評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)ひとり一人の個性を大切にし、それぞれの持つ力を伸ばしていけるように支援をする。
2)地域社会で安定した生活を送る為の必要な基本習慣を身に付け、自立の能力を養えるように支援をする。
3)生活活動等、様々な経験を通して人と協力する楽しさと新しい発見と可能性を見出せるように支援をする。
4)どんなことでも職員に話せる信頼関係を構築・強化する。
5)相談・連絡・相談を身につけるための支援をする。
職員に求めている人材像や役割
・利用者の今を大切に、様々な場面での選択の幅を拡大に努める。
・保護者との関係も大切にし、小さいことでも連絡を取りその日のうちに解決するように対応する。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・利用者の人格と人権を守る意識を持ち、虐待防止に真摯に取り組む。
・職員間の意識・感情を共有化して、福祉サービスの向上を目指す。
・利用者の課題や問題を把握し、関係各所と連携を取り支援を行う。
・利用者の可能性を高め、作業能力の向上につなげるように支援を行う。
・問題を後回しせず、常に話し合い、解決策を講じる。
全体の評価講評
特によいと思う点
「利用者個々の個性を大切にし、持っている力を伸ばせる支援」を大切にしています。利用者全員が持てる能力を発揮できるように「多様な作業種を揃える」「作業工程を細かく分類する」などに取り組んでいて、現在は7種の受託作業と自主生産品の作業に対応しています。利用者調査では「出来る仕事が増えた」「新しい仕事にチャレンジ」「少しずつ上達して、ミスが減少」などの声がありました。さらに、日常生活では連絡帳の配付や昼のお茶出し、朝の所内清掃、トイレ掃除などを分担して、落ち着いて安定した共同生活につながるように取り組んでいます。
現在、所長が中心となって、利用者の個人台帳や業務日誌などの業務用ツールに対する適切な整備に積極的に取り組んでいます。まずこれまでの文書のあり方を見直すことから始め、内容・構成を職員が見やすく、使いやすくなるように改訂しました。また、重複する事項の統合や状況に合わせた分割なども行いました。具体的には、「アセスメントシートを利用者に対する理解が深まる内容に改訂」「業務日誌を本部と分室の2本立てに改訂」しました。こうした見直しにより、単なる記録簿から利用者の個別支援の充実につながる「活きた帳票類」になっています。
利用者が地域社会で生活を送るための基本的な習慣を身に付けるとともに、自立に役立つ能力の向上を目指していて、利用者に「挨拶と返事」「生活上と仕事におけるマナーとルール」を指導するようにしています。また、利用者の「やる気・生きがい・自覚」につながる支援に努め、「もっと仕事がしたい」「コーヒーや焙煎のことが分かり、自分でできるようになって楽しい」などの声がありました。さらに、グループホームの体験入所や外出支援の情報を提供したり、通勤に支障がある利用者には自宅最寄りのバス停での乗車に付き添うなどの支援をしています。
さらなる改善が望まれる点
現在認識している課題として、特別支援学校からの入所希望実習生の受け入れの見直しがあります。多くの実習生は単発・単回の参加になっていますが、同じ実習生が複数回実習に参加することで実習生と事業所双方の理解が深まり、円滑な利用につながるものと期待され、異なる学年での実習や1年間に時期を変えて行うなど複数回の実習が望まれます。そのためには受入体制を整備し、学校・生徒に示すことが必要になると考えます。短期的には実習プログラム、担当職員などの準備があり、中長期的には新たなスペース確保などを検討してはどうでしょう。
計画の達成度合いは年度末の総括で確認することが望ましいのですが、その前に次年度の事業計画を法人に提出しているため、結果を次年度計画に反映できていないようです。総括の結果を反映できていないため、計画は不十分な内容になっていることが考えられます。例えば、総括の時期を繰り上げるなど何らかの見直してはどうでしょう。職員調査で「運営に対する職員の意向の把握・検討」の設問に対して肯定している割合は6割に止まっています。職員参加による総括の結果が事業計画に反映されれば、職員の参画意識はさらに高まるものと思われます。
法人の階層別研修が整っていて新人には新任職員研修が用意されています。しかし、現場のOJTによる指導は組織的・体系的な仕組みになっていないように思われます。OJTによる指導は「背中を見て学ぶ」という利点はありますが、反面、脱落者や周回遅れなどの職員が生まれてしまうことも十分考えられます。適切な人材育成が求められる時代にあっては、効果的なOJTが必要であり、チェックリストや指導の教本等を作成して組織的な指導方法を整備することが大切です。また指導する側、指導される側の両職員により整備に取り組むのはどうでしょう。
事業者が特に力を入れている取り組み
法人内に虐待防止部会等が設置されていて、事業所内には所長や保護者代表等で構成する虐待防止委員会を設置しています。この委員会は虐待防止の学習会を実施したり、相談があればすぐに対応しています。また、独自の虐待防止マニュアルを作成し、これに基づいて所長が職員に利用者への接し方を指導しています。毎日の終礼時には各職員が気づいた点を発表し、利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動や虐待が行われることがないよう、互いに注意し合っています。その他、虐待防止のチェックリストの結果を全職員で振り返るなどしています。
現在は7種の受託作業(菓子箱折り、部品検品、備品仕分け、冊子封入、食品のセットアップなど)と自主生産品(コーヒー焙煎、焼き菓子づくり、さをり織り)の作業があり、社会経済の影響を受けにくいようにバランスの取れた作業内容を構築しています。また、販路拡大では焙煎したコーヒーをネットで販売し、区の施設での販売拠点の開設や「江戸川区就労支援ネットワーク」が企画したカタログによる出品を実践して、ショッピングセンター・大型小売店で展開しています。こうして工賃アップを実現するとともに取扱商品のブランド化も試行しています。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:・調査は登録している利用者全員を対象としました。
・調査時点では、「就労継続支援B型」の14名が対象となりました。
