評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1.夕暮れ時に光がある。
2.ご利用者がどのような人生を歩んできたのかを知り、尊敬の念をもって関わっていくこと。
3.与えられている個性を大切にし、役割を発揮してもらうこと。
4.最後の瞬間まで寄り添っていくこと。
5.社会に支えられ、社会に仕える。
職員に求めている人材像や役割
職員一人ひとりが柔軟な判断力を持ち、コミュニケーションを取りながらチームとして利用者を支援できる体制を作れること。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
職員や業務の都合でのケアにならないよう利用者の気持ちに寄り添うケアをチームの一員として行う
全体の評価講評
特によいと思う点
利用者家族へのアンケートでは、回答者の90%以上が「満足・大変満足」となっており、非常に高い評価を得ています。利用者家族からは、「同じスタッフにケアしてもらう安心感があり、気心が知れてよい」等の好意的なコメントも上がっています。事業所内では、安易に行動制限をする事を良しとしない、事業所として拘っている部分も健在であり好感が持てます。また、例えば、「他の階へ行こうとする人を止める」等の職員の行動を振り返り、その是非を検討し、施設全体での問題・課題意識を高めています。今後も継続して欲しいと思います。
管理者は、事業所内での利用者の意思の尊重を最重要視して支援にあるように職員を指導しています。例えば、就寝や食事時間を決めずあくまで利用者の希望やペースに合わせるようにする等、一人ひとりの生活習慣やリズムに合わせる事を大切にしています。実際に評価者が観察に伺った際には、ある利用者が今日の施設の予定と自分の予定を職員と話合い、職員から「お風呂どうぞ」といった声かけで入浴されている等の場面が観察できました。利用者の生活習慣を尊重したケアが行われており、好感が持てます。今後も継続して欲しいと思います。
入居期間が長くなるにつれ、身体機能の低下がみられる事がある為、普段から生活リハビリに取り組んでいます。昨今の感染症拡大の影響で外出や散歩の機会が減っていますが、トイレに行った際に、施設内の廊下を1周歩いて戻る等の生活の中で自然な形で歩く機会を作っています。他にも、屋上まで階段で昇降し屋上を歩く、乗り移り時に身体を支える介助ではなく手すりを握って立つような促しをする等、職員間で身体機能維持や悪化予防の為、自立支援の必要性を共有・周知徹底しながら、継続して取り組んでいます。
さらなる改善が望まれる点
認知症を抱える利用者の支援は、高い専門知識や集中力の他に、職員一人ひとりの自己抑制や経験も求めるられると思われます。その為に、事業所では外部での専門的な研修受講や法人内での事例発表会等を通して、一人ひとりの職員の知識や技能の向上・拡充を図っています。これらを踏まえ、。「個々の職員に求める認知症ケアの知識や技能のレベルの明確化そのチェック」と「一人ひとりの職員に合わせた具体的な育成計画」等の強化にも取り組んで欲しいと思います。特に、認知症ケアといった領域についての仕組みの構築を期待します。
ケアプランに基づいた支援・評価についての職員の理解の浸透を課題と感じています。その方がありのままの生活を続ける為には、どのような目標設定が最適なのかといった点でも職員全体にその意義を広める事が望まれます。今後は、例えば、まずは居室担当の職員が目標期間に合わせた評価・モニタリングの実施、新たな課題やニーズを把握する等へ積極的・主体的に参画する必要があると思われます。今後の取り組みに期待します。
入居にあたり、家族へのお願いやリスクについて事前に丁寧な説明をしています。その為、必要事項の追記や文面の修正を行なっています。さらに家族がより理解しやすく良好な関係を築く為に、手軽さや読み返しやすさが必要と思われます。例えば、図や表、矢印やイラスト等を加えわかりやすくしたり、理解しやすい体裁やフォント、重要箇所の色付けや強調、優しく親しみやすい文章表現等も有効と思われます。手に取りやすく読み返しのしやすいものにする事で、より理解や協力を得やすく出来るようさらなる改訂に期待します。
事業者が特に力を入れている取り組み
施設内での出入り口やエレベーター等、安易に出入口をロックせずに、職員間で話し合いを重ねる等、「リスクマネジメント」や「安全」という言葉で一括せずに、「施設に閉じ込めない」、「自由の尊重」等の施設運営とって重要な価値観を重視している点を、力を入れた取り組みとして高く評価したいと思います。利用者の自由と安全について、真摯に向き合い、悩み、迷いながら、考える姿勢を今後も継続して欲しいと思います。
