評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
①人の心を大切にし、入居者様に寄り添うことにより笑顔や安心を提供します。 ②入居者様やご家族様、地域の方々との関係性を築くことにより、皆様に信頼される地域に根付いた施設作りを目指します。 ③職員一人一人の介護技術や知識等のスキルアップによる施設全体の質の向上。 ④職員が仕事に対して充実感を感じることのできる環境作り。
職員に求めている人材像や役割
①成長意欲が高い。 ②チームワークを大切にする。 ③固定概念に囚われずに、柔軟な思考で物事に取り組むことができる。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
①「気づき」を常に意識し、問題や課題に対してチームで解決へ向けての取り組みを行うことができる。 ②現状に満足せずに常に向上心をもって仕事に臨むことができる。 ③認知症を理解し、入居者に寄り添うことができる。
全体の評価講評
特によいと思う点
日々の生活の中で、職員が利用者が発した言葉を逃さず汲み取り、全職員が利用者ごとの趣味や嗜好を把握する事に尽力し、ホーム内でどのような活動の場の提供や環境調整が必要か検討されている。特別なレクリエーションを取り入れることより、利用者それぞれの得意なことに重点をおき、アセスメントから介護計画作成に至るまで、反映できるよう意識されている。また、介護計画作成後も個別性のあるケアプランに沿った支援が統一して出来るよう、職員全体で共有し評価が出来るよう努力されている。
コロナ禍で面会制限があり、家族から日々どのような生活を送っているのか、閉じこもりがちになることでADL低下がないか、また閉鎖的な環境により認知症の進行が進む原因になっていないかなど、心配する声が多く寄せられている。その声に対し、できるだけ対面した形で家族の心配事に耳を傾け、ホーム内での生活状況や活動内容を詳細に報告したり、生活に対する希望にも丁寧に耳を傾け対応している。また、利用者と家族のコミュニケーションの機会として積極的にテレビ電話を活用し、不安軽減に努めている。
ホームでの生活は、利用者の意思を尊重する事を大切にしており、経時的な支援は行わず、一人ひとりに応じた支援に注力している。食事においてもゆとりを持って食べらえれるよう、時間は決めたりせず提供している。また、認知症の周辺症状が強い利用者や入所間もなく不安が強い利用者へも時間をかけマンツーマンで向き合い、傾聴や傍へ寄り添うなど安心して生活を送れるよう、支援方法の共有と実施を図っている。ホームでの生活環境へもリラックスして過ごせるよう随所に工夫が見られた。
さらなる改善が望まれる点
新型コロナ感染予防から、これまで実施していた併設している保育園児との交流や、地域住民へのホームの一部開放を控えている状況である。新型コロナ感染の社会的状況から、段階的に対面での面会、異世代交流や利用者家族を招いての食事会を計画していたが感染状況の増幅により実施を見送った経緯もある。以前のように家族との対面や地域での交流する機会は得にくい環境ではあるが、利用者が孤立感を感じず、地域の一員として生活している事が実感できる、新しい形の支援の準備と取り組みに期待したい。
自然災害や感染症に備えることは、介護事業所にとって緊急不可欠な取り組みとなっている。当ホームは、感染症に対するBCPは備えていたが、課題であった災害リスクへのBCPは本年度整備した。今後、より実践的なBCPに向け、如何に全体に浸透させていくか、訓練を重ねブラッシュアップに対するマネジメントが求められる。本年度、リスクに応じた手引書も複数整備したが、インシデント・アクシデントから得た教訓、再発防止策をその手引書と連動させる事で、リスク低減・回避に繋がり、事故防止対策の有効な手段の一つとして期待が持てる。
開設初年度からコロナ禍となり、外部の集団研修の受講が難しい状況の中、オンラインやWEB配信による研修機会が増えてきている。本年度、身体拘束に関わるオンライン研修の受講を認めますが、技術研修や知識研修など、全体的に受講者が少ないように感じられる。今後は成長期に入り、「理念」に向けた取り組みをどのように職員一丸となり追求、探究し実践するか、「職員教育、意欲向上」への取り組みは大きな課題の一つである。ホームが求める職員像を踏まえ、職員一人ひとりの「技術、知識、経験」に合わせた研修計画と支援に期待する。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:2ユニット18名の定員に対し、在籍者18名であった。全員の利用者世帯を対象とし、アンケート調査を実施した。そのうち回答は13名であった。男女別では、無記名者2名を除き、男性2名、女性9名であった。
- 調査方法:アンケート方式,場面観察方式
