評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)基本理念 「人は心・信頼・安心、安全」を基本に愛情を持って介護、支援に取り組みます。
2)職員全員がご利用者様個々人にあった介護を考慮し、チームワークで取り組みます。
3)ご利用者様の笑顔とやすらぎのある生活を送れるように取り組みます。
4)生活困窮者支援事業の取り組みや、地域社会との交流を通じて、活気ある施設運営を行います。
5)職員のスキルアップを図り、研修や学習を通じて質の高いサービス提供ができるように取り組みます。
職員に求めている人材像や役割
1)ご利用者様に、愛情を持って接することを基本に、職員間のチームワークを大切にできる人。
2)自己研鑽に励み、常にスキルアップに取り組んでいる人。
3)ご利用者様の自己選択・自己決定を基本に介護をすること。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
1)常に清潔に気配り、ご利用者様へ健康や生活面での気づき・気配りができること。
2)報告・連絡・相談ができること。
全体の評価講評
特によいと思う点
施設では、利用者がより良い生活を送ることができるよう、職員からの提案を積極的に改善に取り入れている。例えば、施設では利用者の身体状況に合わせた各種の車椅子を揃えているが、トイレ内にて便座への移乗時の際に車椅子のブレーキをかけ忘れる利用者がおり、その安全確保のために職員の提案を受けて、立ち上がり時に自動ブレーキがかかる車椅子を導入した。また、コロナ禍のため、施設内行事の実施が十分にできない中でも、サービス委員会などを中心に利用者に喜んでもらえる行事を工夫するなど、利用者の楽しみを増やすことに努めている。
施設では、看取り期に入るとマニュアルに従って各職種がそれぞれに必要な対応を取れるようにしている。家族への連絡などもマニュアル化されている。看取り委員会が設置されており、職員研修も充実させている。エンゼルケアの研修記録やマニュアルが、各ユニットにそろえられている。昨年度も16名の利用者が施設で最期を迎えており、看取りケアに注力している。コロナ禍の中で通常の面会は制限しているが、看取りの段階に入った場合には、十分な対策を図った上で面会ができるようにするなど、本人や家族の心情を大切にした対応をしている。
施設運営に関する重要事項は、管理職や専門職、各ユニットリーダー、法人職員などが参加するリーダー会議で検討・決定されている。予算・決算、人事、サービス内容などに関する検討を重ねて、決定事項については各リーダーを通じて職員に報告している。安全衛生、サービス向上、リスク・身体拘束、看取り、防災などの各種委員会も設置されており、各部署から職員が参加して定期的に活動している。管理職や、ユニットリーダーなどの中堅職員を中心にサービスの向上を目指しており、職員の意見を積極的に取り入れながら組織の活性化に取り組んでいる。
さらなる改善が望まれる点
国の政策動向に対応しながら、給与水準の改善など職員の処遇改善に注力している。ユニットリーダーを担う中堅職員の定着に成果を上げており、組織力の底上げにつながっている。その一方で、新人職員の定着に課題がある状況があり、組織全体で改善に取り組むことが課題となっている。新人職員の採用や育成にかかる費用についても考慮に入れながら、新たに採用した職員についての育成やフォローの仕組みをさらに充実させて、職員の定着率を向上させていくことに期待したい。
施設入所を希望する待機者は多いが、退所から次の入所までに時間を要している状況がある。利用希望者に関する情報収集を迅速に行うなどの対策をとるとともに、医療機関などの関係機関との連携や情報共有もより密接に行うことで、入所までの期間を短縮していくことが期待される。現在は要介護度4以上の利用者に入所が限られている背景もあるため、当施設の支援の特徴(多職種による支援や丁寧な看取り対応の充実など)を上手くアピールできるような情報提供のあり方についても検討していくことが期待される。
日々の利用者の状況や実施したケアの内容についてはケース記録に記載をしている。ケース記録も参考にしながらケアプランの評価も行っているが、ケアプラン上の課題やサービス内容と日々の記録の関連が、より分かりやすくなると良い。昨年度、介護記録ソフトやICT機器の導入をしているため、このタイミングで一度、記録の書き方について職員全体で振り返りや勉強をする機会をつくっても良いかと思われる。ケアプランで明示された利用者ごとの課題や必要なサービスについて、記録内容にも一層反映していくことが期待される。
事業者が特に力を入れている取り組み
感染対策委員会が設置されており、感染症や食中毒の予防、職員研修などを実施している。新型コロナウイルス感染症予防として、看護師の増員、PCR検査の定期実施、動線の見直し、感染が疑われる場合の職員の出勤停止など、迅速な対応を図っている。新型コロナウイルスに関する事業継続計画も整備し、総則、平時からの備え、初動対応、感染拡大防止体制の確立などを定めている。嘱託医とも連携を強化して、組織一丸となった取り組みを進めている。
各ユニット内のカンファレンスにおいてリーダーが職員の意見や意向を把握して、実現に向けて励んでいる。介護統括やユニットリーダーが連携を図って人材育成のための指導を積極的に行っている。安全衛生委員会によるストレスチェックの実施や、毎月の産業医との意見交換などを通じて、職員が働きやすい職場を目指す取り組みを進めている。夜間帯の職員配置を増員することで職員の負担を軽減しており、救急搬送時の対応も強化されている。
施設では、介護職員には生活の支援だけではなく、精神面での支援により利用者の意識が自立に向かうことができるよう、高い意識を持って利用者と向き合うように日頃から指導している。例えば、入所時には車いす介助で、部屋で寝ることが多かった利用者が、現在は歩行器を使いながらフロアを往復するようになっている。はじめは職員が声掛けして、やってみたら少しできたというとことから、本人の意欲が芽生えてリハビリに前向きに取り組むようになった。本人の意欲が、身体状況の変化につながっている。この実績は職員達の自信にもつながっている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:入居者全員を対象とした(事業所と協議の上、聞き取りが困難な利用者を除く)
- 調査方法:聞き取り方式
聞き取り方式
個別に一人あたり15~30分程度の聞き取り調査を行った。 - 有効回答者数/利用者総数:7/66(回答率 10.6% )
調査対象者全員から、回答を得ることができた。満足度の高い項目として、「職員は日常的に、健康状態を気にかけていますか」「施設内の清掃、整理整頓は行き届いていますか」「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できますか」「利用者の気持ちを尊重した対応がされていますか」などがあげられる。
総合的な満足度では、4名が「満足」、3名が「どちらともいえない」との回答であった。
