評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1) 視覚障害者福祉の中でのセンターの位置を常に把握・意識すること。
2) 提供している訓練が、利用者の生活にどう生かされるのかを常に意識すること。
3) 硬直化しない、柔軟なサービス提供を行うこと。
4) 自立とは何かを常に意識すること。
5) ライフサイクルの中での利用者の位置を意識すること。
職員に求めている人材像や役割
年齢・経験を問わず、自分の周囲を常に見ることができること。
相手の立場を理解しようとし、サービス提供者として傲慢にならないこと。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
一人一人のサービス提供が、利用者の人生に大きな影響を及ぼすことを十分理解し、単なる知識や技術の提供者ではないことを意識すること。
全体の評価講評
特によいと思う点
「東京視覚障害者生活支援センター(TILS)」は、機能訓練と就労移行支援を展開する多機能型事業所であり、視覚に障害を抱える人たちが、社会で自立した生活を送るために必要な各種技能を獲得できるよう、専門性が高い職員による支援が展開されている。特に、近年はパソコン、タブレット、スマートフォン等の操作スキル獲得やリモート対応等への要望が高く、職員は常に研鑽を重ね、最新機器やソフト開拓、教材の作成、指導力向上に取り組み、個々の利用者に応じた的確なプログラムの提供につなげている。
生活スタイルや働き方に大きな変化が生じたコロナ禍において、センターが提供する訓練内容についても、リモートワーク需要の高まりに伴って、新たに就労支援事業の利用者・職員間で、クラウドサービスによるコミュニケーションツールを活用している。個別支援計画の見直しや利用者支援に関わる所内の業務においても、同様のツールによる情報共有が進んでおり、現状では、従来の紙媒体からデジタルでの管理に移行段階であるが、これらが整理されることでより良いサービス提供や、さらなる業務の効率化につながることが期待できる。
機能訓練、就労移行共に個別性を大切にした訓練内容を意識しており、個々のニーズや現状に合わせた支援を提供している。歩行訓練は自宅周辺や最寄り駅周辺など実際の生活圏内で行うことで、積極的な社会参加に繋げていけるよう努めており、パソコン訓練ではタイピングなど基本的なスキル獲得後にインターネットでの買い物やメール管理など訓練終了後の生活を視野に入れたスキル獲得を支援している。就労移行ではリモートでの作業訓練を強化しており、必要に応じて在宅からのリモート訓練に対応するなど個々の希望や状況に応じた支援体制を図っている。
さらなる改善が望まれる点
センターでは、民間移譲以来、財政面を含め建物の建て替えが課題となっていたが、今年度、建て替えに向け「建替・新築委員会」を設置し、次世代を担う主任クラスの職員が中心となり「視覚障害者に優しい施設」をテーマに、新たな建物の基本コンセプトを考えている。検討の過程で視覚障害者への訓練の在り方や向き合い方等、確認することができ、今後、センターのビジョン作成につなげていくとしている。センターの建替え計画と併せ、ビジョン実現に向けた中長期計画の策定、及び職員間での共有が期待される。
見えにくい・見えないことで起こる日常生活の様々な不便さを軽減していくため、また、当事者の「働きたい」をサポートするため、事業所で提供されている訓練は、利用者の状況・要望に応じて個別性の高いものとなっている。そのため、各訓練に使用するマニュアルや教材は、熟練した職員が手作りしたものに改良を加え、利用者一人ひとりにカスタマイズされている。マニュアルの整理を含め、高いスキルのもと行われている支援を次世代にどう引き継いでいくかは事業所としても課題と捉えており、今後の取り組みに期待したい。
センターでは、新型コロナウイルス感染症対策に注力し、基礎疾患等を抱える利用者が多い現状を受け、事業を休止したり、帰宅時間を早める等の対策を取ってきた。また、プログラム提供においても3密を避けるための工夫や消毒の徹底等行っている。これらの経験を下に、感染者が発生した場合の感染症マニュアルを作成しており、今後は複数職員が感染した場合の事業継続を明確にするとしている。また、大規模災害時のBCPについても感染症対策を参考に作成するとしており、センター事業継続のための計画の策定が待たれる。
事業者が特に力を入れている取り組み
日常生活能力の向上や就労社会生活の実現等、事業所を利用する目的が明確な利用者が多く、個別支援計画は多角的なアセメントにより、利用者の要望を踏まえた内容となるよう作成されている。相談員による定期的な面談や、担当職員によるモニタリングで計画の進捗状況を確認し、訓練の終盤では例えば、日常生活のより具体的な場面におけるインターネットの活用法や、活動範囲が広がったことで行きたい場所に応じた歩行訓練を追加するなど、内容を随時、修正・追加して、利用者の自立度を高める支援の提供に努めている
タブレットやスマートフォンの操作についての需要が年々高まってきており、ニーズに合わせて訓練内容を随時拡張している。スマートフォンの操作については地図アプリや体調管理アプリの導入、デイジー図書や音声ファイル再生、バーチャルアシスタントアプリの使い方などのニーズが高く、各種使い方の指導だけでなく、音声読み上げがスムーズな機種の紹介なども行っている。また、ADL訓練で行っている調理では、電子レンジを活用した時短レシピの需要が増えており、時代に合わせた訓練を提供していけるよう職員の研鑽も随時進めている。
スマートフォンやタブレットの操作は日常生活だけでなく業務の上でも使用頻度が高くなってきているため、円滑に活用していけるよう訓練の強化を図っている。併せてテレワークやリモートでの作業の普及が急速に進んでいる現状に合わせて各種アプリケーション使用に関する訓練の充実も図っており、パソコンの設定も請け負いながら時代や情勢に合わせたスキル獲得に向けた取り組みを行っている。また、希望に応じて遠隔操作を活用しながら在宅でのリモート訓練にも対応しており、今後ニーズに応じて支援を広げていけるよう検討を重ねている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:登録利用者全員
- 調査方法:アンケート方式
個別聞き取り調査及びアンケート調査 - 有効回答者数/利用者総数:45/95(回答率
47.4%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合自立訓練(機能訓練) 55人 55人 27人 49.1% 就労移行支援 40人 40人 18人 45.0%