ホームから利用者世帯に調査表を配付してもらい、結果は無記名で直接評価機関宛に返送してもらう方法で実施した。場面観察は、2名の評価者で、各ユニット午前中に実施した。 - 有効回答者数/利用者家族総数:13/18(回答率 72.2% )
有効回答者数は13名で、利用者家族総数(世帯)に対する回答者割合は72.2%(昨年度75.0%)であった。総合的感想では、7名の利用者世帯が「大変満足」、4名の利用者世帯が「満足」、2名の利用者世帯が「どちらともいえない」と回答した。ご意見・ご要望には、「大変良くしてもらってます。早くコロナが終息して、散歩ができるようになって欲しいです。」、「親の最近の様子から、色々本人の中でのモヤモヤはありつつ、満足してくれていると思っている。」、「職員の方は大変なご苦労の中で、良く対応して下さっていると思います。」、「いつも温かく見守って頂き、また体調の変化にも細かく連絡して頂き、感謝しております。安心してお任せしてます。」など感謝の声が聞かれた。一方、「中に入る事ができないので、様子が分からず不安。外出ができないので、ストレスが溜まり認知症が急激に進行した。運動不足で体力がなくなった。」、「食事の面については、もう少し細かく知りたいと思っております」などの声も聞かれた。場面観察では、お茶の時間、団欒の様子、お掃除などのお手伝いの場面、職員の入浴支援、トイレ誘導などの日常場面を観察した。
アンケート結果
1.家族への情報提供はあるか
「はい」=76.9%、「どちらともいえない」=15.4%、「いいえ」=7.7%という結果であった。「今は、定期的に施設と会話する機会が限られているので・・。通常に戻れば、何ら問題ないと考えている。」というコメントが寄せられている。
2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」=84.6%、「いいえ」=7.7%、「非該当」=7.7%という結果であった。「コロナのため、生活スペースには行っていないので、分からない。」、「中に入る事ができないので、分からない。」というコメントが寄せられている。
3.職員の接遇・態度は適切か
「はい」=92.3%、「いいえ」=7.7%という結果であった。「スタッフさんによります。」というコメントが寄せられている。
4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」=84.6%、「いいえ」=7.7%、「非該当」=7.7%という結果であった。「入所から、体調が特に悪くなっていないので、本件を感じる機会がない。」というコメントが寄せられている。
5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」=61.5%、「どちらともいえない」=15.4%、「いいえ」=7.7%、「非該当」=15.4%という結果であった。「コロナ禍で、面会もほとんどできず、施設内での様子が分かりません。」というコメントが寄せられている。
6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」=92.3%、「いいえ」=7.7%という結果であった。「皆さん大変優しいですが、一人だけ対応が心配な人がいます。」、「職員さんによります。」というコメントが寄せられている。
7.利用者のプライバシーは守られているか
「はい」=84.6%、「いいえ」=7.7%、「非該当」=7.7%という結果であった。コメントは寄せられていない。
8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
「はい」=84.6%、「いいえ」=7.7%、「非該当」=7.7%という結果であった。「今のところ、大きな見直しの機会がない。」というコメントが寄せられている。
9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」=84.6%、「いいえ」=15.4%という結果であった。コメントは寄せられていない。
10.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」=84.6%、「いいえ」=7.7%、「非該当」=7.7%という結果であった。「特に不満はない。」というコメントが寄せられている。
11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」=30.8%、「どちらともいえない」=38.5%、「非該当」=30.8%という結果であった。「機会がない。」というコメントが寄せられている。
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