「職員はよくしてくれるので安心です」「問題なく生活できています」「日頃から、職員に話をしています」などのコメントがあがっている。
また、利用者調査を補完するために実施した家族アンケートでは、66世帯のうち、34世帯から回答を得ることができた。「利用者や家族のプライバシーへの配慮は、十分なされていると思いますか」「職員は丁寧に対応してくれていると思いますか」「ケアプラン作成時に利用者本人の状況や、本人・家族の要望を十分に理解してくれましたか」などの項目において、満足度が高かった。
アンケート結果
1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか
5名が「はい」、1名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」との回答であった。 「何でも残さず食べます」「おいしいです」「ソフト食ですが、見た目も普通です」などのコメントがあがっている。
2.日常生活で必要な介助を受けているか
5名が「はい」、2名が「どちらともいえない」と回答し、「いいえ」の回答はみられなかった。 「呼べばすぐ来てくれます」「お風呂の時は、きちんと対応してくれます」「自分でできます」などのコメントがあがっている。
3.施設の生活はくつろげるか
6名が「はい」、1名が「いいえ」と回答し、「どちらともいえない」の回答はみられなかった。 「テレビを見ています」「折り紙をしています」「やりがいことができます」などのコメントがあがっている。
4.職員は日常的に、健康状態を気にかけているか
6名が「はい」、1名が「どちらともいえない」と回答し、「いいえ」の回答はみられなかった。 「心配してくれます」「職員は皆さん優しいです」などのコメントがあがっている。
5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
6名が「はい」、1名が「どちらともいえない」と回答し、「いいえ」の回答はみられなかった。 「大丈夫です」などのコメントがあがっている。
6.職員の接遇・態度は適切か
5名が「はい」、2名が「どちらともいえない」と回答し、「いいえ」の回答はみられなかった。 「皆さん優しいです」「よく対応してくれます」「普通だと思います」などのコメントがあがっている。
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
6名が「はい」、1名が「どちらともいえない」と回答し、「いいえ」の回答はみられなかった。 「不安はありません」「対応してくれると思います」などのコメントがあがっている。
8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
4名が「はい」、3名が「どちらともいえない」と回答し、「いいえ」の回答はみられなかった。 「トラブルなどありません」とのコメントが複数あがっている。
9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
6名が「はい」、1名が「どちらともいえない」と回答し、「いいえ」の回答はみられなかった。 「何でもよく対応してくれます」「気を使ってくれます」などのコメントがあがっている。
10.利用者のプライバシーは守られているか
6名が「はい」と回答し、「どちらともいえない」・「いいえ」の回答はみられなかった。 特にコメントはあがっていない。
11.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
2名が「はい」、2名が「どちらともいえない」、2名が「いいえ」との回答であった。 「ケアプランかどうかわからないが、考えてくれています」「説明を聞いていません」「わかりません」などのコメントがあがっている。
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
2名が「はい」、1名が「いいえ」と回答し、「どちらともいえない」の回答はみられなかった。 特にコメントはあがっていない。
13.利用者の不満や要望は対応されているか
5名が「はい」、2名が「どちらともいえない」と回答し、「いいえ」の回答はみられなかった。 「職員は利用者を大事にしてくれ、親切だと思います」「安心しています」などのコメントがあがっている。
14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
4名が「はい」、1名が「どちらともいえない」、2名が「いいえ」との回答であった。 「困ったことがあれば、相談します」「役所に言えることを知っています」などのコメントがあがっている。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
各ユニットやサービス向上委員会などで利用者ニーズを把握し、対応を工夫している
各ユニットの中で利用者の意向を把握し、適切な対応ができるように努めている。利用者に積極的に声をかけ、話を聞いている。コロナ禍のため、施設内行事の実施が十分にできない中でも、サービス委員会などを中心に利用者に喜んでもらえる行事を工夫している。ユニット内行事として、プロジェクターでの花火大会の映像を見ながらかき氷を食べ、手持ち花火を楽しんでいる。職員の意見や意向については各ユニットリーダーが集約してリーダー会議等で検討し、必要な物品を揃えるなど、実現に向けて取り組んでいる。
地域に関する情報収集や施設の運営課題に関する共有を図っている
地元の町内会長と日常的な交流があり、地域に関する情報交換をする機会が多い。区内の特別養護老人ホーム施設長連絡会に参加しており、施設間での情報交換に役立てている。現在、施設長連絡会はリモート対応となっており、以前に実施していた施設間交流や職員研修などは中止としている。施設の経営状況については月次報告を作成して法人に報告するとともに、リーダー会議においてもその要点を確認して、職員間で運営上の課題などを共有し、対応策の検討につなげている。
事業計画において重点項目を定め、中長期的な視点を持って実現に努めている
中長期計画は、現在のコロナ禍の状況を見定めた上で改めて作成することとしており、現在明文化したものはない状況となっている。ただし、事業計画に掲げている施設の目標においては、「生活困窮者支援事業の取り組みや、地域社会との交流を通じて活気のある施設運営をします」や、「明るく楽しい職場環境の下で、質の高いサービスを提供する人材を確保・育成します」などを掲げて、中長期的な視点をもって実現に向けた取り組みを進めている。単年度の重点的な取り組みも定めており、目標達成を目指す施設運営をしている。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
福祉職に求められる姿勢や行動について研修等を通じて理解を深めている
福祉職に求められる姿勢や行動について、新入職員オリエンテーションにおいて伝えている。職員として遵守すべき事項も示して誓約書を提出してもらっている。虐待防止委員会による高齢者虐待研修を基礎知識と事例検討の年2回、サービス向上委員会による接遇研修、看取り委員会による看取り期についての研修など、各種の施設研修も実施して職員の理解が深まるように取り組んでいる。