・属性では、性別では男性9名・女性5名、年代別では29歳以下9名・30歳以上5名でした。 - 調査方法:アンケート方式
・調査方法は聞取り方式で実施しました。
・聞取り調査は相談室や事務室を利用し、一人当たり15分程度で実施しました。また、感染症対策として「マスクの着用」「換気の励行」「適切な距離」に留意しました。
・参考情報として家族調査も実施しました。 - 有効回答者数/利用者総数:43/43(回答率 100.0% )
・全体として満足状況は良好です。特に、コーヒーの焙煎などの事業を実施している分室の満足度が高くなっています。
・肯定割合が高い項目は、事業所全体では「2.設備の安心」「18.所内の整理整頓、清潔さ」「19.職員の適切な接遇・態度」「23.プライバシーの尊重」であり、9割前後の利用者が「実施できている、対応できている」と肯定しています。また、「1.困ったときの職員の支援」「24.計画作成時の要望等の確認」の肯定割合も高くなっています。
・家族アンケートでは、特に「20.けがや体調不良の際の対応」「22.気持ちを尊重した対応」が良好に評価されています。
・自由回答の中では、利用者からは「楽しいことがいろいろある」や「仕事の楽しさ」「仕事のやりがい」など、働くことの意欲の向上につながる声があり、「職場の雰囲気がよいです。職員同士、利用者と職員の関係が良好です」という声もありました。保護者からは「職員からの連絡で安心している」「コロナ禍の中できちんと対応してくれる」といった良好なコメントや「本人が楽しく通所する様子がある」などの声もある一方で、所内の狭さを懸念する声もありました。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
・「支援を受けています」という肯定割合は81%で、評価は良好です。 ・具体的な意見では、「いろいろ助けてくれます」「新しいやり方を教えてもらいます」「作業でわからない時に助けてもらったり、教えてもらったりします」という良好なコメントがあり、業務上の支援の様子がうかがえます。一方で、否定的なコメントもありました。
2.事業所の設備は安心して使えるか
・「安心して使えます」という肯定割合は88%で、評価は良好です。 ・具体的な意見では、「安心して働いています」「危ないことはありません」「設備は安心して使っています」などの良好なコメントがありました。一方で、コロナ禍の中、作業スペースの狭さから来る不安などに関するコメントがありました。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
・「仲間との関わりは楽しいです」という肯定割合は74%で、評価は概ね良好です。 ・具体的な意見では、「楽しいです」「利用者同士での話や外出先の写真の交換が楽しい」「いろんなことを教えてもらい、話が楽しいです」などの良好なコメントがありました。一方で、「他の利用者との関係」について、配慮が必要なコメントがありました。
16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
・「活動などが役立っています」という肯定割合は74%で、評価は概ね良好です。 ・具体的な意見では、実際に携わっている作業に関わる意見のほか、「作業が好きです。得意です」「少しずつ上達していて、ミスが減っている」「出来る仕事が増えた。新しい仕事にチャレンジさせてもらえる」という良好なコメントがありました。
17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
・「わかりやすい説明がありました」という肯定割合は65%となっています。 ・具体的な意見では、「教えてもらいました」「休んだ日数などで工賃が変わります」「焙煎量などで金額が変わります」などの良好なコメントがありました。一方で、否定的なコメントがありました。また、「コロナ禍の中、勤務が半日・半分になって、よくわからない」といって声もありました。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
・「清潔で整理・整頓されています」という肯定割合は86%で、評価は良好です。 ・具体的な意見では、「自分の場所を片付けました」「朝、掃除機などできれいにします。利用者、職員全員で」「いつもきれいになっています」という良好なコメントがありました。また、何人かの利用者は、担当している作業(掃除など)を挙げていました。一方で、「作業スペースが狭い」ことを挙げる声もありました。
19.職員の接遇・態度は適切か
・「接遇・態度は適切です」という肯定割合は95%で、評価は非常に良好です。 ・具体的な意見では、「問題ありません」「乱暴な言い方はありません」「言葉遣いなどに乱暴なことはありません」「ていねいに対応してくれます」など、良好なコメントがありました。一方で、「職員による対応の違い」を挙げる利用者もいました。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
・「職員の対応は信頼できます」という肯定割合は74%となっています。 ・具体的な意見では、「職員は助けてくれると思う」「頭やおなかが痛いときは、助けてくれます」「持病があり薬を持参している。よくならない時は家まで送ってもらう」などの良好なコメントがありました。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
・「職員の対応は信頼できます」という肯定割合は74%となっています。 ・具体的な意見では、「止めてくれると思います」「けんかなどはないが、あれば止めてくれると思います」などの良好なコメントがありました。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
・「気持ちを大切にしてくれます」という肯定割合は77%で、評価は概ね良好です。 ・具体的な意見では、「大事にしてくれます」「気遣いがあります」「嫌なことがあって、対応してくれました」「職員に話しかけると、きちんと答えてくれます」という良好なコメントがありました。一方で、「厳しすぎる。仕事の終了を伝えても、きちんと対応してくれないことがある」などのコメントもありました。
23.利用者のプライバシーは守られているか