朝食後、部屋やリビングで談話や新聞を読むなど、利用者の皆様は各々に寛いでいる。利用者Aさんは、職員によるトイレ誘導からリビングの自席に戻りお茶を提供される。ところがAさんは一口飲んだ後、閉眼しお茶を飲むこと無く机に伏した。職員Bは、Aさんが飲水をしていない事に気が付き、とろみ剤の量を少なくし、再度飲水を促した。Aさんは、1口飲んでみると納得した様子で全て飲み干した。その後は閉眼する事なく、表情穏やかに他利用者の話す様子を見たり、職員の声掛けに返答していた場面である。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
嚥下機能の低下を伴う高齢者の食事や飲水には、誤嚥を予防する為、食事形態に合わせトロミ剤を用いる事がある。そして、個人個人の嗜好によっては、トロミ剤により味や食感に変化を感じ、普段から口にしている飲み物でも好みの物に感じる事がある。普段からAさんは、トロミ剤を使用していると思われるが、職員Bは飲水が進まないAさんの様子から、トロミ剤が強く、飲みにくさがあると考えた。そして、トロミ剤を少なく調整しお茶を入れ直し、再度提供を試みた。その結果、Aさんはいつも飲んでいるお茶と感じ、納得した様子で全て飲み干し、笑顔で「あーおいしかった」と話す。その後は閉眼する事なく、表情穏やかに他利用者の話す様子を見たり、職員の声掛けに返答していた。Aさんの「何か違う」というサインを汲み取ることができたのは、日常的に行われるケアの中で、表情や行動から、違和感を感じ取りながら利用者一人ひとりに合わせた援助を実践しているからだと感じた。
サービス分析結果
【講評】
ホームの情報は、運営法人のホームページのサイトやリーフレットで提供している
ホームの情報は、写真を多く取り入れ、運営法人が管理するホームページのサイトで提供している。また、入居希望者向けの運営サイトを通して、ホーム情報や空室情報を発信している。ホームページやリーフレットには、理念と共に、サービス内容、外観や特徴(利用料・リビング・広々したテラス・15㎡ある居室・全室トイレ完備・お食事例・保育園との複合施設)を、カラー写真を用いて発信している。利用を検討している方やその家族、そしてホームへ就職を検討している方にとって有益な情報となっている。
コロナ禍となり見学制限ある中、対面で資料を用いてホームの特徴を説明している
コロナ禍前の見学は、祝日含め利用希望者や家族の都合を優先し、ホーム長とユニットリーダーで分担し対応していた。また、事前連絡なく飛び込みで来所された方も、利用者のプライバシーを確保し、可能な範囲で対応していた。コロナ禍中の今、2階にあるフロア見学は、感染予防対策としてお断りしているが、1階玄関において、ホームの方針・設備や料金・1日の生活・利用までの流れ・日常の風景(鉄板焼き、テラスで寛ぐ様子などA3版のカラー写真を活用)など説明している。尚、資料を希望される方への郵送サービスは継続している。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
サービス内容、利用料金等について丁寧にわかりやすく説明している
申込みの際には、「入居申込書」を活用し、事前の状況把握がしやすくなっており、入居面談がスムーズに進められるように配慮をしいる。入所前には家族へホームではどのような支援が行えるのか、契約書・重要事項説明書を使用し説明しているが、より具体的でわかりやすいよう利用者の日頃の生活風景を写真で見ていただいたり、イメージしやすいよう工夫している。また、料金においても介護保険内・保険外を細かく時間を掛けホーム長が説明し、同意を得るようにしている。
入居後間もない時期は、特に手厚い対応を行い、不安軽減に努めている
入所前の「暫定ケアプラン」作成過程において、ADL聞き取り調査票を使用し、ADL全般・既往歴・本人・家族の希望等、時間を掛け聞き取りするようにしている。入居後間もない時期は、本人の言動や心身状態など細かく観察し確認している。そして、職員同士が連携を図り、傾聴したり、寄り添った支援をしている様子が記録から読み取れた。また、契約後に入居を戸惑い、保留となってしまう場合もあるが、無理強いせず、再度じっくり考えていただくよう一定期間部屋を確保し、利用者・家族のペースに合わせて受入れを行っている。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者・家族から丁寧な聞き取りを行い、アセスメントの実施を心掛けている
計画書作成にあたり、ADL聞き取り調査票・ケアチェック表・課題整理統括表を活用してアセスメントを段階的に行っている。多数の職員から、意見やアセスメントにかかわる情報を聞いた上で集約し、個別性が反映できるような計画作成を意識している。また、計画書1票には、利用者・家族が発した生活に対する希望が要約された形で反映されている事が伺えた。基本的に計画書の見直しは、特変がなくとも6か月から1年の間に定期的に行われている。
ケアプランは必要に応じて緊急的に見直しがされ、共有出来るようにしている