苦情解決や虐待防止のための仕組みを整備し、職員に振り返りを促している
苦情処理責任者を設置するなど、苦情対応に関する体制を整え、「苦情・要望等対応手順」に則って適切に対応できるようにしている。玄関に苦情受付ボックスを設置しているほか、苦情解決第三者委員についても利用者・家族に周知をしている。現在、深刻な苦情が寄せられることはない状況であるが、利用者の日常生活に関する家族からの細かい要望については、担当職員だけでなくケアマネージャーや看護師などからも丁寧な説明を行うなど対応を図っている。虐待防止についても仕組みを整備するとともに、研修を通じて職員に振り返りを促している。
ボランティアの受け入れや地域交流についてはコロナ禍で活動を制限している
施設の情報はホームページで公表するとともに、広報誌「英智園だより」を作成して家族に配布している。ボランティアについては担当職員を配置して受け入れ体制を整えているが、現在はコロナ禍のため受け入れを停止している。地域交流・貢献については、町内会との防災協定、共同防災訓練への参加、会議室や物品(発電機)の貸し出しなどを行っている。利用者が盆踊りに参加したり、子ども神輿が施設に立ち寄ったりしていたが、現在は中止としている。地域との交流についてはコロナ禍の収束後を見据えて長期的に充実させていきたいとしている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
災害時の事業継続計画を定め、実効性を高めるための訓練も実施している
災害を想定した「事業継続計画」を作成している。基本方針、被害想定、優先事業と目標復旧時間、初動対応と重要業務、災害時対応体制、事前対策リストなどの項目をめとめている。職員携行カードや災害時業務検討シート、災害時献立表、備蓄品リストなどの書式も整備して、実践的な内容になっている。防災委員会を中心に訓練の実施にも取り組んでおり、今年度は図上訓練や映像を見ての研修なども実施している。各ユニットごとの避難方法についてもミーティングを確認を行っている。
事故後のカンファレンスを実施するなど安全対策の検証に努めている
事故が発生した場合には事故報告書を作成している。事故の種類、状況、発生・発生時の対応・処置、事故の要因、事故の報告、改善・対応といった項目について記載をして、管理職、相談員、医務室へ提出している。その後、リスク委員会やユニットリーダーで事故後のカンファレンスを実施して、改善策が効果的であるがどうか等を検証している。事故後カンファレンスの結果を記入した報告書はコピーをとって各ユニットで保管し、職員間で情報共有できるように努めている。ヒヤリハットについてはユニットで取りまとめた後、リスク委員会に報告している。
ICT化を進めて、情報管理の効率化や利用者の安全確保に活かしている
ICT化への取り組みを計画的に進めており、昨年度介護ソフトや記録用タブレットなどを導入している。ICT委員会も設置して、職員向けの研修会を開催して情報管理の効率化に役立てることができるように取り組んでいる。見守りセンサーやナースコールとも連動するようにして、利用者の安全確保にも活かしている。利用者の個人情報については個人情報保護規程に沿って適切に取り扱うようにしている。職員からは個人情報保護に関する誓約書を提出してもらっている。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
職員の処遇改善に注力し、中堅職員の定着に成果を上げている
国の政策動向に対応しながら給与水準の改善など、職員の処遇改善に注力している。ユニットリーダーを担う中堅職員の定着に成果を上げており、組織力の底上げにつながっている。一方、新人職員の定着に課題がある状況があるため、組織全体で改善に取り組むことが課題となっている。介護福祉士など国家資格の取得をサポートする制度も取り入れており、施設でキャリアアップを目指せるように働きかけている。介護技能実習生など、外国籍の職員も積極的に採用して育成を図っている。
人事評価制度を運用し、施設内研修を計画的に実施するなど職員の育成に努めている
人事評価制度を運用しており、評価結果を昇給や賞与に反映させている。「人事評価制度に関する規程」に基づき、主任用と一般職員用の評価表を用いて求めらる能力や働きを明示している。主任向けにはチーム運営や目標の推進、人材の育成などの12項目を設定し、一般職員向けにはビジネスマナー、傾聴、観察、コミュケーション、自己管理などの30項目を設定して5段階で評価をしている。各委員会が主催している施設内研修も計画的に実施して職員の育成に努めている。昨年度は看取りケアや虐待防止、ICTなどのテーマで実施している。
職員が働きやすい職場を目指しており、利用者や職員の安全確保に取り組んでいる
各ユニット内のカンファレンスにおいてリーダーが職員の意見や意向を把握して、実現に向けて励んでいる。介護統括やユニットリーダーが連携を図って人材育成のための指導を積極的に行っている。安全衛生委員会によるストレスチェックの実施や、毎月の産業医との意見交換などを通じて、職員が働きやすい職場を目指す取り組みを進めている。産業医からは新型コロナウイルス感染症予防に関するアドバイスも受けて、利用者や職員の安全確保に活かしている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【目標】
①人材育成とチームワークの確立のために、職員研修の充実を図る
②生活困窮者支援事業の取り組みや家族・地域との交流を図っていく
③事故やトラブルの防止、感染症等のリスクマネジメントを強化する
④災害対策の充実、予防対策の強化
⑤職員定着のための職員評価制度の確立、キャリアアップ制度の導入等を利用して職員給与の改善、待遇アップを実行
【結果とその検証】
職員の定着やスキルアップは取り組み途上であり、介護のレベルアップは継続的な課題となっている。地域との交流、外部講師を招いた職員研修、ボランティアの受け入れなど、計画はしていたがコロナ禍の影響で実施できない事項が多くあった。生活困窮者の受け入れは実施している。職員評価制度やキャリアアップ制度の導入は進んでいる。
【今年度以降の改善】
今年度も事業計画において重点課題を設定して、課題に対する取り組みを継続していくこととしている。ただし、地域との交流など外部との接触が生じてしまう項目については、新型コロナウイルス感染症の収束を待って、改めて検討していくこととしている。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
【目標の設定と取り組み】
・重点課題と目標については、前年度の事業計画の中に明示している。各会議や委員会などで役割分担をして実行体制をつくっている。
・具体的な取り組みとしては、地域交流や外部講師を招いての職員研修等、新型コロナウイルス感染症対策のため、計画をしていたが実施を見合わせた事項が多くあった。一方で、職員評価制度やキャリアアップ制度など、職員の処遇改善や育成のための仕組みを着実に整備している。