・「プライバシーを守ってくれます」という肯定割合は91%で、評価は非常に良好です。 ・具体的な意見では、「守られています」「着替えの際に、カーテンを閉めたりして、気遣ってくれます」という良好なコメントがありました。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
・「自分の要望などを踏まえて、計画を作ってくれます」という肯定割合は81%で、評価は良好です。 ・具体的な意見では、「希望を聞いてくれます」「目標を作るため、いろいろ聞いてくれます」という良好なコメントがあり、また、具体的な目標「頑張ること」「焙煎量やミスの減少」も挙がっていました。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
・「計画の説明はわかりやすかったです」という肯定割合は79%で、評価は概ね良好です。 ・具体的な意見では、「きちんと話をしました」という良好なコメントがありました。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
・「職員はきちんと対応してくれます」という肯定割合は79%で、評価は概ね良好です。 ・具体的な意見では、「いろいろ言いやすいです」「特に言いやすい職員がいます」という良好なコメントがありました。一方で、「言葉でうまく表現できないので、言いにくいことがある」といったコメントがありました。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
・「相談できることを伝えてくれます」という肯定割合は44%にとどまっています。 ・具体的な意見では、「職員が親に説明してくれました」「自分で知りました」といったコメントがありました。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
満足度調査や保護者会、三者面談などによって利用者・保護者の意向を把握しています
法人では毎年、アンケートによる利用者調査を実施していて、利用者・保護者の満足度や意向、要望などを確認しています。アンケート結果は文書にして利用者・保護者に伝えるとともに、自由記述の意見・要望への対応などについても説明しています。例年、年3回の保護者会や利用者と保護者を交えて行う三者面談などを実施して、利用者・保護者の意向や要望などを確認していますが、今年度はコロナ禍の影響でまだ実施できていません。年度末に行う三者面談を面談形式にするかアンケート形式にするか、現在検討中です。
単年度計画の案は所長が作成していますが、手順は今後見直していきたいと考えています
一昨年度末に法人の第二次中長期計画が策定されて、短期(1~2年)・中期(3~6年)・長期(7~10年)の今後の大まかな方向性が示されました。この中で、就労支援事業についても各期の方向性が記述されていますが、当事業所の単年度計画との連動性は十分ではないようです。現在、単年度計画は前年度の内容を参考に所長が案を作成し、リーダー会議での意見などを踏まえて見直し、策定していますが、所長は、より現場の意向や意見などを反映させるため手順を見直し、まずリーダー会議で話し合ってから策定するようにしたいと考えています。
計画策定の際に、達成度を測ることができる目標を設定するとよいように思われます
計画の達成度合いは年度末に実施する総括で確認していますが、総括する前に次年度の事業計画を法人に提出しているため、総括した内容を次年度計画に反映させることができていないようです。総括結果を次の計画に反映できていないため、計画の内容が不十分になっていることが考えられ、例えば、総括の時期を繰り上げるなどの見直しが必要ではないでしょうか。また、事業報告では年度の重点目標に対する取り組みをまとめていますが、達成度が明確になっていないようです。計画策定の際に、達成度を測るための指標を設定することを検討してみてください。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
守るべき法・規範・倫理等については新人研修で伝えるほか、職員会議でも伝えています
法人で職員遵守法令・規程・規約集を整備しています。新任者研修などで障害者権利条約や虐待防止法、障害者差別解消法、障害者総合支援法などを順守するとともに、健全な運営と支援を行っていくことを伝えています。研修では法人が整備した職員心得や権利擁護規程などについても説明しています。また、職員会議においても職員倫理綱領や職員心得などの内容を所長から改めて周知し、思い起こしてもらうようにしています。職員調査の結果をみると、全ての職員が「自分は法・規範・倫理等を理解できている」と回答しています。
終礼時には各職員一人一言ずつ気づいた点を言うようにして、互いに注意し合っています
苦情解決制度の利用については重要事項説明書に明記し、契約時に利用者・保護者に伝えています。また、事務所内に苦情等相談窓口の連絡先を掲示し、いつでも見られるようにしています。所長、主任、保護者2名で構成する虐待防止委員会を所内に設置していて、さらに、利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動をなくし、虐待が行われないよう、毎日の終礼時には各職員が一言ずつ気づいた点を取り上げていて、相互に注意し合う機会となっています。また、虐待防止のセルフチェックリストで自己評価し、集計結果を全職員で振り返っています。
実習生の目で見て気になったこと等を所長が聞き取り、サービスの改善に活かしています
事業所の概要や利用者の生活の様子などはホームページで公開しています。ここでは事業所の概要のほか、利用者が携わっている作業の種類や行事の様子などを写真を使って分かりやすく伝えています。外部の目が入る機会として福祉関係の大学や専門学校から実習生を受け入れていて、実習生が気づいたことや気になったことなどを所長が聞き取り、サービスの改善に活かしています。ボランティアの募集もしていますが、応募が無い状態です。事業所の就労支援の機能や専門性を活かした地域貢献は、事業所単独では対応が難しく、今のところ実績はありません。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
緊急時に備え、全ての利用者の緊急連絡先についても今年度改めて確認し直しました
