評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
Aさんは他の利用者が昼食の準備を手伝うのを見て席から立ち上がり、盛り付けをしていた利用者が持った食材の入ったボウルや箸や腕を触ろうとして職員に止められた。キッチンに向かう様子だが入ることができず、廊下をうろうろし始める。職員が名前を呼んで手をつなぎ誘導すると、席で落ち着く。食事前のテーブル拭きが始まる。隣のテーブルから台布巾が廻ってきて前の席の利用者がテーブルを拭き始めると、Aさんが言葉にならない大声を出し続けた。職員が台布巾を渡し、「ここを拭いてください」と言うと、Aさんは手を出してテーブルを拭き始めた。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
落ち着いて席についていたAさんは、他の利用者が手伝いを始めるなど動きがあると自分も何かできる事をしたい、手伝いたいという気持ちになった様子で立ち上がり、盛り付けをしている利用者の側に歩み寄った。職員はAさんが行動を起こしても否定せず見守り、危ないことは回避できるようにしていた。手伝いができず、不安そうに廊下にいるときは職員が名前を呼んで寄り添い、誘導してもらうとAさんも安心した様子で席に戻った。Aさんのテーブルに台布巾が来たときは自分がやる番になったと思ったようだったが、他の利用者が先に拭き始めたことで混乱した様子になった。Aさんの大きな声の一言ひとことに職員がすぐそばで落ち着いて応答していたため、他の利用者が不安になる様子はなかった。職員は利用者に尋ねるときや、やって欲しいことがあるときははっきりと伝わるようにしていた。できる事はやり通せるように支援したいという職員の姿勢が感じられた。「ここを拭いてください」と伝えたことで、Aさんは黙々とテーブルを拭いて満足したようだった。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
Aさんの言動やBPSDの対応は、フロア会議で何度も協議を重ね、Aさんが混乱しないよう対応を一つ一つ決めています。またご家族にも現状を理解していただく為、ZOOM面会を半年の間に数回行い、現状把握いただいています。認知症の進行が急激に進み、精神状態が不安定な為、職員が各々、Aさんにどう向かい合っていくのかを意見を交わし、対応を決めてもらいました。職員が出した答えは、落ち着くまで何度も声掛けし寄り添い安心していただく、対応は統一する、他者とトラブルになりそうな時は職員がすぐに間に入るという結論を出してケアを行っています。また主治医と話し合い、精神科の医師の往診も受け、薬の調整を行っていただいています。Aさんが入居した頃と変わらない生活がなるべく送れるよう、家族・医療・介護で連携して、チームケアに取り組んでいるところです。
1.家族への情報提供はあるか |
どちらともいえない:0%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
|
2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
|
3.職員の接遇・態度は適切か |
|
4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
はい 77%
どちらともいえない 8%
無回答・非該当 15%
|
5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 54%
どちらともいえない 23%
無回答・非該当 23%
|
6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
どちらともいえない:0%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
|
7.利用者のプライバシーは守られているか |
どちらともいえない:0%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
|
8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
どちらともいえない:0%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
|
9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
どちらともいえない:0%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
|
10.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 85%
どちらともいえない 8%
無回答・非該当 8%
|
11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 54%
どちらともいえない 31%
無回答・非該当 15%
|