【取り組みの検証】と【検証結果の反映】
・昨年度の取り組みについては反省を踏まえて、今年度の重点項目も定めている。しかし、地域交流などはコロナ禍の収束後に改めて検討が必要としている。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【目標】
①ICTの活用、機器導入による業務省力化の実現
②介護ソフトの活用による記録作成
【結果とその検証】
ICT委員会を設置して、ICT機器や介護ソフトの導入を図った。同委員会による職員研修を定期的に開催して、職員が活用して業務省力化などの目標達成につなげるための取り組みを推進してきた。予定通りの導入ができている。
【今年度以降の改善】
ICTの活用を業務省力化だけでなく、介護の質向上にも役立てることができるように課題意識を持ち、ICT委員会の活動を継続している。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
【目標の設定と取り組み】
・従来より課題としていたICTや介護ソフトの導入を計画的に実施してきた。ICT委員会を立ち上げ、職員が活用できるように研修を開催するなど、推進役を担ってきた。
【取り組みの検証】と【検証結果の反映】
・ICT委員会により機器やソフトの活用状況を確認し、業務省力化や記録の充実など、より効果的な活用ができるように必要な取り組みを継続的に検討し、実施している。
サービス分析結果
【講評】
ホームぺージやパンフレットを通じて施設の情報を発信している
ホームぺージを作成しており、事業所案内、サービス内容、理事長・施設長あいさつ、スタッフ紹介などの情報を発信している。写真を多く用いて見やすい内容となっているが、新着情報などで最新の情報を提供していくことが期待される。施設パンフレットでは、法人理念や年間の催事、施設案内などを掲載している。家族向けに毎月作成、配布している「英智園だより」では、施設の状況や家族へのお願い、次月の予定の他、施設での利用者の様子を写真で伝えており、家族からも喜ばれている。
施設の見学や案内においては、感染症予防を踏まえて実施している
利用希望者から見学の問合せがあった場合には、生活相談員が個別に対応している。現在は新型コロナウイルス感染症予防のため、ユニット内や居室の見学は控えてもらっている。そのため、居室やユニット内の写真が掲載されているパンフレットを基に、施設での生活の様子を伝えている。見学や問い合わせ時には利用料金を知りたいという要望も多いため、料金表に基づいて詳細に説明し、理解を得られるようにしている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入所申し込み後から入所日に至る間に重要事項等を説明し、契約を結んでいる
新規入所の申し込みに際しては家族に見学をしてもらい、入所の申込書を提出してもらっている。施設では相談員による利用希望者の実地調査書や主治医の診療情報提供書などの情報を収集して入所判定会議を行って、入所の可否を決めている。入所が決まった後に、改めて家族に来所してもらい入所する部屋の確認や重要事項説明書等を渡して説明をしている。契約手続きは入所日に行っている。入所日にはケアマネジャーや看護師、管理栄養士からも利用者に関する詳細な情報を確認して、入所後の支援に活かしている。
利用者に関する情報を収集するとともに、職員間で共有して受け入れに備えている
利用者に関する情報は相談員を中心に入所前から収集をして受け入れに備えている。診療情報提供書に記載されている利用者の健康状態や必要な医療などに関する情報については嘱託医が確認をしている。収集した情報を基にフェイスシートを作成して、利用者の基本情報や病歴、健康状態、ADLなど、支援に必要な情報を職員間で共有している。入所時には暫定ケアプランも作成して、ケアの内容を明示している。暫定ケアプランは、3か月または介護保険の更新のタイミングなどで見直しており、必要なケアが提供されるようにしている。
入所後の不安やストレスの解消を図るとともに、入院した場合には状態把握に努めている
入所時には家族のニーズを把握して、ケアプランの内容に反映させている。「施設でどのような生活を望むか」、「家庭ではどのように過ごしていたか」などについて尋ね、希望する生活を実現できるように努めている。入所後には利用者本人からも積極的に意向を聞き取るなど、細やかに対応して不安やストレスを解消できるようにしている。利用者が医療機関に入院となった場合には、看護師が看護サマリーの情報を提供したり、相談員がお見舞いに行って様子を確認するなどしている。現在はコロナ禍のため、入院後の様子は家族に確認している。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者に関する情報を個別のファイルにて管理している
利用者ごとに個別のファイルを作成し、必要な情報を管理している。基本情報、ケース記録等、ケアプラン、資料等の項目ごとに整理されており、基本情報として、フェイスシート、介護保険外サービス申込書、資料提供に関する同意書、看取りについての同意書などが綴じられている。専門職によるアセスメントとして、看護師によるケアチェック表や管理栄養士による栄養アセスメントシートが作成されており、利用者の状態把握や必要なケアの検討に活かしている。
ケアプランの作成や見直しに当たっては職員間で利用者の状況把握に努めている
ケアプランは各ユニットに配布されており、利用者ごとのサービス内容について周知している。各ユニットで毎月実施されているカンファレンスでは、利用者の状況や必要なケアの検討を行っており、介護統括やケアマネジャーらも参加をしている。半年ごとの見直しに合わせて「評価表」を作成しており、ケアプランの短期目標に沿った支援が実施できていたかどうかについて3段階で評価をしている。サービス担当者会議では、こうした情報を参考にしてケアマネジャー、看護師、相談員、管理栄養士、介護職員など多職種でケアプランを検討している。
日々の記録やユニットカンファレンスなどにより、利用者の状況を職員間で共有している
日々の利用者の状況や実施したケアの内容についてはケース記録に記載をしている。業務日誌も作成されており、ユニットごとの申し送り事項や特記事項、利用者の様子などが記載されている。各ユニットでのカンファレンスが毎月実施されており、利用者の状況について職員間で共有し、必要な対応が取れるようにしている。各ユニットの状況については、毎月のリーダー会議で報告がなされており、施設全体での共有が図られている。昨年度、介護記録ソフトやICT機器の導入をしており、情報共有のさらなる充実を目指している。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の施設サービス計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.施設サービス計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