「生活の中で四季を感じる」事が出来るよう、敬老会、夏祭りや七夕、花見ドライブ、クリスマス会等の施設内で年に数回の行事を行っています。行事の実施にあたっては、行事計画書を作成し、目的や目標を明確にしながら、具体的な内容、参加者や担当職員、ボランティア等を記述した上でリスクを踏まえた留意点も記載されています。また行事終了後には、行事報告書を作成し、計画書を元に実行した内容を進行状況や時間の報告も含めた評価を行っています。各担当職員が行事を計画的に企画し、実施した後の評価する等、力を入れた取り組みと言えます。
日頃から、家族の想いを往診医と共有ができる環境を整備しています。往診医が、施設の特性を熟知してくれており、看取り・緊急対応もタイムリーな医療が提供されています。例えば、終末期の段階で、利用者の状態から薬の処方を中止する際には、家族が判断しやすい様に医師・薬剤師・施設が一緒になって情報共有を行っています。その都度、家族に納得していただく様に対応しており、また、家族に対し施設が調整を行った上で医師によるわかりやすい説明を行っています。力を入れた取り組みと言えます。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:・場面観察については、利用者18名を対象としました。
・アンケートについては、利用者家族18世帯を対象としました。 - 調査方法:アンケート方式,場面観察方式
・アンケート方式、場面観察方式
・調査票は事業所経由で利用者家族に配布し、利用者家族からの郵送により評価機関が直接回収しました。 - 有効回答者数/利用者家族総数:11/18(回答率 61.1% )
・事業所のサービスに対する総合的な満足度は、「大変満足」7名、「満足」2名、「どちらともいえない」1名、「無回答」1名でした。「大変満足」と「満足」を合計した肯定的回答率は82%でした。
・事業所への意見・要望では、「とてもきめ細かいケアとアットホームな雰囲気、スタッフの入れ替わり、離職者が少なく、ずっと同じスタッフにケアしてもらう安心感と、家族としても気心が知れてよい」[コロナ禍で面会が1年半以上できない状況下で大変感謝しています」等がありました。
・共通評価項目で「はい」の回答割合が7割を超える設問は11項目中10項目でした。そのうち8割以上の方が「はい」と回答した設問は、問1「情報提供」、問2「清潔・整理整頓」、問3「接遇・態度」、問4「体調不良時の対応」、問6「気持ちの尊重」、問7「プライバシー保護」、問8「計画作成時の要望確認」、問9「サービス内容の説明」、問10「不満・要望の対応」でした。
アンケート結果
1.家族への情報提供はあるか
回答割合は「はい」100%でした。 「はい」の回答者より「毎週の200m面会の時は勿論、小さなことでも、電話で連絡、相談して下さっています」とのコメントがありました。
2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
回答割合は「はい」82%、「どちらともいえない」18%でした。 「はい」の回答者より「初回、往訪した時は清潔であると感じている」とのコメントがありました。
3.職員の接遇・態度は適切か
回答割合は「はい」91%、「どちらともいえない」9%でした。 「はい」の回答者より「皆さん私服でエプロン着やエプロン無し、自然体、言葉使いも妙にお客様扱いではなく、丁寧でも親しさを感じ好感が持てます」とのコメントがありました。
4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
回答割合は「はい」91%、「無回答・非該当」9%でした。 「はい」の回答者より「即連絡下さいますし、必要に応じてドクターにTELしたり往診をお願いして下さり、安心して任すことができています」とのコメントがありました。
5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
回答割合は「はい」73%、「どちらともいえない」18%、「無回答・非該当」9%でした。 「はい」の回答者より「即介入ではなく、自然に他のことに興味、関心を持つように自然体で関わって下さっています」とのコメントがありました。
6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