登録利用者総数95名中、45名から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「職員の接遇は適切ですか」「困った時の支援は受けていますか」「個人の気持ちは尊重されていますか」などがあげられる。総合的な満足度では、35名が「よい」「ややよい」の回答となっている。いつも親身になって相談にのって頂けて心強いです、パソコンだけでなく歩行練習や調理など私に合わせて訓練の内容を考えてくれます、設備を提供してもらっている事も勿論ですが精神面においてバックアップして下さっている安心感があります、PCの勉強や就職活動を良くして頂いています、細かいところまで気が付いて指導してくださるので素晴らしいと思います、自信ができ前向きになれたことに本当に感謝いたしています、などのコメントがあがっている。意見や要望としては、対応に時間がかかることがあるので職員の数を増やしたほうが良いと思う、書類確認や訓練の追加を要望してもなかなか進展がありません、サークル活動がコロナで中止になっていますが可能なところは再開して頂きたいです、これからの時代にあった授業も組み込んで頂けるともっと良いかと思います、などがあがっている。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
42名が困った時は、支援を受けていると回答している。親切丁寧に教えてくれます、何かと皆に目配りや気配りしてくれます、誰に対しても優しい心をみんなが持っています、困りごとの相談に即対応いただきいつも感謝しています、適切な助言を頂いています、何度言っても対応して頂けない事もある、などのコメントがあがっている。
2.事業所の設備は安心して使えるか
39名が事業所の設備は安心して使用できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。古いパソコンのためきちんと作動されないので新しいパソコンにしてほしいです、職員の方がしっかり清掃してくださっていますが利用者がどう使っているか不明です、パソコン以外の設備は申し分ないです、などのコメントがあがっている。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
利用者同士の関りや交流については、26名が楽しいと回答している。コロナの影響もあり思うように交流できない、コロナ禍のため無意識に自ら距離をとっているかもしれません、コロナ対策とのバランスで制限がかかるのはやむをえませんがそれでも交流機会を作れるよう努力していただいています、障害の克服方法についての情報交換など楽しく有意義に交流しております、などのコメントがあがっている。
5.【自立訓練(機能訓練)】
事業所での活動が生活する力の向上に役立っているか
事業所へ通うことで自身の生活力向上につながっていると回答したのは26名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。日ごとの先生方の教えが力をつけてくれます、iPhoneとパソコンが使えるようになったことは大きい成果です、歩行が助かっています、などのコメントがあがっている。
11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
事業所での活動が就労に向けた能力の向上に役立っていると回答したのは16名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。本来訓練項目にないEXCEL VBAを学習や訓練する機会を頂き仕事の幅が広がりました、先生方には大変感謝しております、との回答があった。
12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
事業所以外での実習体験については、1名が充実していると回答している。今後の状況しだいであるかと思われる、歩行練習はとてもためになりました、現在PCスキル向上をメインに訓練しており就職活動が本格化していません、職場見学・職場実習等の体験をしたことがないのでわかりません、実際ここで行っている訓練が会社で行う作業に結び付かないのが残念です、などのコメントがあがっている。
13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
工賃の支払いの仕組みについての説明は、10名がわかりやすい説明であったと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。工賃のある施設ではないため、工賃等の支払いの場面がないのでわかりません、との回答があった。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
41名が事業所内は清潔が保たれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。毎日こまめな殺菌や消毒作業と全ての水道に液体ソープの設置や随所にアルコールの設置など安心して訓練させていただいております、きちんと整理整頓されゴミ箱の中身等も定期的に回収いただき清潔です、毎日清掃の方が入って清潔にして頂いています、トイレの石鹸に黒くカビが発生していた、などのコメントがあがっている。
19.職員の接遇・態度は適切か
職員の接遇や態度に関しては、43名が適切であると回答している。適切である上に訓練生とのコミュニケーションについて大変気遣っていただいているのを感じます、丁寧な物言いにいつも癒されています、非があっても認めず謝罪もしてこない、挨拶もよそ見しながら片手間に言ってくる、などのコメントがあがっている。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
緊急時の対応に関しては、33名が信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。看護師が一人いるので相談できます、看護師や公認心理師の資格を持つ職員の方もいらっしゃるので大変信頼できます、火傷をした時すぐに対応してくださいました、これまでに体調を悪くしたことがないのでわかりません、などのコメントがあがっている。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
利用者同士のトラブルについての対応は、24名が信頼できると回答している。適切に対応頂いていると感じております、そういった場面に出会ったことがないのでわかりません、経験はありませんが間に入って対応いただけるような環境ではないようにも感じる、などのコメントがあがっている。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
