」「お金を払っているのに、何で私がやらなきゃならないの!」等のお声も聴かれます。スタッフは「お願いできませんか?いつも上手にお手伝い下さって、助かっています」「椅子に座ったままでも大丈夫です。お願い致します」等、あきらめずにお声掛けを続けます。結果的には、入居者様はやる気を出して下さり、昼食の準備が始まって行きます。しかし、高齢者の体調は一定せず、無理強いは出来ません。入居者様の生活支援をして行く時、スタッフは、その事を理解し、身体状態の観察を行い、傍に寄り添い表情や言動から不安や恐怖を読み取り、安心できる支援をしていく事が重要であると考えます。今回の調査結果で、スタッフの日々の支援の方法を細やかに観察して頂き、嬉しく思いました。今後も、様々な場面で入居者様の想いに寄り添う支援を目指し、努力して参ります。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
利用希望者にとって見やすく興味を引く情報ホームページ・パンフレット・広報誌がある

入居希望者に対して様々な媒体を介して、事業所の情報が提供されている。ホームページには“認知症であっても、自由な意思選択を最大限尊重し、地域の中で安らぎと喜びのある生活への支援”との理念が明記され、大きな桜の木のある中庭の写真や屋上庭園の写真があり概要が明示されている。パンフレットには理念及び事業所の説明、特徴や環境、一日のスケジュール等の情報が満載である。広報誌「あおぞらだより」は誕生会やイベントの様子、「中庭だより」は季節ごとの中庭の様子を丁寧に伝え、季節ごとに花の説明が書かれ興味を引く内容となっている。

事業所の情報は関係各所に配布の上情報提供に努め地域の掲示板にも掲示されている

事業所の情報、パンフレットや広報誌は法人内窓口(病院・居宅)等に設置している。また高齢者支援センターや家族・ボランティア・入居希望者や公的機関等々、関係各所に配布し情報を提供している。広報誌である「あおぞらだより」「中庭だより」は町内会長を経由して地域の掲示板に掲示され、18年の歴史を通して地域に存在するグループホームとして定着している。また東京都や市に変更届や入退所状況調査書、事故報告書等の情報を提供している。市のグループホーム連絡会には開催時には必ず参加し、情報交換を行っている。

コロナ禍にあっても見学希望者があれば細心の注意を払い対応している

近年コロナ禍により事業所内の見学が厳しい状況が続いている。しかし見学希望者があれば細心の注意を払いつつ、対応するよう努めている。見学対応は地域包括事業課の担当者とホーム長が対応している。基本的には電話があり、見学日時は希望に添うように努めているが、予約なしでの見学もある。また電話による相談についても対応している。電話を受けた際にホーム長が不在の場合の対応について、職員が対応できるよう詳しい入居相談シートを作成した。見学者や電話相談の内容はADL・既往症の他、留意事項等を記入し入居後の計画に活かしている。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入居契約時に「重要事項説明書」を交付し生活についてホーム長が詳しく説明している

入居契約時に「重要事項説明書」を交付すると共に、事業所での生活についてホーム長が説明し署名・捺印を得ている。さらに希望者の状況に合わせて集団生活における基本的ルールについても丁寧に説明を行い、納得し同意を得て入居できるよう努めている。負担金については、月々に必要な費用についてまとめた書類を説明の上渡し、また事業所で生活するために必要な「ご用意いただくもの」について、記入した書類を渡している。入居相談の段階から情報を記録し訪問調査を行い、生活について「入居前アンケート」に記入してもらい支援に役立てている。

安心して生活できる環境で、なじみのある家具を持ち込める十分な広さが確保されている

入居時の「ご用意いただくもの」の中に「なじみのある家具やご家族の写真など居室にあると落ち着いた環境になるかと思います」とその思いを伝えている。部屋は個室であり10畳近い広さが確保され、トイレ・洗面台・収納庫が付いている。入口は安全な木の引き戸になっている。明るすぎない照明は目を疲れさせない工夫がなされている。花を見ることができる部屋もあり、訪問時は芙蓉の花が咲いていた。持ち込みは自由でベッドやテレビ、机、中には電子ピアノのある部屋もある。仏壇を持ち込む人もおり、入居当時は遺骨と一緒に入居する入居者もいる。