回答割合は「はい」82%、「どちらともいえない」9%、「無回答・非該当」9%でした。 各回答者よりコメントはありませんでした。
7.利用者のプライバシーは守られているか
回答割合は「はい」91%、「無回答・非該当」9%でした。 「はい」の回答者より「守りすぎ。むしろルールを守ることにより本来のサービスがやりづらくないか不安」とのコメントがありました。
8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
回答割合は「はい」91%、「無回答・非該当」9%でした。 各回答者よりコメントはありませんでした。
9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
回答割合は「はい」82%、「どちらともいえない」9%、「無回答・非該当」9%でした。 各回答者よりコメントはありませんでした。
10.利用者の不満や要望は対応されているか
回答割合は「はい」91%、「無回答・非該当」9%でした。 各回答者よりコメントはありませんでした。
11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
回答割合は「はい」55%、「どちらともいえない」36%、「無回答・非該当」9%でした。 「はい」の回答者より「契約時に説明あり」とのコメントがありました。
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
・職員に視線を向け「あー」と何度も声を出している利用者がいました。職員が近寄り「どこか痛い?喉?」と声を掛けると、うなづいていました。職員が飲み物を用意し飲まれました。その後も、目の前を職員が通る度、声を出していました。職員に声を掛けられうなづくも、繰り返し声を出していました。別の職員が声を掛けた際、「体を少し直しましょうか」との言葉に大きくうなづき、体を直してもら、その後、声を出すことなく過ごしてました。
・自分の居場所がわからなくなり、不安になったため職員にどうしたらいいのか聞く利用者がいました。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
・利用者は、自分の欲求を伝えられなくて声を出すが、なかなか伝わらず、表情から少し苛立っているように見えました。その後、体勢を直してもらいたいという欲求が満たされ、表情も和らいで安心したように見えました。
・自分の居場所がわからなくなり、不安になったため職員にどうしたらいいのか聞くが、「〇〇さんの家はここですから、帰りませんよ」との職員の言葉で、ますます不安が募っているように見えました。職員が一緒に居場所の確認をしてくれていましたが、不安は解消されず、落ち着かないような焦燥感を感じているように見えました。
・職員から「お風呂どうぞ」の声掛けで、利用者が「そうか」と笑顔で返答されており、寛いだ様子・笑顔の様子が見られました。
サービス分析結果
【講評】
見学者を利用者も含めて全体で歓迎する雰囲気作りに好感が持てます
入居希望者の見学に来られた際に、職員が積極的に挨拶等の声をかけて、その場にいる利用者も挨拶や声をかけられる雰囲気を作っています。時には、利用者が先に挨拶し職員に声をかける場面もあります。利用者が、来所された見学者にお茶を淹れてお出しするおもてなしや、一緒に食事のお誘いをする事もあります。職員によるおもてなしに限らず、利用者も巻き込んで来客者を歓迎する雰囲気づくりを行う事で、不安を抱える利用者や家族の不安を払拭するものと思われます。好感が持てる取り組みです。
柔軟で迅速な見学や問い合わせへの対応が継続出来る仕組みづくりに期待します
概ね月に2〜3件の入居に関する問い合わせがあり、月1件程度は見学の対応や相談があります。また、その多くは入居申し込みをされている現状です。現在、見学の対応等は管理者が主に行っていますが、今後は対応出来る職員を増やし、柔軟で迅速な対応が取れる方向で検討しています。見学や問い合わせに少しでも早く対応する事で、家族等の不安軽減や疑問の解消と安心にもつながります。随時の見学対応が今後も継続出来るよう、実際場面での指導やシミュレーション等の機会を持つ事で体制を強化し、仕組みが整備出来る事を期待します。
強調したい情報や特徴が正しく理解出来る情報発信ツールの作成、周知を進めています