42名が個人の気持ちは尊重されていると回答している。相談すると丁寧に話を聞いてくださいます、対応は非常に気持ちよい、対応にはいつも頭が下がります、訓練生の気持ちを常に最優先して下さいます、希望している事への対応に時間がかかる、などのコメントがあがっている。
23.利用者のプライバシーは守られているか
40名がプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。情報管理は徹底されていると思います、職員の応対からは守っていると思います、私は滅多に自分の物は見せないし大事なものは持ってこないようにしています、との回答があった。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
個別支援計画作成にあたっては、41名が個人の状況や要望を聞かれていると回答している。就労を目的としていて具体的な相談に向けて動いています、複数の選択肢をご提示いただきながら納得のいく計画が組めるように対応してくれます、などのコメントがあがっている。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
サービス内容や計画に関する説明は、38名がわかりやすいと回答している。積極的に話を聞かないと詳しい内容が聞けないと思います、内容に加えて書面の記載事項も詳細に音読してくれて相互理解を図って下さいます、などのコメントがあがっている。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
不満や要望へは、37名が対応されていると回答している。がっている。いつも素晴らしい対応で感謝しておりますし勉強になります、直接相談したことはありませんが関係性は保てていると感じています、特に不満はありません、訓練内容の追加やリクエストなど柔軟かつ迅速に対応いただいております、などのコメントがあがっている。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
外部苦情窓口については、33名が相談できることを伝えられていると回答している。聞いたことはあるが相談したことはありません、障害補助用具の購入の際は相談に乗って頂きました、などがあがっている。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者からの要望が多いパソコン訓練の充実を図る等、意向をプログラムに反映している
福祉サービス第三者評価を毎年、受審しており、その際の利用者調査において利用者の意向等把握するとともに、個別支援計画のモニタリング時や相談等に応じる中で把握している。利用者からはパソコンの訓練時間を増やして欲しい、実習室のパソコンが古い等の意見があるが、利用者には訓練室のパソコンは新しいものにしており、限られた予算の中で毎年、新しいパソコンに入れ替えていることを伝えている。また、近年はパソコンやスマホのプログラムを希望する人がほぼ100%の状態であり、マニュアルの統一や集団での指導体制を整えている。
後の事業継承に向け人材育成を図る必要性を認識し、個別面談の実施を考えている
利用者定員40名に対し、95名の登録があり、常勤職員13名、非常勤職員2名、計15名の職員体制で支援を行っている。機能訓練は現状5,2名、就労移行支援は現状5,8名の職員配置としており、個々の職員の意向は、それぞれの課長が各課配属の職員の意向を聞き、取りまとめて施設長に報告している。近年、職員の退職もなく、個々の職員のスキルも高い安定した組織であるため職員の主体性を尊重しているが、施設長は今後の事業継承に向け、人材育成を図る必要性を認識しており、個別面談の実施を考えている。
建替計画に合せセンターのコンセプトを検討しており、中長期計画の策定が期待される
民営化されて以降、センターでは建物の建替計画に翻弄されており、中長期計画の策定に影響を及ぼしている。建替えに関しては東京都と検討を重ねており、ようやく一時移転先の建物の目途が立ったが福祉施設としての使用が可能かなど調査が必要となっており、さらに時間がかかると予測している。一方で、現在の場所での建替えは決定しており、建築家と業務委託契約を結び、一時移転先の改築に向けた調査、及び新たな建物の建設に向けた検討を進めており、次のリーダーを担う職員が中心となりコンセプトづくりを行っている。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
年金基準の変更等通知文は速やかに情報共有ツールにアップし、職員に周知を図っている
各種規程類を整備し、データおよび紙ベースで管理しており、職員はいつでも確認ができる。また、新年度や年末末の会議等でセンターの方針等を説明する際、パワーハラスメント相談窓口の設置、虐待防止委員会の設置など制度改正の概要やコンプライアンス等の説明を行い、担当者を定めている。また、年金の基準の変更等、都の通知文は速やかに情報共有ツールにアップし、職員に周知を図っている。苦情解決制度については入所時に利用者に説明するとともに、面接時等にその都度、活用方法等を伝えている。
「虐待防止セルフチェック」の定期的実施と、振り返りによる確認が必要だと考えている
虐待防止研修の受講、及び虐待防止委員会の設置等、法令に従い実施するとともに、社会福祉法人の不祥事や虐待事例など、具体例を出しながら職員に説明し、注意喚起を促している。マンツーマンで行う支援も多いことから、今後は「虐待防止セルフチェック」の定期的実施と、振り返りによる確認が必要だと考えている。また、廊下等での利用者との会話時などに個人情報に関わることを話してないか、親しみと慣れに注意をすること等、施設長がその都度、発信している。
視覚障害者への支援という観点から独自の公益活動を考えていく必要があると考えている
視覚障害者に特化した相談支援事業所を行っており、地域の相談支援事業所の連絡会やロービジョンケアネットワークに参加して地域における視覚障害者への支援の状況等を確認するとともに、区内社会福祉法人や就労支援事業所関係の連絡会等に参加して、他事業所と情報交換を行っている。しかし、地域の課題に対し、他法人と連携して取り組む環境は整備されていないことから、センターでは、視覚障害者への支援という観点から独自の公益活動を考えていく必要があると考えている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症対策を優先し、帰宅時間等早めている
公共交通機関を利用して遠方から通所している利用者が多い現状において、昨年度の緊急事態宣言下の4月、5月は事業所を閉鎖し、基礎疾患をもつ利用者が新型コロナウイルス感染症に罹患しないよう配慮した。今年度に入ってもプログラムの終了時間を早めることで、利用者、職員共にラッシュに巻き込まれないようにする等の対応を取っている。また、警備員が常時、施設内の消毒を行い、16時以降は全職員による一斉消毒の実施、キーボード含め使用した機器はその都度消毒するなどの対応をとっている。