ケアプランの共有・検討は主に毎月開催している職員会議で行われている。職員会議の議事録から、退院後に状況変化があった場合に、緊急的に計画の変更の必要性について検討されている事が確認できた。見直されたケアプランに関しては、「申し送りノート」を活用し、全職員が迅速に共有出来るよう工夫している。また、日頃の利用者の状況変化に関しては、文書による引継ぎだけでなく、四交代制の担当職員がそれぞれ必ず顔を合わせ引継ぎ・申し送りを行い、情報共有を図っている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の介護計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.認知症対応型共同生活介護計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の認知症対応型共同生活介護計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
- 関係職員が連携をとって、支援を行っている
【講評】
計画書の内容通りの支援が出来ているか、常に振り返りをしながら確認している
計画書は、職員がいつでもすぐ確認しやすいよう、フロアの置き場所にも工夫がされている。また、サービス内容実施記録が活用され、計画書2表の内容が記載されており、計画書の内容に沿って統一した支援が出来ているかどうかチェック形式で確認が出来るようになっている。全職員が、計画書の内容変更が必要ないかどうか、内容通りの支援が出来ているか日々確認できることは、PDCAサイクルを常に行っていく上で欠かせないものとなっている。今後も継続することに期待したい。
利用者一人ひとりの強みを生かした支援を心掛けている
介護記録の中より、日頃の生活の中で利用者から何気なく発せられた言葉に耳を傾け、ホーム内で出来る事はないかを常に検討しながら支援している様子が伺えた。広いテラス活用しキャッチボールをしたり、音楽が好きな方にはピアノを弾いてもらったり、歌の伴奏役を担ってもらったり、利用者各々が得意な事で力を発揮出来るような支援に尽力している。また、利用者一人ひとりの生活状況シートを活用し、コミュニケーションをとる際に活用したり、発せられた事柄を随時追加し、嗜好等を把握出来るように努めている。
2.利用者の状態に応じて、日常生活に必要なさまざまな作業等を利用者が主体的に行うことができるよう支援を行っている
- 食事に関する一連の作業等利用者の生活場面では、利用者の主体性と能力を活かして支援を行っている
- 利用者一人ひとりに応じた生活への参加ができるよう工夫をしている
- 利用者の心身の状況に応じて、生活するうえで必要な支援(食事や入浴、排泄等)を行っている
- 各種手続きや買い物等日常生活に必要な事柄について、利用者本人による実施が困難な場合に代行している
【講評】
一人ひとりの意思を尊重し、役割を持って日常生活が送れる支援を心掛けている
ホームでの生活を送るにあたり、入所後もなるべく自宅での生活習慣や趣味を継続できるように、危険物でなければ自宅で使い慣れた家具や、食器などの日用品を持ち込む事を可能としている。日常生活の場面においても、入所前のアセスメントにより、意向や残存機能の把握に努め、身心の状態に合わせて準備・片付けを職員と一緒に行い、可能な限り出来る事は維持し、役割を失わないような支援を心掛けている。生活の主体は利用者である事を大切にして見守り、各々が出来る事を支援している様子が場面観察時にも窺えた。
利用者の意思を汲み、身心の状態に応じた柔軟な生活支援を提供している
日常生活の支援にあたり、職員間で各勤務帯からの申し送りにより、夜間の休息状況や日中の生活状況を把握する事で、身心の状態や認知機能面に応じて必要な支援が提供できるよう努めている。入浴や排泄支援の場面でも、周辺症状の強い利用者や、拒否的な利用者へは介助者が誘導時間を考慮したり、同性介助を行うといった利用者の希望や、意思を尊重しながら適切なタイミングで生活支援にあたっている。利用者一人ひとりへの介入方法は、職員会議や申し送りを通して成功例の共有を図り、自立と能力維持に向け取り組んでいる。
3.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の心身の状況に応じた健康管理を行っている
- 日常生活の中で、利用者一人ひとりの状態に応じて身体を動かす取り組みを工夫している
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
- 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、医療機関等と速やかに連絡できる体制を整えている
【講評】
急な体調変化や緊急時は、ホームと医療機関の連携により柔軟に対応している