入居相談や申し込みの多くは、ケアマネ等からの紹介や口コミが中心になっています。また併設サービスの存在や1階で行っているカフェの参加、地域活動の関係等からの問い合わせも相談につながっていると思われます。感染症拡大状況下において、地域交流等の機会の減少や見学控えにより実情が伝えにくい苦労も感じられます。現在、区のグループホーム部会とケアマネ部会が共同で情報ツールの作成が検討されています。そうしたツールをうまく活用し、理念や方針、概要や特徴等の情報を適切かつ正確に発信し、周知出来る事が期待されます。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入居前の説明の見直しやさらなる工夫に期待します
入居にあたり、家族へのお願いやリスクについて事前に丁寧な説明をしています。その為、必要事項の追記や文面の修正を行なっています。さらに家族がより理解しやすく良好な関係を築く為に、手軽さや読み返しやすさが必要と思われます。例えば、図や表、矢印やイラスト等を加えわかりやすくしたり、理解しやすい体裁やフォント、重要箇所の色付けや強調、優しく親しみやすい文章表現等も有効と思われます。手に取りやすく読み返しのしやすいものにする事で、より理解や協力を得やすく出来るようさらなる改訂に期待します。
退院前に医療機関との連携により、再入居出来るた為の調整や受入れ体制を整えています
入居後に体調の変化により入院となった場合でも、安心して施設に戻って来られるような受け入れ体制を整えています。入院中の様子や治療の状況を医療機関のMSW等と連携を取りながら、主治医とも情報共有を行っています。家族の意向も確認しながら、再入居出来る事を伝え、不安があれば主治医と相談出来るよう促しを行っています。また、必要に応じて、退院前カンファレンスに管理者やケアマネが参加し、内容を記録した上で、フロア会議等で情報共有を行う事で職員一丸となって退院後のスムーズな受け入れを行っています。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
日々の申し送りや引き継ぎがスマートで的確に行えるよう適正化を図っています
利用者に関する日々の申し送りや引き継ぎが、全体でわかりやすくよりスムーズに行う事を課題と捉え改善に取り組んでいます。普段と様子に変化のあった点やポジティブな場面等は強調して伝達出来るように、職員全体で周知出来る事を目指しています。円滑に業務を遂行する為、情報共有や伝達のスマート化を行う事で、どの職員もわかりやすく理解しやすい状況把握が可能になると思われます。継続的に申し送り、伝達方法の周知を図り実践する事で、利用者が置き去りにならない支援の定着が見込まれます。
日常の介護記録について、指導材料を作成し職員の育成と技術向上を目指しています
現在、記録についての指導材料を作成し、職員の育成に活用出来る体制作りに取り組み始めています。記録の意義や目的、支援の根拠になる点や実際の場面で利用者のそのままの声や思いを蓄積しながら、ありのままに記載する事の必要性に触れる事も望ましいと考えます。また、具体的な頻度や数値化により詳しくわかりやすい記載が習慣づけられる技術を身につける事や、実際の模擬場面や前例等から記録を作成する研修の実施等も有効と思われます。今後は、日々の記録の内容からモニタリングやケアプランへの反映にも発展していける事を期待します。
利用者一人ひとりの能力に応じた生活場面での参加や役割等の明確化に期待します
利用者の個別の状況に応じた、独自性のある取り組みや参加、役割作りが行われています。キッチンのお米や調味料等の補充を率先して行う方や、調理時のアレンジや味付けをされる方もいます。家事的な役割として他者の洗濯物畳みを手伝う方やシーツ交換を職員と一緒に行う方、全て自分で行う方等様々です。そうした出来る事を続けて行える支援や共に行う支援が、日常生活の中で自然に行われています。今後は、ケアプランへの積極的な目標づけや明確化により、その役割の拡大がはかれる仕組みを作る事でさらなる自立支援が促進されるものと思われます。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の介護計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.認知症対応型共同生活介護計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の認知症対応型共同生活介護計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