入居前の生活について「入居前アンケート」で詳しく情報収集を行い活かしている

入居にあたり「入居前アンケート」の協力を得ている。アンケートには健康状態、医療・看護面・嗜好・趣味等々について聞いている。新聞等の定期購読・好きな音楽やテレビ、活動、楽しみたいことや「期待すること」も記入でき、さらに食べ物についての記入がある。入居前アンケートはアセスメント及び介護計画作成に役立っており、日々の支援にも活用されている。入居当時は表情が乏しかった入居者が、その人らしく生活出来るよう情報を活かした支援を行う中で、次第に日常の生活に慣れ、笑顔が拡がってくるよう寄り添った支援が行われている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
介護計画は医療的側面と本人の希望を取り入れた生活面の両面を分析し作成している

介護計画(ケアプラン)は本人の主訴や課題(ニーズ)を把握して介護計画に反映させている。介護計画には課題として、医療的側面と本人の希望を取り入れた生活面の両面で分析され、目標がたてられている。ある入居者の介護計画には筋肉の緊張緩和や姿勢を正す・発語そして人との交流といった内容の課題が記入されている。その上で、長期目標には明るい気持ちをもって人との交流とあり、短期目標には、言葉が出にくくても意見を言えるようにといった内容の目標が設定されている。身体面を楽にし、人との交流の中で豊かに生きることに向けた計画である。

紙ベースであった生活支援の内容実施について電子化する等ICT化を進めている

事業計画に業務ソフトによる記録化について「6月以降講習会等のサポートを受け、7月から開始」と明記しタブレット入力に取り組み、記録のデジタル化・電子化を進めている。紙ベースであった入居者の生活支援の内容・実施について、また「何でもノート」についても電子化が進められている。生活支援の内容である介護日誌には食事、体操、散歩、レクリエーションなど〇をつけられるようにし、記入も可能な備考欄を設け、生活の様子が一目でわかるようになっている。ICT化を進めることで間接業務を効率化し、介護サービスの充実を目指している。

申し送り時間を短縮し入居者のカンファレンスを開催、情報共有の充実化を図っている

職員は業務に入る前に何でもノートや記録物に目を通して既読のサインを行なう。「何でもノート」は入居者の様子で気づいた点や介助上の留意点、日常業務の注意等、情報共有のツールになっている。その上で申送りに参加し必要事項が引き継がれている。申し送りでは入居者の体調や気持ちの変化、バイタルの異常など、どのように対応したか、今日一日の予定や注意事項が伝えられる。ホーム長が就任後申し送り時間を短縮し、入居者のカンファレンスを開催し、情報共有の充実化が図られている。職員調査でも特に良いと思う点に情報共有を上げる職員がいる。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の介護計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.認知症対応型共同生活介護計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
  • 個別の認知症対応型共同生活介護計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
  • 関係職員が連携をとって、支援を行っている
【講評】
介護計画を介護記録・支援経過と共にファイルし計画に基づいた支援に努めている

事業計画に「介護計画作成の進捗状況を一覧表にして見える化し、計画に沿ったサービスが提供されているかどうか確認できる記録をのこします」と明記している。一人ひとりの介護計画について職員は理解に努め、介護記録及び介護支援経過記録が連動し、計画に応じた支援が行われ、記録されている。介護記録には事業所の理念である「和んで和・笑って和・つながって和」が記載され、介護支援経過記録には、日々の支援内容の記録があり一人ひとりの短期目標が明記されている。また「何でもノート」で、入居者の変化に関して気づくことができている。

一人ひとりの興味や関心に心を寄せ無理強いせず気持ちよく生活出来るよう支援している

入居前アンケートや面談を通して得た入居者の生活歴を介護計画に反映させ、生活歴に応じた環境整備に努めている。新聞を読む・ピアノを弾く・大工の仕事を誇りとしていた・お茶の先生をしていた等々入居者には一人ひとり大切にしていることがある。訪問時以下の話を聞いた。「趣味や特技は入居前アンケートで把握することができるが、認知症になり、できたことができなくなってしまう人もいる。一人ひとり違う興味や関心に心を寄せて、無理強いはせず、気持ちよく生活出来るよう支援している」。一人ひとりの入居者が大切にされている様子が伺える。

