評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

新宿区

【事業所名称】

新宿区立障害者福祉センター

【サービス種別】

多機能型事業所

生活介護
就労継続支援B型

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1) 当事者主体のサービス提供
2) 地域社会での自立支援
3) 社会(地域)貢献

職員に求めている人材像や役割

法人全体で統一した職員研修カリキュラム(新人研修)に力を入れ、法人の未来を担う人材を育成している。
研修を通して学び、業務を通して利用者を知り、サービスを通して形とする。
福祉に対する姿勢や支援力の向上を通して、利用者の自立と地域での生活を支える力となる。
また、個性やタラントを活かし、新たなサービスを開拓して地域に貢献する。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

基本倫理 、障害理解、理念の理解
公人としての職責理解、組織と職務、チームワークの理解
利用者理解、支援力や介助力に関する知識とスキル

全体の評価講評

特によいと思う点

利用者アンケートを実施し、結果を運営に反映させている。週1回、利用者代表が参加するふれあいの会を開催し、作業の進め方、レクリエーションの内容、介助者の接し方などについて、利用者の意見を聞いている。利用者の要望が高かったボッチャの実施にあたっては、利用者自身が話し合って、競技に使う自助具を考案し、製作した。イベントの参加や日中活動などについて、利用者の意見を聞き、活躍できる場を設けている。影響の大きいルール変更については、利用者全員で話し合い、利用者の意向に配慮しながら、策定や見直しを行なっている。

1か月に1回、体重を測定するほか、健康診断の結果を把握し、センター医務室の看護師と協力して生活習慣病の予防に取り組んでいる。健康を維持するための方法を利用者自身が調べたり、塩分やカロリーの制限、野菜の摂取などについて支援員・看護師が助言するなどして、体によい食事のとり方や生活スタイルを身に着けられるよう支援している。理学療法士、作業療法士が常駐しており、介助の方法や訓練プログラムに関する助言を得ることができる。嘱託医が週2回来所して利用者の体調を確認し、希望があれば、本人・家族からの医療相談にも応じている。

多機能型事業所(あすなろ作業所・トライ工房)の全職員で毎週ミーティングを開催している。利用者主体の事業運営を意識して、次の週のプログラムをどのようにするかを提案し、お互いの情報を共有化して助けあい、利用者側に立ったサービスの提供に取り組んで、いかに利用者が安全に楽しく過ごしてもらえるかを第一に考えて運営している。また、作業所の棚などを整理して作業スペースを広く使えるようにし、車椅子の出入りをしやすくした結果、利用者の作業している動きが見通せるようになり、事故防止などに効果が出てきている。

さらなる改善が望まれる点

非常勤職員を含めて年2回の個人面談を実施し、個々の意見・意向・要望などを把握して事業所の目指すところを考慮して人事考課を実施して、経営会議で成果などを確認・検討して賞与・昇給・昇格などの処遇に反映させている。また、職員の就業状況をチェックリストや個人面談を通して課題を抽出して年1回のストレスチェックを実施している。多機能型事業所としての運営体制や業務分担等の見直し、さらに長期的な視点での職員一人ひとりに則した育成計画の策定など、安定した労働環境の構築に向けた取り組みに期待したい。

利用者の高齢化や障害の重度化に伴い、今までできていたことができなくなる利用者が見られるようになり、また、社会とかかわる利用者の意欲が減少していることが気がかりになっている。特別支援学校の卒業生の重度化も目立ってきており、作業や活動の内容、モチベーションを維持するための方策や、利用者の社会参加をどのような形で支えていくか、模索しているところである。今後も高齢化や重度化の流れが続くことが予想されるため、職員の配置や負担に配慮しながらも、より利用者の状態に即した支援のあり方を検討していくことが求められる。

新宿区・法人(新宿区立障害者福祉センター)の事業継続計画(BCP)については目的・基本方針・BCP対策本部の設置・防災対策などから利用者・職員のやるべき対応など細部にわたって「自然災害・火災など発生時における事業継続計画」「災害時対応マニュアル」で策定されていて明確にやるべきことが示されている。現在、多機能型事業所に特化したBCPの作成が検討されている。送迎や在宅時の対応など、法人およびセンターの他の事業所および家族等の連携など具体化に向けた取り組みに期待したい。

事業者が特に力を入れている取り組み

事業所を運営する法人は、「100年続く事業体」を目指すとして法人ビジョンを策定している。地域に貢献できる事業を創造して地域社会との連携強化に努めて、利用者が必要とする新たな事業を積極的に取り組み、支援の手が届かない方へのサービス供給のしくみの構築を目指すとしている。その法人のビジョンの実現を目指して、中長期計画、年間の事業計画を策定し、着実な事業運営に取り組んでいる。多機能型事業所としての機能を活かした支援の充実、組織体制の整備に積極的に取り組んでいる。

個別支援計画では、1年をかけてやりたいことを長期目標、日々できやすいことを短期目標に設定し、目標を意識しながら支援に携わっている。月1回、個別支援担当者とのペアミーティングを行なって日常の場面では言い出しにくいことも話し合い、利用者の意向や気持ちに沿った支援に取り組んでいる。課題達成が困難な場合は、なぜ達成できないかを利用者とともに考え、多機能ミーティングでも対応を検討している。生活介護・就労継続支援B型で別々に実施していたミーティングを一体的に行なうことにより、職員全員で利用者を支援する体制ができている。

各利用者の様々な課題に対して職員はそれぞれの状況を踏まえた対応に取り組んでいる。その中でも特別な対応が必要な利用者の支援には固有の手順書を整備して対応の適切化を図っている。車いす操作やトイレ介助の方法など文章のみならず写真なども添付するなど、職員間でのばらつきを防ぎ、同じケアが提供できるよう標準化を図っている。多機能型事業所(生活介護と就労支援施設B型)として、在籍している職員は経験年数も長く、職員配置なども弾力的な運用がなされている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:利用登録者全員を対象とした。
  • 調査方法:アンケート方式  
    利用者自記式アンケート調査を実施した。
  • 有効回答者数/利用者総数:22/25(回答率 88.0% ) サービス毎の利用者総数
      利用者総数 共通評価項目による
    調査対象者数
    共通評価項目による
    調査の有効回答者数
    利用者総数に対する
    回答者割合
    生活介護 12人 12人 11人 91.7%
    就労継続支援B型 13人 13人 11人 84.6%