- 施設サービス計画に基づいて支援を行っている
- 利用者の意向や状態に応じて、生活の継続性を踏まえた支援を行っている
- 介護支援専門員を中心に、介護、看護、リハビリ、栄養管理等の職員が連携して利用者の支援を行っている
【講評】
サービス計画作成に当たっては、入所前の利用者情報を詳細に集めている
施設入所希望者に対しては、相談員が自宅での面談において本人や家族より情報収集している。他の施設からの入居者については、前にいた施設から生活状況や趣味嗜好など本人についての情報を聞き取っている。医療情報も同様に得ている。判定会議にて各職種に共有され、それらを踏まえケアプランが作成されて、ユニット会議にて話し合われ、職員たちに共有されている。利用者は入居前の生活が継続され、大きな変化のない安心な生活が送れるよう、職員たちは努力している。
職員の気づきにより、必要に応じて初回のケアプランの見直しを図っている
ケアプランに従って利用者のケアを行いながら、職員はケアの中での気づきを大切にして、必要に応じて初回のアセスメント内容やケアプランの内容について見直しをしている。入所してから現場で携わっている職員の気づきは、月に一度のユニット会議にて話し合われている。利用者の状況にもよるが、施設での生活をいかに楽しんでもらえるかを目標としている。ユニット会議はリーダー層も工夫をし、誰もが自由に意見が言えるようになっている。ケアマネジャーも現場の意向を大切にし、利用者を見守りながらケアプランの見直しを行っている。
生活リハビリの具体的な展開につながるような機能訓練の項目の検討に期待したい
施設での機能訓練は、生活リハビリが中心であるが、計画の項目が本格的なリハビリの内容となっていることで、職員が具体的な生活リハビリに展開しづらいものとなっている。日常生活において、利用者が以前はできていたことが、最近は難しくなってきたこと、例えば簡単な家事を職員と一緒に行うなど、利用者に、「まだできるんだ」ということを実感してもらえるような項目立てを検討していくことが必要と思われる。利用者の喜びと生活意欲の向上につながるような、機能訓練の項目について検討が期待される。
2.食事の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
- 利用者の栄養状態を把握し、低栄養状態を改善するよう支援を行っている
- 嚥下能力等が低下した利用者に対して、多職種が連携し、経口での食事摂取が継続できるよう支援を行っている
【講評】
施設では、利用者に楽しく安全な食事をしてもらうことを目標としている
利用者個々の食事についての目標を職員間で共有し、毎回の食事状態を見守っている。コロナ禍の中で食事にも様々な制限があるが、利用者によってはそうした制限に関わらず、食事が楽しいと感じていないような方もいる。そうした利用者には、聞き取りを行って少しでも楽しく食事をしてもらうことができるよう対応に努めている。多職種での話し合いを重ねて、利用者一人ひとりが食事を楽しむことができるように努力、工夫を続けている。
ミールラウンドに基づいて、利用者個別に食事形態を考え工夫している
入居者の重度化に伴って、普通食での食事提供はごく少なっている。そのような中でも食事を楽しんでもらうために、多職種との共同で各ユニットごとに月一回のミールラウンドを行っている。歯科医師の指導の下、飲み込みなどの検討を行い必要な対応を図っている。結果も検証しながら、食事の目標達成を目指している。改善が必要な場合には、再度検証を続けて、利用者それぞれに楽しんでもらえる食事提供について工夫を行っている。
管理栄養士、看護師など多職種と連携して、利用者の変化に対応している
利用者に低栄養など特別な変化があった場合は、カンファレンスを開き、ケアプランの見直しをして、食事形態の変更や補助食品の利用を実施している。血液検査の結果だけでなく、普段の食事時の姿勢の変化など、職員が気づいたことを大切にしている。管理栄養士や看護師などの多職種の連携によって、利用者に安全な食事が提供できるように、職員全体でサポートしている。
3.利用者が食事を楽しむための工夫をしている
- 利用者の嗜好を反映した食事を選択できる機会がある
- 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
- テーブルや席は、利用者の希望に応じて、一定の範囲内で選択できる
- 配膳は、利用者の着席に合わせて行っている
【講評】
利用者の意向と安全な食事提供の両面に配慮している
普通食以外の食事形態で提供している利用者からは、嗜好について不満が出ることもある。施設としては、「おいしく」「楽しく」「安心・安全」を重要視していることから、普通食以外の食形態について、利用者に時間をかけて話し、理解を得るようにしている。おやつなどは普段の食事の様子から、大丈夫と判断されれば、最大限の注意と見守りのもとでそのまま提供するなど、利用者の希望に沿うようにしている。コロナ禍の前はイベント食があり、天ぷらや寿司など好きなものを目の前で作って、誕生日会などで提供していた。
認知症の利用者についても、嗜好をくみ取るよう努力している
利用者の中には、認知症の方も多くなっている。利用者の嗜好は全て確認し、対応できるようにしているが、認知症の利用者の中には、好き嫌いがあっても物の名前を言えない方もおり、魚か肉かなども言葉での確認ができない場合がある。そうした際は、アセスメント表の記述や、普段の食事の様子から推測するようにしている。楽しめる食事が利用者全員に公平に提供できるよう、日々の食事の見守りを含めて、工夫を凝らしている。
食事の席やタイミングなどを考慮して、皆が楽しめるようにしている
リビング兼用の食堂で、ユニットごとに食事を摂ってもらっている。他人との食事を拒否する利用者には個別対応をとって、皆が楽しめるように配慮している。食事介助の必要な利用者が多いユニットでは、時間差を作って対応している。食堂での席は固定されるが、同席者との相性に注意し、普段の職員の観察から判断して決めている。こうして食事中の問題発生やトラブルを回避し、食事を楽しんでいただく工夫をしている。
4.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の意向や状態を把握して、できるだけ自立性の高い入浴形態(個浴、一般浴等)を導入している
- 入浴の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
- 認知症の利用者に対し、個別の誘導方法を実施している
- 利用者が入浴を楽しめる工夫をしている
【講評】
重度化が進む中でも、利用者に合わせた入浴ができるように準備している
各フロアには個浴、機械浴を設置し、利用者の状態に合わせた入浴ができるように準備している。しかし、入居者の状況は変わってきており、重度化が進んだことにより、個浴で入浴ができる利用者は減少してきている。機械浴で椅子に座って入浴できる利用者も減ってきている。入浴はユニットごととしているが、重度化により5階のストレッチャー浴は、入所者の約2割が利用するようになっている。全体の入浴管理表により対応しているが、二人介助となるため職員の配置を日々工夫して対応に努めている。