職員の声を聴く体制、連携への姿勢が職員調査結果の連携への高い評価に繋がっている

職員調査結果によると「連携」への評価が高い。今年就任したホーム長への信頼、必要時にはその都度関係職員で話し合いを行なえる体制。さらに日々の申し送りで必要事項と疑問点や不明点があった場合には直接話す、「カンファレンスシート」に記入する等ホーム長や主任に伝え、課題や問題点を解決していく仕組みができている。また「気づきメモ」が職員の休憩室においてあり個人について、業務内容に至るまで、気が付いた時に直ぐに記入し、その内容も反映されている。こうした職員の声を聴く体制、「連携」への姿勢が職員の満足度に繋がっている。

2.利用者の状態に応じて、日常生活に必要なさまざまな作業等を利用者が主体的に行うことができるよう支援を行っている
  • 食事に関する一連の作業等利用者の生活場面では、利用者の主体性と能力を活かして支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに応じた生活への参加ができるよう工夫をしている
  • 利用者の心身の状況に応じて、生活するうえで必要な支援(食事や入浴、排泄等)を行っている
  • 各種手続きや買い物等日常生活に必要な事柄について、利用者本人による実施が困難な場合に代行している
【講評】
食事作りには様々な作業があり、入居者の主体性と能力に応じて支援が行われている

食事作りはメニューを決める・食材を考え買物をする・切る・混ぜる・煮る・炒める・盛り付ける・湯を沸かす・お茶入れ等々、身体機能や脳をフル回転する日常的な活動である。そうした活動への参加は入居者の主体性を大切にしてできる作業を探して声をかけている。参加の仕方は様々である。昼食のメニューは相談の上決めるが希望を提案するのもその一つであり、雰囲気を味わうのもその一つである。食材の買い物は現在ネットスーパーを利用しているが、入居者にとっての買い物は選ぶ楽しさがあり健康維持に役立つ。1日も早い取り組みが待たれている。

事業所の空間、職員の気遣いや感謝の言葉等入居者が作業に参加しやすい環境がある

事業所では一人ひとりが、日常生活に必要な作業に参加しやすい環境が整えられている。食堂にはL字型のキッチンに広い流し台があり、調理台がある。ご飯釜の側も広く茶碗にご飯を装う、また汁物をお椀に注ぐのに十分な空間がある。掃除用具は廊下の壁に気づきやすく、すぐ手に取りやすいように並んでいる。洗濯物は天気の良い日には中庭に干せるよう段差をなくし、干しやすいようになっている。そして何よりも職員による入居者の尊厳を大切にした対応、「お願いするような」声掛けや「ありがとう」といった感謝の声が入居者の活動を後押ししている。

一人ひとりの心身状態に応じた介助を行ない、必要時の各種手続き代行も行なっている

入居者の半数近くが要介護度3以上であり、排泄介護を要する人は半数以上という現状があり、年齢に伴う日常生活動作の低下により一人ひとりの身体状況に応じ必要な介助が行われている。食事はその人にあった食事形態を実施し、刻み食・ミキサー食等の対応を行ない、嚥下機能に合わせた対応や口腔ケアが求められている。浴室は広く設定されていて、浴槽に立位で移動するのが難しい場合は 福祉用具等を工夫し、安全に配慮した介助が行われている。他にも介護保険の更新手続き援助や、必要な物品は業者とやり取りを行いキャッシュレスで対応している。

3.利用者の健康を維持するための支援を行っている
  • 利用者の心身の状況に応じた健康管理を行っている
  • 日常生活の中で、利用者一人ひとりの状態に応じて身体を動かす取り組みを工夫している
  • 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
  • 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、医療機関等と速やかに連絡できる体制を整えている
【講評】
今年1月看護師であるホーム長を迎え医療面の改善や強化を図り職員研修をすすめている

入居者の健康維持に向けて心身の状況に応じた健康管理に努めている。体温・血圧・脈拍等のバイタルチェックを行い、顔色の観察や発語・嚥下の様子、立位や歩行の変化、食事量や排泄状況、睡眠の様子等々のチエックを行っている。その成果かコロナ禍にありながら陽性者を出していない。入居者の高齢化が進み身体機能の低下が見られ、今年看護師をホーム長として迎えた。ホーム長はケアカンファレンスの設定やバイタルチェックの時間を実態に即して変更する等改善や強化に努め、職員にはバイタルチェックの方法や服薬など医療面での研修をすすめている。