当事業所に対する全体的評価としては、「大変満足」(約23%)・「満足」(50%)とする回答を併せて約72%の利用者が肯定的な回答(満足)をしている。一方「どちらともいえない」とする回答(約27%)もみられるが、「不満」・「大変不満」とする回答は無く、総合的な意見として「きめ細かい配慮に感謝している」、「エンジョイできている」。「通える場所があってよかった」などの意見とともに、「イベントや外部との交流の復活」や「環境の改善」などを求める意見も寄せられている。各設問においても、「設備環境」、「意見・要望の対応」・「外部の相談窓口」以外のすべての質問において、「はい」とする回答が70%を超えている結果となっている。「困った時の支援」、「仲間との交流」、「緊急時の職員の対応」、「プライバシーの確保」、「計画作成時の対応と内容」については、利用者からの評価が高い結果となっている。他方で、「設備環境」、「意見・要望の対応」、「外部の相談窓口」等については、他の質問と比べて「どちらともいえない」・「いいえ」との回答もやや多い傾向がみられる。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 19名 (86%)
どちらともいえない 3名 (14%)

回答者の約86%が「はい」と答えている。「できない所をサポートしてくれる」、「わからないことや困っていることなど親切に手伝ってくれて大変助かっている」といった意見が寄せられている。「どちらともいえない」とする回答もみられるが、特に意見は寄せられていない。「いいえ」とする回答は無く、困った時の支援についておおむね満足している状況がうかがえる結果となっている。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 15名 (68%)
どちらともいえない 6名 (27%)
いいえ 1名 (5%)

回答者の約68%が「はい」と答え、「車いすトイレは使いやすい」、「手すりや洗面が車いすでも届くところにある」との意見が寄せられている。一方で、「どちらともいえない」(約28%)とする回答からは、「トイレなど便座の高さや手すりの位置などいろいろなパターンのものが設置されているとありがたい」といった意見が寄せられている。「いいえ」(約5%)とする回答からは、「トイレが古い、便器のふたが腰にあたっている」との意見が寄せられている。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 19名 (86%)
どちらともいえない 3名 (14%)

回答者の約86%が「はい」と答えている。「仲間と昼休みに話をしている」、「楽しい、一緒にカラオケに行ったことがある」といった、利用者同士の交流や仲間との関わりの楽しい様子がうかがえる意見が寄せられている。一方で、「いいえ」という回答は無く、「どちらともいえない」との回答も少数みられるが、特に意見は寄せられていない。

4.【生活介護】
事業所での活動は楽しいか

はい 9名 (82%)
どちらともいえない 2名 (18%)

回答者約82%が「はい」と答えている。「皆さんが明るく楽しいので毎日通所できている」、「東京パラリンピックをきっかけに、自分にできるスポーツを見つけた、ボッチャに参加している」といった意見が寄せられている。「いいえ」とする回答は無く、事業所での活動に楽しく参加している様子がうかがえる結果となっている。「どちらともいえない」とする回答もみられるが、特に意見は寄せられていない。

16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか

はい 7名 (64%)
どちらともいえない 3名 (27%)
いいえ 1名 (9%)

回答者の約64%が「はい」と答えている。「通所が楽しみで、健康維持にも気を付け、生活の柱になっている」との意見が寄せられている。「どちらともいえない」・「いいえ」とする回答もみられるが、特に意見は寄せられていない。

17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

はい 5名 (45%)
どちらともいえない 5名 (45%)
無回答・非該当 1名 (9%)

「はい」・「どちらともいえない」とする回答がそれぞれ約45%を占める結果となっている。「どちらともいえない」とする回答からは、「特に説明が無かったので何ともいえない」とお意見が寄せられている。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 17名 (77%)
どちらともいえない 4名 (18%)
いいえ 1名 (5%)

回答者の約77%が「はい」と答えている。「きれいに整理されているところが良い」、「きれいになって過ごしやすい」、「使いやすい」、「作業台など身体に合うように配慮があってありがたい」といった意見が寄せられている。一方で、「どちらともいえない」とする回答からは、「もう少しスペースが広ければ良いと思う」といった意見が寄せられている。さらに、「いいえ」との回答からは、「狭くて暗いと思う」との意見が寄せられている。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 16名 (73%)
どちらともいえない 5名 (23%)
いいえ 1名 (5%)

回答者の約72%が「はい」と答えている。「服装に団体の名前がジャンパーにも入っていれば良いと思う」といった意見が寄せられている。一方、「どちらともいえない」とする回答からは、「たまに制服のすそがシャツから出ていたりする職員がいる」といった意見、「いいえ」とする回答からは、「一部の職員は良くない、他はすごく良くしてくれている」との意見が寄せられている。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 19名 (86%)
どちらともいえない 3名 (14%)

回答者の約86%が「はい」と答えている。「助かっている」、「パルスオキシメーターの数値が読めるようになったので安心している」といった職員の対応を信頼している意見が寄せられている。「いいえ」とする回答は無いが、「どちらともいえない」との回答からは、「体調が悪くなったことがないのでわからない」との意見が寄せられている。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 18名 (82%)
どちらともいえない 3名 (14%)
無回答・非該当 1名 (5%)

回答者の約82%が「はい」と答えている。一方で、「いいえ」とする回答は無く、「どちらともいえない」とする回答からは、「その場面を見ていないので何とも言えない」との意見が寄せられている。さらに、「非該当」とする回答からは「そもそも(トラブルは)無い」との意見も寄せられている。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 17名 (77%)
どちらともいえない 5名 (23%)

回答者の約77%が「はい」と答えている。「いいえ」とする回答は無く、「どちらともいえない」とする回答からは「全部ではない」といった意見が寄せられている。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 20名 (91%)
どちらともいえない 2名 (9%)