法人では危機管理マニュアルや災害時対応マニュアル、事故防止マニュアル、防火管理マニュアルなどリスク関連対策のマニュアルを整備していて、変更・改訂した点は年度当初に所長から職員に周知しています。緊急時への備えとして防災シートに緊急連絡先の記載欄を設け、すべての利用者の連絡先を再確認しました。備蓄品については3日分を保有し、一覧にして管理しています。事業所運営を取り巻くあらゆるリスクを洗い出し、優先順位をつけることは未実施であり、事業継続計画(BCP)については、現在法人で作成している段階です。
ヒヤリハット報告の提出件数を増やすための工夫や訓練をするとよいように思われます
事故・けが等の未然防止、再発防止ための取り組みとしてヒヤリハット報告を活用しています。ただし、今年度のヒヤリハット報告の記録では提出されたのは数件のみで、しかもいずれも軽微な事故に該当する内容のものでした。ヒヤリハットのデータを集計・分析するためには、ある程度の件数の蓄積が必要となりますので、件数を確保することも必要と考えます。そのためには、事故・けが等に至る手前の事象を捉える訓練、ヒヤリハットの定義づけなどの準備が求められ、書式を簡潔にするなど、提出しやすくなる工夫も併せて行っていくことが望まれます。
個人情報の利用目的は、個人情報使用同意書に明記し利用者・保護者に渡しています
文書の管理規程は法人として整備していて、利用者の個別ファイルなどの紙媒体は書庫に収納し、常時施錠して所長が鍵を管理しています。日々記入する記録類も施錠できる書庫に保管して主任・サービス管理責任者が管理しています。電子媒体の情報は情報システムで管理していて、データを取り出せるパソコンは所長と主任・サービス管理責任者のみがアクセスできるようになっています。個人情報の利用目的は使用同意書に明記していて、開示請求への対応については、重要事項説明書の中に明示して利用者・保護者に伝えています。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
どのような人材が欲しいかを、採用を担当する法人本部に伝える仕組みになっています
採用は常勤職員、非常勤職員のいずれも法人本部が担っていて、各事業所では求める人材の要件を本部に伝える仕組みで運用しています。所長は、法人が行う採用の面談に立ち会ったり、事業所見学や現場体験に準備・対応するなどしています。キャリアパスの整備は法人本部が進めていますが、職員調査結果によれば、文書化したものは職員には伝わっていない様子であり、事業所の人材育成計画との連動性は明確にはなっていないようです。法人本部が進めているキャリアパス制度と現場の人材育成・人事考課制度と連動させることは、今後の課題と考えます。
階層別研修に加えて、数多くの研修の中から自分の受けたい講座を選んで受講できます
人材育成の工程は法人の階層別研修に基づいて進めていて、年間スケジュールを組んで行っています。法人の研修には新任職員研修や階層別研修、全体研修のほか、施設間交流研修(法人内の別の事業所で1日勤務する研修)などがあります。職員個々の育成計画は策定していませんが、各職員の要望や所長として必要なテーマ・内容として推薦する研修の受講を優先していて、職員は200超の講座があるeラーニング研修や外部研修から選んで受講しています。その他の研修の情報は、法人の研修部のメンバーであるサービス管理責任者が職員に伝えています。
余計な残業はしないという所長方針の下、業務状況を把握し超過勤務発生を抑えています
法人全体で職務・業務評価を導入しています。職員は同評価に絡んで年2回所長との個別面接を実施していて、職員の意識はこの個別面接の際に把握しています。職務・業務評価の結果は報酬に連動しています。なお、新任職員については業務評価の面談とは別に、所長が毎月個別面談を実施しています。職員の休暇は年次有給休暇届出表によって管理していて、少なくとも年次有給休暇5日間と夏季休暇2日間はすべての職員が取得するよう調整を図っています。また、余計な残業はしないという方針の下、所長が業務状況を把握して超過勤務の発生を抑えています。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
〇利用者のやる気向上を図るため、工賃アップは常に事業所の課題となっていましたが、実際にはなかなか難しいところがありました。
〇そこで、一昨年度末に、別事業所の一部門であったコーヒーの焙煎などを実施する事業(分室)が当事業所に移管されたのを機に、「イートインスペースの設置」「自主生産品の拡大」などにより工賃アップにつなげようと考えました。箱折りや部品の組立などを実施する事業(本館)も、この機運に乗って受注拡大に取り組みました。
〇具体的な目標を「工賃を少しでも上げる」ことに置き、下記のような取り組みを計画しました。
①作業面でバランスのとれた作業、利用者に適した作業種の受注
②自主生産品の珈琲焙煎・焼き菓子のロゴ入りなどのオリジナリティのある商品のブランド化
③さをり織のオリジナル商品の拡大
④イートインスペースの設置など地域に根付いた店舗づくり
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
【評語を選択した事由】
◆「工賃を少しでも上げる」ことを目標に設定し、その実現に向けた具体策を考え、実行に移しました。
【目標達成の状況】
◆コーヒーの焙煎などを実施する分室にイートインスペースを設置するという計画は、全体的なスペースが少なく、利用者の活動空間が狭くなることなどの問題も生じるため断念しましたが、それ以外の計画はある程度進めることができました。
◆分室での自主生産品開発・販売と、本館での作業業務の受注拡大の相乗効果により、工賃を全利用者平均で3千円近く上げることに成功しました。
◆以上のことにより、目標は達成できたと事業所では評価しています。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
〇法人内に虐待防止部会が発足し、虐待に対する研修なども複数実施しています。法人が独自に作成した虐待防止チェックリストがあり、これを使用した自己評価も年2回行って職員の意識を高めています。こうした取り組みを通じて虐待の未然防止の効果を高めるため、保護者にも虐待に対する理解を深めてもらい、虐待の芽の早期発見、早期対応に努めようと考えました。
〇「利用者や保護者と虐待について話し合う場を持つ」ことを目標に、利用者や保護者にも虐待に対する意識を高めてもらう取り組みを進めました。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
【評語を選択した事由】