- 関係職員が連携をとって、支援を行っている
【講評】
自由を尊重しながら、残存機能を生かした支援方法を実践しています
毎月のフロア会議で見守りや声かけについて検討を繰り返しながら、個別ケアの実現を図っています。その為、職員全体で常に状況を把握しあえる声かけを行う事で連携しています。その方の身体機能が低下しないよう、日常的に行える介助方法や生活リハビリや時には見守る支援のあり方についても話し合いをしています。施設の特色である自由な暮らしを実現しながら、その自由な暮らしを継続出来る為の支援やケアの向上に職員全体で取り組み、利用者の残された機能を最大限に活かせる支援方法を心がけている事は好感が持てます。
職員間や多職種間での情報共有の方法を工夫する事でさらなる連携強化を期待します
日々の業務の中で職員間や多職種間で、コミュニケーションが円滑にはかれるよう努めています。カンファレンスはなるべく多くの職種がいる時に実施したり、フロア会議の中で実施しています。感染症拡大の環境下において、人を集めての担当者会議の実施の困難さもあると思われます。例えば、往診時に担当者が同席し、医師の所見を確認し担当者会議録で共有出来るような仕組みや専門職の所見等を発信出来る仕組みを作る事も有効と考えます。さらに、確認した職員がレスポンスを必ず行えるような仕組みにする事でさらなる多職種連携が出来ると思われます。
2.利用者の状態に応じて、日常生活に必要なさまざまな作業等を利用者が主体的に行うことができるよう支援を行っている
- 食事に関する一連の作業等利用者の生活場面では、利用者の主体性と能力を活かして支援を行っている
- 利用者一人ひとりに応じた生活への参加ができるよう工夫をしている
- 利用者の心身の状況に応じて、生活するうえで必要な支援(食事や入浴、排泄等)を行っている
- 各種手続きや買い物等日常生活に必要な事柄について、利用者本人による実施が困難な場合に代行している
【講評】
これまでの生活形態やこだわりや生活習慣を尊重し、継続出来る支援をしています
入居前の生活習慣や役割、こだわり等を把握し、その習慣をいつまでも継続出来るような支援をしています。自宅にいた時と同じやり方や同じものを使い続ける事にも留意しています。日常で使用する石鹸やシャンプー等も必要に応じ、散歩を兼ねて職員と一緒に買いに行く事もあります。入浴回数についても制限を設けず、その方の今までの生活習慣に応じて入浴出来るように配慮されています。その方のこだわりや習慣、大切にしている思いを汲み取り、その人らしい暮らしが続けていけるよう尊重した支援は好感が持てます。
個別的な対応方法を職員全体で把握しています
食事表や排泄状況、入浴対応表等を基に個別の状況が把握出来るリストを作成し周知しています。個別性に特化した視点で作成され、食事については禁食や食事の際に用意する物品等をリスト化しています。他にも、排泄や入浴においても個別的な対応や介助方法、必要物品なども明記されています。そうした取り組みはその方のやり方やこだわりを尊重し自立支援にもつながっていると思われます。ありのままの自分でいられる場所という理念の基、それを実現する為の支援と言える点でも高く評価出来ます。
職員が理念に基づく支援を行えるよう、一丸となって意識改革に取り組んでいます
感染症拡大の影響で、活動や外出の機会が減った事で支援の選択肢が減ったと感じています。その為、現在は、利用者一人ひとりのケアについて立ち返り、何が出来るかを考えるきっかけと捉えています。その方の性格や生活歴、生活リズムを大切にし、理念に基づいた支援に立ち返れるよう取り組みを始めています。その場面のその現象だけに着目せず、それまでの経過や原因を想像出来るようなトレーニング等も検討しています。職員のやりがいにも発展出来る仕組みを作り、支援の幅の拡大を検討を高く評価する共に、今後の成果に期待します。
3.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の心身の状況に応じた健康管理を行っている
- 日常生活の中で、利用者一人ひとりの状態に応じて身体を動かす取り組みを工夫している
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
- 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、医療機関等と速やかに連絡できる体制を整えている
【講評】
利用者の残存機能が活かせるケアの標準化が期待されます