災害時対応のBCPの作成及び訓練を通して、職員間で役割等確認することが求められる
新型コロナウイルス感染症対策を優先しており、感染症対策マニュアル等の作成は行ったが、複数の職員が感染した場合の対応等はペンデングとなっている。また、大規模災害等に対応するBCPの作成は、引き続き課題となっている。センターは建替えを控えているが、一時移転先への移転時期等は明確になっていないため、現在地でのBCPの策定が望まれるところである。利用者の入れ替りが早く、また毎日の通所ではないといった現状から利用者の状況確認等への対応等、職員の役割を明確にすることが必要と思われる。
クラウドのコミュニケーションツールが有効に機能し情報共有の迅速化が図られている
新型コロナウイルス対策のため、昨年度からクラウドのコミュニケーションツールを導入しており、情報共有の迅速化が図られると同時に、セキュリティ面でも以前より強化が図られた。また、個々の職員にIDとパスワードが設定され、階層別のアクセス権限に加え、機能訓練、就労移行支援それぞれにアクセス権限が設定されている。個人情報の取扱いは、個人情報保護規程に沿って実施しているが、今後は利用に関する同意書の整備や開示請求への対応の利用者への説明、文書管理規程に沿った書類の整理等を進めていくことが期待される。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
今年度は事務職員を採用しており、支援員の事務業務軽減が図られた
職員数を増やして欲しいとの意見は以前から挙がっており、今年度は機能訓練に新規職員を採用する予定であったが、事務職員を採用し、支援員の事務業務軽減を図っている。機能訓練、就労移行支援ともに人材確保を望んでおり、特に最新のITスキルを持つ人材を採用したいと考えている。採用にあたっては、視覚障害者への支援を行っている関係機関からの紹介に加え、ハローワーク等も活用し、幅広く募集を行っており、必ずしも社会福祉等専攻していなくても福祉的な素養がある人を重視し、人物重視で選ぶとしている。
建替・新築委員会を設置し、次世代のリーダーが建物のコンセプト等検討している
センター内に「建替・新築委員会」を設置して、センター建替えに向けた検討を行っており、一時移転先のレイアウト等を考えるチームと新たなセンターの建物のコンセプトを考えるチームを編成し、「視覚障害者に優しい施設とは」をテーマに話し合いを重ねている。委員会のリーダーは主任クラスの職員が担い、コンセプトを考える過程で中長期のビジョン構築につなげていく予定である。施設長は職員自身が主体的にセンターの将来像を考えることが育成につながるとし、予算を含め、センターの収益構造等説明しながら進めている。
個別の育成計画は作成していないが新規採用者には1年半かけてOJTを行っている
職員がベテランで安定しており、社会福祉士、公認心理士、看護師、あんま・鍼灸師、歩行訓練士、視能訓練士、社会保険労務士等の資格を有している職員が多いため、キャリアパス制度や目標管理制度、人事考課制度等の仕組みは導入していない。虐待防止研修やサービス管理責任者更新研修等の悉皆研修は計画的に受講しているが、研修受講は基本的に本人の主体性に任せており、個別の育成計画は作成していない。一方、新規採用者には1年半かけてOJTを行っており、現場で実地を重ねながら視覚障害者への支援スキルを身に着けている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
「職員の増員を図ること」を目標に設定した。
当初は、機能訓練課職員の増員、次には就労移行支援の職員の増員を考えたが、適当な職員候補者いなかった。そこで、両課職員の業務以外の負担の軽減をはかるため、事務職も含めた職員採用を考えた。8月より、主として事務を行う職員を採用できた。まだ、業務への慣れはないとしても、従来からの職員の負担は確実に軽減している考えられる。その結果、担当業務への専念が可能となっている。専門性の高い職員の採用は、さらに緊急性を帯びているので、新年度における採用を考えている。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
利用者に対するサービスは、民間移譲前よりさまざまな工夫をして、その充実を図ってきた。現在の利用率の高さは、その結果が出ていると考えているが、そのために職員の負担は非常に厳しいものとなってきている。さまざまなサービスを提供しようとすれば、それだけ人出もかかる。また、直接、サービス提供に関わらなくても、センターのさまざまな業務を職員が分担して行わざるを得ない現状では、できる限り、担当業務以外の業務を減らすことも、結果としてサービス提供の質の向上につながると考え、まずは機能訓練、次に就労移行支援の職員を採用することとしたが、採用基準に至らない等の現状があった。そこで募集を事務職員に広げたところ、職員採用につながった。このことにより、今まで支援員が担っていた事務作業等を事務職員が対応できるようになり、支援員の業務負担軽減につながった。今年度も引き続き、機能訓練、就労移行支援において、専門性の高い人材の募集を行っている。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
「事業継続計画の改訂ならびに策定」を目標に設定した。
新型コロナウィルス感染拡大に対し、当初は事業を休止することを考え、緊急事態宣言下は、2か月の休止を実施したが、事業運営上は非常に痛手となった。そこで、再開するにあたり、本来業務である訓練提供のみを残し、サークルやボランティアによる対面朗読等、センター外の団体への部屋の貸出等は当面行わないことで、再開にこぎつけた。本来業務の明確化や、訓練提供時間の短縮をしても、訓練を提供するという考えは、再開以後今まで継続している。職員や利用者が実際に感染した場合の対応についても、当然議論を行い、ある程度の成案を見ている。ただ、職員が複数感染した場合の対応については、現段階では議論できていないので、今後早急に検討が必要である。また、感染拡大以外の状況ににも対応できるBCPの充実を図りたいと考えている。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