回答者の多数(約91%)が「はい」と答えている。「職員を信じている」といった意見が寄せられている。「いいえ」とする回答は無く、回答した多くの利用者が、プライバシー保護に対する事業所の取り組みを評価している状況がうかがえる結果となっている。また、「どちらともいえない」とする回答もみられるが、特に意見は寄せられていない。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 19名 (86%)
どちらともいえない 2名 (9%)
いいえ 1名 (5%)

回答者の約86%が「はい」と答え、「気づかれたことなど教えてくれるのでうれしい」といった意見が寄せられている。また、「どちらともいえない」とする回答からは、「要望は特にないので何とも言えない」との意見が寄せられている。一方で、「いいえ」とする回答もみられ、「確認しないでハンコ下さいと言ってきた。一度確認がしたかった」との意見が寄せられている。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 19名 (86%)
どちらともいえない 3名 (14%)

回答者の約86%が「はい」と答えている。特に意見は寄せられていないが、「いいえ」とする回答は無く、サービスや計画内容について、おおむね理解がされている状況がうかがえる結果となっている。一方で、「どちらともいえない」とする回答からは、「説明がないのでわからない」との意見が寄せられている。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 13名 (59%)
どちらともいえない 8名 (36%)
無回答・非該当 1名 (5%)

回答者の約59%が「はい」と答えている。「いいえ」とする回答は無いが、他の質問に比べ、「どちらともいえない」とする回答がやや多い傾向がみられる。「不満は特にないのでわからない」との意見が寄せられている。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 11名 (50%)
どちらともいえない 5名 (23%)
いいえ 4名 (18%)
無回答・非該当 2名 (9%)

回答者の半数(50%)が「はい」と答えている。また、「どちらともいえない」(約23%)・「いいえ」(約19%)・「非該当」(約9%)とする回答に分かれている。「いいえ」とする回答からは、「特に説明がないか、覚えていない」といった意見が寄せられている。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
センターの理念や事業所の方針を明確化し、関係者への周知に取り組んでいる

今年度は指定管理期間の初年度にあたり、障害者福祉センターの基本理念を「つなぐ・つながる・地域福祉の拠点」と明示して事務所内の見易い場所に掲示し、事業運営の基本方針と重点的な取り組みを明確にして事業計画書に盛り込んでいる。利用者には懇親会で、家族には通常は保護者会で説明しているが、コロナ禍において書面等で周知に取り組んでいる。また、職員は、1月(次年度の目標設定時)と7月(中間の振り返り時)の職員会議の場において、検討、確認している。

センターの理念と事業所の方針の実現に向けて経営層は自らの役割と責任を示している

センターの理念と事業所の基本方針・重点取り組みの実現に向けて、経営層は自らの役割と責任について月1回開催されるセンターの職員会議・部門別に実施している職員ミーティングや朝礼などで説明している。事務局で懸案事項を話合いその内容と結果は職員会議などで職員に伝えている。また、事業計画書に組織図・職員配置を明示し、中堅職員には中堅職員向け研修・リーダー研修など外部団体主催の研修などに参加して常にリーダーを自覚するように取り組み、職員が目標に向かって自主的に動くようになっている。

重要な案件は法人やセンターの管理者会議で決定され、内容を周知している

重要な案件は法人の経営会議と障害者福祉センター事務局の管理者会議で検討して決定されている。職員には毎日の朝礼・終礼や月2回開催する多機能ミーティング、全職員が参加する職員ミーティングなどで決定経緯や内容について説明して周知に取り組んでいる。また、利用者には館内の掲示や利用者懇談会、利用者への手紙などでわかりやすく伝えて周知に取り組んでいる。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者・職員や福祉関連の情報などを収集して把握、検討して課題を抽出している

館長への直行便(意向・要望・意見などを館長に直接提出できる制度)や利用者懇談会、利用者満足度アンケート等を通じて利用者の意向などを把握している。職員からは個人面談・部門別や職員ミーティングなどで意向などを把握し、研修計画や人事異動などに反映させている。また、新宿区障害者団体連絡協議会・施設長連絡会などのネットワーク連絡会に参加し情報を収集している。さらに、福祉新聞、WAMNETなどから福祉関係の動向を把握し、検討して課題を抽出している。

事業所が目指しているビジョンなどの実現に向けて中・長期と単年度計画を策定している

新宿区立障害者福祉センターとして、指定管理期間における5か年の中・長期計画を策定している。その計画の中でセンターにおける事業の一つとして「多機能型事業所」の運営の基本方針等が示されている。今年度は第4期の指定管理期間の初年度にあたり、センターの管理運営についての基本理念に基づき、年間の事業計画を策定している。また、毎年区の担当職員や障害福祉センターの経理と綿密に打ち合わせを行ない、年間事業計画に合わせた予算編成に取り組んでいる。

事業計画書の進捗状況を確認して見直し、目標達成に向けて取り組んでいる

事業所が目指している理念・方針などの実現に向けて、事業計画において現状と課題、重点的な取り組み、期待される効果、事業評価の指標等を明示している。事業所内のミーティング、多機能職員ミーティング、幹部職員の事務局ミーティングにおいて、推進状況を確認し情報共有を図っている。また、四半期ごとの職員ミーティングで事業計画の実行・進捗状況や達成度合いを報告・検討・確認して職員間で状況を共有化している。さらに、毎月実施している職員ミーテイングにおいても進捗状況を確認し、形骸化しないように取り組んでいる。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
職員が守るべき法・規範・倫理などの理解が深まるように取り組んでいる

法人は職員が社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などについて規程を策定して契約書などに明記し、入職時に説明して了解を得て署名・押印を得ている。法令遵守などにについては、外部研修への参加や年1回実施されている全体職員ミーティングにおいて、職員が守るべきことの遵守について取り上げ、理解が深まるように取り組んでいる。

利用者・家族などの意向については多様な方法で把握して迅速に対応する体制がある

苦情解決制度を利用できることや事業者以外に相談できることを契約書・重要事項説明書に記載して利用者・家族に入所時に説明している。苦情受付担当者・責任者を明確にして館内に掲示して職員・利用者・家族に周知している。また、苦情解決制度のポスターを事務所内にも掲示して周知を図っている。適切で迅速に解決するために第三者委員会で構成する虐待防止等対策委員会を年3回開催して助言を受ける体制としている。虐待防止については多機能ミーティングで利用者にどのように対応したかを振り返る場を設けて組織的に取り組んでいる。