◆「利用者や保護者と虐待について話し合う場を持つ」という具体的な目標を立て、取り組みを進めました。
【目標達成の状況】
◆しかし、利用者や保護者と虐待について話し合う場を持つことができませんでした。そのため、目標は未達成に終わりました。
<備考>
・利用者や保護者と虐待について話し合う場を持つことは実現していませんが、さまざまな機会を捉えて利用者に分かりやすく説明することで、徐々に理解が進むよう努めています。
サービス分析結果
【講評】
法人のホームページの中で事業所のページを設けて概要を紹介しています
法人ではホームページとパンフレットにより所属の事業所の概要を取りまとめています。ホームページの中の当事業所のページでは、事業の概要として住所や連絡先、職員体制などを紹介するとともに、取り組んでいる作業の内容については写真やコメントにより具体的に紹介していて、実施している感染予防対策も提示しています。このほか、所内の一日の流れや年間行事、クラブ活動なども紹介して、利用者の活動の様子や職場内の雰囲気を伝えています。法人及び事業所の広報誌は区内の相談支援事業所や区社協、都社協、特別支援学校などに提出しています。
事業所独自のパンフレットは、本館と分室の2種類を用意しています
法人の広報誌には、事業所の自主生産品である「クッキー・ケーキ、さをり織り、コーヒーの焙煎」などが掲載されています。事業所独自のパンフレットは箱折りや部品の組立などを実施する本館とコーヒーの焙煎などを実施する分室の2種類を作成しています。パンフレットには活動の方針として「あいさつをしよう」「仲間を大切にしよう」を明記するとともに、一日の流れ、年間の行事、自主生産品の品目と作業の様子を掲載し、取扱商品や行事、クラブ活動の様子は写真も使って紹介していて、掲載する写真を年次ごとに更新して鮮度を確保しています。
見学の依頼には希望日を調整し、現場の雰囲気を実感してもらいます
見学の申し込みには希望日を調整して所長やサービス管理責任者が対応していて、今後は名簿づくりも検討しています。見学時は現場を実感してもらうため、取り扱っている菓子箱の組立や自主生産の焼き菓子づくり、さをり織り等の作業を紹介し、併せて感染予防対策で取り組んでいる稼働パターン(午前班、午後班、終日版)も説明しています。また、特別支援学校の3学年の実習では春と秋の開催時に別々の事業所で実習するケースもありますが、作業の理解を深めるためにも同じ事業所で実習することを薦めていて、2月に臨時に実習することもあります。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用に際して契約書や重要事項説明書を使って、サービス内容などを説明しています
利用が決まった場合、利用者と家族にサービスの内容を説明する資料として利用契約書と重要事項説明書があります。重要事項として事業所の設備の概要や職員体制、生産活動、利用料金、苦情対応、虐待防止などがあり、さらにクラブ活動や所外活動に要する費用、工賃の仕組みなどについても説明しています。また、個人情報の使用についても説明し、文書により同意を得ています。さらに、活動の中で大切にしている「あいさつをしよう」「仲間を大切にしよう」の内容や生活目標、作業に取り組む際の心構えなどについても確認しています。
支援学校の生徒の実習では、5~10日間程度の実習期間を設けています
利用者の多くは特別支援学校の卒業生で、実際に勤務する前の試行として、2年生では5日間程度、3年生では10日間程度の実習期間を設けています。この実習期間での評価のため、支援学校で使用している評価表を使って評価内容を記入することで結果を統合していて、このほかは区担当課の評価用紙を活用しています。評価結果に基づいて「通所の可否」「他の利用者との協働の可否」「作業種別との適性」などについて確認しています。今年度は、コロナ禍の対応として「午前班、午後班、終日班」のいずれの稼働形態を希望するかの意向調査を行いました。
利用者個別台帳やアセスメントシートなどを活用して、利用者の概要を把握しています
各利用者の属性や日常生活の情報、本人・家族の意向などの確認は、利用者個別台帳やアセスメントシート、防災シートなどに記載しています。利用開始後の利用者の不安やストレス軽減に向けて、個人面談で感想や困りごとなどを確認したり、担当職員や家族に作業や家庭での生活の様子を尋ねたりしています。また、対応の難しい利用者では支援者会議を開催しています。法人内外の相談事業所と連携していて、相談担当職員と利用者、事業所からは所長や担当職員が参加して、総合的な援助方針の下、暮らしの場や日中活動などの支援目標を設定しています。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の概要を的確に把握するため利用者個別台帳の項目を見直しました
利用者の概要を把握する資料である利用者個人台帳には、新しく「生育歴」として学歴、実習歴、職歴などの記入欄を設けました。これにより利用者の特性が明確になりました。また、アセスメントシートは2種類あり、区が状況把握を行うための様式を参考に作成しました。ひとつは利用者や家族の要望と併せて、日常生活や社会性、対人関係、働く態度などの56項目を把握するもので、もうひとつは「事業所でやってみたいこと」「好きな作業、嫌いな作業」などの7項目について意向を把握しています。こうした実態を踏まえて個別支援計画を策定しています。
個別支援計画はアセスメント結果、本人や家族の意向などを踏まえて決定しています
個別支援計画の作成ではアセスメント結果を踏まえて常勤職員によるケース会議を行って、まず支援計画(案)を作成します。この案に対して利用者、家族、担当職員の三者で話し合って計画の内容を決定していて、利用者調査では8割の利用者が「現状や要望などを踏まえて計画を作成している」と評価しています。個別支援計画は月間記録に基いて中間評価と期末の年間評価を行っています。個別支援計画の目標設定が利用者の実態や意向、自立能力の養成などの基本的な方針に適合していないと判断される場合、担当職員と目標の再設定について話し合います。
利用者の日々の言動については、朝礼・終礼、業務日誌などで把握しています