従前より、事業継続計画(以下 BCP)の策定は最重要課題であったが、なかなか手をつけられなかった。しかし、新型コロナウィルス感染拡大への対応として、センターの継続を考えざるを得ず、また、それらを基に他の災害についても利用できるBCPの策定が可能ではないかという組織内での気運が高まった。新型コロナウイルス感染症対策については、遠方から公共交通機関を利用して通所している利用者が多く、また、糖尿病等の基礎疾患がある利用者も多いため、感染予防を主眼に置き、緊急事態宣言下の2か月間は事業をストップした。その間、職員はコロナ対策を講じた上でのプログラムの検討等進めている。事業再開後は、プログラム実施時の利用者数の制限等を行い3密を避けるとともに、消毒、換気の定期的な実施、プログラム終了時間の切り上げにより、ラッシュを避ける等の対策を取った。これらの対応策を感染予防マニュアルとしてまとめている。今後は、これらの経験を活かし、災害時対応のBCP作成につなげていくことを確認している。
サービス分析結果
【講評】
検討委員会を立ち上げてホームページのリニューアルに向けた準備を進めている
機能訓練、就労移行支援の各事業案内が掲載されているホームページでは、事業所の特色、訓練内容の他、訓練を終了することで生活の幅が広がったケース等についても、利用者の声を交えつつ具体的に伝えている。しかしながらここ最近、ホームページの更新が滞り気味であり、また、対面での情報提供に制限のあるコロナ禍においては、広報活動強化のためホームページの有効活用を図りたいと考えており、今年度、事業所内にリニューアル検討委員会を立ち上げて準備を進めている。
地域とのつながりの中で、定期的に事業所の活動を広報する機会を確保している
事業所の情報はホームページの他、パンフレットや各自治体が発行する障害者の手引き等にも掲載されている。事業所への理解を深め、利用者獲得に繋がる活動でもある行政担当者を対象とした「見学会」は、今年度もコロナ禍のため実施を見送っているが、関りを継続している「ロービジョンケアネットワーク」では、今年度、区内のイベントで動画による参加施設の紹介を行っており、事業所では、視覚障害者の手引き歩行の方法等についての動画を作成している。
「体験会」は利用の有無に関わらず、当事者の希望に沿った内容で実施されている
長引くコロナ禍においても当事者の訓練に対する要望は強く、事業所としては、「訓練を受ける」場の提供を最優先に運営を行っている。利用希望者への対応は随時、行っており、生活訓練に馴染みのない視覚障害者を対象に、歩行・点字・パソコン・日常生活動作・情報機器・ロービジョン等の日常生活訓練を体験する機会を設けている。「体験会」では利用の有無に関わらず、通常の訓練と同様の50分1コマで、希望に応じた内容を体験することができる。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
事業所を利用するためのルールは理解しやすいよう方法を工夫して説明している
施設を利用するにあたっては、利用申請書や調査書、健康診断書等、必要書類への記入を依頼している。就労移行支援部門では、これら書面での記入に加え、当事者自らがWebページに入力する方法をの導入を検討しており、次年度以降の稼働に向け準備を進めている。利用初日には契約書及び重要事項説明書により、支援内容、守秘義務や苦情窓口等について説明を行っており、音声版の用意の他、、利用者アンケートには、丁寧な読み合わせで理解が図られているとの声も寄せられている。
初期アセスメントでは各訓練担当者が詳細な聞き取りを実施し計画策定につなげている
利用初日は経路の確認、利用者の歩行状態の評価のため、自宅から職員も同行して安全確保に努めている。施設内についての説明をオリエンテーションにて行った後、パソコンや点字等、各訓練担当者による「初期アセスメント」では、評価項目に沿った十分な聞き取りにより、訓練の先行きを見通せるよう個別支援計画の策定に向けた準備を開始している。利用時間等はできる限り利用者の希望を尊重することに加え、心理資格を有する相談員が定期的な面談を実施して、利用者の不安軽減に配慮している。
施設を卒業した後も利用者個々の状況に応じて必要な支援を提供している
施設の平均在籍期間は昨年度実績で15カ月程度で、終了理由としては、現職復帰を含む就職、家庭復帰の他、多機能型事業所の強みを活かした就労移行支援への移行等となっている。機能訓練では、パソコンの不具合やOS変更等のフォローアップには随時対応しており、就労移行支援では、電話やメール、訪問による支援の他、就労者の増加に伴って就労後支援の依頼が増えている状況を鑑み、新たに定期的なアンケートの実施による支援も行っている。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
機能訓練では収集した様々な情報を個別ファイルに綴じ、計画作成に活かしている
機能訓練では、利用開始時に提出する「調査書」、職歴や家族構成、活用中の社会資源等、相談員が面接で聞き取った内容等、利用者に関する情報は個人ファイルに綴じられている。健康面や障害の状況については、医療機関からの「意見書」や「視力・視野検査票」をもとに確認しており、心理資格を保有している相談員が心理アセスメントを実施するケースもある。利用開始後1カ月程度を目途に「初期アセスメント」を実施して、看護師を含めた多職種による検討により個別支援計画を立案している。
就労移行支援ではPCのファイルにアセメント等、利用者に関する情報が収められている
就労移行支援部門では、訓練の一環としてアセスメントを利用者自身がパソコンで入力する方法をとっており、再就職等、目標達成に向けた具体的な支援内容が記載された個別支援計画は、3カ月ごとにモニタリングを実施している。利用者ごとのファイルにはパソコン操作訓練等、訓練内容の他、利用者が入力した履歴書をはじめとする就労に必要な各種書式も収められている。また、日々の訓練内容についてもメールで支援担当職員に報告する仕組みになっている。
検討方法を工夫したことで個別支援計画について十分な議論がなされるようになった
今年度、クラウドサービスによるコミュニケーションツールを導入したことで、あらゆる場面において業務の効率化が図られている。個別支援計画作成に関しては、該当ケースの課題や検討したい内容を事前に提示して省力化を図り、結果として、計画の変更や目標設定についての議論が十分なされることにつながっている。また、利用者の出欠席管理や職員全体で行っていた朝礼についても、ツールを活用した方法に変更しており、タイムリーに情報の共有が行われるようになっている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
定期的な面談を通して目標を確認し、適宜カリキュラムの変更を行っている