日常生活の中で健康維持のための工夫があり、その取り組みが生活の質を向上している

日常生活の中で、家事や運動・活動等楽しく身体を動かし健康の維持に努めている。まず建物から見ると安全に留意しながらも、機能低下を防ぐための工夫がみられる。バリアフリーは適材適所であり、玄関は上がり框があり段差があり筋力がいる。さらに日常生活での新聞取り・ゴミ出し・体操・洗濯物たたみ・掃除・筋力アップを目指すパワー体操等々身体を動かす取り組みが満載である。さらにイベントでは楽しく、しかも身体機能や認知機能の向上も期待できる風船飛ばしゲーム・魚釣りゲーム・金魚すくい等を楽しみ、時にはボーリング大会もある。

看護師であるホーム長に医療面も相談できると共に隣接する病院に協力が得られている

ホーム長が看護師であることから、本来通院付添いは家族であるが、何かあったらホーム長が付添い通院することもある。職員は入居者の体調の変化や心配のある時も相談ができる。さらに診察や医療面でのアドバイスが必要な場合は、夜間も含めて同一法人の病院に協力を得ることができている。夜間にも異変のある時は対応を可能にし、状況によっては主治医である院長の来所がある。ホーム長の存在と、こうした法人内での連携は入居者や職員そして家族の安心に繋がっている。

4.共同生活が楽しく快適になるよう工夫している
  • 利用者がお互いに関わり合いながら楽しく生活することができるよう支援を行っている
  • 事業所での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
  • 居室や食堂などの共用スペースは、利用者の安全性や快適性に配慮したものとなっている
【講評】
事業目標に「イベントを楽しむ」を掲げ年間を通し楽しみ今後更なる充実を検討している

広報誌「あおぞら」に今年の事業目標の一つに「イベントの充実」が掲げられている。「あおぞら」にはイベントで楽しむ入居者の様子、笑顔が掲載されている。3月ひな祭りにはおやつに桜餅を作った。4月満開の桜の木と花に囲まれ、春の到来を楽しむ。5月にはコロナ禍を避けて初のドライブに出かけ気分転換となった。6月喫茶ひまわりで甘味をいただく。7月七夕等々と続き、すいかわりもある。1年を通して季節を感じ楽しむことができている。事業所としては今後イベント担当者を月ごとに決めて計画立案を行ない、さらに充実していきたいとしている。

事業所の「理念」にある「自由な意思選択を最大限に尊重する」暮らしが営まれている

理念にある「自由な意思選択を最大限に尊重する」当たり前の暮らしが営まれている。入居者の生活は、一日のスケジュールはあるが一人ひとりの生活のペースや身体状況に合わせて暮らしている。起床時間から特に規制はなく、個室に設置されたトイレや洗面所がそれを可能にしている。昼食のメニューやおやつは入居者の希望で決めている。家事労働や活動は、強制されることはなく自由意思が尊重されている。入居者の発案を大切にし、今年は梅の実を収穫しシロップにつけた。職員は入居者の意思や意向を会話の中で引き出し、大切にし、共有している。

快適な共有空間は先駆者の「住まいとしての生活の場」という思いが継承されている

事業所の共有スペースは快適性に優れている。自然エネルギーを利用した床暖房によって冬は暖かく、換気と室内の空気循環が行われ健康的な室内環境をつくっている。掘りごたつのある和室・小さなベンチ等色々な居場所がありゆったりとしている。大きな窓は中庭に面し四季折々を楽しむことできる。安全性にも優れ手すりは木で作成され必要な箇所に設定され、水回りは夜間の使用も考慮しバリアフリーになっている。ここには先駆者の、病院でも施設でもない住まいとしての生活の場・少しでも自分の力で動き快適に暮らす、という思いが継承されている。

5.事業所と家族等との交流・連携を図っている
  • 家族や利用者の意向を考慮して、家族等が参加できる事業所の行事を実施している
  • 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
  • 家族等が事業所等に対し、意見や要望を表せる機会を設け、それらを活かした支援を行っている
  • 重度化した場合や終末期に備え、あらかじめ本人や家族等と話し合い、事業所でできることを説明しながら、方針を共有している
【講評】
コロナ禍により家族との面会が厳しい状況の中で担当者による手紙等工夫している