フェイスシートやアセスメントシート、個別支援計画などは利用者別のファイルにとりまとめてあります。利用者の日々の勤務、活動に関わる情報は、朝礼・終礼の申し送りや業務日誌を通じて共有化しています。朝礼では出席状況、作業内容と担当する利用者、各テーブルの配置などを確認し、終礼では当日の振り返りと反省、翌日の連絡事項や作業内容、利用者の様子、気が付いた点・問題点を話し合います。業務日誌・申送り用紙は、以前は本館と分室で一枚の用紙に記入していましたが、本館と分室別々の用紙を用意し、使い勝手を見直しました。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
利用者の個性と能力を大切にした個別支援を行って成長を促しています
事業所では利用者個々の特性と学習や経験を基に習得した能力を大切にして、それぞれの持つ良い点を伸ばせるような支援を行っています。職員は、入所当初では限定的な作業に対応している利用者の日々の変化や気づきを大切にするとともに、職員全員が共有して個別支援計画にも反映させています。計画を策定する際にはこうした変化や気づきを踏まえて、段階的に新たな作業にチャレンジして行くことで個々の利用者の成長を促すこと、利用者が自立した生活を実現できることを目指して、就労につながるような内容で記述するようにしています。
地域社会で安定した生活を送るための基本的な習慣を身に付ける支援を行っています
利用者が社会の一員として地域社会で安定した生活を送るために必要な生活習慣やマナーなど、基本的な能力を身に付けられるような支援を行っています。事業目標として「挨拶しよう。仲間を大切にしよう」「楽しく作業、笑って成長」を掲げ、所内の各所に挨拶や他人に接する際のマナー、行動に関するスローガン等を掲示しています。例えば、「始業時の挨拶や作業中の呼びかけに対する返事、対応を、自然に身につけられるような環境づくり」や「利用者が事業所に休まずに継続的に通いたくなる環境づくり」に取り組んでいます。
家族の高齢化に伴い自立した生活が送れるよう情報提供を含めた支援を行っています
法人内にはグループホームがあり、現在「保護者と生活を共にしていない」「保護者がいない」利用者7名が、このグループホームから事業所に通っています。今後、保護者の高齢化により利用者の自立生活を送るためのグループホーム入所の必要性はさらに高まるものと考えられ、状況に応じて利用者や保護者にグループホームの情報を提供し、体験入所も促しています。また、高齢の家族が利用者の通勤に付き添うことが困難になったケースでは、職員が路線バスに同乗して通勤の支援を行うなど、自立した生活を送るための取り組みを行っています。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
利用者の希望を考慮した作業参加配置となるよう支援しています
事業所で対応する作業内容は、外部の企業から受託した作業では、菓子箱折りやシール貼り、プラスチック部品のバリ取りと組み立て、ダイレクトメールの袋入れや丁合などの作業があります。また、自主生産品としてコーヒー豆の焙煎・販売、シフォンケーキ・クッキーの製造販売、さをり織りの作成・販売などがあり、多様な作業種を揃えています。各種の作業の工程を細かく分け、利用者の適性と希望を考慮した作業を担当できるようにしていて、利用者調査では「作業に対して満足している」「自信の創出につながっている」と思われる意見がありました。
利用者の意思を考慮して事業所内でのルールや決まり事を決めています
事業所では利用者の意思を尊重しながらルールや決まり事を制定しています。こうしたルールなどはスローガンとして事業所内の各所に掲示してあり、利用者が日頃から目にして意識できるようにするとともに、利用者同士、職員間でも声掛けを励行するなどして周知を図り、実践につながるようにしています。また、季節感のある生活目標を掲げることで、メリハリのある過ごし方ができるようにするなど、社会の集団生活のルールや決まり事を利用者に常に意識してもらい、皆が気持ちよく過ごせる職場づくりを目指して、きめ細かな支援をしています。
事業所内の環境整備と衛生管理に努めて過ごしやすい空間を提供しています
事業所内の作業場については、作業種の特性により特に衛生管理に対する配慮が必要であり、常に整理・整頓・清潔・清掃に努めています。また、自然採光と併せて照明機器も適切に配置されていることで室内は明るく、換気装置も常時稼働させつつ、適時自然換気も行って、利用者が働きやすい環境を整えています。また、新型コロナウイルスの感染防止を図ることも含め、トイレのドアノブや水道蛇口など、手の触れる場所のアルコール消毒を頻繁に行い、清潔な環境の維持に努めています。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
定期的に利用者の健康状態を確認して健康維持の支援を行っています
事業所では、毎朝職員が利用者の身だしなみを確認するのに併せて、顔色などから健康チェックを行っています。健康診断を年1回実施しているほか、毎月1回のペースで体重を測定して体重の変化を確認しています。特に、肥満傾向にある利用者に関しては、状況に応じて家族などの協力を得ながら軽い体操などの運動を支援することもあります。また、健康維持支援の一環として、利用者や家族から相談があった場合、医療機関への通院に同行することもあり、継続的に利用者の支援を行っています。
利用者の心と体の健康に配慮した支援を行っています
事業所では、朝の始業時と午後の作業開始時に利用者と職員全員でラジオ体操を行い、作業に臨む心身のバランスをリセットする機会としています。また、午前と午後で別の作業を担当するような取り組みも行っていて、利用者が気持ちよく作業を継続できるように支援しています。また、所内には「気持ちを切り替えましょう」と利用者に向けたポスターを掲示していて、「みんなで助け合う」など10項目の実践例を掲げてあります。健康増進のために、今年から区主催のダンス教室に利用者全員で参加する予定でしたが、コロナ禍の中で実施が見送られています。
利用者の体調変化に留意して急変時など状況に応じた支援が行えるようにしています
利用者台帳には既往歴や現在服用している薬の情報(処方箋・お薬手帳の写し)などが記録されて、職員が共有できるようになっています。利用者の状況によっては昼食後に服薬の声掛けをして確認も行っています。また、利用者の体調変化にも留意して、兆候があれば早めに休ませるなど安全に配慮した対応を図っています。なお、事業所には緊急時マニュアルが整備されており、「利用者の急変時に救急車を要請する」などの対応、「家族や保護者への連絡、法人本部への連絡」など、職員が対応すべき行動が明確に示されています。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