職員は毎日「熱・脈・血圧・血中酸素飽和度」を測定し、利用者の表情や言動などに変化が生じてないか確認している。測定結果は、介護記録に身体状況や日常生活に関わる内容と共に記録し情報共有している。毎日の継続した観察により、利用者の些細な変化に気づく事が可能であり、身心の状態や変化等を相談し、定期診察時に必要な服薬処方や、処置を受けれる仕組みとなっている。また、急な体調変化がある場合でも、併設事業所の看護職員へ相談できる体制もある。利用者の健康は、日々の観察の積み重ねにより医療と介護ケアにより支えられている。
服薬マニュアルに沿い、安全に配慮した服薬支援に取り組んでいる
服薬支援を行う時は、職員間でダブルチェックを行い、服薬前に利用者と内服薬が一致しているか確認した上で、利用者の身体状況に応じた服薬介助を行っている。服薬支援の際に生じたインシデント・アクシデントは、再発防止に向けて介助者との振り返りや、職員会議での共有により対策を講じている。今後も、予測されるミスを想定しながら、服薬支援の手順書やマニュアルの見直しを行い、ホーム全体でより安全な服薬支援を職員全員が認識し、実施できる取り組みに期待したい。
4.共同生活が楽しく快適になるよう工夫している
- 利用者がお互いに関わり合いながら楽しく生活することができるよう支援を行っている
- 事業所での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
- 居室や食堂などの共用スペースは、利用者の安全性や快適性に配慮したものとなっている
【講評】
入所前の生活歴や趣味・嗜好を大切に、生活を送れる環境がある
ホームでは、新しい生活に少しでも早く馴染めるよう、アセスメントを基に生活歴や趣味・嗜好に合わせた生活が送れるよう環境整備に努めている。ホーム内への持ち込みに関しては、危険物の持ち込みは禁止しているが、これまで使用していた馴染のある楽器や仏壇、箪笥などの持ち込みは可能としている。居室も安全に移動出来る程の広さであり、居室内にトイレも設置されプライバシーも保たれている。飲酒や喫煙といった嗜好品はホーム内では出来ないが、家族との外出や外泊時に嗜んでいただくようにしている。
利用者一人ひとりの個性を大切にし、自由に快適に暮らせる環境つくりをしている
利用者の集いの場となるリビングと食堂は、日当たりがよく、広いスペースが確保され寛げる場所となっている。リビングからはテラスに出る事も可能であり、併設保育園の園児が遊ぶ姿も見る事が出来る。外出する機会が減っている中、日光浴やボールを使用し身体を動かす事など、活動性を取り入れた生活支援も配慮している。リビングには、ソファーが複数配置され、寛いで自分のやりたい事を出来る空間が確保されている。職員は、利用者同士の関係性や相性に配慮しながら、一人ひとりが集団生活の中でも自由に自分時間を過ごせるよう配慮している。
5.事業所と家族等との交流・連携を図っている
- 家族や利用者の意向を考慮して、家族等が参加できる事業所の行事を実施している
- 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
- 家族等が事業所等に対し、意見や要望を表せる機会を設け、それらを活かした支援を行っている
- 重度化した場合や終末期に備え、あらかじめ本人や家族等と話し合い、事業所でできることを説明しながら、方針を共有している
【講評】
ホームにおける日常生活や、普段の表情を家族に伝える取り組みに期待したい
ホームから家族への近況報告は、家族の来所時や書面開催における運営推進会議配付資料(利用者近況報告・ホームで行っているイベントの様子)で家族に伝えている。定期的に、ホームでの日常生活や、普段の表情を家族全員に向けて発信する取り組みは準備段階にある。昨年度からのコロナ禍における感染予防のため、外出機会や面会制限が行われている状況であり、ホームからの情報発信は強く求められる世情でもあることから今後の取り組みへ期待したい。
重度化・終末期の方針を丁寧に説明し、利用者・家族より同意を得ている
緊急時における意向、重度化した場合における対応、看取り指針の説明、それに伴う同意は入所前の契約説明時に丁寧に時間をかけ説明している。そして、その場で同意・署名をいただく事はせず、家族や本人が話し合える時間を設け、意向を固めた上で、入所日当日に持参していただくようにしている。そこには、本人や家族、親族と話し合う時間を大切にしたホームの配慮が伺える。一度署名した意向や同意であっても、利用者の身体状況に応じて随時見直しを行っており、内容や方向性の変更はいつでも可能となっている。
6.利用者が地域で暮らし続けるため、地域と連携して支援を行っている
- 地域の情報等を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 利用者が地域のさまざまな資源を利用するための支援を行っている
- 利用者が地域とつながりながら暮らし続けられるよう、事業所が利用者と共に地域の一員として日常的に交流している
- 運営推進会議で話し合われた意見を活かして支援を行っている
- 区市町村や地域包括支援センターと日頃から連絡を取り、協力関係を築きながら支援を行っている