認知症のある利用者には、声掛けや誘導に工夫を凝らしている
認知症のため、入浴への誘導にも工夫を必要とする利用者もおり、個別の対応が求められている。拒否の強い利用者には、同性の職員を選び、言葉を選んで促しをしている。時間がかかれば入浴時間の変更や、日を変えて誘導したりといった対応を図っている。また、入浴の楽しさを感じられるように、入浴剤を使用するなど、入浴が楽しいものだと思ってもらえるように工夫している。
安全確保に留意しているほか、プライバシーに配慮して対応している
例えば拘縮など、身体介助において配慮が必要な利用者の場合などでは、利用者の安全確保に留意しながら丁寧に介助をしている。羞恥心の強い利用者には、同性介助はもとより、浴室間のカーテンを閉めるなどの配慮をするようにしている。入所前には自宅で一人で入浴していたこともあり、可能な限りプライバシーに配慮した環境をつくることで、利用者自身が安心して入浴できるようにしている。
5.排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の意向や状態に応じ、自然な排泄を促すよう支援を行っている
- 排泄の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
- 研修等によりオムツ交換、トイレ誘導等の排泄介助方法の向上に取り組んでいる
- トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面や臭いに配慮し、清潔にしている
【講評】
家族の希望と本人の状況とに違いがある場合は、十分な話し合いをしている
施設に入所する際、家族からは様々な希望が出される場合もある。利用者ができていたことを継続して欲しい(例えば、トイレは便座に座ってさせてほしいなど)との要望が多い。しかし、カンファレンスでの意見や現場の職員から見ると、利用者本人の状況と家族の希望に乖離があることも多い。その時には、まず本人の希望の聞き取りを行って、可能な限り支援に反映するようにしている。聞き取り後に家族との話し合いを持って、本人の希望と現状を家族に理解してもらえるように努めている。
排泄介助時に本人の羞恥心にはきちんと対応し、職員の介護技術を高める工夫をしている
個室に完備したトイレで排泄介助をしている。排泄のサイクルは個々に違うが、リビングで他の利用者たちと寛いでいるときに介助が必要となった時には、職員は本人に対して小声で確認をし、他の人に気づかれないように個室に誘導するようにしている。また、介助方法などについては、最新の情報技術を職員に習得してもらうよう研修に工夫をしている。短時間の研修DVDを用意し、月に1度のユニット会議にあわせて時間を取り、フロアのパソコンで勉強するようにしている。
おむつなどの選定に当たっては、利用者個々にあわせた検討を行っている
おむつやリハビリパンツを選定する際には、個々の排泄量に合わせたものや、清潔保持に適したものなどをユニット毎の判断で意見を出し合い、決定している。職員個々の技術レベルはDVD研修にて均一化できるようにしているため、話し合いでも介助のポイントを抑えた検討ができている。排泄介助に限らず、必要な介助について全体に高いレベルが維持できるようになっている。
6.移動の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の状態や意向に応じ、できるだけ自力で移動できるよう支援を行っている
- ベッド移乗、車イスの操作など移動のための介助が安全に行われている
- 利用者が快適に使用できるよう車イス等の環境整備が行われている
【講評】
各種の車椅子を揃えていることに加え、必要なものは職員が積極的に提案している
施設では自走用、介助用、リクライニングなど、利用者の身体状況に合わせた各種の車椅子を揃えている。利用者の重度化や認知症の進行により、トイレ内にて便座への移乗時の際に車椅子のブレーキをかけ忘れる利用者がおり、転倒転落の危険が増えている。その防止のために職員の提案を受けて、立ち上がりをしようとすると自動ブレーキがかかる車椅子の導入について検討をした。検討の結果、施設での購入が決まった。多職種の職員が協同で、利用者のために必要な提案を積極的に実施している。
操作技術を学ぶ研修機会を設定し、職員のレベルに応じて柔軟に実施している
施設では職員の介護技術レベルをそろえるために、短時間の研修DVDを利用している。ユニット会議にて皆が参加できる場を提供し、技術の向上やレベルアップを図っている。車椅子の操作技術についても同様の研修方法にて実施をしている。対面での研修よりも効率的に実施できることや、職員のレベルに応じた柔軟な対応が可能となっている。車椅子メーカーによる研修内容の充実もあり、職員の技術向上に役立っている。
7.利用者の身体機能など状況に応じた機能訓練等を行っている
- 利用者一人ひとりに応じた機能訓練プログラムを作成し、評価・見直しをしている
- 機能訓練のプログラムに日常生活の場でいかすことができる視点を入れている
- 機能訓練指導員と介護職員等の協力のもと、日常生活の中でも機能訓練を実施している
- 福祉用具は、定期的に使用状況の確認をし、必要に応じて対処をしている
【講評】
職員の声掛けにより、利用者が意欲を持ってリハビリに取り組むようになっている
利用者の意欲につながる働きかけをしている。例えば、入所時には車いす介助で、部屋で寝ることが多かった利用者が、現在は歩行器を使いながらフロアを往復するようになっている。はじめは職員が声掛けして、やってみたら少しできたというとことから、本人の意欲が芽生えてリハビリに前向きに取り組むようになった。本人の意欲が、身体状況の変化につながっている。この実績は職員達の自信にもつながっており、今後のさらなる取り組みが期待できる。
施設で行う生活リハビリでは、できることを増やすことを目標にしている
利用者一人ひとりの状態に合わせた機能訓練プログラムを、多職種の意見を取り入れて作成している。職員は本人が取り組みやすいよう準備しているが、その日の体調などから拒否する利用者もいる。だからといって職員はすぐにあきらめることはせず、様子を見ながら意欲がわいてくるような働き掛けをしている。リハビリを通じて、本人があきらめていた行動ができるようになることで、生活意欲が生まれ、楽しい施設生活につなげていくことを目指している。
福祉用具は利用者の生活に欠かせないものであるため、注意してチェックしている
車椅子については、月単位のチェック表を作成している。不具合のないよう日々注意しながらチェックをしている。重度化により徘徊探知センサーなどの福祉機器を利用している利用者も20人程になっている。メンテナンスについては、職員の経験や知識の積み重ねにより、日々の注意が向けられており、事故のないよう常に点検をしている。
8.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の状態に応じた健康管理や支援を行っている
