評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
リビングでは3つのテーブルに分かれた8名の利用者が座っていた。テレビからは童謡のコーラスが流れていて、Aさんは曲に合わせて一緒に歌っていた。曲と曲の合間に「何でみんな歌わないの?学校で習ったでしょ」と何度か繰り返し、次の歌を歌い続けていた。職員がザルに入れた野菜と包丁をのせたまな板を持ってAさんのテーブルに歩み寄り、「歌いながらお野菜を切っていただけます」と声をかけた。Aさんが「何切る」と言うと、職員は「野菜、野菜」と答え、新聞の折り込み広告を持ってきてテーブルに広げ、その上にまな板を置いた。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
職員は「野菜を半分にして、ザクザク」と言いながら、手を包丁に見立て白菜の上で切る幅を示し、「サラダにします」と言った。Aさんが切り出すと「もうちょっと小さく。サラダだから」と言うと、Aさんはトントン、ザクザク、とテンポよく切りはじめた。何度も「何でみんな歌わないの」と言うAさんを見て職員はつまらなそうにしていると感じて野菜切りを依頼したのだろうか。切り始めてから、この独り言が減り、無言でやっている時間もあったことから、Aさんは周りが歌わないことを気にしなくなり、適度に野菜切りに集中できたように見えた。
毎回、切り方を確認し、「はい」という返事が学校の先生に対する返事のような素直さを感じた。
繋がったキュウリを職員がフォローするような言葉があり、Aさんはホッとして笑みがこぼれたのではないだろうか。指示されたわけでもないのにチラシを片付けている様子から、日常的に調理の手伝いを自分の意思でしていることが推測できた。その後の歌声が以前より楽しそうに聞こえ、職員との会話や野菜を切り終えた達成感がAさんの気持ちを高めたのではないだろうか。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
今回の第三者評価を通じて「グループホームつつじ」が目指していることは、着実に具現化されつつあることが確認できております。家族アンケートの結果につきましては、高い満足度をいただいており、安定したサービスを提供できていると思われます。また、例年であれば家族も一緒に過ごしてもらえるような行事をはじめ、運営推進会議などの会合につきましては定期的に開催しておりますが、コロナ禍の中であり、さらに行政指導により中止を余儀なくされているケースもあります。コロナ収束の折には定期的に開催し、家族や地域の方々との連携を更に図っていきたいと考えておます。また、「さらなる改善が望まれる点」につきましては、ホーム一丸となって改善に取り組み、地域や関係機関との連携を図りながらサービスの向上に努めていく所存です。
1.家族への情報提供はあるか |
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2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
はい 80%
どちらともいえない 13%
無回答・非該当 7%
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3.職員の接遇・態度は適切か |
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4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
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5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 53%
どちらともいえない 13%
いいえ 7%
無回答・非該当 27%
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6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
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7.利用者のプライバシーは守られているか |
はい 87%
どちらともいえない 7%
無回答・非該当 7%
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8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
はい 73%
どちらともいえない 13%
無回答・非該当 13%
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9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
はい 73%
どちらともいえない 20%
無回答・非該当 7%
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10.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 67%
どちらともいえない 7%
いいえ 7%
無回答・非該当 20%
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11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 53%
どちらともいえない 27%
いいえ 7%
無回答・非該当 13%
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