【講評】
運営推進会議は書面開催とし、ホームでの取り組みや、生活の様子を伝えている
昨年度に続き本年度も、新型コロナウイルス感染予防の為、集合形式の運営推進会議を中止し、書面開催としている。資料は構成メンバーである、民生委員・地域包括職員・利用者家族へ送付している。資料内容は、利用者近況報告・インシデント・アクシデント報告と対策・ホームで行っているイベントの様子を写真付きで伝えている。書面開催ではあるが、地域包括や民生委員、行政職員にも参加(資料配付)してもらう事で、意見や要望を汲み取る機会としている。
感染予防に配慮しながらの、地域との結びつきを深める取り組みに期待したい
ホームの利用状況は行政へ報告し、ホームの受け入れ相談や介護相談は感染予防に努めながら、行政や地域との協力関係を築いている。ホームは、コロナ禍でも感染状況に応じて、これまで行っていたホームの一部開放も検討していたが、感染拡大により見送るという経緯もあった。感染予防や健康状態に配慮し、地域との交流や催しへの参加は控えている状況であるが、感染予防に配慮しながら、新しい形での地域との結びつきへの準備と取り組みに期待したい。
【講評】
プライベート空間や入浴支援など、利用者の意思を尊重した支援を心掛けている
入居契約の際には、必ず個人情報保護同意書の内容を説明し、同意を得ている。外部関係機関へ情報提供が必要になった際には、目的や情報提供を都度説明し、同意を得ている。また、本人の希望を聞いた上で、基本的には個人のプライバシーを確保するため、居室ドアは閉めるように配慮している。支援に関しても、利用者の状態に合わせ入浴形態を都度変更したり、曜日を固定することなく、利用者のその時の気分の状態に合わせ、入浴出来る時に声を掛けるなど配慮している。
生活習慣が継続できるような環境設定、家族の希望も丁寧に汲み取るようにしている
訪問調査の際に、各居室には馴染みのある家具や、楽器、書籍等が置かれており、利用者各々が日々の生活をリラックスして送れるよう、環境設定している様子が伺えた。コロナ禍で面会がなかなか出来ない状況ではあるが、テレビ電話を活用し、利用者と家族が対面出来るよう配慮している。また、認知症の悪化やADL低下を心配する家族の応え、テレビ電話の回数を多くしたり、ホーム職員が家族の要望を傾聴し、具体的なホームでの過ごし方を説明するなど、家族の不安軽減にも尽力している。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
本年度、定義を記した「誤薬・転倒転落」など、リスクに応じた手引書を整備した
本年度、「①異食、②誤薬(服薬手順含む)、③転倒転落、④行方不明」に対する手引書を整備した。それぞれの手引書には定義が記載され、事例と再発防止策を教訓に、主な事故発生要因や事故防止対策も明記している。また、従来より、個人情報保護規程、苦情解決実施要綱、勤務帯別OJTシート、感染防止対策、高齢者虐待防止、記録の書き方に関する手引書を整備し、事務所内に保管している。ただ、身体介助(食事、入浴、排泄)に関する手引書は無く、来年度の整備に期待する。
職員会議でケアカンファレンスが行われ、業務の振り返りや支援の統一が図られている
提供しているサービスの点検や指導は、毎月ユニット合同で開催する職員会議や、OJT(勤務帯及び時間軸に対する業務別OJTシート活用)で行われ、業務の振り返りや適切な支援に向け統一が図られている。職員会議の中でケアカンファレンスも行われているが、その議事録から「認知症の周辺症状を有する利用者への対応(昼夜問わず不安感強い⇒傾聴を通して気持ちの安定を図ったり、家事手伝い等で気分転換をしてもらう)」について計画作成担当から伝えられ、情報の共有が図られている。また、業務改善についての意見や提案を聞く機会としている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
このセクションは事業者によって更新される情報です。
評価情報
【評価機関名】
【評価実施期間】
2021年10月11日~2022年1月28日
評価結果のダウンロード
本ページの内容をPDFファイル形式でダウンロードできます。
事業者のコメント
入居者様の言葉や行動から、「なぜ」そういった言葉がでるのか、「なぜ」そういった行動をとるのかといったことを常に考えながら入居者様と接していく「なぜ癖」をつけることが認知症ケアにおいて大事なことであると考えます。当施設では、普段の取り組みとして日頃の何気ないコミュニケ―ションを大事にし、入居者様と職員の間に信頼関係を結ぶこと、その方をより知ることができるよう努めております。その他、一人一人に合わせた適切な支援のためには、人物像や生活歴などその方のことを「知る」ことが重要だと考えておりますので、生活歴シートの活用や普段のコミュニケーションといったものから、適切な支援に向けての情報を引き出すよう努めております。