利用者の意向を尊重しながら保護者の協力を得るようにしています
利用者への支援にあたっては保護者の協力を得る場面も多くありますが、その際にも利用者の意向や希望を尊重して、意に反することがないよう配慮して対応しています。日頃より保護者と利用者情報の共有を図り相互の理解を進めるため、毎日の連絡帳を活用し、状況に応じて電話連絡もしています。利用者の個別支援計画を作成する際には、保護者を交えた三者面談を実施していて、利用者と保護者のそれぞれの意向や要望などを踏まえて計画を作成するようにしています。ただし、今年度の三者面談は感染防止のため希望者のみに実施しています。
保護者会や情報誌を通して保護者に利用者や事業所の状況を伝えています
事業所では保護者が参加できる保護者会を年3回のペースで開催していて、「作業」「クラブ活動」「生活支援」などそれぞれを担当する支援員が活動内容の状況を伝えています。今年度はコロナ禍の影響で実施できず、文書でのやりとりを実施しました。法人全体の保護者連絡会では、法人内の各事業所の保護者代表が参加して討議していて、参加した保護者は討議した内容を事業所の保護者会で紹介しています。また保護者向けの広報誌『はっぴー』を毎月25日に発行していて、行事の案内やクラブ活動の様子など写真を多用して情報提供しています。
保護者参観日を設けて利用者の状況と支援の理解を得る機会としています
今年度、保護者参観日を年2回予定していました。参加した保護者は利用者と一緒に作業に加わったり、一緒に昼食を取ることもできるようにしていて、家庭内とは違う利用者の日常を確認し、事業所の実際の支援内容を理解してもらう機会となっていますが、1回は中止しました。また、保護者がいつでも事業所に来ることができるよう、普段から作業の手伝いを呼びかけていて、利用者の作業風景などを見学できるようにしています。こうした取り組みは作業現場で利用者が適度な緊張を感じるなどのプラス効果があり、保護者の理解が深まる効果も期待できます。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
ポスター掲示やチラシを配布するなどして地域資源の情報を提供しています
事業所では、利用者の地域資源となる情報を相談支援事業所と連携するなどして提供していて、例えば「他事業所の祭りの開催」「地域の支援ハウスの概要」「法人内のグループホームの体験入所の案内」などの情報があります。また、利用者の要望などに対応した情報のポスターを掲示したり、チラシを配布するなどして情報提供しています。外出の際にはガイドヘルパーを利用できることや移動支援事業所の紹介も行っています。利用者と保護者の高齢化が進むことによりグループホームのニーズは高まるものとして、早めの情報提供に努めています。
例年実施している社会資源を利用した社会参加の機会は、形を変えて実施しています
事業所では、例年利用者の外出の機会を多く設けることでの社会参加支援に努めています。「社会福祉協議会が主催するバスハイク」「親の会のバスハイク」への参加、また、事業所の年間行事として「1泊2日の宿泊訓練イベント」「日帰りの遠足として映画鑑賞や都内の観光地巡り」「ホテルでテーブルマナーを学ぶための食事会」なども企画していましたが、今年度はコロナ禍のため実施できていません。事業所の出来る限りの対応として、1月の食事会はビンゴ大会に変更し、成人を祝う会も内容を変更して開催することにしています。
12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
- 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
- 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
- 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
- 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
- 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
得意分野を考慮した作業担当制とするなど利用者の能力向上とやる気につなげています
事業所における受注作業は、菓子箱の組み立てや食品の袋詰め、封入・シール貼り、プラスチック部品のバリ取り、組み立て作業など多岐にわたっています。これらの作業工程すべてを細かく分けた上で、利用者の得意分野を考慮し、個々の障害特性にも応じて適切な作業を担当できるように配慮しています。また、気分転換を図るとともに作業のマンネリ化を防ぐため、午前と午後の作業を入れ替えるなどの工夫も実施しています。利用者の「出来る仕事が増えている」という声があるように、利用者の能力の向上につながっていることがうかがえます。
商品の自主生産にも積極的に取り組んでいて将来的な発展の要素を生み出しています
事業所における自主生産品として、コーヒー豆の焙煎、シフォンケーキやクッキーなどの食品の製造、また受注作業の合間の時間を活用して「さをり織り」の製造も行っています。これらの自主生産品は地域のイベントなどで販売の機会を得ています。特に、事業所の分室のHiwaHiwaで取り扱うコーヒー豆の焙煎は高品質な生産品として高い商品力があり、事業所の店頭販売のほか外部の事業者の協力も得てネット通販も行っていて、また、派生商品(フラワーセット、水出しコーヒー)も取り扱うようになって、将来性のある事業として期待できます。
品質管理を徹底し、納期を厳守することで、安定した受注と工賃を確保しています
事業所で取り扱う商品の特性上、衛生管理は特に重点的に対応しています。菓子箱の組み立て作業では「清潔維持と異物混入防止のためのチェック」を厳格にしていて、利用者が作業に就く朝の始業時、午前の休憩時、昼の休憩時、午後の休憩時の4回、手の爪・身だしなみの状態の確認、出血の有無の確認や衣類に付着した異物の拭き取り(粘着ロールの使用)を行い、さらに手袋の傷の有無、トイレの回数に至るまで細かくチェックしています。こうした取り組みが作業品質の維持・向上、納期の順守につながり、安定した受注と工賃の確保を実現しています。
【講評】
個人情報の使用例として「広報誌やホームページへの掲載など」を説明しています
