評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
朝食後、部屋やリビングで談話や新聞を読むなど、利用者の皆様は各々に寛いでいる。利用者Aさんは、職員によるトイレ誘導からリビングの自席に戻りお茶を提供される。ところがAさんは一口飲んだ後、閉眼しお茶を飲むこと無く机に伏した。職員Bは、Aさんが飲水をしていない事に気が付き、とろみ剤の量を少なくし、再度飲水を促した。Aさんは、1口飲んでみると納得した様子で全て飲み干した。その後は閉眼する事なく、表情穏やかに他利用者の話す様子を見たり、職員の声掛けに返答していた場面である。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
嚥下機能の低下を伴う高齢者の食事や飲水には、誤嚥を予防する為、食事形態に合わせトロミ剤を用いる事がある。そして、個人個人の嗜好によっては、トロミ剤により味や食感に変化を感じ、普段から口にしている飲み物でも好みの物に感じる事がある。普段からAさんは、トロミ剤を使用していると思われるが、職員Bは飲水が進まないAさんの様子から、トロミ剤が強く、飲みにくさがあると考えた。そして、トロミ剤を少なく調整しお茶を入れ直し、再度提供を試みた。その結果、Aさんはいつも飲んでいるお茶と感じ、納得した様子で全て飲み干し、笑顔で「あーおいしかった」と話す。その後は閉眼する事なく、表情穏やかに他利用者の話す様子を見たり、職員の声掛けに返答していた。Aさんの「何か違う」というサインを汲み取ることができたのは、日常的に行われるケアの中で、表情や行動から、違和感を感じ取りながら利用者一人ひとりに合わせた援助を実践しているからだと感じた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
入居者様の言葉や行動から、「なぜ」そういった言葉がでるのか、「なぜ」そういった行動をとるのかといったことを常に考えながら入居者様と接していく「なぜ癖」をつけることが認知症ケアにおいて大事なことであると考えます。当施設では、普段の取り組みとして日頃の何気ないコミュニケ―ションを大事にし、入居者様と職員の間に信頼関係を結ぶこと、その方をより知ることができるよう努めております。その他、一人一人に合わせた適切な支援のためには、人物像や生活歴などその方のことを「知る」ことが重要だと考えておりますので、生活歴シートの活用や普段のコミュニケーションといったものから、適切な支援に向けての情報を引き出すよう努めております。
1.家族への情報提供はあるか |
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2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
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3.職員の接遇・態度は適切か |
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4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
はい 85%
どちらともいえない 8%
無回答・非該当 8%
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5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 62%
どちらともいえない 15%
いいえ 8%
無回答・非該当 15%
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6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
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7.利用者のプライバシーは守られているか |
はい 85%
どちらともいえない 8%
無回答・非該当 8%
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8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
はい 85%
どちらともいえない 8%
無回答・非該当 8%
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9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
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10.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 85%
どちらともいえない 8%
無回答・非該当 8%
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11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 31%
どちらともいえない 38%
無回答・非該当 31%
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