近年コロナ禍により家族との面会が厳しく、窓越し面会等工夫し状況をみながら面会実施を再開したこともあったが、再びの感染拡大で面会制限となり、家族は再開を待ち望んでいる。外部の病院受診が必要な際は従来通り家族が対応しているので、その時に普段の様子を説明している。家族との距離を埋める努力として入居者一人ひとりに担当を決め、報告も担当者が手紙を書き、必要に応じ身体的状況についてホーム長が付け加えている。あおぞらだより・中庭だより、誕生日の写真も入れ好評である。更に電話をする等の丁寧な取組みを行っている。

例年開催されてきた家族会は中止となっているが意見や要望を出せる体制を作っている

例年は年間行事予定に沿って毎月行事を開催し家族等を招待して共に楽しんできた。毎日面会に来るほどの熱心な家族、入居者と中庭で過ごすのを楽しみに日参する家族もいて、事業所として歓迎し居場所を作ってきた。家族会は年1回実施し活動報告の上で意見交換を行なってきたが、コロナ禍にある近年は開催できず、決算報告書と予算案を送付し透明性の高い運営に努めている。家族からの苦情については受付から解決までを分かりやすく図式化したフローチャートで示している。意見や要望はSNSや電話で話せる体制を作り、真摯な対応に努めている。

入居前アンケートで「終末期医療」への要望記入を得、入居相談時に詳しく説明している

入居時に人生の終焉に備えて、入居前アンケートで医療・介護面の要望として「終末期医療」について記入してもらっている。その家族の様子に寄り添い「重度化した場合の対応に関わる指針」を丁寧に説明し同意を得ている。持病の悪化等で事業所での生活が困難となった場合には、家族や本人の選択に基づき転移先として、敷地内に隣接する同一法人の病院で受け入れることができることも説明している。末期にあたっては家族とともに入居者一人ひとりの状況を確認して情報共有に努め、人生の先輩を労い、感謝をこめた対応に努めている。

6.利用者が地域で暮らし続けるため、地域と連携して支援を行っている
  • 地域の情報等を収集し、利用者の状況に応じて提供している
  • 利用者が地域のさまざまな資源を利用するための支援を行っている
  • 利用者が地域とつながりながら暮らし続けられるよう、事業所が利用者と共に地域の一員として日常的に交流している
  • 運営推進会議で話し合われた意見を活かして支援を行っている
  • 区市町村や地域包括支援センターと日頃から連絡を取り、協力関係を築きながら支援を行っている
【講評】
理念「三方良し」を掲げ地域に根ざす意義を深く捉え様々な活動の再開を目指している

事業所は地域に根ざし存在することの意義を深く捉え、理念「三方(入居者、地域、職員)良し」を掲げている。地域担当者が自治会の会合に参加し、広報誌を渡し回覧板に入れてもらっている。近年はコロナ禍にあり難しい状況にあるが、地域のお祭りやイベント等の情報は入居者に伝えられ、交流を楽しみにしている。事業所の中庭には例年、敬老祭りに家族やボランティアを含む500人もの人が集う。コロナ禍にある今年は介護実習生の受入れも中止したが、実習生は外からの風となり入居者にとって楽しみな存在となる。様々な活動の再開を目指している。

コロナ禍にあり運営推進会議は書面開催であったが10月から再開される予定である

運営推進会議は町内会会長・高齢者支援センター長・家族・入居者・職員が参加し、例年年6回開催されている。内容は近況報告として入居者の近況や入居者の様子、事業所の近況は稼働率や行事、人事関係が記載されている。話し合うべき議題として地域との連携や事故報告、高齢者の権利擁護に関する事項が示され、事業所の実践は透明化されている。ホームページは議事録が掲載されていて、熱心に読む家族がいる。近年はコロナ禍にあり、対面ではなく広報誌と共に書類を送付する書面開催に留まって来たが、10月からは再開の方向が示されている。

現在縮小されている中庭ボランティア隊の活動の再開、豊かな交流が待たれている

開所予定の2002年入居者だけではなく地域にとっても意味のある場所にしていきたいと、中庭の整備と並行しボランティア募集を行なった。「中庭ボランティア隊」が始まって20年その時植樹された桜は大きく育ち楓の木は2代目となった。現在中庭は造園の専門家と訪れる地域のボランティアによって管理され、四季折々の花々や野菜・果実が実っている。蝉や鳥の鳴き声を聞き色や香り、味を楽しむ等五感を刺激し脳の活性化にとって欠かせない存在となっている。コロナ禍により活動縮小を余儀なくされてきたが活気に満ちた地域との交流が待たれている。