「利用者ができるまで待つ」といった法人理念の実践の中で、この重要性を今後どう職員に伝えていけばよいか、事業所の管理者は、課題と感じています。、今後も大切な理念を継承し、これまで積み上げてきた徹底した利用者主体のサービスの標準化のために、例えば業務手順書、ケアの指針、職員育成計画等の見直しが期待されます。また、サービスの構築を検討するメンバーが集まる会議媒体は「職員会議」である事から、会議の場において、各種の展望の計画立案、実施、報告、検証のサイクルを強化する事でさらなる標準化に繋がると思われます。
利用者の自由を制限しない方針の元、危機管理が為されています
一般的には危機管理上、閉鎖されるの他層階へ移動可能な階段・エレベーター・玄関ドア等、安全管理をされつつも解放されています。認知症対応型の暮らしの場である施設の特性上、例えば認知機能低下や疾病による事故の可能性はありますが、自由を制限しない取り組みについて、家族に事前に理解を求めるようにしています。結果的に事故に繋がったケースでも、家族等に受容の準備が出来ていた事で大事に至らない効果がでています。良い事も悪い事も隠さず伝える施設の姿勢が、家族との信頼関係に功を奏しています。
緊急対応には他事業所との日頃からの連携が活かされます
近隣で開業する訪問医師の医療的支援を受けつつも、夜間緊急時対応については、階下にある小規模多機能型居宅介護との連携が出来ています。この為、小規模多機能の看護師が勤務している場合は、医療的緊急対応の協力が受けられる等、日頃から管理者同士で、気になる利用者の情報交換を行い、後方支援が受けられるようにしています。施設の内服管理は、施設看護師が一週間分セットして、介護職員が配薬して誤薬に配慮して対応しています。コロナ禍の中でも、看取り期にはガラス越しの家族面会を可能にする等、最期の大切な時間の共有を支援しています。
4.共同生活が楽しく快適になるよう工夫している
- 利用者がお互いに関わり合いながら楽しく生活することができるよう支援を行っている
- 事業所での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
- 居室や食堂などの共用スペースは、利用者の安全性や快適性に配慮したものとなっている
【講評】
職員は利用者を暮らしの場の主役として引き立てるようにしています
例えば、食事席は利用者の趣味、得意分野等、利用者の生活嗜好を考慮していますが、あくまでも利用者同士の主体的・自主的な人間関係を大切にしています。その結果、食事の認識が難しい利用者の手が止まれば、「早く食べなさいよ」と、利用者同士の家族的な声かけ等が生まれたりしています。その他、例えば食事の味付けは利用者と相談しがなら行う等、職員は利用者を暮らしの場の主役として引き立てるようにしています。
行動制限をしない等、利用者の自由意思を尊重するように努めています
認知症対応型施設の特性上、利用者の中には、なかなか集団生活に馴染めない利用者や他者に影響を及ぼす利用者も、同じ建物の生活空間で共同生活しています。その中でも、職員は根気強く利用者の意向を尊重しつつ、他利用者の生活に影響が少ないよう支援しています。例えば、入浴は、希望があれば毎日でも入れますが、中には入浴を自立的に計画している利用者もおり、入浴介助をご本人ので実施してい等の事例もあります。他にも嗜好に拘りのある利用者に合わせて、遠方まで特定の店舗に買い物支援を行う等、できる限り利用者の意思を尊重しています。
普通の暮らしがしやすい居住環境になっています
日中はほとんどの利用者が自主的にリビングに出てこられるようです。日ごろの職員の「暮らしの場づくり」が、「集って暮らすメリット」といった好影響を及ぼしていると好感が持てます。認知機能が低下した方でも、施設構造で本来なら姿が見えなくなり死角として嫌われる廊下や、解放された他フロアへ続く階段も施錠はされていません。特に注意すべき利用者以外は、掃き出し窓の施錠とベランダに出る事を禁止せず、利用者は洗濯物をベランダに干す等、普通の暮らしを継続してもらえるように支援しています。理念に則った支援は、好感が持てます。
5.事業所と家族等との交流・連携を図っている
- 家族や利用者の意向を考慮して、家族等が参加できる事業所の行事を実施している
- 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
- 家族等が事業所等に対し、意見や要望を表せる機会を設け、それらを活かした支援を行っている