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
- 利用者の状態に応じ、口腔ケアを行っている
- 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、看護師や医療機関と速やかに連絡が取れる体制を整えている
- 終末期の対応をすでに行っているか、行うための準備が行われている
【講評】
内科医や歯科医による回診などがあり、利用者の体調管理が行われている
内科医の回診は毎週火曜日に行われている。金曜日には薬の処方時に合わせて、体調不良者の対応も行っている。回診結果は個人記録や医務室記録に記載されており、介護職員にも共有されている。歯科医の回診も毎週月曜日に行われている。義歯の調整や飲み込みのチェックが行われ、利用者の食事状態の改善につながっている。おいしく食事ができ、楽しい食の提供にもつながり、施設生活をより充実したものになるよう施設は力を入れている。
夜勤補助員の配置により夜間の緊急対応を充実させ、職員の負担軽減も図っている
施設では、夜勤職員一人ひとりにかかる負担の軽減のために、夜勤専門の夜勤補助員を採用している。補助員は1時間ごとにフロアを変えて勤務し、その間に夜勤職員が休憩を取ることができている。緊急時には、継続して夜間勤務をしている場合に比べて、適切な対応ができると考えている。搬送時の付き添いも可能となっている。緊急時の対応マニュアルは、医務室だけでなく各ユニットにも用意されており、職員が適切に対応できるよう準備をしている。
看取りの体制が整備されており、マニュアルも各ユニットに用意されている
施設では、利用者本人や家族から延命を希望するかしないかの確認を取っている。看取り期に入ると、マニュアルに従って各職種がそれぞれに必要な対応を取れるようにしている。家族への連絡などもマニュアル化されている。看取り委員会が設置されており、職員研修も充実させている。エンゼルケアの研修記録やマニュアルが、各ユニットにそろえられている。昨年度も16名の利用者が施設で最期を迎えており、看取りケアに注力している。
9.利用者が日々快適に暮らせるよう支援を行っている
- 起床後、就寝前に更衣支援を行っている
- 起床後に洗顔や整髪等、利用者が身だしなみを整える際に支援を行っている
- 利用者が安定した睡眠をとることができるよう支援を行っている
【講評】
利用者の意識が自立に向かうことを目指し、更衣においてもできないことを支援している
施設では、介護職員には利用者の生活の介助だけではなく、精神面での支援により利用者の意識が自立に向かうことができるように、高い意識を持って利用者と向き合うように常日頃から指導している。更衣支援についても日中と夜のメリハリをつけるために必然的に実施している。その際には自分でできることは可能な限り自身で行ってもらい、できない部分を支援するようにしている。
利用者の生活パターンを踏まえた上で、安定した睡眠がとれるようにしている
利用者の生活パターンは一人ひとり違うが、職員はそれぞれを理解した上で安定した睡眠がとれるように支援している。夜間帯には各フロアに一人の夜勤者がおり、1時間に一回は巡回をして様子の確認をしている。個室のカギをかける利用者が少なく、利用者の中には、ほかの利用者の部屋に入ってしまう方もいるなど、巡回は欠かせない。夜勤補助職員を一名配置して職員の負担を軽減しながら、確実に実施している。朝には早番の職員が出てきてから起床介助に入るようにし、朝食の配膳時間に間に合うように配慮している。
10.利用者の施設での生活が楽しくなるような取り組みを行っている
- 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
- 利用者の意向を反映したレクリエーションを実施している
- 認知症の利用者が落ち着いて生活できるような支援を行っている
- 利用者の気持ちに沿った声かけや援助を行っている
【講評】
ボランティアの活用も図って、楽しい施設生活を送ってもらえるように企画している
コロナ禍により、外部の関係者と交流する企画は全て自粛している。コロナ禍以前には、毎週のようにボランティアが各ユニット毎に来所し、歌や利用者に楽しんでもらえるイベントを実施していた。利用者が施設の中でも楽しんでいただけるよう、職員たちが企画・実施をしていた。外からの感染症を施設内に持ち込まないよう、ボランティアの方々にも来園を控えるように理解してもらっている。利用者の気持ちに応えたいという思いも強く、再開できることを心待ちにしている。
利用者の楽しみであった外出行事を、いつでも再開できるように準備している
コロナ禍以前には、毎年利用者からの聞き取りをもとに外出を企画していた。お花見や初詣などにも出かけており、職員が同行して危険のないような企画をして実施していた。利用者にとって外出の機会は多くないため、職員としては早く外出を再開したいとの思いが強く、状況が落ち着けば、いつでも再開できるよう準備をしている。保育園との交流もあり、利用者も園児の訪問を楽しみにしていたが、現在は自粛している。コロナ禍の収束後の再開が望まれる。
個別に聞き取った希望を実施できるように、職員全体で協力している
ケアプランの見直し時期などに、利用者との面談を通してアセスメントを見直しとともに、個々の希望を聞き取っている。聞き取った希望は記録に残し、施設内でできることに関しては、利用者の身体状態やリハビリの進行状況などを考慮しながらサービス向上委員会にて話し合い、その結果はユニット会議にて報告されて実施に移されている。介護職員だけでなく、管理栄養士や看護師などの多職種の協力を得て、個人の可能性に合わせて実施できることを増やしている。
11.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 定期的な散歩や外食、遠出など外出の機会を設けている
- 利用者が地域の一員として生活できるよう、地域住民が参加できるような行事など、日常的な関わりが持てる機会を設けている
- 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
【講評】
地域のイベントなどが中止となる中でも、できることを企画・実施している
コロナ禍以前は、地域の祭りが毎年行われ、施設も協力・参加していた。ユニットごとに交代で参加したり、神輿も施設内に入ってくるなど、利用者も楽しい時間が過ごせていた。地域住民との交流もできていたが、コロナ禍の自粛のために地域のイベントが中止になっている。施設での生活に少しでも楽しみをと、ユニットごとに検討し、近隣の散歩などを施設全体で計画し、職員にも無理のないような形で実施できるように工夫している。
職員たちがアイデアを出し、コロナ禍での行事について工夫している