個々の利用目的や目標に合わせて作成された個別支援計画をもとに、機能訓練、就労移行それぞれで必要な訓練を選択してもらい、カリキュラムを組んでいる。機能訓練の利用者の多くが日常生活を取り戻していくことを目標にしており、訓練前半は歩行やパソコン、ADL訓練を選択する利用者が多くなっている。訓練後半になると目標が具体的になってくるため、参加を検討しているコミュニティへの行き方やインターネットでの買い物の方法など利用終了後の生活を見据えた訓練を追加する場合が多く、定期的な面談を通して随時目標の確認を行っている。
視覚障害程度や重複障害の有無に応じてコミュニケーション方法の工夫を行っている
視覚障害の程度によって見え方や配慮すべきことが違ってくるため、音声録音機や拡大鏡、遮光カーテンの使用など様々なツールを活用してコミュニケーションを図っている。年齢も10代から90代と幅広く、聴覚障害や知的障害を併せ持つ利用者もいるため、個々の状況に合わせた支援を心掛けており、弱視の方の場合は障害物の有無の声掛けを行う、全盲の方の場合は座席まで誘導を行う、知的障害を持つ人には出来るだけ本人のルーティンに沿って訓練を進めるといった配慮を行うことで訓練中にかかるストレスを軽減していけるよう努めている。
訓練終了後の生活を見据えて個々の住む地域の情報を提供している
訓練終了後の生活を見据えて、利用者それぞれが住んでいる地域資源や各種サービスについての情報を提供している。要望としては身体を動かす機会を作っていけるようダンスサークルや障害者スポーツセンターについての情報提供が多く、近年ではランニングをサポートしてくれるボランティア紹介の需要が増えている。また、パソコン資格についての情報や職場体験、企業面接会、求人情報についてなど就労に関わる情報についても必要に応じて提供しており、余暇の充実や社会復帰など個々が希望する生活の実現に向けたサポートを行っている。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
利用者個々のニーズに合わせて歩行、パソコン等多様な訓練を組み合わせている
機能訓練では、歩行、点字、パソコン、ADL、ロービジョン、情報収集といった訓練を個々のニーズに合わせて提供している。パソコン訓練ではタイピングや文字変換、入力、削除など基本的なスキルについては共通項目として行い、その後希望に応じてメール管理やバックアップ方法などより高度な訓練に移行している。就労継続では事務職への就労を視野に、実践的なパソコンスキルの習得を行うと共に、面接時や企業内の移動時にスムーズに動けるよう歩行訓練を行うなど、実務的なスキルだけでなく就労を支える身体の使い方についても支援を行っている。
最新機種の使用やアプリケーションの使用法など時代に合わせた訓練内容を心掛けている
訓練で使用している各種機器は出来るだけ最新のものを使用するよう心掛けており、パソコンは実生活や就労を想定して機能訓練ではノートパソコンを、就労継続ではデスクトップを主に使用している他、教材の改定も頻繁に行っている。訓練内容もタブレットやスパートフォンの使い方の需要が高く、私生活だけでなく就労先でも使用する頻度が高くなってきているため、円滑に操作できるよう訓練を強化している。また、体調管理用のアプリやバーチャルアシスタントアプリの使い方なども需要が高く、時代に合わせて柔軟に訓練内容を変更している。
利用者が安心して訓練を継続していけるよう感染予防対策を強化している
利用者が安心して訓練を継続していけるよう感染症対策の強化を図っている。日々の清掃は業者に委託して行われており、加えて毎日訓練終了後に全職員で館内の消毒を行っている。訓練で使用した机やキーボードは都度消毒を行っており、利用者には手指消毒ようのスプレーボトルを配布し、無償でアルコールの補充も行うなど意識を高めていけるよう努めている。また、コロナについてのアナウンスを入所時にしており、発熱や陽性反応が出た時の対応などを説明すると共に、やむを得ず欠席する場合でも都度日程調整を行う旨を伝えることで安心感に繋げている。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
看護師による健康相談を随時行い、利用者一人ひとりの体調管理に努めている
看護師による健康相談を随時行っており、健康診断の結果をもとに栄養面や運動面へのアドバイスを行っている他、花粉症や服薬内容についても必要に応じて相談に応じている。障害特性や精神疾患により訓練を休みがちになってしまっている利用者には看護師から連絡を入れ、精神的なケアも含めてサポートを行っている。また、個別支援計画の中には看護師の記入欄を設けており、3ヶ月に一度体調の変化を確認している他、「こころとからだの質問票」を用いて睡眠状況や食欲、気分の浮き沈みなどについて現状の把握を行うなど健康管理体制を整えている。
全利用者を対象に毎月面談を行っており、精神的なストレス緩和に繋げている
全ての利用者を対象に毎月面談を実施しており、目標や訓練状況の確認だけでなく、抱えている不安やストレスについても相談に乗ることで安心して訓練に意識を向けていけるようサポートしている。訓練を開始して間もない頃は自身の疾病や障害を受け入れきれず、精神的な負担を抱えている場合も多いため、頻回に面談を実施しながらストレスケアを進めていき、訓練を通して個々が望む生活を取り戻していけるよう支援している。また、発達障害や高次脳機能障害がある場合には、自己認知を進めていくための専門的なアプローチも実施している。
看護師も訓練に従事しており、日常的に利用者の健康状況を把握している
看護師もADL訓練や点字、パソコン訓練に従事しており、利用者と日常的に関わり合いを持ちながら健康状況の把握を行い、必要に応じて個別相談へ繋げていけるよう努めている。利用者の中には体調不良を押してでも訓練を受けたいと希望する人もおり、顔色が悪い、集中力がないといったいつもと様子が違う場合には声掛けを行い、訓練日を調節できる旨を伝えた上で早退や静養等の対応を行っている。また事業所には医務室兼静養室が用意されており、体調不良時には横になって休むことができ、切り傷や軽い火傷など簡単な処置であれば受けることが出来る。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
ADL訓練では家庭環境の把握を行い、現状に則した支援となるよう心掛けている
利用開始時には自宅から事業所、或いは最寄り駅から事業所までの通所ルートを安全に歩行出来ているか職員が後方から見守りながら評価を行っており、その後の歩行訓練の内容に反映させている。ADL訓練では必要に応じて家庭訪問を行い、家庭環境を確認した上で訓練内容を決めていけるようにしている。現在はコロナ禍ということもあり家庭訪問の機会は少なくなっているが、家庭内の状況については聞き取りや画像等で確認を行っており、現在使用している家電の取り扱い説明書などを持参してもらうなど現状に則した訓練を提供していけるよう努めている。
家族と本人との適切な関係性をサポートしていけるよう働きかけている