個人情報の使用については契約時に説明し書面で同意を得ています。使用例として広報誌やホームページなどへの写真の掲載のほか、法人の祭りや区の就労支援・雇用促進フェア、相談支援事業所や医療機関等に必要な情報を提供する場合があります。事業所では運用規程に「業務上の情報の守秘義務」を明記するとともに独自の「職員服務」を作成していて、その中で服装や言葉遣いなどの留意点と併せて秘密保持について明記して、「外部への情報漏洩の禁止(退職後を含め)、事業所内外での不用意な会話など」の注意を呼び掛けています。
権利擁護規程などで人権について明確にし、利用者が拒否できる状態を維持しています
法人では権利擁護規程を定めて「利用者の同意に基づかない行為を強制しない」ことなどを明記し、利用者が「ノー」と言える状態を維持しています。利用者の生活や作業の進め方などを尊重する一方で、社会生活を営む上で必要となるマナーや作業の効率を高めるためのルールの順守の大切さなどを意識してもらうよう、朝礼で紹介することもあります。また、利用者の得意な分野についてケース会議等で話し合い、発揮できるようにしています。四半期の範囲でアセスメント⇒実作業⇒適性の確認⇒再アセスメントを繰り返して、より適切な作業を設定しています。
「障害者虐待の防止と対応時マニュアル」を策定し、虐待防止委員会を設置しています
事業所では「障害者虐待の防止と対応時マニュアル」を策定しています。虐待の定義や種類を具体例を示しながら紹介し、職員が判断する際のポイントや留意すべきこと、未然防止の取り組みとして相談や苦情を活かす仕組みやヒヤリ・ハット事例、第三者評価の活用なども整理していて、所内に所長が委員長を務める虐待防止委員会を設けています。また、利用者の羞恥心に配慮した対応として、更衣室やトイレを男女別々にし、着替えの介助などは同性職員が行っていますが、シャワーなどが必要な場合は隣接するグループの事業所の設備を借りています。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
法人では「危機管理」「災害時対応」などの安全管理関係のマニュアルを策定しています
法人では「危機管理マニュアル」「災害時対応マニュアル」などの安全管理の基本となるマニュアルを策定しています。前者は「行方不明時の対応、利用者の安全確保のための配慮、事故ケガの対応、感染症の対策と予防など」の対処・配慮事項などを定めていて、後者では「地震などの自然災害時の対応、平常時の対応など」を定めています。非常時の体制として所長もしくはサービス管理責任者のいずれかが事業所にいるようになっています。こうした法人のマニュアル類の改訂は法人内で定期的に検討され、事業所にはメールで変更が通知されます。
現在の作業には7種の受託作業と自主生産品の作業があります
現在の作業は「菓子箱折り、備品の仕分け、冊子の封入、部品の検品」などの7種の受託作業と「コーヒー焙煎、焼き菓子、さをり織り」などの自主生産の作業があります。受託作業は委託元から示される指示書に基づいて作業手順書を作成して、各利用者に説明しています。職員が作業全体を円滑に進めるための留意点を1枚のシートにまとめ、開始前のスペースや作業環境の確認、午前・午後の開始時の申し送り、途中の進み具合の確認、終了時の対応などを明確にしました。各作業の手順書は写真とコメントを併記し、分かりやすい内容にしています。
法人内で共通して使用できるサービス関係のマニュアル類の必要性を認識しています
事業所では、法人内で共通して使用できるサービス関係のマニュアル類の必要性を認識しています。また、職員自己評価では、業務の標準化の取り組みと併せて人材育成の仕組みがまだ不十分と認識している様子があります。統一的なマニュアル類を作成する取り組みは、人材育成のツールのひとつと考えられます。例えば、テーマを設定して「業務の棚卸と流れ、望ましい状態像、必要な技術・能力・経験、習熟度の評価方法など」をとりまとめ、「業務を覚える⇒覚えた内容をチェックする」「よりよい業務に見直す」ことに適用できるのではないでしょうか。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
このセクションは事業者によって更新される情報です。
評価情報
【評価実施期間】
2020年7月17日~2021年3月11日
評価結果のダウンロード
本ページの内容をPDFファイル形式でダウンロードできます。
【講評】
「こういう支援を目指す」ということを、活動などの振り返りの際に職員に伝えています
事業所が目指していることは事業計画書に法人のミッションとして掲載していて、所長は全職員が参加する職員会議で周知しています。法人のパンフレットやホームページにも、「私たちが目指すもの」として理念を3つの視点から分かりやすく解説しています。また、事業所内の要所に法人の経営理念や「私たちが目指すもの」を掲示することで、利用者や保護者、職員などに対していつでも思い起こすことができるようにしています。所長は職員会議などの場において、「こういう支援を目指す」ということを活動の振り返りなどの際に職員に伝えています。
経営層の役割と責任については、所長の考えるところを職員会議等で説明しています
経営層の役割と責任については、職員会議などにおいて所長から説明しています。所長や主任、サービス管理責任者、主任代行などの各職責・役割について、所長が考えるところを職員に伝えているとのことであり、各役職者の職責・役割を全職員が認識しておくことで信頼関係の醸成につながると考えます。職員調査結果をみると、「経営層が自らの役割と責任を職員に伝えているか」の問いの肯定割合は8割となっています。職務分掌などを簡潔な内容ででも文書化することで、職員の理解・認識がさらに高まるものと考えます。
重要な案件は、リーダー会議で作ったたたき台を基に職員会議で話し合い決定します
通常、重要な案件の意思決定は月1回の職員会議で行っていますが、会議のテーマとするため、事前に所長、主任・サービス管理責任者、主任代行の3人で構成するリーダー会議(月3回)でたたき台を準備しています。所長は、透明で風通しのよい職場づくりを目指して、さまざまな情報を全職員に周知・共有することを大切にしていて、リーダー会議で話し合った内容は職員会議や毎日の終礼の申し送り時に伝えるようにしています。職員調査結果では、「経営層は重要な意思決定の内容と経緯を周知しているか」の問いの肯定割合は7割となっています。