地域の福祉ニーズに基づいた事業所の特性を生かした地域貢献に取り組んでいる

地域の福祉ニーズに基づいて事業所の特性・専門性を生かして関連機関と連携して地域貢献に取り組んでいる。地域小学校における福祉体験授業(車いす体験や講話)に取り組んでいる。今年度は新型コロナ感染の拡大により、オンラインでの実施となっている。また、百貨店や地域のイベントなどで利用者が作成した組み紐(ストラップ)・織物などを販売するなど地域の方との交流を図っているが、コロナ禍において、活動が制限されている。また、新宿区障害者福祉事業所ネットワーク、自立支援協議会などに参画し、地域の共通の課題に取り組んでいる。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
事業所が目指していることを阻害するリスクの対策に取り組んでいる

事業所の目指していることを阻害するリスクを法人の経営会議、月2回の職員ミーティング、月2回の多機能ミーティングなどで洗い出してリスクマネジメントに取り組んでいる。事故対応・緊急時・防災等の各マニュアルを策定してそれに基づいて必要な対策を実施している。また、優先度の高い案件やすぐ実行できるものに関しては迅速に対策を講じている。トラブルが発生した際は速やかに対応し、事故報告書やヒヤリハット報告書を作成し、情報共有とともに再発防止に取り組んでいる。

自然災害や深刻な事故に備えて事業継続計画(BCP)を策定している

法人としての「自然災害、火災等の発生時における事業継続計画(BCP)」を策定し、大規模災害発生時における法人の実施すべき行動基準・実施事項を定めている。また、区と締結した「災害時等における応急活動に関する協定」に基づき、障害者福祉センターとして災害や深刻な事故に備えて「災害時対応マニュアル」を作成し、新宿区の福祉避難所としての災害時対応の体制整備に取り組んでいる。センター・多機能型事業所に特化したBCPの作成が検討されている。法人およびセンターの他の事業所等の連携など、具体化に向けた取り組みに期待したい。

事業所の情報管理を適切に収集・整理し、組織的に管理して活用できるようにしている

事業所の収集した情報の管理については、個人情報保護規程や就業規則の機密保持条項等で職員への周知に取り組んでいる。パソコンには各階層別にアクセス権限をを設定、必要に応じて個人情報などにはファイル単体でパスワードを設定している。書類については部署ごとにファイルを作成して管理し、鍵のかかるキャビネットなどの定められた場所に収納することを徹底している。また、個人情報保護法については職員には入職時に説明し、利用者・家族には入所契約時に契約書・重要事項説明書などで説明して署名・捺印を得ている。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
事業所の求める人材の確保・育成・定着・配置などに取り組んでいる

事業所が求める人材の確保を目指し、法人の各セクションの採用担当者が連絡会議を開催して情報の共有化・連携を強めて採用活動に取り組んでいる。毎年実施している個人面接などで職員の意向などを考慮し、適性やキャリアを踏まえて人事を経営会議などで検討し、異動・配置などを実施している。また、初任職員・中堅職員・管理職の職員個々のキャリアに応じた研修を実施している。また、「新人研修プロジェクト」では職員が定着するようにモチベーションを高めることを考慮して研修計画などを検討し、人材育成計画を策定している。

事業所の求める人材像を踏まえた職員の研修計画などを策定して育成に取り組んでいる

事業所は管理職が非常勤を含む全職員との個人面談で一人ひとりの意向を把握し、経験や法人の要望を加味して個人別の研修計画を作成、その成果を考慮して年度初めに研修計画を策定している。人事考課基準・採点基準を明確にし年2回個人面談を実施して人事考課を行ない昇給・賞与や異動などに反映している。また、就業状況などを管理職会議や衛生委員会などで情報を共有して改善に取り組み、シフト作りなどに反映している。年1回ストレスチェックを実施して必要に応じて医師との面談などを設定している。

組織力の向上に向けて参加した研修内容を職員間で共有化を図っている

事業所の組織力の向上に向けて職員が参加した研修の内容を研修レポートとして作成して朝礼・夕礼時などで説明、レポートを職員間に回覧し内容の共有化を図り、サービスの品質向上に繋げている。職員の気づきや工夫については失敗を許せる雰囲気の中で各セクション別のミーティングなどで落とし込んで改善に取り組んでいる。また、事業計画書は現場の意見を反映させて作成し、計画の目標達成や課題解決に向けて毎月の職員ミーティングで確認して必要に応じて見直している。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

多機能事業所での管理職と職員との合同ミーティングと幹部職員の事務局ミーティングの中で事業計画書の目標を確認して昨年度の実施状況を考慮したしくみを作り実行しているが高齢化・障害の重症化に伴い、既存プログラムと利用者のニーズに対してミスマッチが起きている。2020年の事業計画の重点取り組みとして「利用者の心身状況に合わせた週間プログラムの提供」としている。「あすなろ作業所」では身体機能機能を維持するための取り組みと養蜂事業など利用者のできる作業を増やすことや新商品を開発して販売を行なうこととした。「トライ工房」では一人ひとりの身体状況を確認して体を動かすプログラムの作成と館外の人との交流の機会を設けるなどの取り組みを行なった。また、事業所の作業工賃の目標金額を設定した。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

「あすなろ作業所」では利用者からの希望に沿う形で個別のリハビリ体操・館内の歩行などの時間を増やして身体機能の維持に対する取り組みを行なった。新商品のデザイン・開発は外部に委託して次年度の販売に向けた体制を整え、商品開発は新しく機織ポーチを作製して販売することができたが、新型コロナの拡大により百貨店・地域・区役所などでの販売の機会が殆んどなく、作業工賃の目標に対する実績は、目標達成とはいかなかった。また、「しんじゅQuality」の養蜂事業に参加して「喫茶ふれんど」で蜂蜜を販売などに貢献できた。「トライ工房」では作業時間の短縮をして健康増進のため、体を動かすプログラム作りに取り組んでいる。前年度の検証結果を反映して今年度の事業所の事業計画として高年齢化・障害の重度化に伴い、利用者に応じたプログラムの充実と職員のさらなるスキルアップに取り組むとしている。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