事業所での訓練は基本的に本人主体となっているため、家族と直接連絡を取り合うことは多くないが、知的障害や高次脳機能障害を持っている場合には家族や関係機関も含めて支援内容や今後の生活について話し合う機会を設けている。また本人から家族に対して今後の生活や就労についての話を家族にして欲しい、家族の同意を得るサポートをして欲しいといった要望を受けることもあり、その際は担当職員を中心に面談の機会を設け、現在行っている訓練内容や今後の展開について説明を行い、家族と本人との関係性構築をサポートしていけるよう努めている。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
利用者それぞれの居住区の地域情報を収集し、個別に提供している
定期的な面接の中で、利用者一人ひとりが必要としている情報を聞き取り、図書館やスポーツセンターなどの公共施設の情報や余暇に関することまで個々が居住している地域の情報を担当ワーカーが中心となって収集し提供している。また、ホームページ上でも観劇や映画などで介助者も含めた割引が適用されるものを紹介しているほか、音声読み上げソフトに対応した生活情報のリンク(関係団体や就職、復職に関する情報等)など多様な情報が項目ごと50音順に掲載されており、利用者自身で必要な情報を入手することができるようになっている。
訓練や面接を通して自信を取り戻し、積極的な社会参加に繋げていけるよう努めている
視覚障害になったことでそれまで出来ていたことが困難となり、自信の損失や外出への恐怖心を抱いてしまう利用者も少なくなく、定期的な面接を通して心理的なケアを行いながら、意欲を持って訓練を受けていけるよう働きかけている。歩行訓練では歩行スキル体得に加え、自宅や最寄り駅周辺などそれぞれの生活圏内で行うことですぐに効果を実感できるよう努めている。また、パソコン訓練やADL訓練を通して出来ないと思っていたことが再び出来るようになり、自信を取り戻すことで積極的な社会参加に繋げていけるよう働きかけている。
7.【自立訓練(機能訓練)】利用者が自立した生活を地域で送ることができるよう、機能訓練や生活についての相談等の支援を行っている
- 利用者が訓練する意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に目標とする力を身につけることができるよう工夫している
- 自立した生活に向けて、利用者一人ひとりに応じた機能訓練や日常生活訓練等を行っている
- サービス終了後の生活環境(住居及び就労先等)を想定し、支援を行っている
- 地域で安定して生活することができるよう、サービス終了後も相談等の支援や関係機関との調整を行っている
【講評】
需要の高いパソコン訓練は個々のレベルやペースに応じて個別に訓練を実施している
訓練の中で最も需要が高い訓練はパソコン訓練となっており、ほぼ全ての利用者が訓練を希望している。パソコン訓練はペースやレベル、進歩状況が利用者個々で異なるため、集団プログロムが難しくどうしても一日一コマの訓練のみとなっているが、訓練は概ね1対2での対応を行っており、個々の状況に合わせて手厚い支援を受けることが出来るため、確実にスキルを身に着けていくことが出来る。また、使用している教材は全て音声によるガイドが付いており、スピード、音量、声質を調整することができ、個々のレベルに合わせた訓練の提供に活かされている。
個々のニーズに合わせて調理や洗濯など生活スキル体得に向けた訓練を実施している
機能訓練の利用目的の多くが家庭復帰や障害を持ったことで出来なくなってしまった日常を取り戻していきたいといったものとなっており、個々のニーズに応じて日常生活を支えていくスキル体得に向けた訓練を実施している。ADL訓練では掃除や洗濯、裁縫、調理といった家事全般に関わる訓練を実施しており、最近では安全かつ手軽に出来る電子レンジを活用した調理方法が人気となっている。また、タブレットやスマートフォンの使用方法も需要が高く、機器の説明から具体的な操作方法、利用したいアプリの導入など希望に応じた訓練を実施している。
訓練終了後も充実したフォローを行い、必要に応じて再訓練の提案を行っている
訓練終了後も安心して日常生活を送っていけるよう可能な範囲で相談に応じており、電話やメール、パソコンを使った遠隔操作などを用いて対応している。引っ越しや転職、転勤等で通勤ルートが変わった場合には安全に通勤出来るよう改めて歩行訓練を実施している他、パソコンの不具合等直接機器を調べる必要がある場合には機器を事業所に持ち込んでもらい対応するなど充実したフォロー体制を取っている。また、使用しているパソコンのサポートシステムの終了や新しいアプリケーションの導入等があった場合には必要に応じて再訓練の提案も行っている。
10.【就労移行支援】就労に向けて、必要な知識の習得や能力向上のための訓練等の支援を行っている
- 利用者が働く意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に就労に結びつくことができるよう工夫している
- 生活リズムや社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援を行っている
- 就労に向けた職場見学や実習等、実際に職場にふれる機会をとりいれた支援を行っている
- 就労支援機関と密接な連携をとり、利用者が力を発揮できる就労先に結びつくよう支援を行っている
- 就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行っている
【講評】
マッサージ師としての専門性を高めていけるよう新たなスキル獲得に取り組んでいる
新型コロナウイルスの影響でヘルスキーパーなどマッサージ関連への就労が大幅に減少しており、実習や対外的な研修についても実施を見送っている現状の中ではあるが、施術から離れてしまうことによるスキル減退を防いでいけるよう事業所内での技術交換を行い、就労に向けたスキルの維持向上に努めている。また、新たにアロママッサージ、オイルマッサージ、ハンドマッサージを練習項目に追加しており、プラスアルファのスキルを身に着けることでマッサージ師としての専門性を高め、利用者が希望する就労へ有利に進めていけるよう働きかけている。
関係機関とも連携を図りながら個々の能力を活かした就労に繋げていけるよう努めている
コロナ禍で求人が激減している現状の中でも、ハローワークや民間の人材紹介会社との連携を図りながら、一人でも多くの利用者を就労に結び付けていけるよう努めている。今年度は企業にヘルスキーパー導入のノウハウを提供し、新たな部門の開設に立ち会うことで利用者を就職に繋げることが出来たなど、就職先の開拓だけでなく新たに作っていく働きかけも行っている。また、視覚障害者に出来ることではなく、利用者一人ひとりに出来ることに着目してもらえるよう企業側に働きかけており、個々の能力に応じた企業とのマッチングに努めている。