- 重度化した場合や終末期に備え、あらかじめ本人や家族等と話し合い、事業所でできることを説明しながら、方針を共有している
【講評】
日常的な電話通話による情報提供には、家族との利用者ケア連携への想いがあります
施設では、電話での家族連絡を基本としています。特に、緊急時の対応では、十分に家族の理解、共感をいただけたかを声音で確認出来る為ですが、関係性の良い状態で電話を終えれるように説明や話し合いに注力しています。電話に出ない特定の家族や、返信のない家族があった場合は、FAXを伝達手段にしています。今後は、時代に合わせて利用しやすい新たな連絡媒体の検討も望まれます。
個別情報の提供方法に工夫が望まれます
月に一度の施設からのお知らせは、紙面で家族に情報提供されています。本調査のアンケート結果には、家族からの希望として、利用者の個別の様子を知りたいとの要望が上がっていました。現在はコロナ禍の中で、面会が制限される事は致し方ない部分はありますが、家族面会が可能であった頃には、認知機能低下があり家族の顔が認識出来ずとも、家族の面会によって利用者の精神的安定が見られたといった事例も踏まえ、感染対策を講じつつ、家族との面会の段階的な緩和等、検討を期待します。
往診医の協力を得て、利用者、家族が安心出来る看取りが実践出来ています
近隣の往診医による、24時間体制の医療対応体制が整っています。個人のかかりつけ医がいる利用者の場合、「かかりつけ医が対応できない夜間、休日は、利用者に苦しい思いをさせてしまうのが気がかり」と、常に利用者の安心安楽を願う職員の想いが伝わります。訪問医師が、施設の特性を熟知してくれており、看取り・緊急対応等、タイムリーな医療が提供されています。また、医療対応について、施設側で調整し往診医が直接、電話で家族に説明する等の体制も整備しています。好事例として今後も継続して欲しいと思います。
6.利用者が地域で暮らし続けるため、地域と連携して支援を行っている
- 地域の情報等を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 利用者が地域のさまざまな資源を利用するための支援を行っている
- 利用者が地域とつながりながら暮らし続けられるよう、事業所が利用者と共に地域の一員として日常的に交流している
- 運営推進会議で話し合われた意見を活かして支援を行っている
- 区市町村や地域包括支援センターと日頃から連絡を取り、協力関係を築きながら支援を行っている
【講評】
認知症になっても当たり前の生活が送れる施設である事をアピールしたいと考えています
感染対策の中で2年もの時間が経過し、利用者との地域交流の機会を提供出来ませんでした。コロナ禍収束の光が見えてきたところで、今後は利用者と地域の方々との食事会等、交流の機会をつくり、元々地元で暮らしていた利用者の近所住まいの知り合いや、地域の方々を施設に招いて、認知症になっても楽しく暮らせる事を食事を囲んで皆さんに知ってほしいと、施設職員のイベント開催構想があります。実現を期待します。
コロナ禍等で外出の機会が減る等への対策の強化を期待します
これまで玄関の施錠も、強い認知症対応の方針に基づき実施せず、利用者の行動制限をしてこなかった施設方針は、「感染対策」という唯一つの事由の為、大きな意味で行動制限が設けられる事になりました。今回の感染症対策の期間は、近所への散歩もマスク着用が求められる事から、ほとんど外出も出来ませんでした。この事を踏まえ、次に同様の危機があった場合の対策も念頭に、利用者のコロナ禍での活動について、閉じ籠らなくてもいい対応策について検討・計画しておく等が望まれます。
地域の中で様々な機関と協力関係を持つようにしています
同法人の地域包括支援センターと密な連携を行っています。認知症介護の課題解決を行う為に、必要に応じて地域包括支援センターに設置されている認知症初期集中支援チームの協力を受け認知症地域支援推進員の助言を受ける事や行政との連携等、施設を越えて多くの意見を収集しています。また、近年では、新規入居者は、近隣の居宅介護支援事業所からの紹介が多いとの事であり、地域の中で信頼されている成果と言えます。今後も、地域に根差した施設として、地域の中で利用者の暮らしを支援して欲しいと思います。
【講評】
個人情報の取り扱いについてルールを定め、同意書を取り交わしています