前年度の利用者の高齢化・重症化を見据えて、心身状況に合わせた作業内容や過ごし方などの見直しが必要があると考えて2020年度の事業計画の重点取り組みとして「余暇活動プログラムの導入」としている。作業所内の棚や机などの整理を行ない通路や作業所を広くして車椅子が通りやすくすると共に、職員の目を配りやすくした。また、ベッドを導入して、利用者の心身状況によっていつでも休めるようにした。あすなろ作業所では利用者の希望に沿う形で個別のリハビリや体操、館内の散歩などの時間を増やし、余暇活動プログラムとしては「喫茶ふれんど」でみんなで好きなメニューを注文、好みのドリンクも注文してゆったりと過ごせる場を設けるなどとしている。トライ工房では作業時間を減らして健康増進のため時間を増やしている。また、DVDプレイヤー3台とIPADを購入した。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

作業所の棚や椅子などを整理して作業場や通路などを広く取り、車椅子などが通りやすい環境づくりにより、作業の効率化が図れた。結果として職員が利用者を見守りやすくなり事故防止にも繋がっている。また、ベッドを導入して利用者がいつでも休めるようにした。あすなろ作業所では利用者の希望に沿う形で個別のリハビリや体操、館内の散歩などの時間を増やして身体機能維持への取り組みができた。「喫茶ふれんど」でみんなで好きなメニューとドリンクを注文した「ふれんどファンタジー」の時間を設けてリラックスできる場として利用者に好評を得ている。トライ工房では作業時間を減らして作業療法士の指導の下、健康増進のために運動の時間やリラックスできる時間を増やしている。また、DVDプレイヤーの観賞などやIPADで利用者のニーズに合わせて楽しむ時間を増やしている。今年度は前年度の対応を引継いで実行すると共に、「多機能型事業所として事業所内での横断的な介助体制の構築」を重点的な取り組みとしている。また、区と相談をしてあすなろ作業所とトライ工房の定員の見直しを図るとしている。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
施設のパンフレットは適宜アップデートを行ない見やすさ、わかりやすさを工夫している

施設で発行しているパンフレットは事業内容などに変更点があった際に見直されている。今年もアップデートが行なわれている。「あすなろ作業所」「新宿トライ工房」での活動を分けて紹介したり、掲載している写真を新しい物に更新するなどの見やすさ、わかりやすさを工夫して制作をしている。「あすなろ作業所」の説明では組紐や機織りの様子を、「新宿トライ工房」の説明では運動やレクレーションの風景を掲載し、それぞれの事業所の特徴が一目で分かる工夫がなされている。施設の利用案内についても触れており区民への周知を図っている。

イベントなどの際は区役所やお仕事支援センター等と連携を図り情報の共有を図っている

昨今のCOVID-19の感染状況を鑑みながらも施設では可能な範囲で作品展示などのイベントを実施している。また、施設周りの緑化事業も区より委託を受けて利用者が中心となって展開されている。これらのイベントや取り組みの際には必ず区役所やお仕事支援センターと連絡を取り合い情報の共有を図っている。随時、電話やメールなどで連絡を密に取り合いながら施設の公共性を担保している。施設のホームページでは「あすなろ作業」・「新宿トライ工房」それぞれの事業内容の説明や活動内容を写真などを織り交ぜアップロードしている。

特別支援学校や一般希望者の見学の要望に柔軟に対応している

施設では見学希望者に対し柔軟に対応している。見学の日程については可能な限り希望者の要望に応じるようにしている。支援学校の卒業に向かい新たな進路にむけた生徒や一般の区民からの相談にも応じている。施設内の案内や実際の活動を見てもらい、場合によっては現役の利用者が活動の説明を行なうなど施設の活動内容や雰囲気などを直に感じてもらうよう取り組んでいる。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
見学後、希望者に対して体験期間を設けて理解を深めてもらう取り組みを行なっている

施設の利用開始にあたっては見学実施後、体験期間を設けて取り組みの内容や施設について理解を深めてもらうため体験期間を設けている。多くの利用者は見学実施後、新しい環境への期待感などから利用を希望される人が多い。しかし、実際に利用開始となった後、例えば通いやすさや昼食等の準備、これまでと変わる人間関係など学校や家庭との違いについて理解してもらっている。体験を通じた上での利用希望が明確になってから、家族との面談に進み契約を行なっている。この様な手続きを経ることで事前に利用者・家族の施設への理解を深めている。

普段の利用状況や毎月の面談を通じて利用者へのアセスメントを行なっている

施設では利用者の普段の活動状況の観察や担当者による月1回の面談などを通じて利用者への理解を深めている。契約時に疾患などの身体の事、家族との関わり、家庭環境などの基本的事項を確認、利用開始後に普段の施設利用による関わりを大切にしながら利用者のバックボーンについての理解を深めている。また、必ず利用者毎に担当者を任命して毎月面談を行なっている。利用初期段階での全てを把握しようとはせず、ゆっくりと関係の構築を行ないながら相互に理解する時間を持ちより詳細なアセスメントを実施している。関係の継続性を大切にしている。

施設の利用が難しくなった場合には次のステップへの移行が円滑になるよう支援している

高齢化や重度化の進行などにより施設の利用が徐々に難しくなっていく。利用者は介護保険サービスへの移行が検討されることとなるが、高齢者サービスへの移行に対しネガティブな印象を持つ人も多い。「一日も長くここに通いたい」という利用者の思いに寄り添いつつ、施設利用が難しくなった場合にもスムーズに移行できるように施設では柔軟に対応している。例えば週2回の施設利用を介護保険のデイサービスと按分するなどの対応に協力し利用者が徐々に適切な制度に移行できるよう支援している。必要に応じて次のサービスへの情報提供も行なっている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
適切な課題抽出を図り、負担感やストレスにならない意欲の引き出しを図っている