【講評】
個人情報保護について「入居前アンケート」にも事業所の姿勢を明記している

入居前の身体状況・医療面・生活について詳しい情報を得ることができる「入居前アンケート」がある。入居前アンケートには「個人情報について」の事業所の姿勢を明記している。個人情報保護の法律を遵守し、プライバシーに関して明確な方針を掲げていること、サービスの提供にあたってはカンファレンス等で使用することがあるが適正な取り扱い、安全に管理保護に努める旨が記されている。その上で個人情報の利用内容を紙面で伝え納得を得て、同意書への署名・捺印を得るよう努めている。日常的にも入居者の前で他の個人情報を話さない様徹底している。

羞恥心に配慮し入居者一人ひとりの思いを大切にした支援の実践に努めている

プライバシーの配慮としてまず挙げられるのは、個室にトイレが付いていることである。そこには創設者の人権尊重というポリシーが引き継がれている。日常の介助にあたっても入居者の羞恥心に配慮し意志を大切にした支援が展開されている。排泄・入浴・着替え等々、様々な身体的介助を必要とする入居者がいるが、身体に触れる前には必ず意思を確認するよう努めている。入浴を拒否する場合は無理強いをせず、その理由を考える。同性介助を望む入居者には、同性が介助するように配慮している。入居者一人ひとりの思いを大切にした支援の実践に努めている。

入居者の価値観や生活習慣に配慮し、ノーと言える意思を尊重した支援が行われている

入居者の価値観や生活習慣に配慮した支援、意思を尊重した支援について訪問時、以下の内容の話を聞いた。“入居前アンケートで人となりについては知ることができている。しかし入居者は事業所で日々生活しながら、ここにいる理由、そのものが分からなくなることもあり、家事等の作業を行う理由が分からなくなることもある。そういう入居者の思いを理解し、けして無理強いすることなく、いやだと思うことの隠された原因を考える、といった姿勢で接している”。その姿勢は事業所の理念である「自由な意思選択を最大限に尊重する姿勢」に他ならない。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
スタッフ業務マニュアルや認知症ケア等介助に必要な様々なマニュアルが整備されている

事業所には業務を標準化するための様々なマニュアルが整備されている。スタッフ業務マニュアルは、1日の流れに沿って日勤・遅番・夜勤など、その時間に行うべき内容がマニュアル化されている。また入浴支援等の身体的介助について及びトイレ掃除から医療機関での受診準備まで介護業務として必要な内容が網羅されている。さらに感染症マニュアル・認知症ケアマニュアル・身体拘束マニュアル・安全マニュアル等々があり、体調不良時や緊急時の場合の対応シートが設置され、新コロナウイルス感染症は市の報告マニュアルに沿って報告が行われている。

申し送り時間にケアカンファレンスの時間を設け業務内容の見直しや改善に努めている

今年業務標準化への取組みとして日々のケアカンファレンスを開始した。毎日リアルタイムで検討が必要な案件が発生する。朝の申し送り内容・時間を改善しケアカンファレンスの時間を設けている。ケアカンファレンスの準備として専用のシートを常設している。専用のシートには、例えばAさんが安心できる歩行について、Bさんの肩の掻きこわしについて等々の内容が記入されている。また個人の課題に留まらず、入浴時の貴重品の取扱いや業務内容に関しても話し合われ、見直しや一致した対応等改善に努め共有して業務を遂行できるようにしている。

事業所では今後「接遇」研修について検討しておりその一環として「制服」を導入した

事業所の内部研修や法人による研修、そして外部研修と研修の機会を多く設定し、職員の成長と業務標準化を図っている。法人研修として防火・防災について、感染症についての研修が行われている。事業所内研修としても、不適切ケアの研修を行い、今後接遇研修についても検討している。接遇マナーの一つに、身だしなみを整えることが上げられ、今年度の改善として「制服」を導入した。介護の仕事にふさわしい「安全性」「動きやすさ」「清潔感」という観点からの導入である。服装の導入は、チームワークや職員のモチベーション向上に一役をかっている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

このセクションは事業者によって更新される情報です。

評価情報

【評価実施期間】

2022年9月5日~2022年11月7日

【評価者修了者No】

H0403061,H1001091

評価結果のダウンロード

本ページの内容をPDFファイル形式でダウンロードできます。

評価結果全体版PDF 評価結果概要版PDF