ほとんどのイベントが実施できない状況の中でも、職員は感染防止を図りながら利用者に楽しんでもらえる企画を考えて実施している。例えば、フロア単位で、動画を活用して各地の花火大会の映像を映し、楽しんでもらえるという企画を実施している。その際は、かき氷やジュースを提供し、夏を感じ楽しんでもらっている。納涼祭や敬老会も規模を縮小してフロア単位で実施するなどの工夫をしている。プロジェクタースクリーンなどを活用しながら、利用者に楽しみを提供している。
12.施設と家族との交流・連携を図っている
- 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
- 家族や利用者の意向に応じて、家族と職員・利用者が交流できる機会を確保している
- 家族または家族会が施設運営に対し、要望を伝える機会を確保している
【講評】
家族の面会ができないため、施設だより等で利用者の様子を伝えている
施設で行う敬老会などは本来は家族参加の行事であるが、コロナ禍のため参加を制限している。その代わり、施設だよりに利用者一人ひとりの写真を添付して送付することによって、利用者の様子を知らせている。家族と利用者の対面での面会も制限しているため、家族からの問い合わせに対しては、施設から詳しい状況を知らせて安心してもらえるように努めている。利用者や家族が気軽に話しかけることができるように、職員教育に取り組んでいる。
面会方法を工夫するとともに、看取りの段階での面会を受け入れている
新型コロナウイルス感染症予防のため、施設では厚生労働省のマニュアルに従って、他の施設同様に面会禁止としている。しかし、できる限り家族の希望に添えるように工夫をしている。例えば、予約により面会をリモートで行ったり、玄関のガラス越しに行ったりしている。看取りの段階に入った場合には、感染症対策を確実に行った上で、利用者や家族の心情を大切にして、対面での面会を承認している。
【講評】
入所時に個人情報の保護について説明し、必要な都度、改めて承諾を得ている
入所時に個人情報保護について家族に説明をしている。関係機関への個人情報の提供などに関する「資料提供に関する同意書」に署名・押印をしてもらっている。実際に関係機関に情報提供する際には改めて確認をしている。園だよりにはイベントを楽しんでいる利用者の写真も掲載されているが、都度、家族に電話をして承諾を得てから掲載している。
プライバシーに配慮した支援をおこない、意思の把握・尊重に努めている
居室は全て個室であり、プライバシーが保たれている。利用者の居室には原則立ち入り禁止としており、許可を得てから入室するようにしている。利用者本人が施錠することもできる。トイレ付きの居室があるほか、共用のトイレを使用して排泄介助を行う場合にはカーテンを閉めて羞恥心に配慮している。同性介助は入浴時には要望に応じて行っており、排泄においては利用者の許可を得て異性の職員が行うことがある。利用者の意思の尊重に努めており、言葉での意思表示が困難な利用者に対して、ボードを使ったコミュニケーションにより意思を確認している。
利用者の意向や状態にあわせて可能な限りの工夫をして支援につなげている
ケアをする際には利用者の状況を確認し、声掛けをしてから行っている。利用者に関する情報や必要なケアについて各ユニットの職員間で共有を図り、統一的な対応ができるようにしている。自力での立ち上がりや歩行を維持したいと望む利用者の居室内に、移動をサポートする支柱とレールを設置している。利用者の状態を見ながら可能な限りの工夫をして、本人の意欲を支える支援をしている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
マニュアル類を改めて整備し、各部署に配布して周知を図っている
これまで、それぞれに管理されていた各種マニュアルを統一的に見直している。新たに一冊のファイルにまとめ、各部署に配布して周知を図っている。看取り、感染防止、虐待防止、夜間急変、記録システム操作方法、服薬、事故予防・対応、入浴、食事、バイタル、褥瘡など、施設での支援に必要な種類のマニュアルが揃っている。巻末には用語集もあり、分からない用語をすぐに調べることもできる。マニュアルの定期的な見直しについての基準や時期などは今のことろ定めていない。
OJTチェックリストを作成して、職員の育成に活かしている予定としている
新入職員向けのオリエンテーションにて、マニュアルに基づく重要なポイントを解説している。特に夜間急変マニュアルは、職員が一人で勤務する際にとても役立っている。新入職員が求められるケアや業務を着実に実施できるようにするために、OJTチェック表を作成している。基本的事項に加えて、起床から就寝まで支援の項目ごとのポイントを細かく作成している。今後の職員育成に活用していく予定としている。
職員間で振り返りをおこなって、よりよい支援や適切な業務に活かしている
各委員会にて、職員間での振り返りを行っており、より良い支援や適切な業務の遂行に活かしている。看取り委員会では、看取り後カンファレンスを行うことで、ケアの内容や家族への対応について反省をして次の支援にいかしている。記録システムの導入に合わせて設置されたICT委員会では、職員向けの研修会を企画・実施して、円滑に導入できるように取り組んでいる。各委員会が担当するマニュアルについては、必要に応じて見直しや改訂をしている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
法人理念や施設目標を掲げており、新入職員オリエンテーションで理解を深めている
法人理念として「1.人は心、2.信頼、3.安心と安全」を掲げており、「何事もご入居者様・ご利用者様と一緒に楽しもう」を職員のモットーとしている。これらは施設パンフレットにも記載されている。事業計画には事業方針、施設の目標、施設の重点的な取り組みを明示しており、職員に周知が図られている。新規採用職員に対してはオリエンテーションを行って、法人理念や施設方針、業務や支援に関する重要項目などについて理解を深めている。施設長と職員との面談も年1回行われており、施設方針や重要事項について確認する機会となっている。
従来は家族会にて施設の方針や運営状況を周知しており、近年は文書で伝えている
コロナ禍以前には毎年1回家族会を開催し、事業報告を始めとして施設運営に関する重要事項などを家族に説明する機会を設けていた。現在は感染予防のため家族会の開催を中止しており、代替策として書面で伝達をしている。家族会は意見交換の場としても機能しており、施設運営や利用者支援に対する家族の意見の把握に努めている。家族からは面会再開に対する要望が多く寄せられるが、予防対策をとった上での対応としており、理解を求めるように丁寧な説明をしている。
各種会議や委員会にて重要事項を検討するとともに、職員への周知を図っている
施設運営に関する重要事項は、管理職や専門職、各ユニットリーダー、法人職員などが参加するリーダー会議で検討・決定されている。予算・決算、人事、サービス内容などに関する検討を重ねて、決定事項については各リーダーを通じて職員に報告している。安全衛生、サービス向上、リスク・身体拘束、看取り、防災などの各種委員会も設置されており、各部署から職員が参加して定期的に活動している。それぞれのテーマで必要な検討を行い、検討結果は職員に報告されている。