評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
利用者が生活する共同生活援助「みなとや」は、一般住民が居住するコレクティブハウス内にあり、コレクティブハウスの居住者が集う場所として、キッチンと食堂が整備された「コモンスペース」がある。また、「みなとや」が交流室として使用している部屋には、利用者が自分で調理を行う場所がある。調査日は係となった居住者が食事をつくる「ミール」と呼ばれる日であり、コモンスペースのキッチンで居住者が人数分の食事をつくっている。利用者の一人は居住者からパソコンの使い方を教えてもらい、居住者ミーティングの議事録を作成している。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
日中活動先から帰宅した利用者は、部屋で過ごしたり、自分の夕食作りを行うなどそれぞれが自分のペースで生活を送っている。観察日、1名はコモンスペースで居住者とともにパソコンで議事録をつくっており、パソコンの操作に迷うと居住者に質問をしながら、自身の力で仕上げることに取り組んでいた。「ミール」当番の居住者が、「〇〇さんの嫌いなトマトは除いておきますね」との声かけにうなずくも、議事録作成に真剣な表情は崩れず、役割を全うしようという気持ちが読み取れた。また、「みなとや」の交流室では、別の利用者が評価者に食事づくりのことや他の利用者との関係など生活の様子を説明してくれたが、職員に信頼を寄せていることが言葉の端々から感じられた。また、管理者が側にいたことで安心でき、評価者に対しても自身のことをオープンに話すことができたのではないかと推察する。利用者は「みなとや」で一般の居住者とともに生活し、自らの役割を果たしながら肯定感を高めていることが確認できた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
見ていただいた通りの日常生活のひとこまですが、最近とくに居住者の方からのサポートが多く見られます。現在のメンバーが比較的つきあいやすいことと1ヶ月位前に、居住者と世話人との話しあいの場を持ち、お互いに率直に困っていることや、解決した実践例などを共有できたことが大きいと思います。ここでの暮らしを継続させるには、たゆまないコニュニケーションが必須であることを痛感しています。