施設では日々の関わり、毎月の面談、家族からの聞き取りなどを総合して利用者を多面的に把握するように努めている。これらの取り組みから利用者毎に適切な課題抽出を行うよう心がけている。例えば「できないことをできるようになる」といった課題の決定は利用者によってはストレスになってしまうこともある。客観的にみて日常生活を送る上でネックになりそうな部分にスポットを当てて個別援助計画に設定している。「これができるように一緒に頑張ろうね」といった利用者目線での目標の設定を双方で相談しながら決定している。

毎日利用者全員分の振り返りと記録を行ない、職員間で情報の共有を図っている

施設では利用者が帰宅した後の時間帯で支援の振り返りを行なっている。利用者毎の様子や取り組みの内容などを話し合い職員間で共有している。各担当者が利用者の活動等についての記録をシステムに入力し、利用者毎、日付毎に表示やプリントアウトができるようになっており職員は必要な時に情報の閲覧が可能である。職員が休みなどで不在であった場合にも確認ができるため情報収集に遅延が生じることもない。これらの取り組みにより利用者が安全に通えることに繋がっている。

多機能ミーティングを毎月開催し、支援内容や運営についての話し合いを行なっている

施設では毎朝の朝礼で連絡事項の確認、利用者が帰宅した後の夕方ミーティングを行ない支援の円滑化を図っている。更に毎月2回多機能ミーティングを開催している。2回のうち1回は利用者についての話し合いを行ない、1回は事業運営などについて話し合いを行なっている。例えば利用者の状態に変化が見られた場合には支援内容の介助マニュアルの更新を話し合うなど、日々の支援が最適化されるように積み重ねを行なっている。日報、アセスメント、介助マニュアルなど一人ひとりに対する状態把握のツールを活用し適切な計画書の作成に繋げている。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
利用者の情報や目標を共有し、個別支援計画に沿った支援に取り組んでいる

個別支援担当者がそれぞれ2~3人の利用者の個別支援計画原案を作成、計画策定会議で検討することで、情報や目標の共有を図っている。1年をかけてやりたいことを長期目標に、日々できやすいことを短期目標に設定し、毎日の活動の中で目標を意識しながら支援に携わっている。課題達成が困難な場合は、利用者とともになぜ達成できないかの理由を考え、多機能ミーティングでも対応を検討している。生活介護・就労継続支援B型で別々に実施していたミーティングを一体的に行なうことで、より広い視野に立った支援の検討や実施が可能になっている。

利用者の障害特性や身体状況に合わせた方法で、コミュニケーションを図っている

ほとんどの利用者は言葉を用いての意思疎通が可能であるが、理解を助けるためにわかりやすい言葉を用いたり、「やりたい」「やりたくない」「わからない」など複数の選択肢を示して、答えやすくする工夫に取り組んでいる。視覚に障害のある利用者には拡大コピーを提供したり、トーキングエイドの活用や読み上げをすることによって、また、聴覚障害の利用者には手話、筆談を通じて情報を伝えている。計画作成時や相談を受けた際に、本人・家族に必要な情報を提供し、内容によっては相談支援事業所や医療機関の介入を求めることもある。

利用者間のトラブルに適切に介入し、気持ちよく通所を継続できるように支援している

利用者間で相性がよくないことによるトラブルもあるが、相手を好きすぎて過剰に接触することで起こるトラブルもある。トラブルが生じた場合は、互いの言い分をよく聞き、職員が解決のための説明を行なうなどして支援している。トラブルが長期間に及ぶことなく、互いに気持ちよく通所を続けることができるように、人間関係についても、多機能ミーティングなどで現状と支援方法を検討している。活動室の棚を整理するなどしてスペースを広げ、利用者が適度な距離をとることができるようになったことで、物理的な接触によるトラブルは減少した。

2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
  • 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
  • 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っている事業所のみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
重大なルールの策定や見直しに際しては、利用者全員で話し合いを行なっている

各種イベントの参加や日中活動などについて、利用者それぞれの意見を聞き、活躍の場を設けている。生活介護では、利用者が毎日の朝の会の司会を担当している。「すれ違う時は、ぶつからないように声をかける」「モノやお金のやり取りはしない」などの最小限のルールが定められているが、影響の大きいルール変更については利用者全員参加で話を行ない、利用者の意向に配慮しながら、策定や見直しを行なっている。携帯電話の所持は自由だが、SNSを介しての犯罪被害が少なくないため、資料を配布するなどして注意を喚起し、安全な利用を促している。

アンケートや利用者の会、ペアミーティングで出された意見を支援に反映させている

利用者アンケートを実施し、結果を運営に反映させている。週1回、利用者代表が司会するミーティングを開催し、作業の進め方、レクリエーションの内容、介助者の接し方などについて、利用者の意見を聞いている。利用者の要望が高かったボッチャの実施にあたっては、利用者自身が話し合って、競技に使う自助具を考案し、製作した。月1回、個別支援担当者とのペアミーティングの場を設け、日常の場面では言い出しにくいことも話し合えている。「他人には聞かれたくない」という要望がある場合には、ペアミーティングを別室で行なうこともある。

給食やパンの購入等、さまざまな選択肢の中から、自分の好きな昼食を選ぶことができる

昼食は、障害者福祉センターの厨房で調理される給食、持参の弁当、喫茶コーナーでのランチ、1階で販売されているパンの購入、コンビニでの弁当購入など、さまざまな選択肢があり、利用者自身が決めることができる。活動室で昼食をとる場合は、利用者が混乱せず、スムーズに食事に移れるように席順を決めている。テーブルの消毒、アクリル板の設置や食事中の会話を控えるなど、感染予防には十分に配慮している。高さ調節ができる車輪付きの介助イスを用意しており、利用者の姿勢や職員の負担に配慮した食事介助が可能になっている。

3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
センター医務室の看護師と協力して、利用者の健康の維持・管理に取り組んでいる

毎日、体温や血圧を測定し、利用者の様子が普段と異なる場合は、建物内のセンター医務室にいる看護師に相談している。1か月に1回、体重を測定するほか、健康診断の結果を把握し、看護師と協力して生活習慣病の予防に取り組んでいる。健康を維持するための方法を利用者自身が調べたり、塩分やカロリーの制限、野菜の摂取などについて支援員・看護師が助言するなどして、体によい食事のとり方や生活スタイルを身に着けられるよう支援している。嘱託医が週2回来所して利用者の体調を確認し、希望があれば、本人・家族からの医療相談にも応じている。