階段移動や面接時にスムーズに動けるよう必要に応じて歩行訓練の提案を行っている
就職に必要なパソコンスキルや施術スキルの向上だけでなく、階段を安全に利用する、面接時に不自然な動きで先方に不安を与えないようするなどの目的で歩行訓練を実施する利用者が増えてきており、本人も不自然な動きに気づいていない場合には事業所から提案して訓練に繋げている。また、就職後のアフターフォローについては、就労先で使っているソフトやプログラムを現地で確認する必要があるため、就労先に出向いて個別対応を行っている。併せて企業側からの相談にも随時応じており、今後はジョブコーチとの連携も深めていけるよう検討を重ねている。
【講評】
利用開始時、契約書の中で個人情報をやりとりする場面について説明し、同意を得ている
視覚障害に特化したサービスの提供という事業所の性格上、利用者に関する情報を外部とやりとりする場面は、ハローワークや就職希望先、相談支援事業所、緊急時のかかりつけ医療機関等、両事業においてそれほど多くはない。個人情報の取り扱いについては利用契約書の中で、正当な理由なく他の事業者や第三者に漏らさないこと、第三者評価機関による審査や支援費支払事務委託法人等、限られた範囲内でのみ使用することについて説明し、同意を得ている。
支援計画や個別相談等についてはプライバシーが確保できる場所へ移動して対応している
利用者はパソコンや歩行等、個々のカリキュラムに沿って訓練を行っていることもあり、事業所の活動の多くは個別での関りとなっている。コロナ禍においては、ヨガや体操といったプログラムの実施を控えているため、現状では更衣を行う場面も無い。訓練期間中、利用者は同じロッカーを使用して私物管理を行う他、個別支援計画や個別相談等、内容によってはプライバシーが確保できる場所へ移動するなど、感染拡大防止に努めつつ、プライバシーにも配慮した支援を提供している。
個別支援計画は利用者の望む生活が実現できるよう個別性の高い内容となっている
事業所では訓練の内容はもとより、期間や通所日数、午前のみ・午後からといった登所時刻等、利用者一人ひとりの希望に合わせてスケージュールを決めており、個々の意思を尊重したサービスの提供を心がけている。個別支援計画においても、機能訓練部門に在籍しつつ理療資格を活かして再就職を果たしたケースや、趣味をより充実させるためのパソコン訓練、日常生活に必要なスマートフォン操作等、それぞれのライフスタイルに合わせた目標を設定し、利用者の望む生活が実現できるよう支援している。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
機能訓練部門では毎年、事業計画と共にガイドラインの見直しを行っている
機能訓練部門では、歩行や点字、パソコン、ロービジョン、ADL等各訓練において、ガイドラインに沿った指導要領が定められている。例えばADL訓練では、身辺管理や家庭管理、調理について、項目ごとに留意点やポイント、実施回数が記載されており、毎年、事業計画を作成する際にガイドラインの見直しも併せて実施している。実際に使用するテキストや教材は、長く指導に携わっている職員が作成し、更新を繰り返しながら現在のかたちになっている。
就労支援ではPC上の個別ファイルに利用者ごとの支援マニュアルを作成している
就労支援分門においても事業計画の中で、パソコン操作訓練、文書ファイリング等、職場作業能力の向上、マッサージの臨床実習等、各訓練の方針が示されている。就職活動支援や就労後のフォローアップ等、就労移行の支援内容は極めて個別性の高い内容となっていることもあり、PC上にある利用者の個別ファイルが実質上の支援マニュアルとなっている。今年度は理療資格保有者について、就労に向けた強みとなるよう新たな手技を施術項目に加えるなど、訓練内容の見直しを行っている。
ほぼ全員が行うPC訓練は需要に応じて訓練内容の更新を随時行っている
両事業において多くの利用者が行っているパソコン訓練では、新しいOSの導入やバージョンアップ、各種アプリケーションのアップデート等に対応すべく、使用する教材の更新をこまめに行っており、コロナ禍においては、リモートワークの需要に対応した訓練カリキュラムの追加、コミュニケーションツールを活用した遠隔サポート訓練も行っている。就労支援においては、歩行能力の向上を必要とするケースが増えていることを踏まえ、今後は希望者だけでなく、ロービジョン者に対しても支援を強化していくことを予定している。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
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【講評】
視覚に障害を抱える人に対し専門的支援を行っており、利用者の満足度も高い
「東京視覚障害者生活支援センター(TILS)」は、見えにくい・見えないことで起こる日常生活上の様々な不便さの軽減を図ることを目的に、視覚に障害を抱える人たちに対し、歩行、点字、パソコン、日常生活動作(主に家事動作)、情報機器、ロービジョン等の訓練とマッサージの臨床実習、就労前と就労後の支援等行っている。プログラムに応じてマンツーマンでの訓練や集団指導体制を取りながら、個々の利用者の支援ニーズに対応しており、利用者の満足度も高く、結果として利用率の高さにつながっている。
センター本来の目的に沿って、利用者の自立を支えるためのプログラム提供をしている
方針の一つに、「視覚障害者福祉の中でのセンターの位置を常に把握・意識すること」を掲げており、センターの目的からブレずに利用者支援を行うことの価値を職員に伝えている。例えば、以前センターでは、サークル活動や行事等を実施していたが、センター本来の目的は、利用者の自立をサポートする各種のスキル獲得に向けた支援であり、常に進化する新たな機器等の情報収集、及び新プログラムの開拓等、限られた資源を本来の目的に集中させている。特に、コロナ禍となってからは、より本来の目的に立ち返るようにしている。
現場の意見を尊重し、ボトムアップでの意思決定を大切にしている
今後のセンターの在り方含め、事業運営に関する重要事項は、施設長、機能訓練、就労移行支援の両課長による3人の「課長会議」で検討している。新たなプログラムの開発や支援体制等は各課で話し合い、その内容を基に課長会議で決定するが、基本的にボトムアップでの意思決定を大切にしており、現場の意見を尊重している。また、現在はクラウドのコミュニケーションツールを活用しており、チャット機能を活用してスピーディーな情報共有が可能となり、全職員による朝会も必要時のみ行うことし、業務の効率化を図っている。