個人情報の取り扱いについて、規定として書面にまとめて、利用者・家族に説明しています。定めの中では、秘密保持、利用制限、利用目的、事業所側の義務、開示請求等について、明記しています。その他、開示請求についても、担当者を明記し、利用者側の権利擁護を図っています。説明後には、署名・押印し同意書を取り交わすようにしています。取り交わした後でも、必要時にはその都度、利用者・家族に同意を得るようにしています。
事業所は利用者にとっては、「その人の家」である事を職員に指導しています
管理者は、事業所は利用者にとっては、「その人の家」である事を職員に指導しています。例えば、利用者宛ての友人や知人からの手紙や葉書を利用者本人に届けるようにする事やシーツ交換時にも入居者が不在時に許可なく行わないようにする事、自分で洗濯をする利用者の洗濯物にむやみに触らいようにする等、職員指導に力を入れています。その結果として、利用者家族へのアンケートにおいて、「プライバシーを守ってくれていると思うか」という設問に対して、回答者した方のほぼ100%が「そう思う」と回答しており、非常に高い数値となっています。
利用者一人ひとりの生活習慣を尊重しています
管理者は、事業所内での利用者の意思の尊重を最重要視して支援にあるように職員を指導しています。例えば、就寝や食事時間を決めずあくまでの利用者の希望やペースに合わせるようにする等、一人ひとりの生活習慣やリズムに合わせる事や羞恥心へ配慮する事を大切にしています。実際に評価者が観察に伺った際には、ある利用者が今日の施設の予定と自分の予定を職員と話合い、職員から「お風呂どうぞ」といった声かけで入浴されている等の場面が観察できました。利用者の生活習慣を尊重したケアが行われていると言えます。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
東中野キングスガーデン独自のケアの在り方を職員に伝えています
管理者は、介護という仕事を、硬直的・機械的な肉体労働ではなく、「利用者の生活やその時の思いに寄り添う=感情労働」である事を、管理者自身の言葉で職員に伝えています。例えば、「この前こうやって決まったから、こうするように言われたから、ではなく、認知症の利用者の特性を把握して、その時にその時にあった支援を欲しい」、「利用者のできるを支えて欲しい」等、直接的な言葉で、東中野キングスガーデンが目指すものを伝えるようにしており、好感が持てます。今後もこの教科書を強化・拡大して欲しいと思います。
OJT後のチェックの強化に期待します
新入職員のOJTについて、指導を統一するために、「新規職員指導内容」を作成し、指導する職員側で共有するようにしています。早番・遅番等の勤務毎に指導内容・説明する事項を明記し、指導される側が「今日は何を学習するか」が明確になるようにしており、マネジメントの好事例と言えます。今後は、OJTプログラムは、指導する側がコメントするのみのチェック方式となっていますが、最低限は具体的にチェックしたい項目は明記し、○✖でチェックする等の検討を期待します。特に認知症関連の知識・技術のチェックは必須と思われます。
さらなる認知症ケアの知識・技能強化に期待します
認知症を抱える利用者の支援は、高い専門知識や集中力の他に、職員一人ひとりの自己抑制や経験も求めるられると思われます。その為に、外部での専門的な研修受講や法人内での事例発表会等を通して、一人ひとりの職員の知識や技能の向上・拡充を図っています。また、今年度はオンラインでのに認知症関連の研修受講を推進する等の取り組みもあります。これらを踏まえ、「個々の職員に求める認知症ケアの知識や技能のレベルの明確化そのチェック」と「一人ひとりの職員に合わせた具体的な育成計画」等の強化にも取り組んで欲しいと思います。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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事業者のコメント
利用者のその時の気持ちや言葉にならない思いを汲み取る事がグループホームでの介護の仕事だと思います。認知症で痛いところや不安な思いがどこから来るのかわからない利用者に代わり、日々利用者の観察を行い、表情や様子・変化を感じその方の特性と合わせ職員一人一人がその方の今の思いや苦痛を想像し場面場面で対応を変えていく、また、その対応結果を他の職員と情報共有しお互い支援の幅を広げていく、そういう事が全ての職員が自分らしく行えるような指導を行わなくてはいけないと強く感じました。【ありのままの自分でいられる場所】と言うコンセプトに立ち返り、利用者・職員共に自分らしく過ごせる環境づくりも行っていきたいと思います。