換気、消毒等を励行し、利用者・家族の協力のもとで、感染症予防に取り組んでいる

センターの建物内に理学療法士、作業療法士が常駐しており、介助の方法や訓練プログラムについて、助言を得ることができる。職員は、ミーティングの時間の一部を割いて身体の構造や基本的な動きを学ぶ時間を設け、無理なく安全な支援ができるように取り組んでいる。活動室への空気清浄機・サーキュレーターの設置、窓開けなどにより、換気に気をつけている。備品は、利用者が来る前に消毒している。利用者や家族の協力の下、マスク着用、手洗い、消毒などの感染防止に努め、新型コロナウイルス感染流行最盛期でも、サービスを継続できた。

事故・救急時のフローチャートを作成し、職員が共有して、緊急事態に備えている

ほとんどの利用者は自己管理で服薬しているが、必要に応じて職員が声をかけ、服薬後はチェック表に記入している。飲み忘れの多い利用者に対しては、タイムカードにクリップで当日の薬を挟み、本人だけでなく、複数の職員の目で服薬を確認できるようにしている。災害に備え、7日分の緊急時常備薬を保管している。利用開始時に、利用者の発作の有無、予兆、対応方法をアセスメントし、いつでも見られる個別ファイルに収めて、職員で情報を共有している。「事故・救急時フローチャート」を作成し、事故や発作、体調悪化に備えている。

4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
家族への連絡や対応を行なう場合には、本人の意向を尊重している

意思疎通が可能な利用者がほとんどなので、原則として、本人の了解を得たうえで家族に連絡をとるなど、本人の意向を尊重したうえで、家族に対応している。三者面談の際に、家族・利用者から要望がある場合は、時間を分けて別々に実施している。令和2年3月から、オンラインによる家族との面談を可能とする環境を整えた。本人の意見と家族の意見が食い違う場合はそれぞれの言い分に耳を傾け、時間をかけて、譲れるところ譲れないところを見出し、双方が納得したうえで問題解決できるように支援している。コロナ禍により、保護者会は休止している。

事業所内の掲示、ホームページ、連絡帳等を通じて、利用者の様子を家族に伝えている

事業概要や利用者の様子、行事などを事業所内に掲示するほか、ホームページでも活動の様子を伝えている。日常的には、送迎時の顔合わせや連絡帳、電話、手紙等で情報交換を行なっている。家族からの相談には丁寧に対応するよう心がけ、グループホーム入居など、利用者の将来に関わる相談については、最終的に利用者・家族が後悔しない決断に至ることをめざして、情報提供など側面的な支援に取り組んでいる。顕著になっている家族の高齢化については、必要に応じて、計画相談事業所に情報提供して対応を依頼するなどの対応を行なっている。

5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
地域イベントや社会資源に関する情報を提供し、社会参加が増えるように支援している

自治体の広報紙、障害者の受診を受け入れる歯科医の案内、ひとり親家庭への食品配布会等のチラシを、利用者・家族の手に取れるところに設置している。イベント参加を通じて、地域への障害の理解を得られるよう、また、利用者が地域行事に参加し、地域の一員であることを認識していけるようにコーディネートすることを心がけている。ただ、利用者の重度化や高齢化による体力の低下により、社会と関わる利用者の意欲が減少していることが気がかりになっている。利用者が社会参加をするうえで、どのような支援をしていくかが課題になっている。

オンラインを活用した福祉体験授業など、地域の理解を深める取り組みを行なっている

地域の百貨店での販売イベントに参加したり、地域の小学校の福祉体験に協力している。コロナ禍により学校訪問はできなかったが、オンラインにより車イス体験や講話を行なうことができた。これまで、会議室の貸し出し、センター祭り、避難所体験、民生委員への研修、福祉講演会等によって、地域交流、地域貢献に取り組んできたが、いずれも中止を余儀なくされている。区障害者福祉事業所等ネットワーク、社会福祉協議会の生活福祉部会、自立支援協議会等に参加して情報収集し、困窮家庭へのフードパントリー等の地域貢献に取り組んでいる。

6.【生活介護】日常生活上の支援や生活する力の維持・向上のための支援を行っている
  • 一人ひとりの目的に応じた創作的活動、生産活動やその他の活動の支援を行っている
  • 自分でできることは自分で行えるよう働きかけている
  • 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
  • 【工賃を支払っている事業所のみ】
    工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
【講評】
利用者の状態に合わせたプログラムを立案し、運動や創作活動に取り組んでいる

利用者と相談しながら、心身状況に合った週間プログラムを作成、運動や創作活動に取り組んでいる。また、緑化作業や自主製品製作などの作業、パソコン操作の習得や喫茶コーナーでの接客体験など自立支援訓練も行なっている。外出自粛による運動不足を補うため、余暇プログラムなどにより体を動かすほか、外部からダンス講師を招き、1か月に1回、音楽に合わせてダンスをする時間を設けている。DVDプレイヤーやタブレット端末を購入し、利用者のニーズに合ったレクリエーションの時間を増やして、ストレス解消を図っている。

「自分のことは自分でする」を原則に、利用者からの依頼を待って介助している

自分でできることは自分ですることを原則として、排泄や食事介助などは、利用者からの自発的な依頼を待ってから支援している。依頼するのに躊躇しがちな新規利用者には、職員が積極的に声をかけている。余暇活動や話し合いの場である遊遊タイム、毎月の担当職員とのペアミーティングで、利用者のしたいこと、気にかかることを聴き取っている。朝礼では、利用者が司会を務めている。高さを変えられる机を用意し、身体状況に合わせて作業や活動ができるように配慮している。排泄介助は同性職員が行ない、できる範囲で羞恥心に配慮している。

加齢や障害の重度化に伴い、無理なく作業や活動に携われるよう配慮している

利用者の高齢化や重度化に伴い、今までできていたことができなくなる利用者も見られるようになっため、作業や活動の内容、モチベーションを維持するための方策を模索しているところである。休憩時間を多めに設け、活動室には簡易式のベッドを用意して、疲れたらいつでも休むことができるように配慮している。加齢や身体状況の低下により、介護保険サービスへの移行が望ましいと考えられる場合には、本人・家族の意向を大事にしながら、よりふさわしい居場所を選択できるように、相談支援事業所と協力して情報提供や見学支援等を行なっている。

12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
  • 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
  • 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
  • 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
  • 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
  • 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
利用者の状態や要望に従い、組みひも、機織り、緑化作業、接客等の作業に携わっている

利用者の特性や要望に合わせた作業や内容の工夫に取り組んでいる。主な作業は、組みひも、機織り、緑化作業など。敷地内のプランターでは、利用者の発案による植物名やイラストの札が添えられた花々が、通りかかる人の目を楽しませている。建物内の喫茶コーナーや区の施設などで、接客、レジ、調理を担当する利用者もいる。区の仕事センターの協力を得て、利用者のできる範囲で、リストバンド・缶バッジ製作、封入作業を行なっている。活動室の作業台の高さを身体に合うように調節し、無理なく作業に携わることができるように支援している。

施設外の自主製品販売の休止が続き、SNSを活用した商品紹介に取り組んだ

工賃規定に従って、利用者に工賃を支払っている。工賃の仕組みは、利用開始時のほか、利用者のミーティングで説明している。新型コロナウイルス流行に伴い、福祉ショップや区役所での出張販売等、事業所外で自主製品を販売する機会が十分に得られなかった。代替策として、SNSを活用した販売方法を開始し、商品の写真を掲載するなどしたところ、販路を増やすことができた。ITCの活用により大幅に売り上げが増えるところまでは至っていないが、職員のモチベーションの向上にはつながり、利用者への支援によい影響を与えている。

自立支援プログラムや余暇活動を充実させ、居心地のよい場であることをめざしている

月に1回、担当職員とのペアミーティングを行ない、活動や作業に対する希望や意見を聞いている。本人のできること、やりたいことを中心に、作業を振り分けている。高い工賃を得るためにあくせく働くよりも、事業所を「居場所」ととらえている利用者が多い。そのため、厳しい期限のある受注作業は受けず、休憩時間を多めに取り、余暇活動のプログラムを充実させることで、事業所が利用者にとって「居心地のよい場所」であることをめざしている。体操などで体を動かし、パソコンや金銭管理の自主学習、調理等の自立支援プログラムも実施している。

【講評】
個人情報の取り扱いについては契約時に説明を行ない書面にて同意を得ている

個人情報の取り扱いについては契約時に説明を行ない同意を得た上で契約書、重要事項説明書に署名押印をもらっている。この際、例えば施設紹介のためのパンフレットや動画などの掲載についても同意を得ている。契約時に同意を得ていても同様の機会が発生した場合には改めて、本人・家族に同意を得るようにしている。個人の所有物については各個人にロッカーが設置されており、基本的に利用者にて管理するルールとなっている。必要に応じて職員がロッカーを開ける際には必ず利用者本人に確認を行ない同意を得た上で対応している。

同性介助を基本とし利用者と職員の相性を鑑み弾力的に運用している

施設では基本的に同性による介助を基本としている。トイレの介助については必ず同性介助としているが、例えば食事介助などについては利用者と職員の相性も鑑みている。食事の時間は楽しいものであるという概念から、利用者が希望すれば異性による介助も行ない利用者が楽しく食事が摂れるように配慮している。また、排泄の失敗などがあった場合には他の利用者に気づかれないように職員がそっと促しを行なうなどの配慮がなされている。

利用者の真意を汲み心の中の本当のYES・NOを読み取るよう配慮している

利用者が発する言葉に耳を傾け利用者のYES・NOを確認している。人によってはYESと言っても本心はNOであることもあるため利用者の真意を汲み取るよう配慮している。例えば本当は体調が悪く、行ないたくない行動や動作に対してもYESと言ったとしても、利用者の顔色、声のトーンなど利用者が発するサインを見落とさないように注意している。ちょっとしたサインを汲み取るには普段からの利用者の観察や利用者・職員とのペアミーティングなど関係の積み重ねによるものである。この関係が利用者が好きな事を発出できる要因になっている。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
ケアの内容が利用者意向と合致するよう様々な取り組みを行ないケアの質を担保している

日々のミーティングの話題の中で職員が迷ったり、困ることについて話し合いが行なわれている。例えば利用者を支援する手順を明確にした介助マニュアル通りに支援しても適切なケアに至らなかった場面などについて相談や情報の共有を行なっている。不明点や疑問点を職員全体で意見を出し合ったり指摘しあうなど技術の向上に努めている。更に必要に応じて利用者にも協力を要請し実技を利用者と共に試行することもある。話だけではリアリティーがないため利用者と共に実技を行なうことで現実に即したケアの展開がなされるよう取り組みを行なっている。

利用者の不安感に配慮しつつ、ケアの内容の均一化を図る取り組みを行なっている

施設では各利用者に対し担当者を選任している。しかし、担当者が常にケアにあたり続けることは職員の配置やシフトなどの面から難しい。このため利用者と相談しながら他の職員であっても、適切にケアが行なえるよう協働で支援することに取り組んでいる。利用者は不慣れな職員のよるケアに不安感を持つため繰り返し慣れた職員と共にケアを協働する。各利用者に対するケアの手技の均一化を図ることにより弾力的な支援の展開を目指している。また、利用者からの施設の物品等の要望や提案にも耳を傾け改善を図っている。

職員からの改善提案を受けて実践する取り組みを行なっている

施設では多機能ミーティングと呼ばれる運営についての会議において職員からの業務改善などの意見の聴取を行っている。職員からのアンケートなども実施。提案の内容によって可不可はあるものの可能なものについては取り入れている。例えばダンス講師を招いて体を動かすプログラムや人形劇の招致、実施などは全て職員からの提案を元に実行されている。研修の実施についても講師を招いた研修の企画、それに付随する事前勉強会なども実行に向けて調整がなされている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2021年8月20日~2022年2月28日

【評価者修了者No】

H1202051,H1101032,H1801001,H0201052

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